SEA 製品に含まれている DMI に基づいた解決法は、いくつかの方法で使用できます。たとえば、DMI を SNMP サブエージェントとして扱うこともできます。さらに、SP と直接やりとりするように、DMI ベースの管理アプリケーションを記述することもできます。
SNMP サブエージェントモードでは、SNMP 要求は DMI 要求にマップされ、DMI SP と通信が行われます。ダイレクトモードでは、管理アプリケーションは、DMI を使って SP と直接通信できます。
図 5-1 に、DMI と Enterprise Agents との関係を表すアーキテクチャ全体を示します。
DMI SP は、DMI の核となるものです。管理アプリケーションとコンポーネントインストルメンテーションは SP を通じて通信を行います。SP は、管理アプリケーションから指定された構成要素に対する要求を調整したり、仲介したりします。SP は、コンポーネントインタフェース (CI) と管理インタフェース (MI) のランタイム管理を行います。ランタイム管理には、構成要素のインストール、MI レベルと CI レベルの登録、要求の順序管理と同期、CI のイベント処理、一般的なフロー管理やこれらの管理に必要なすべての動作などがあります。
図 5-2 に、1 つのシステム内に存在する要素、または直接接続されている要素を示します。管理アプリケーションは DMI のブラウザとしても使えます。
DMI SP は、次の 4 つのモジュールで構成されています。
SEA の MI の機能には、次のようなものがあります。
管理アプリケーションは、MI を介して DMI と通信を行います。管理アプリケーションは、DMI の Get、Set、および List コマンドを実行することによって、システム内の構成要素に関する情報を要求します。また、イベント通知と適正なフィルタ機能を SP に登録します。
イベントが生成されると、DMI SP は、その登録テーブルとフィルタテーブルを調べます。フィルタプロセスを通過したイベントは、DMI SP によって転送されます。イベントは、これらのイベントを受信できるように SP に登録されているすべての管理アプリケーションに転送されます。
構成要素は、CI を通じて DMI と通信を行います。構成要素のサブエージェントは、装置やアプリケーションなどのそれぞれの構成要素を管理するためにエンドユーザーによって作成されます。CI によって提供される機能には、次のようなものがあります。
イベントの送信 - コンポーネントインストルメンテーションは、SP にインジケーションブロックが送信され、処理されます。DMI マッパーは、DMI インジケーションを SNMP トラップに変換します。
構成要素は、DMI SP 要求に応じて、そのサブエージェントによってさまざまな属性値に対して Get や Set 処理を行います。
SEA の MIF データベースの機能には、次のようなものがあります。
SP には、1 つの MIF データベースが関連付けられています。それぞれの構成要素には、管理可能な特性を記述するための MIF ファイルがあります。構成要素がシステムに最初にインストールされるとき、MIF が MIF データベースに登録されます。SP は、MIF データベースへのすべてのアクセスを制御します。
MIF データベースに対する MIF の修正機構は提供されていません。MIF に変更が必要な場合は、インストールを解除してから標準のテキストエディタツールを使って変更してインストールし直す必要があります。
MIF データベースから MIF のインストールや削除を行う場合、SP によって、すべての登録された管理アプリケーションにインジケーションが発行されます。
DMI SP をインストールすると、起動時にスクリプトファイルが DMI SP を呼び出します。DMI SP は、次のようなオプションを使って起動されます。
dmispd [-h] [-c config_dir] [-d debug_level]
表 5-1 IDMI SP 呼び出しの引数
引数 |
定義 |
---|---|
-h |
コマンド行の使用方法を表示する |
-c confid_dir |
dmispd.conf 構成ファイルを含むディレクトリのフルパス |
-d debug_level |
デバッグモードでは、プロセスはデーモンとして動作せずに、表示画面にトレースメッセージを表示する。debug_level (1〜5) に応じて、特定の情報を印刷する |