ToolTalk ユーザーズガイド

ToolTalk デスクトップサービスメッセージセットの使用法

ToolTalk デスクトップサービスメッセージセットを使用することにより、アプリケーションは、ユーザーの介入なしで他のアプリケーションを統合および制御できます。この節では、デスクトップサービスメッセージセットの実行方法を示す 2 つのシナリオを説明します。

スマートデスクトップ

フロントエンドのグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) が、データファイルがアプリケーションに気づく (または「知っている」) ように要求するには、アプリケーションレベルのプログラムが、ユーザーの要求を翻訳する必要があります。このアプリケーションレベルのプログラム (「スマートデスクトップ」と言います) には、Solaris のファイルマネージャ、Apple 社の Macintosh ファインダ、Microsoft 社の Windows ファイルマネージャなどがあります。スマートデスクトップの主な共通要件は、次のとおりです。

  1. ファイルを取得する

  2. アプリケーションを決定する

  3. アプリケーションを起動する

ToolTalk サービスは、ツールのクラスが特定のデータ型を編集できるようにすることによって柔軟性を増します。次のシナリオでは、デスクトップサービスメッセージセットを、エンドユーザーに対して透過的なスマートデスクトップとして実行する方法を説明します。

  1. 「ファイルマネージャ」アイコンをダブルクリックします。

    ファイルマネージャが開き、カレントディレクトリ内のファイルが表示されます。

  2. データファイルのアイコンをダブルクリックします。

    1. ファイルマネージャは、アイコンで表現されるファイルの表示を要求します。また、「表示」メッセージ内のファイルタイプを符号化します。

    2. ToolTalk セッションマネージャは、登録されたアプリケーション (この場合はアイコンエディタ) に「表示」メッセージ内のパターンを照合して、デスクトップ上で実行中の、アプリケーションのインスタンスを見つけます。


      注 -

      ToolTalk セッションマネージャが、アプリケーションで実行中のインスタンスを見つけられない場合は、静的に定義した ptype を検査し、メッセージ内のパターンに最も一致するアプリケーションを起動します。一致する ptype がないと、ファイルマネージャに失敗を報告します。


    3. アイコンエディタは「表示」メッセージを受け取り、自分のアイコン化を解除し、自分を一番上に表示します。

  3. ファイルを手作業で編集します。

統合ツールセット

デスクトップサービスメッセージセットを実行できるもう 1 つの重要なアプリケーションは、「統合ツールセット」です。これらの環境は、垂直のアプリケーション (CASE ソフトウェア開発者用ツールセットなど) または水平の環境 (複合文書など) に適用できます。その両方のアプリケーションの共通点は、解決法全体が、1 つの特定のタスクをうまく実行するように設計されている専門のアプリケーション以外で構築されたという前提があることです。統合ツールセットアプリケーションには、テキストエディタ、描画パッケージ、ビデオディスプレイツール、オーディオディスプレイツール、コンパイラのフロントエンド、デバッガなどがあります。統合ツールセット環境には、相互に呼び出して対話し、ユーザーからの要求を処理するアプリケーションが必要です。たとえば、ビデオを表示するには、エディタがビデオディスプレイプログラムを呼び出します。また、完了コードのブロックを確認するには、エディタがコンパイラを呼び出します。次のシナリオでは、デスクトップサービスメッセージセットを統合ツールセットとして実行する方法を説明します。

  1. エディタを使用して複合文書を扱う作業をします。

    ソースコードテキストの一部を変更します。

  2. 「ソースコードテキスト」をダブルクリックします。

    1. 文書エディタは、まずソースコードを表すテキストを判定し、その後そのソースコードがどのファイルに入っているかを判定します。

    2. 文書エディタは、ファイル名をメッセージのパラメタとして使用し、「編集」メッセージ要求を送信します。

    3. ToolTalk セッションマネージャは、登録されたアプリケーション (この場合はソースコードエディタ) に「編集」メッセージ内のパターンを照合して、デスクトップ上で実行中のアプリケーションのインスタンスを見つけます。


      注 -

      ToolTalk セッションマネージャが、アプリケーションの実行中のインスタンスを見つけられない場合は、静的に定義した ptype を検査し、メッセージ内のパターンに最も一致するアプリケーションを起動します。一致する ptype がないと、文書エディタアプリケーションに失敗を報告します。


    4. ソースコードエディタが「編集」メッセージ要求を受け取ります。

    5. ソースコードエディタは、ソースコードファイルが構成制御を受けていることを判定し、ファイルを検査するためのメッセージを送信します。

    6. そのメッセージをソースコード制御アプリケーションが受け取り、要求されたファイルの読み取りまたは書き込み用コピーを作成します。その後、ファイル名をソースコードエディタに戻します。

    7. ソースコードエディタは、ソースファイルが入っているウィンドウを開きます。

  3. ソースコードテキストを編集します。