ToolTalk 文書メディア交換メッセージセットは、非常に柔軟性があり、強力です。この節では、次のような ToolTalk 文書メディア交換メッセージセットの 3 つのアプリケーションについて説明します。
マルチメディアとオーサリングアプリケーションの統合
既存のアプリケーションへのマルチメディア拡張機能の追加
メディア変換機能による「X」の「カット&ペースト」機能の拡張
マルチメディア機能をアプリケーションに統合することによって、アプリケーションのユーザーは、さまざまなメディアの型をそれらの文書に埋め込むことができます。
通常、メディアオブジェクトを表すアイコンは、文書に埋め込まれます。埋め込まれたオブジェクトを選択すると、ToolTalk サービスは自動的に適切な外部メディアアプリケーションを起動し、オブジェクトは次のように処理されます。
マルチメディアオブジェクトが入っている文書を開きます。
ウィンドウが、さまざまなメディアの種類 (音声、画像、グラフィックスなど) を表す複数のアイコンで文書を表示します。
音声アイコンをダブルクリックします。
音声アプリケーション (「プレイヤ」と呼びます) が起動され、録音済みの音声が再生されます。
録音状態を編集するために、アイコンを 1 回クリックして選択し、3 番目のマウスボタンを使用して「編集」メニューを表示します。
編集アプリケーションが起動され、メディアオブジェクトを編集します。
ToolTalk 文書メディア交換メッセージセットによって、アプリケーションは他のマルチメディアアプリケーションを使用して、その機能または性能を拡張することもできます。たとえば、次に示すように、カレンダマネージャを拡張して、オーディオツールを使って音声ファイルをアポイントメントの覚え書きとして再生することもできます。
自分のカレンダマネージャを開いて、アポイントメントを設定します。
音声応答ボタンをクリックすると、サウンドツールが表示されます。
たとえば、「レポートを持ち返る」というメッセージを記録します。
アポイントの覚え書きを実行すると、カレンダマネージャはオーディオツールを起動し、録音した覚え書きを再生します。
ToolTalk 文書メディア変換メッセージセットは、拡張可能な無制限の変換機能をサポートできます。次に、拡張可能なマルチメディアの「カット&ペースト」機能の動作を示します。
メディア型の異なる 2 つの文書を開きます。
「文書 A」の一部分を選択し、標準の「X」Window System の「カット」機能を使用してその部分を切り取ります。
カットした部分を「文書 B」に貼り付けます。
「文書 B」は、カットしたデータの転送について「文書 A」と折衝します。
文書 Aが提供するデータのどの型についても「文書 B」が認識しない場合、「文書 B」は「タグ付きメディア型」を要求します。「文書 B」は、タグ付きメディア型を使用して、そのメディア型を認識可能なメディア型へ変換するように要求する ToolTalk メッセージを送ります。
登録されている変換ユーティリティはその要求を受け、変換された後のバージョンのメディア型を「文書 B」へ返します。
変換されたデータの「文書 B」へのペーストが実行されます。