OpenWindows ユーザーズガイド (上級編)

バージョン 3.3 より前の OpenWindows 環境から移行する

バージョン 3.3 より前の OpenWindows を従来使用していて、バージョン 3.3 以降の OpenWindows に移行する場合は、この節を注意して読んでください。特にここでの説明は、OpenWindows バージョン 2 を使用していたユーザに当てはまります。

OPENWINHOME 環境変数

OpenWindows バージョン 3.3 より前の OpenWindows を使っている場合は、システムで OPENWINHOME 環境変数を使うよう、ユーザの環境を設定している可能性があります。OpenWindows バージョン 3.3 以降では、ユーザが自らコマンドを使ったり、起動ファイルに記述したりして、OPENWINHOME 環境変数を設定することはお勧めしません。

OPENWINHOME 環境変数は、openwin コマンドを実行すると自動的に /usr/openwin に設定されるため、ユーザが設定する必要はありません。

ホームディレクトリ内の .profile ファイルまたは .cshrc ファイルで OPENWINHOME 環境変数を設定している場合は、OpenWindows バージョン 3.3 以降を使う前に、該当行をコメントに変更するか削除します。

.profile ファイルまたは .cshrc ファイル内の OPENWINHOME 環境変数に関する行をコメントに変更したり削除したりする場合は、次の手順を実行します。

  1. vi などのテキストエディタを使って、.profile ファイルまたは .cshrc ファイルを開きます。

  2. 下記に示すように、変数名の前にポンド記号 (#) を挿入してコメントに変更するか、その行全体を削除します。

    .profile ファイルを編集するときは次の手順 a を、.cshrc ファイルを編集するときは手順 b を実行します。

    1. .profile ファイルの場合

      #OPENWINHOME=/usr/openwin
      

    2. .cshrc ファイルの場合

      #setenv OPENWINHOME /usr/openwin
      

  3. ファイルを保存してエディタを終了します。

.xinitrc ファイル

.xinitrc ファイルと /usr/openwin/lib/Xinitrc ファイルに関する重要な注意事項を次に示します。

  1. OpenWindows バージョン 2 環境では、openwin スクリプトは自動的に /usr/openwin/lib/Xinitrc を ホームディレクトリ内の .xinitrc というファイルにコピーしていました。OpenWindows バージョン 3.3 以降の環境では、このようなコピーは行われません。これは次の理由によります。

    1. ホームディレクトリ内に .xinitrc ファイルが存在しないと、openwin スクリプトはデフォルトの起動ファイルの /usr/openwin/lib/Xinitrc を使います。Xinitrc は、デフォルトのファイルを上書きします。

    2. OpenWindows バージョン 3.3 以降に付属の /usr/openwin/lib/Xinitrc ファイルをデフォルトとして使ってください。(ただし、OpenWindows バージョン 2 環境で .xinitrc ファイルに特別な変更を加えた場合は、この節の指示に従ってその内容を保持することもできます。)

  2. 複数の画面を使ってウィンドウシステムを実行する場合でも、複数の olwm インスタンスを起動する必要はありません。

適切な起動ファイルの使い方

OpenWindows バージョン 3.3 より前のバージョンの OpenWindows を使っている場合は、.xinitrc ファイルの状態を確認する必要があります。.xinitrc ファイルはホームディレクトリにある OpenWindows の起動ファイルで、ユーザが定義したオプションが入っています。

.xinitrc ファイルを確認するには、次のコマンドを入力します。

$ cd 
$ ls -a .xinitrc

上記のコマンドの出力結果に応じて、次のどれかを実行します。

起動ファイルの手順

  1. ホームディレクトリから .xinitrc ファイルを削除する場合は、次のコマンドを入力します。

    $ rm .xinitrc
    

  2. .xinitrc ファイルの変更内容を保持する場合は、次の手順を実行します。

    1. .xinitrc.xinitrc.save にファイル名を変更します。

      $ mv .xinitrc .xinitrc.save
      

    2. /usr/openwin/lib/Xinitrc をホームディレクトリ内の .xinitrc にコピーします。

      $ cp /usr/openwin/lib/Xinitrc $HOME/.xinitrc
      

    3. .xinitrc.save の中の保持したい行を .xinitrc の中に追加します。


      注意 - 注意 -

      .xinitrc ファイルを編集するときに、olwm をデュアル・フレームバッファ用などに追加したり、svenv を追加したり、/usr/openwin/lib/openwin-sys を含む行を削除したりしないよう注意してください。


ワークスペース・プロパティ

バージョン 3.3 より前の OpenWindows では、ワークスペース・プロパティメニューを使って、変更した内容はホームディレクトリの .Xdefaults ファイルに格納されていました。OpenWindows バージョン 3.3 以降でも、これらの変更内容は同じくホームディレクトリの .OWdefaults ファイルに格納されます。.Xdefaults ファイルも引き続き使えますが、.OWdefaults ファイルで設定したカスタマイズが優先されます。

.Xdefaults ファイルは、ワークスペース・プロパティメニューでは設定できないような補足的なカスタマイズだけに使います。たとえば、vi などのテキストエディタで .Xdefaults ファイルを編集すると、OpenWindows 以外のアプリケーションのカスタマイズや C プリプロセッサマクロを追加することができます。ワークスペース・プロパティメニューを使っても、.Xdefaults の設定内容に影響を及ぼしません。

.Xdefaults ファイルがホームディレクトリに存在し、何の変更も加えない場合は、.OWdefaults ファイルによる設定内容のほうが優先されるため、.Xdefaults ファイルを削除する必要はありません。

ワークスペースメニューのカスタマイズ

OpenWindows バージョン 3.3 以降では、ワークスペース・プロパティメニューを使ってワークスペースメニュー内のプログラムサブメニューをカスタマイズできます。OpenWindows バージョン 3.3 より前のバージョンでは、ホームディレクトリ内の .openwin-menu ファイルを編集することによってこのカスタマイズを行なっていました。


注 -

ホームディレクトリ内に .openwin-menu ファイルがない場合は、次の手順を実行する必要はありません。ワークスペース・プロパティメニューを使って、ワークスペースメニューをカスタマイズできます。


ホームディレクトリ内に .openwin-menu ファイルがある場合は、ワークスペース・プロパティメニューを使ってワークスペースメニューをカスタマイズできるように、次の手順を実行する必要があります。

.openwin-menu ファイル内で次の行を検索します。

"Programs"	MENU /usr/openwin/lib/openwin-menu-programs

この行を削除して次の行で置き換えます。

"Programs"	INCLUDE openwin-menu-programs

.openwin-menu ファイル内に削除や置換対象の行が存在しない場合は、上記に示した行を .openwin-menu ファイルに追加します。

上記の行を追加したり置き換えたりすると、デフォルトのプログラムサブメニューがワークスペースメニューに追加されます。この変更により、ワークスペース・プロパティメニューを使ってワークスペースメニューをカスタマイズできるようになります。

ワークスペースメニューに不要な項目がある場合は、.openwin-menu ファイルを編集して不要な項目に関連する行を削除します。