ホットスペア集合は、ホットスペアの順序付きリスト (集合) です。
ホットスペアを複数のホットスペア集合に登録することで、最小限のスライスで最大限の安全性を実現することができます。ホットスペア集合は、いくつのサブミラーや RAID5 メタデバイスにでも割り当てることができます。
1 つのホットスペア集合を複数のサブミラーや RAID5 メタデバイスに割り当てることができますが、1 つのサブミラーや RAID5 メタデバイスは 1 つのホットスペア集合にしか割り当てることができません。
エラーが発生すると、DiskSuite は交換対象のスライスと同じか、それより大きなサイズを持つホットスペアをホットスペア集合で検索します。ホットスペアが見つかると、DiskSuite はそのホットスペアの状態を「使用中」に変更して、データを自動的に再同期させます。ミラーの場合には、正常なサブミラーのデータが再同期に使用されます。 RAID5 メタデバイスの場合には、 RAID5 メタデバイスの他のスライスのデータが再同期に使用されます。ホットスペア集合で適切なサイズのホットスペアが見つからない場合には、サブミラーや RAID5 メタデバイスはエラー状態に入ります。サブミラー障害の場合には、そのスライスに入っていたデータを複製することはできません。 RAID5 メタデバイスの場合には、データの冗長性が失われます。
ホットスペア集合には、hspnnn という形式の名前が付けられます。nnn には 000 〜 999 の数字が入ります。
空のホットスペア集合を作成しておいて、後で空きスライスを利用できるようになってから、ホットスペアを追加することができます。
ホットスペア集合の最大数は 1,000 個です。
ホットスペアとして使用できるデバイス
ホットスペアとして使用できるデバイスは、物理デバイスのみです。メタデバイスをホットスペアとして使用することはできません。
サブミラーや RAID5 メタデバイスのスライスがエラー状態に入ると、関連付けられているホットスペア集合からホットスペアが選択されて、不良スライスの代わりに使用されます。DiskSuite は、不良スライスと同じか、それより大きなホットスペア (リストで最初に検索されたもの) を使用します。
DiskSuite は、ホットスペア集合に登録された順序でホットスペアを検索し、サイズの条件を満たす最初に見つかったホットスペアを使用します。したがって、ホットスペア集合に登録する際には、不必要に大きなホットスペアが選択されないように、小さなホットスペアを先に登録しておきます。
ホットスペアのサイズは、ホットスペア集合を関連付けるサブミラーまたは RAID5 メタデバイスの最小スライスのサイズ以上でなければなりません。サブミラーや RAID5 メタデバイスでスライス障害が発生しても、適切なサイズのホットスペアが見つからなければ、スライスの交換は行われません。
ホットスペア集合を通常のストライプメタデバイスに関連付けることはできません。ホットスペア集合を関連づけられるのは、サブミラーまたは RAID5 メタデバイスのみです。
利用可能なホットスペア集合がない場合
ホットスペア機能を使用するためには、「使用可能」とマークされたホットスペアが残っていなければなりません。ホットスペア集合のすべてのホットスペアが「使用中」とマークされている場合には、新しいホットスペアを追加するか、現在ホットスペアで置き換えられている不良スライスを修理してサービスに復帰させてください。
1 面ミラーにホットスペア集合を割り当ててはいけません。1 面ミラーのスライスが故障しても、ホットスペアで置き換えることはできません。このようなメタデバイスでは、不良スライスと置き換えたホットスペアでデータを再構築するためのコピーが存在しないからです。
ホットスペアを異なるコントローラ上に定義する理由
コントローラのエラーや障害が発生したときでもホットスペアを利用できるようにするため、ホットスペアは異なるコントローラ上に定義しなければなりません。