このマニュアルでは、ネットワーク情報サービス (NIS) のネームサービスを実行するサイトを、ネットワーク情報サービスプラス (NIS+) のネームサービスを実行するサイトに変換する方法を説明します。このマニュアルは、SolarisTM 8 システムおよびネットワーク管理マニュアルセットの一部です。
このマニュアルは、NIS から NIS+ へ移行したいと考えているシステム管理者とネットワーク管理者を対象としています。NIS+ の初期設定と構成については、『Solaris ネーミングの設定と構成』を参照してください。NIS+ のカスタマイズと詳しい管理方法については、『Solaris ネーミングの管理』を参照してください。
このマニュアルでは、NIS+ に関連するネットワーク概念について紹介しますが、ネットワークの基礎や Solaris 環境が提供する管理ツールについては説明しません。このマニュアルでは、読者がすでに管理ツールの使用方法を知っていて、使いやすいツールも選択していることを仮定して説明を進めます。
このマニュアルは、次の 6 つの章で構成されています。
第 1 章「概要」では、NIS と NIS+ の機能の違いと、推奨する移行方法の概要を説明します。
第 2 章「NIS+ 名前空間の設計」では、NIS+ の名前空間を設計する方法を説明します。
第 3 章「NIS+ セキュリティ基準の選択」では、NIS+ のセキュリティ機能と、この機能が管理と移行の計画に与える影響について説明します。
第 4 章「NIS 互換モードの使用方法」では、NIS クライアントと NIS+ クライアントを同時に使用する方法と、NIS+ サーバーを NIS 互換モードで使用する方法を説明します。
第 5 章「移行の準備」では、実際に移行を始める前に必要な作業を示します。
第 6 章「移行の実施」では、NIS から NIS+ へ移行するために必要なステップを示します。
NIS+ と DNS の詳細については、次のマニュアルを参考にしてください。
『Solaris ネーミングの設定と構成』- NIS+ 名前空間の計画、設定、構成の方法について説明しています。
『Solaris ネーミングの管理』 - NIS+ 名前空間の運用を管理する方法と、そのセキュリティレベルを変更する方法について説明しています。
専門書を扱うインターネットの書店 Fatbrain.com から、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、http://www1.fatbrain.com/documentation/sun の Sun Documentation Center をご覧ください。
http://docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索をおこなうこともできます。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が、適宜併記されています。
このマニュアルでは、「IA」という用語は、Intel 32 ビットのプロセッサアーキテクチャを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro、Pentium II、Pentium II Xeon、Celeron、Pentium III、Pentium III Xeon の各プロセッサ、および AMD、Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。