アプリケーションまたはプロバイダがイベントを記録するように設定すると、イベントはログファイルに書き込まれます。ログ記録はすべて、パス /usr/sadm/wbem/log に格納されます。ログファイルは、次の命名規則を使用します。
wbem_log.#
# は、ログファイルのバージョンを示すために付加される番号です。.1 が付いたログファイル (例: wbem_log.1) は、最も新しいバージョンです。.2 が付いたログファイルは、その次に新しいバージョンです。拡張子が大きいファイル (例: wbem_log.16) は、バージョンが古いことを示します。最も新しいバージョンのファイル、それ以前のバージョンのファイルとも、/usr/sadm/wbem/log 内に 1 つのアーカイブとして同時に存在します。
次の状況の 1 つが発生する場合、ファイル拡張子 .1 によるログファイルの名前変更および、保存が行われます。
現在のファイルが、Solaris_LogServiceProperties クラスによって指定されたファイルサイズ限度に達した。デフォルト値は wbemService.properties ファイルに設定されている
Solaris_LogServiceProperties クラスのプロパティによるログファイルの使用方法の制御については、「ログファイルの規則」を参照してください。
Solaris_LogService クラスの clearLog() メソッドが、現在のログファイルに対して呼び出された
Solaris_LogService クラスとそのメソッドの詳細は、「Solaris_LogService」を参照してください。
Solaris_LogServiceProperties クラスは、Solaris_Core1.0.mof で定義されています。Solaris_LogServiceProperties クラスには、次のログファイル属性を制御するプロパティがあります。
ログファイルが記録されるディレクトリ
ログファイル名
ログファイルに許可されるサイズ。このサイズに達すると、/usr/sadm/wbem/log でファイル拡張子 .1 によるログファイルの名前変更、保存、およびアーカイブが行われる
アーカイブ内に格納できるログファイルの数
SysLog (Solaris オペレーティング環境のデフォルトのロギングシステム) にログデータを書き込む機能
データをログファイルに書き込むアプリケーションにこれらの属性のどれかを指定するには、Solaris_LogServiceProperties の新しいインスタンスを作成し、その関連プロパティの値を設定します。新しいインスタンスのプロパティ値を設定する方法については、例 5-14 を参照してください。
ロギングサービスは、一般的なログ記録として、アプリケーションログ、システムログ、およびセキュリティログの 3 種類を提供しています。ログ記録は、通知用のメッセージのことも、エラーまたは警告を記述したデータのこともあります。ログに表示できる標準のフィールドがデータに定義されていますが、ログはすべてのフィールドを使用するとは限りません。たとえば、通知用のログではイベントについて説明した簡単なメッセージが示され、エラーログでは詳細なメッセージが示される場合があります。
ログデータフィールドの中には、CIM Repository 内のデータを識別するものがあります。これらのフィールドは、Solaris_LogRecord クラス内の読み取り専用のキー修飾子が付けられたプロパティです。これらのフィールドの値は設定できません。ログファイル内の次のフィールドの値は設定できます。
Category - ログ記録の種類
Severity - ログファイルに記録されたデータの原因となった状況の重大度
AppName - データを出したアプリケーションの名前
UserName - ログデータが生成された時にそのアプリケーションを使用していたユーザーの名前
ClientMachineName - ログデータを生成した状況が起きたコンピュータの名前
ServerMachineName - ログデータを生成した状況が起きたサーバーの名前
SummaryMessage - 状況を説明する簡単なメッセージ
DetailedMessage - 状況を説明する詳しいメッセージ
data - ログメッセージの解釈のためにアプリケーションとプロバイダが提示できる背景情報