NIS+ への移行

資源の利用度を調べる

実装にどの管理資源が必要かを調べます。これらの資源は、通常の NIS+ の操作に必要な資源をはるかに超えます。移行を行うときに、NIS+ と NIS の互換性が必要な期間が長期に及ぶ場合は、さらに資源が必要になります。

名前空間の設計を実装する作業だけでなく、多くのクライアントを移行して、特殊な要求や問題を処理する作業についても検討してください。このとき、NIS+ の習得にかなり時間がかかることを考慮に入れておいてください。NIS+ でサポート作業を行う場合、NIS で作業していたときとくらべて、しばらくの間、管理者の作業効率がやや低下する場合があります。このため、通常の教育だけでなく、実習経験をともなう上級コースの研修を受けることも検討してください。

さらに、移行が完了した後でも、管理者は、NIS+ をサポートするための毎日の作業に慣れるまでに若干の時間を要します。

ハードウェア資源についても検討してください。NIS サーバーは、経路指定、印刷、ファイル管理などの他のネットワークサービスをサポートするために使用されることがよくあります。NIS+ サーバーにかかる可能性のある負荷を考えて、専用の NIS+ サーバーを使用する必要があります。このように負荷を分散すると、障害追跡と性能監視が簡単になるため、移行が簡略化されます。もちろん、システムを追加するとコストがかかります。必要なサーバーの数と、その構成方法については、第 2 章「NIS+ 名前空間の設計」に説明があります。

これらのサーバーは、NIS サーバーの他に必要であることを忘れないでください。NIS サーバーは、移行が完了すると、必要なくなるか、あるいは他の用途で使用される場合がありますが、 NIS+ サーバーは引き続き使用されます。