共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド

標準でサポートされるドロップ領域

共通デスクトップ環境で標準でサポートされるドロップ領域は、フロントパネルのコントロール、開いたウィンドウ、およびファイル・マネージャ内のフォルダ、アクション、および一部の他のアイコンです。ドロップをサポートしていないアイコン化されたアイコンやファイル・マネージャ・アイコンへのドロップは、共通デスクトップ環境ではサポートされていません。

フロントパネル

フロントパネルは、ユーザにとってアクセスが簡単に、素早く行えるようにするためにまとめられた、コントロールやその他の機能を集めたものです。このため、そのドラッグ&ドロップ動作は出力先のコンテキストに強く依存します。たとえば、出力先がプリンタの場合は印刷を行います。出力先がサブパネルの場合はインストールを行います。大部分のアプリケーションは、フロントパネルほど広い範囲の動作を持っていません。

ファイル・マネージャ

ユーザは、共通デスクトップ環境のファイル・マネージャを使用して、デスクトップにアイコンをドロップできます。デスクトップ上のアイコンはリファレンスになります。リファレンスの作成と、その結果の動作には、共通デスクトップ環境の将来のユーザ・モデルとの一貫性はありません。ユーザ・モデルとアーキテクチャの仕様がさらに定められるまで、開発者がデスクトップにドロップを行なったり、ファイル・マネージャの動作をコピーしたりすることは勧められません

ファイル・マネージャのウィンドウ内では、共通デスクトップ環境 1.0 のフォルダとアクション・アイコン以外のアイコンへドロップできます。たとえば、メールのメッセージ・アイコンをメールのコンテナ・アイコンにドロップすると、メールのメッセージを追加します。

メールのメッセージやカレンダのアポイントや他のバッファがソースとなるアプリケーションからドラッグされ、ファイル・マネージャにドロップされるときには、名前を付ける必要があります。基本の API は、ドラッグされる項目の名前フィールドをサポートしています。この名前はバッファの名前として使用されます。この名前は、元のアプリケーションと一貫性がある方法で決定されなければなりません。ファイル・マネージャにテキスト選択をドロップする場合のように適切な名前がない場合は、ファイル・マネージャは結果として作られるファイルを「unnamed」という名前にします。名前の重複が起こる場合、ファイル・マネージャはダイアログ・ボックスを表示して、ドロップされるファイル名を変更するかどうかをユーザに問い合わせます。

ドロップ専用ターゲットは存在しない

共通デスクトップ環境では、ドロップ用にしか使用されない特定のコントロールあるいはグラフィカル・ターゲットという概念はサポートされていません。ヒューマン・インタフェースの中の、選択可能な項目を持つ任意のコントロールは、その上にドロップできなければならず、またドロップ領域フィードバックを提供しなければなりません。これには、データ区画、スクロール・リスト、およびテキスト入力フィールドが含まれます。ドロップの際に起こる操作には、そのアプリケーション・タイプに関してユーザが抱く期待との一貫性がなければなりません。