NIS+ は、要求が実行された場合に、その主体が人間なのかワークステーションなのかを区別できません。したがって、すべてのユーザー名は、同一の名前空間におけるマシン名と違うものでなければなりません。すなわち、一定の名前空間においては、ユーザーがマシン名と同じユーザー名を持つことができず、またユーザー ID と同じマシン名を付けることもできません。
たとえば、NIS 環境ではローカルマシンの名前が irina の場合も、ユーザーは irina というログイン名を使用できます。このユーザーのネットワークアドレスは、irina@irina となります。これは、NIS+ 環境では成立しません。サイトを NIS+ に変換する場合、ユーザーがログイン名を変更するか、あるいはユーザーのマシン名を変更する必要があります。同一のユーザー名とマシン名が存在する場合、その名前を持つマシンが同じ名前のユーザーに属していない場合でも問題となります。次に示す例は、NIS+ では無効となる重複した名前の例です。
同一名前空間における jane@jane
同一名前空間における patna@peshawar と rani@patna
この問題の一番の解決方法は、/etc 内のファイルすべてと NIS マップ をチェックしてから、 NIS+ テーブルを生成することです。重複している名前を見つけた場合は、ログイン名ではなくマシン名を変更し、後でマシンの元の名前の別名を作成してください。