Solstice DiskSuite 4.2.1 リファレンス

第 4 章 DiskSuite ツール

この章では、DiskSuite のグラフィカルユーザーインタフェースである DiskSuite ツールについて解説します。コマンド行インタフェースについての説明は、マニュアルページを参照してください。

次の表を参考にして、必要な箇所を探してください。

DiskSuite ツールの概要

DiskSuite ツールは、DiskSuite 構成を設定および管理するためのグラフィカルユーザーインタフェースです。DiskSuite ツールは、DiskSuite のオブジェクト (メタデバイス、ホットスペア、およびディスクスライス) をグラフィカルに表示します。DiskSuite ツールでは、DiskSuite のオブジェクトをドラッグ&ドロップ方式で操作することによって、ディスクを構成したり、既存の構成を変更することができます。また、メタデバイスや物理デバイスのパフォーマンスに関する情報も提供します。

DiskSuite は、物理デバイスとメタデバイスの両方をグラフィカルに表示し、記憶装置の管理を容易にします。DiskSuite では、特定の SPARCstorage Array 管理手続きを実行することもできます。

DiskSuite ツールを起動するには、スーパーユーザーになって次のコマンドを実行します。


# /usr/sbin/metatool [-s <ディスクセット名>] &

詳しい説明は、metatool(1M) コマンドのマニュアルページを参照してください。

DiskSuite ツールとコマンド行インタフェース

DiskSuite ツールとコマンド行インタフェースでは、提供する機能がわずかに異なる場合があります。特定の操作 (ディスクセットの作成など) はコマンド行インタフェースを使用しなければなりません。反対に、DiskSuite ツールでしか行えない操作もあります。表 4-1に、DiskSuite とコマンド行インタフェースを使用して行う作業をまとめます。

表 4-1 DiskSuite ツールとコマンド行インタフェース

機能 

DiskSuite ツール 

コマンド行インタフェース 

ディスクセットへのディスクの追加と削除 

実行できない 

実行できる 

ディスクセットへのホストの追加と削除 

実行できない 

実行できる 

ディスクセットの作成と削除 

実行できない 

実行できる 

メタデバイス名の切り替え (メタデバイス名の変更は DiskSuite ツールでもコマンド行インタフェースでも可能) 

実行できない 

実行できる 

メタデバイスパフォーマンスの監視 

実行できる 

実行できないが、iostat(1M) コマンドを使用できる

SPARCstorage Array の管理

実行できる 

実行できないが、ssaadm(1M) コマンドで多くの機能をかわりに実行できる

DiskSuite ツールでのマウスの使用

表 4-2 に、DiskSuite ツールでのマウスの使い方をまとめます。

表 4-2 DiskSuite ツールでのマウスの使い方

ボタン 

機能 

SELECT (デフォルトは左ボタン) 

シングルクリックでオブジェクトを選択します。Control キーを押しながら左ボタンをクリックすると、複数のオブジェクトを選択できます。選択されているオブジェクトを Control キーを押しながら左ボタンでクリックすると、オブジェクトの選択を解除できます。左ボタンを押したままマウスを動かすと、オブジェクトをドラッグできます。 

ADJUST (デフォルトは中央ボタン) 

オブジェクトをドラッグし、選択したままにします。オブジェクトが選択されていない場合には、オブジェクトをドラッグします。オブジェクトをドラッグしたら、適切なターゲットにドロップできます。ターゲットが適切ではない場合には、ポインタをターゲットに合わせたときに"No"を表わす国際図形が表示されます。 

MENU (デフォルトは右ボタン) 

メニューバーのタイトルにポインタを合わせている場合には、プルダウンメニューを表示します。キャンバス上のオブジェクトにポインタを合わせている場合には、ポップアップメニューを表示します。 

DiskSuite ツールの画面

「メタデバイスエディタ」ウィンドウ

DiskSuite ツールを起動すると、図 4-1に示す「メタデバイスエディタ」ウィンドウが表示されます。

図 4-1 DiskSuite ツールの「メタデバイスエディタ」ウィンドウ

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「メタデバイスエディタ」ウィンドウは、DiskSuite ツールのメインウィンドウで、DiskSuite ツールの他の機能はこのウィンドウからアクセスします。「メタデバイスエディタ」ウィンドウの各部について以下に説明します。


注 -

特定の状況において使用できないメニュー項目やユーザーインタフェース要素は、グレー表示されます。



注 -

DiskSuite ツールで「ツール」メニューを表示するように構成を設定することができます (『Solstice DiskSuite 4.2.1 ユーザーズガイド』または metatool-toolsmenu(4) マニュアルページを参照) 。「ツール」メニューを使用すると、AdminSuiteTM やストレージマネージャなどのアプリケーションを DiskSuite ツールから起動することができます。



注 -

「確定」ボタンや「キャンバスから移動」ボタンをクリックする前に、オブジェクトを選択しておかなければなりません。


「ディスク表示」ウィンドウ

図 4-3 に示す「ディスク表示」ウィンドウは、メタデバイスと物理デバイスとの対応を表示し、スライスの場合はドラッグ&ドロップのソース、メタデバイスの場合はドラッグ&ドロップのターゲットとして機能します。「ディスク表示」ウィンドウの各部を説明します。

図 4-3 「ディスク表示」ウィンドウ

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注 -

DiskSuite ツールで「ツール」メニューを表示するように構成を設定することができます (『Solstice DiskSuite 4.2.1 ユーザーズガイド』または metatool-toolsmenu(4) マニュアルページを参照) 。「ツール」メニューを使用すると、AdminSuiteTM やストレージマネージャなどのアプリケーションを DiskSuite ツールから起動することができます。


図 4-4 ドロップ領域の色の部分

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メタデバイスオブジェクトをドロップ領域の色の部分にドロップすると、そのメタデバイスオブジェクトに色が割り当てられます。その色は「ディスク表示」ウィンドウのキャンバスに表示されるため、物理デバイスと論理デバイスのマップを見ることができます。

各ドロップ領域には、ポップアップメニューがあり、次の 2 つのメニュー項目を提供します。

次の X リソースファイルを編集すれば、ドロップ領域の 8 つの色を変更することができます。(ja ロケールの場合:/usr/lib/lvm/X11/ja/app-defaults/Metatool、C ロケールの場合:/usr/lib/lvm/X11/app-defaults/Metatool)。このファイルには、metatool(1M) コマンドが使用するすべての X リソースのリストが入っています。このファイルの編集方法についての説明は、『Solstice DiskSuite 4.2.1 ユーザーズガイド』を参照してください。

モノクロモニターの場合は、黒のドロップ領域のみが表示されます。

図 4-5 ディスク表示オブジェクト

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図 4-6 ディスク表示パン領域

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パン領域の内部を SELECT ボタンでクリックすると、表示領域が変更されます。黒い矩形にポインタを合わせて、ADJUST ボタンを押したままドラッグすると、表示領域を任意の場所へ移動することができます。

「統計情報グラフ」ウィンドウ

図 4-7 に「統計情報グラフ」ウィンドウを示します。「統計情報グラフ」ウィンドウは、各デバイスの統計情報をグラフにして表示するビジュアルログとして機能します。このウィンドウは、iostat(1M) コマンドインタフェースが報告する情報の一部を表示します。DiskSuite ツールのいずれかのウィンドウから、メタデバイスやディスクを「統計情報グラフ」ウィンドウまでドラッグすることができます。対象となるウィンドウは、「メタデバイスエディタ」ウィンドウのキャンバスとオブジェクトリスト、「スライス」ウィンドウ、および「ディスク表示」ウィンドウです。以下に、「統計情報グラフ」ウィンドウについて説明します。

図 4-7 「統計情報グラフ」ウィンドウ

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「統計情報グラフ」ウィンドウにデバイスを追加すると、ボタンバーが表示されます。キャンバスに別のデバイスを続けて追加すると、コントロール領域とグラフと一緒に別の行に表示されます。図 4-8 に、メタデバイスの統計グラフを表示した「統計情報グラフ」ウィンドウを示し、その下に各ボタンを説明します。

図 4-8 メタデバイスの統計グラフを表示した「統計情報グラフ」ウィンドウ

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情報ウィンドウ

DiskSuite ツールには、次の情報ウィンドウがあります。

「ディスク情報」ウィンドウ

「ディスク表示」ウィンドウのキャンバスでディスクオブジェクトにポインタを合わせて MENU ボタンをクリックすると、情報ウィンドウを開くためのメニューが表示されます。図 4-9 に示す読み取り専用の「ディスク情報」ウィンドウは、ディスクとスライスについての情報を提供します。

図 4-9 ディスク情報ウィンドウ

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表 4-3 に、「ディスク情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-3 「ディスク情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス名 

デバイス名 (例:c0t3d0) 。

状態 

「正常」、「予約済み」 (他のホストによってディスクが予約されている場合) 、「動作不能」、「回転停止」 (SPARCstorage Array でディスクが停止している場合) のいずれかで報告されます。

種類 

/etc/format.dat ファイルに登録されているディスクの種類 (例:SUN0535、SUN1.05、DEFAULT) 。

使用率 

メタデバイス、メタデバイス状態データベースの複製、またはマウントされたファイルシステムとして現在使用されているディスクの割合。 

容量 

使用可能なディスクの容量。この容量は、ディスクの全容量から、状態データベースの複製およびディスクラベル用の領域を差し引いたものになります。 

未割り当て領域 

使用できるディスク領域の割合。 

サイズ 

「スライス」領域の「サイズ」の列に表示されるサイズの単位を変更するためのポップアップメニュー。指定できる単位は、「G バイト」、「M バイト」、「K バイト」、「セクター」、「シリンダ」のいずれかです。デフォルトは「M バイト」です。 

利用開始 

停止しているディスクを起動するためのボタン (DiskSuite ツールは、SPARCstorage Array ディスクに対してのみディスク状態を表示します。SPARCstorage Array ディスクの下に下向きの矢印が表示されている場合、そのディスクは現在停止しています) 。

利用停止 

ディスクを停止するためのボタン (DiskSuite ツールは、SPARCstorage Array ディスクに対してのみディスク状態を表示します) 。

コントローラ情報 

「コントローラ情報」ウィンドウを表示します (図 4-20を参照) 。

デバイスマップ 

「物理デバイスから論理デバイスへのマッピング」ウィンドウを表示します (このウィンドウの表示中に新しいマップが作成されても、ウィンドウの内容はリアルタイムには更新されません) 。 

スライス表示 

スライス表示を拡大表示するかどうかを指定するトグルボタン。このボタンのかっこ内には、ディスク上でサイズが 0 ではないスライスの数が表示されます。 

スライス情報 

選択されているスライスの「スライス情報」ウィンドウを表示します。スライスを選択するには、ポインタをスライス領域に合わせて SELECT ボタンをクリックします。複数のスライスを選択するには、Control キーを押したままで各スライス領域をクリックするか、SELECT ボタンを押したままでマウスをドラッグしてスライス領域を選択します。 

表 4-4 に、SPARCstorage Array 専用の機能を示します。

表 4-4 SPARCstorage Array 専用の「ディスク情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

製造元 

製造元の名前を表示します。 

製品の ID 

製品の識別 (ID) 番号を表示します。 

ファームウェアの Rev 番号 

ファームウェアの Rev 番号情報を表示します。 

高速書き込み

高速書き込みまたは同期高速書き込みをオンまたはオフにします。 

「スライス情報」ウィンドウ

図 4-10 に示す「スライス情報」ウィンドウは、特定のスライスに関する情報を表示します。このウィンドウは、3 とおりの方法で表示できます。

図 4-10 「スライス情報」ウィンドウ

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表 4-5 に、「スライス情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-5 「スライス情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス名 

デバイス名 (例:c0t3d0s5) 。

状態 

「正常」、「再同期中」、「有効」、「重大な障害」、「交換済み」、「緊急」、「注意」のいずれかで報告されます。 

サイズ 

スライスの合計サイズ。 

開始ブロック 

スライスが開始するブロック。スライスがラベルを持っている場合には、ラベルに関する情報もこのフィールドに表示されます。 

終了ブロック 

スライスが終了するブロック。 

使用状況 

スライスの現在の使用状況 (ファイルシステムや swap など) 。スライスがホットスペアとして使用されている場合は、「使用状況」フィールドの右側に「ホットスペア集合を表示」ボタンが表示されます。このボタンは、スライスが関連付けられているホットスペア集合のリストを表示するダイアログボックスを開きます。

複製の数 

スライスに格納されている複製の数。 

有効 

スライスを有効にします。このボタンは、スライス上のデータがミラーまたは RAID5 メタデバイスで複製されているか、もしくはスライスが現在使用されていないホットスペア集合である場合にのみ使用できます。 

ディスク情報 

「ディスク情報」ウィンドウを開きます。 

デバイスマップ 

「物理デバイスから論理デバイスへのマッピング」ウィンドウを表示します (このウィンドウの表示中に新しいマップが作成されても、ウィンドウの内容はリアルタイムには更新されません) 。 

「デバイス統計情報」ウィンドウ

図 4-11 に示す「デバイス統計情報」ウィンドウは、特定のメタデバイスまたは物理ディスクに関する統計情報のスナップショットを表示します。このウィンドウは、2 とおりの方法で表示できます。

図 4-11 「デバイス統計情報」ウィンドウ

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表 4-6 に、「デバイス統計情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-6 「デバイス統計情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス 

デバイス名 (例:d0) 。

情報 

デバイスの情報ウィンドウを表示します。 

Raw スループット 

読み取りスループット、書き込みスループット、および総スループットの 1 秒あたりの平均値。 

計算で求めた値 

平均待ち行列長、平均サービス時間、待ち状態となる確率、および負荷。 

統計情報グラフ表示ウィンドウへのデバイス追加 

デバイスを「統計情報グラフ表示」ウィンドウに追加します。グラフに追加する統計情報を選択するまでは、グラフ領域は空白のままとなります。デフォルトは「ビジー率」。 

更新 

統計情報を更新します。 

「連結情報」ウィンドウ

図 4-12 に示す「連結情報」ウィンドウを表示するには、3 とおりの方法があります。

図 4-12 「連結情報」ウィンドウ

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表 4-7 に、「連結情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-7 「連結情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス名 

連結のメタデバイス名。デバイスがキャンバスに表示されていない状態では、新しい名前を入力して「接続」ボタンをクリックすれば、メタデバイス名を変更できます。 

状態 

連結の状態の説明。 

サイズ 

連結のサイズ。 

使用状況 

連結の現在の使用状況 (サブミラーなど) 。 

ホットスペア集合 

この連結に関連付けるホットスペア集合の名前を指定するためのフィールド。ホットスペア集合を関連付けるには、このフィールドに名前を入力して「接続」ボタンをクリックします。ホットスペア集合名を入力して「情報」ボタンをクリックすると、「ホットスペア集合情報」ウィンドウが表示されます。 

ストライプ表示 

このトグルボタンは、ストライプ操作領域の表示のオンとオフを切り替えます。このボタンのかっこ内には、連結に含まれるストライプの数が表示されます。 

ストライプ操作領域 

この領域には、以下の要素があります。 

ストライプリスト - 連結に含まれる各ストライプのサイズと状態。

接続 - 連結に、新しい空白のストライプを接続する。

削除 - 選択されているストライプを連結から削除する。

情報 - 選択 (ハイライト表示) されているストライプの「ストライプ情報」ウィンドウを表示する。

「ストライプ情報」ウィンドウ

図 4-13 に示す「ストライプ情報」ウィンドウを表示するには、3 とおりの方法があります。

図 4-13 「ストライプ情報」ウィンドウ

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表 4-8 に、「ストライプ情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-8 「ストライプ情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス名 

ストライプのメタデバイス名 (例:d18 のストライプ 0) 。

状態 

ストライプの状態の説明。 

サイズ 

ストライプのサイズ。 

飛び越し値の設定領域 

デフォルトの飛び越し値は 16 K バイト。飛び越し値を変更するには、「カスタマイズ」ボタンをクリックしてから、フィールドに値を入力します。フィールドの右側にあるメニューボタンを使用すると、飛び越し値の単位を指定することができます。指定できる単位は、「G バイト」、「M バイト」、「K バイト」、「セクター」の 4 種類です。デフォルトは「K バイト」。「カスタマイズ」フィールドに値を入力したら、「接続」ボタンをクリックして、新しい飛び越し値をストライプに適用します。ストライプが確定した後は、飛び越し値を変更することはできません。

スライス表示 

このトグルボタンは、スライス操作領域の表示のオンとオフを切り替えます。このボタンのかっこ内には、ストライプに含まれるスライスの数が表示されます。 

スライス操作領域 

この領域には、以下の要素があります。 

スクロールリスト - ストライプに含まれるスライスを表示します。表示される情報は、スライスの名前、サイズ、スライス上の状態データベースの複製の数、および状態です。

有効 - 選択されているスライスが無効であれば有効にします。

除去 - 選択されているスライスを除去します。

スライス - ストライプに新しいスライスを追加するか、選択されているスライスを交換します。スライスが選択されていない状態では、このボタンは使用できません。

接続 - 「スライス」フィールドで指定されているスライスをストライプに接続します。このボタンは、「スライス」フィールドに名前が入力されている状態でのみ有効になります。

交換 - 選択されているスライスを、「スライス」フィールドで指定されているスライスと交換します。このボタンは、「スライス」フィールドに名前が入力されていて、スクロールリストでスライスが選択されている状態でのみ有効になります。

情報 - 選択 (強調表示) されているスライスの「スライス情報」ウィンドウを表示します。

「ミラー情報」ウィンドウ

DiskSuite では、ミラーのパフォーマンスを最適化するためのオプションをいくつか提供しています。これらのオプションは、ミラーの読み書きオプションと、リブート時のミラーの再同期順序を指定します。図 4-14 に示す「ミラー情報」ウィンドウでは、これらの情報や他のオプションを設定することができます。「ミラー情報」ウィンドウを表示するには、3 とおりの方法があります。

図 4-14 「ミラー情報」ウィンドウ

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ミラーオブジェクトを確定するまでは、オプションの変更内容は有効になりません。

表 4-9 に、「ミラー情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-9 「ミラー情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス名 

ミラーのメタデバイス名。デバイスがキャンバスに表示されていない状態では、新しい名前を入力して「接続」ボタンをクリックすれば、メタデバイス名を変更できます。 

状態 

ミラーの状態の説明。 

サイズ 

ミラーの合計サイズ。 

使用状況 

ミラーの現在の使用状況 (ファイルシステム、swap、共有ログなど) 。共有ログとして使用されている場合には、「トランスを表示」ボタンが表示されます。このボタンをクリックすると、ミラーを共有しているトランスデバイスを表示する「共有状況」ウィンドウが開きます。 

サブミラー表示 

このトグルボタンは、サブミラー操作領域の表示のオンとオフを切り替えます。このボタンのかっこ内には、ミラーに含まれるサブミラーの数が表示されます。 

パス

このボタンをクリックすると、ミラーに 0 〜 9 のパス番号を割り当てることができます。パス (再同期) 番号は、システムのリブート時にミラーが再同期される順序を指定します。デフォルトのパス番号は 1。パス番号が小さいミラーほど先に再同期されます。0 を指定すると、そのミラーの再同期は省略されます。パス番号の 0 は、読み取り専用としてマウントされているミラーに対してのみ設定してください。同じパス番号のミラーは同時に再同期されます。 

読み取り オプション

ミラーには、「ラウンドロビン (巡回的)」、「ジオメトリック (幾何学的な配置順)」、「先頭のディスクから」の 3 つの読み取りオプションが関連付けられます。デフォルトはラウンドロビン (負荷均衡とも呼ばれます) 。 

 

ラウンドロビン - すべての読み取りがミラーのすべてのサブミラーからラウンドロビン順序で実行されます。つまり、最初の読み取りは最初のサブミラーから行われ、次の読み取りは 2 番目のサブミラーから行われます。

 

ジオメトリック - 連続読み取りアクセスを実行する場合や、トラックバッファリング機能を備えたディスクを使用している場合に、パフォーマンスを向上させます。このオプションは、論理ディスクブロックアドレスにもとづいて、読み取りをサブミラー間で分割します。たとえば、3 面ミラーの場合は、ミラーのディスク領域を 3 つの等しいサイズの論理アドレス範囲に分割します。3 つの領域からの読み取りは、すべて異なるサブミラーから行われます (たとえば、最初の領域からの読み取りは最初のサブミラーから行われます) 。

 

先頭のディスクから - すべての読み取りを先頭のサブミラーに向ける。このオプションは、先頭のサブミラーが他のサブミラーより高速である場合にのみ使用します。

書き込み オプション

サブミラーへの書き込み方法を「並列処理的」、「逐次処理的」のいずれかから選択します。 

 

並列処理的 - メタディスクドライバのデフォルト操作。すべてのサブミラーに対して書き込みを同時に実行します。

 

逐次処理的 - サブミラーへの書き込みを逐次的に実行します。つまり、先頭のサブミラーへの書き込みが完了してから、次のサブミラーへの書き込みを開始します。

サブミラー操作領域 

この領域には以下の要素があります。 

サブミラー表示 - このトグルボタンは、サブミラーリストの表示と非表示を切り替えます。

スクロールリスト - ミラーに含まれるサブミラーを表示します。表示される情報は、サブミラーの名前、種類、サイズ、および状態です。サブミラーをクリックすると、そのサブミラーを選択できます。選択したサブミラーに対しては、下記の操作を実行できます。

オンライン - 選択されているサブミラーをオンラインにします。このボタンは、選択されているサブミラーがオフラインの場合にのみ有効です。

オフライン - 選択されているサブミラーをオフラインにします。このボタンは、選択されているサブミラーがオンラインの場合にのみ有効です。

除去 - 選択されているサブミラーを除去します。

情報 - 選択されているサブミラーの「連結情報」ウィンドウを表示します。

デバイス - 接続または交換する新しいサブミラーを指定します。「接続」または「交換」ボタンをクリックすると、このフィールドの内容はクリアされます。

接続 - 指定されているサブミラーを接続します。このボタンは、「デバイス」フィールドにサブミラー名またはデバイス名が入力されている状態でのみ有効になります。

交換 - 選択されているサブミラーを、「デバイス」フィールドで指定されているサブミラーと交換します。このボタンは、「デバイス」フィールドにサブミラー名またはデバイス名が入力されていて、スクロールリストでサブミラーが選択されている状態でのみ有効になります。

「トランス情報」ウィンドウ

「トランス情報」ウィンドウを使用すると、特定のトランスメタデバイスの属性やコンポーネントを表示および修正することができます。図 4-15 に「トランス情報」ウィンドウを示します。このウィンドウを表示するには、3 とおりの方法があります。

図 4-15 「トランス情報」ウィンドウ

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トランスオブジェクトを確定するまでは、変更内容は有効になりません。

表 4-10 に、「トランス情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-10 「トランス情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス名 

トランスのメタデバイス名。デバイスがキャンバスに表示されておらず、ロギングデバイスが接続されていない状態では、新しい名前を入力して「接続」ボタンをクリックすれば、メタデバイス名を変更できます。 

状態 

トランスデバイスの状態の説明。 

サイズ 

トランスデバイスの合計サイズ。 

使用状況 

トランスの現在の使用状況 (/disk など) 。

マスターデバイス領域 

マスターデバイス名を表示します。「接続」ボタンは、「接続」と「削除」で切り替わります。その他の情報は次のとおりです。 

種類 - マスターとして使用されているデバイスの種類。

状態 - マスターの状態の説明。

サイズ - マスターデバイスのサイズ。

情報 - マスターデバイスの情報ウィンドウを表示する。

ロギングデバイス領域 

ロギングデバイス名を表示します。「削除」ボタンは、「接続」と「削除」で切り替わります。その他の情報は次のとおりです。 

種類 - ログとして使用されているデバイスの種類。

状態 - ログの状態の説明。

サイズ - ロギングデバイスのサイズ。

情報 - ロギングデバイスの情報ウィンドウを表示する。

「ホットスペア情報」ウィンドウ

「ホットスペア情報」ウィンドウを使用すると、特定のホットスペアメタデバイスの属性やコンポーネントを表示および修正することができます。図 4-16 に「ホットスペア情報」ウィンドウを示します。このウィンドウを表示するには、3 とおりの方法があります。

図 4-16 「ホットスペア情報」ウィンドウ

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ホットスペア集合オブジェクトを確定するまで、変更内容は有効になりません。

表 4-11 に、「ホットスペア集合情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-11 「ホットスペア集合情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス名 

ホットスペア集合のメタデバイス名 (例:hsp000) 。

状態 

ホットスペア集合の状態の説明。

最小 

ホットスペア集合の最小スライスのサイズ。 

最大 

ホットスペア集合の最大スライスのサイズ。 

関連のあるデバイス 

ホットスペア集合に関連付けられているすべてのメタデバイスのデバイス名、種類、状態を表示するスクロールリスト。オブジェクトの情報を表示するには、オブジェクトをクリックしてから「情報」ボタンをクリックするか、オブジェクトをダブルクリックします。 

情報 

「関連のあるデバイス」領域で選択 (強調表示) されている連結方式の「連結情報」ウィンドウを表示します。 

ホットスペア操作領域

ホットスペア集合に登録されているすべてのスライスのリスト。新しいスライスを追加したり、既存のスライスを操作したりできます。ボタンの機能は次のとおりです。 

ホットスペア表示 - ウィンドウの下部の表示と非表示を切り替えるためのトグルボタン。

スライスリスト - ホットスペア集合に登録されているスライスを表示するスクロールリスト。

有効 - 選択されているスライスが無効であれば有効にします。

除去 - 選択されているスライスをホットスペア集合から除去します。

情報 - 選択 (強調表示) されているスライスの「スライス情報」ウィンドウを表示します。

スライス - 接続するスライス、もしくは選択されているスライスを交換するためのスライスを指定します。

接続 - 「スライス」フィールドで指定されているスライスをホットスペア集合に接続します。このボタンは、「スライス」フィールドに名前が入力されている状態でのみ有効になります。

交換 - 選択されているスライスを、「スライス」フィールドで指定されているスライスと交換します。このボタンは、「スライス」フィールドに名前が入力されていて、スクロールリストでスライスが選択されている状態でのみ有効になります。

「RAID 情報」ウィンドウ

図 4-17 に示す「RAID 情報」ウィンドウを表示するには、3 とおりの方法があります。

図 4-17 「RAID 情報」ウィンドウ

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RAID5 メタデバイスを確定するまでは、変更内容は有効になりません。

表 4-12 に、「RAID 情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-12 「RAID 情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス名 

RAID5 メタデバイスのメタデバイス名。デバイスがキャンバスに表示されていない状態では、新しい名前を入力して「接続」ボタンをクリックすれば、メタデバイス名を変更できます。 

状態 

RAID5 メタデバイスの状態の説明。 

サイズ 

使用可能なディスク領域。パリティ用の領域は含まれません。 

使用状況 

RAID5 メタデバイスの現在の使用状況 (ファイルシステムや swap など) 。RAID5 メタデバイスがトランスログとして使用されている場合は、「使用状況」フィールドの右側に「トランスを表示」ボタンが表示されます。 

ホットスペア集合 

RAID5 メタデバイスにホットスペア集合を割り当てます。以下の機能があります。 

接続 / 切断 - 指定されたホットスペア集合を RAID5 メタデバイスに接続したり、RAID5 メタデバイスから切断します。

情報 - 指定されたホットスペア集合の「ホットスペア集合情報」ウィンドウを表示します。

飛び越し値の設定領域 

デフォルトの飛び越し値は 16 K バイト。飛び越し値を変更するには、「カスタマイズ」ボタンをクリックしてから、フィールドに値を入力します。フィールドの右側にあるメニューボタンを使用すると、飛び越し値の単位を指定することができます。指定できる単位は、「G バイト」、「M バイト」、「K バイト」、「セクター」の 4 種類あります。デフォルトは「K バイト」。「カスタマイズ」フィールドに値を入力したら、「接続」ボタンをクリックして、新しい飛び越し値を RAID5 メタデバイスに適用します。RAID5 メタデバイスが確定した後は、飛び越し値を変更することはできません。

スライス操作領域

この領域には、以下の要素があります。 

スライス表示 - ウィンドウの下部にあるスクロールリストの表示と非表示を切り替えます。

スクロールリスト - RAID5 メタデバイスに含まれるスライスを表示します。表示される情報は、スライスの名前、サイズ、スライス上の状態データベースの複製の数、および状態です。

有効 - 選択されているスライスが無効であれば有効にします。

除去 - 選択されているスライスを除去します。

スライス - RAID5 メタデバイスに追加する新しいスライス、または選択されているスライスを交換するための新しいスライスを指定します。

接続 - 「スライス」フィールドで指定されているスライスを RAID5 メタデバイスに接続します。このボタンは、「スライス」フィールドに名前が入力されている状態でのみ有効になります。

交換 - 選択されているスライスを、「スライス」フィールドで指定されているスライスと交換します。このボタンは、「スライス」フィールドに名前が入力されていて、スクロールリストでスライスが選択されている状態でのみ有効になります。

情報 - 選択 (強調表示) されているスライスの「スライス情報」ウィンドウを表示します。

「メタデバイスの状態データベース情報」ウィンドウ

図 4-18 に示す「メタデバイスの状態データベース情報」ウィンドウを表示するには、3 とおりの方法があります。

図 4-18 「メタデバイスの状態データベース情報」ウィンドウ

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MetaDB オブジェクトを確定するまでは、変更内容は有効になりません。

表 4-13 に、「メタデバイスの状態データベース情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-13 「メタデバイス状態データベース」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

状態 

メタデバイス状態データベースの状態の説明。 

複製操作領域 

この領域には、以下の要素があります。 

複製 - 複製の数。

スクロールリスト - 複製が格納されているスライスを表示します。表示される情報は、スライスの名前、使用されている領域 (使用量)、使用可能量、スライス上の状態データベースの複製の数、および複製の状態です。

復元 - 選択されているスライスがエラー状態であれば復元します。

除去 - 選択されているスライスを除去します。

情報 - 選択 (強調表示) されているスライスの「スライス情報」ウィンドウを表示します。

スライス - MetaDB に追加する新しいスライス、または選択されているスライスを交換するための新しいスライスを指定します。

複製 - スライス上に作成される複製の数。デフォルトは 1。

接続 - 「スライス」フィールドで指定されているスライスを「複製」リストに登録します。このボタンは、「スライス」フィールドに名前が入力されている状態でのみ有効になります。

交換 - 選択されているスライスを、「スライス」フィールドで指定されているスライスと交換します。

「トレイ情報」ウィンドウ

図 4-19 に示す「トレイ情報」ウィンドウは、SPARCstorage Array トレイに関する情報を表示します。このウィンドウを表示するには、「ディスク表示」キャンバスで SPARCstorage Array トレイにポインタを合わせ、MENU ボタンを押してポップアップメニューを表示し、「情報」オプションを選択します。

図 4-19 「トレイ情報」ウィンドウ

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表 4-14 に、「トレイ情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-14 「トレイ情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス名 

トレイの名前 (例:c1 - トレイ 1) 。 

ディスク表示 

ディスク情報領域の表示と非表示を切り替えます。 

デバイスマップ 

「物理デバイスから論理デバイスへのマッピング」ウィンドウを表示します (このウィンドウの表示中に新しいマップが作成されても、ウィンドウの内容はリアルタイムには更新されません) 。 

スクロールリスト 

トレイ上のすべてのディスクの情報 (名前、サイズ、状態) を表示します。 

情報 

ディスク情報領域でディスクを選択してから「情報」ボタンをクリックすると、そのディスクの「ディスク情報」ウィンドウが表示されます。 

「コントローラ情報」ウィンドウ

図 4-20 に示す「コントローラ情報」ウィンドウは、ディスクのコントローラに関する情報を表示します。このウィンドウを表示するには、「ディスク表示」キャンバスでコントローラにポインタを合わせ、MENU ボタンを押してポップアップメニューを表示し、「情報」オプションを選択します。

図 4-20 「コントローラ情報」ウィンドウ

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表 4-15 に、「コントローラ情報」ウィンドウの機能を示します。

表 4-15 「コントローラ情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

デバイス名 

コントローラの名前 (例:c1) 。 

ディスク表示 

ディスク情報領域の表示と非表示を切り替えます。 

デバイスマップ 

「物理デバイスから論理デバイスへのマッピング」ウィンドウを表示します (このウィンドウの表示中に新しいマップが作成されても、ウィンドウの内容はリアルタイムには更新されません) 。 

スクロールリスト 

コントローラ上のすべてのディスクの情報 (名前、サイズ、状態) を表示します。 

情報 

ディスク情報領域でディスクを選択してから「情報」ボタンをクリックすると、そのディスクの「ディスク情報」ウィンドウが表示されます。 

表 4-16 に、SPARCstorage Array 特有の機能を示します。

表 4-16 SPARCstorage Array 特有の「コントローラ情報」ウィンドウの機能

フィールド 

機能 

ファンの状態

現在のファンの状態 (「異常」など) を表示します。 

バッテリーの状態

現在のバッテリー状態を表示します。 

製造元 

製造元の名前を表示します。 

製品の ID 

製品の識別 (ID) 番号を表示します。 

製品の Rev 番号 

製品の Rev 番号を表示します。 

ファームウェアの Rev 番号

ファームウェアの Rev 情報を表示します。 

ブラウザ

「メタデバイスエディタ」ウィンドウの「ブラウズ」メニューから、次の 3 つのブラウザを開くことができます。

これらのブラウザはすべて同じような機能を持っています。つまり、スライス、メタデバイス、ホットスペア集合に関するすべての情報を提供し、これらのオブジェクトを「メタデバイスエディタ」ウィンドウのキャンバスで操作するためにドラッグできるようにします。これらのブラウザの違いは、表示される情報の内容と、「フィルタの設定」ウィンドウのオプションです。

図 4-21 に、「スライスブラウザ」ウィンドウを示します。

図 4-21 「スライスブラウザ」ウィンドウ

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スライス、メタデバイス、ホットスペア集合のすべてのブラウザでは、ウィンドウのタイトルバーとメニューバーの内容は同じです。ブラウザを終了するには「ファイル」メニューから「閉じる」を選択します。「フィルタ」メニューは、フィルタオプションを設定したり、フィルタのオンとオフを切り替えたりするのに使用します。「表示」メニューは、デバイスリストで情報を表示する順序を変更するのに使用します。フィルタを設定するためのダイアログボックスは、ブラウザによって若干異なります。

デバイスリストの違いは次のとおりです。

表 4-17 スライスブラウザのデバイスリストの情報

フィールド 

機能 

デバイス名

デバイス名 (例:cltld0s2) 。

サイズ 

スライスの合計サイズ。 

ディスクの種類 

/etc/format.dat ファイルに登録されているディスクの種類 (例:SUN0535、SUN1.05、DEFAULT) 。

状態 

状態は「正常」、「再同期中」、「有効」、「重大な障害」、「交換済み」、「緊急」、または「注意」のいずれかで報告される。 

使用状況 

「未割り当て」、「トランスログ」、「トランスマスター」、「MetaDB 複製」、「コンポーネント」、現在スライスにマウントされているファイルシステム名、「Overlap」、または「ホットスペア」のいずれかが表示される。 

表 4-18 メタデバイスブラウザのデバイスリストの情報

フィールド 

機能 

デバイス名 

メタデバイス名は dn として表わされる。n のデフォルト値は 0 〜 127 の数字になります。

状態 

状態は「正常」、「重大な障害」、「緊急」、「動作不能」のいずれかで報告されます。 

サイズ 

メタデバイスの合計サイズ。 

使用状況 

「未割り当て」、「サブミラー/dn」、ファイルシステム名、「マスター/dn」、「トランスログ」のいずれかが表示されます。

種類 

「トランス」、「連結 (Concat/Stripe)」、「ミラー」、「RAID」のいずれかが表示されます。 

表 4-19 ホットスペア集合ブラウザのデバイスリストの情報

フィールド 

機能 

デバイス名 

ホットスペア集合名は hspnnn として表わされます。nnn の値は 000 〜 999 の数字です。

状態 

状態は「正常」、「障害」 (ホットスペア集合のすべてのスライスが故障している) 、「注意」 (1 つまたは複数のスライスが使用中である) のいずれかで報告されます。 

最小サイズ 

ホットスペア集合の最小スライスのサイズ。 

最大サイズ 

ホットスペア集合の最大スライスのサイズ。 

スペア 

ホットスペア集合のスペア数。 

使用中のスペア 

現在使用中のスペア数。 

ブラウザのオブジェクトのアクセス

各ブラウザのデバイスリストのすべてのオブジェクトは、「メタデバイスエディタ」ウィンドウのキャンバスに移動して操作することができます。

ブラウザのフィルタの設定

各ブラウザには、設定を自由に変更できる「フィルタ」ウィンドウがあります。このウィンドウを表示するには、メニューバーの「フィルタ」メニューから「フィルタの設定」を選択します。フィルタは、デバイスリストに情報を表示する方法を変更します。図 4-22 に、「スライスフィルタ」ウィンドウを示します。

図 4-22 「スライスフィルタ」ウィンドウ

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表 4-20 に「スライスフィルタ」ウィンドウの項目を示します。

表 4-20 「スライスフィルタ」ウィンドウの項目

ウィンドウの領域 

機能 

使用状況 

3 つのラジオボタンにより、「スライスブラウザ」 ウィンドウに表示された情報に対してフィルタ処理することができます。 

使用可能な種類 - 「任意」、「ホットスペア」、「複製」、「メタデバイスコンポーネント」、「トランスログ」のいずれかとして使用できるディスクやスライスをフィルタ処理します。デフォルトは「任意」です。

現在の使用状況 - 「任意」、「ファイルシステム」、「Swap」、「複製」、「メタデバイスコンポーネント」、「ホットスペア」、「トランスログ」のいずれかとして現在使用されているディスクやスライスをフィルタ処理します。デフォルトは「任意」です。

無視 - このフィルタを無視します。

「デバイス名」 トグルボタン 

このトグルボタンをオンにすると、デバイス名を指定できます。メニューの 2 つの項目は、指定した名前と一致する名前または一致しない名前のどちらを検索するのかを指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク (*) と疑問符 (?) も使用できます。アスタリスクは任意数の任意の文字を表わし、疑問符は任意の1 文字を表わします。デフォルトは「一致」です。 

「サイズ」 トグルボタン 

このトグルボタンをオンにすると、フィルタのサイズを指定できます。メニューには、「範囲指定」 (この項目を選択すると、範囲の終わりを指定するためのフィールドが表示されます) 、「指定数値より大きい」、「指定数値より小さい」、「等しい」、「等しくない」の項目があります。デフォルトは「等しい」です。「サイズ」メニューボタンからは、「G バイト」、「M バイト」、「K バイト」、「セクター」のいずれかの単位を指定できます。 

「ディスクの種類」 トグルボタン 

このトグルボタンをオンにすると、ブラウザに表示するディスクの種類を選択できます。このメニューには常に「任意」の項目があるが、システムに接続されているディスクの種類によって、他の項目も表示されます。 

「障害」トグルボタン 

障害状態のスライスのみを検索します。 

「検索」ウィンドウ

「検索」ウィンドウは、「メタデバイスエディタ」ウィンドウでオブジェクトを検索したり、特定のマウント先に関連付けられているデバイスを検索するために使用します。「検索」ウィンドウは、「メタデバイスエディタ」ウィンドウの「ブラウズ」メニューから開きます。

図 4-23 「検索」ウィンドウ

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ダイアログボックス

DiskSuite ツールでは、4 種類のダイアログボックスでユーザーへのメッセージを表示します。ダイアログボックスに応答しない限り、他の DiskSuite ツールの操作を行うことはできません。


注意 - 注意 -

ダイアログボックスに応答する前に、表示されているメッセージをよく読んでください。誤ってデータを失うことがあります。


図 4-24 に、ダイアログボックスの例を示します。

図 4-24 ダイアログボックスの例

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表 4-21 に、ダイアログボックスの種類と表示される情報を示します。

表 4-21 ダイアログボックス

種類 

表示される情報 

エラー

エラーとなる操作を実行しようとすると、エラーを通知するエラーダイアログボックスが表示されます。 

警告

警告の原因となる操作を実行しようとすると、警告ダイアログボックスが表示され、その操作を取り消すことができます。各エラーに対するエラーメッセージと対処方法については、付録 A 「DiskSuite のエラーメッセージ」を参照してください。

確認

選択した操作を実行するかどうかを確認するためのダイアログボックス。取り消すことのできない操作を実行しようとすると、確認ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスの内容は、操作によって異なります。 

情報

情報ダイアログボックスは、役に立つ情報を表示します。このダイアログボックスでは、メッセージの左側に大きな"i" (information の頭文字) の文字が表示されます。 

「コンフィグレーションログ」ウィンドウ

図 4-25 に示す「コンフィグレーションログ」ウィンドウには、トップレベルで実行された DiskSuite のすべての操作のログ (履歴) が表示されます。各項目には、タイムスタンプが付けられています。

図 4-25 「コンフィグレーションログ」ウィンドウ

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このウィンドウの「ファイル」メニューを使用すると、スクロールリストの内容をクリアしたり、指定したファイルにログを保存したり、ウィンドウを閉じたりすることができます。リストのエントリをダブルクリックすると、関連するデバイスの情報ウィンドウが開き、デバイスが「メタデバイスエディタ」ウィンドウのキャンバスに表示されます。

「障害リスト」ウィンドウ

「障害リスト」ウィンドウには、現在発生しているメタデバイスの障害のリストが表示されます。このウィンドウには、障害の履歴は表示されません。DiskSuite ツールがシステムの状態の変化を認識すると、リストの内容が更新されます。リストの各項目には、タイムスタンプが付けられています。

図 4-26 「障害リスト」ウィンドウ

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このウィンドウの「ファイル」メニューを使用すると、指定したファイルにログを保存したり、ウィンドウを閉じたりすることができます。右側にあるテキストフィールドには、最新の更新日時が表示されます。

リストのエントリをダブルクリックすると、関連するデバイスの情報ウィンドウが開き、デバイスが「メタデバイスエディタ」ウィンドウのキャンバスに表示されます。


注 -

DiskSuite ツールがアイコン化されているときに重大な障害が発生すると、DiskSuite ツールのアイコンが点滅します。


ヘルプのアクセスと使い方

DiskSuite ツールのオンラインヘルプは、DiskSuite ツールの各機能に関する詳細な情報を提供します。

図 4-27 に、DiskSuite ツールのヘルプ画面を示します。

図 4-27 DiskSuite ツールのヘルプ画面

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ウィンドウの上側の領域にはヘルプのタイトルが表示されています。この中から希望のヘルプ情報を探します。

ウィンドウの下側の領域には、現在の、および上側の領域で指定したタイトルのメニューやコマンドを使用する方法についての説明が表示されます。

表示されているヘルプ情報をスクロールするには、各領域の右側にあるスクロールバーを使用してください。

ヘルプ画面の左側にあるボタンは、情報を検索したりヘルプ画面を移動したりするために使用します。表 4-22 に、これらのボタンの機能を示します。

表 4-22 DiskSuite ツールのヘルプボタン

ボタン 

目的 

操作 

用語集 

ヘルプの使い方 

リファレンス 

DiskSuite の用語集を表示する。  

ヘルプの使い方を表示する。  

画面レベルのヘルプを表示する。 

上の領域に表示されているタイトルをクリックする。 

戻る 

直前に表示したヘルプ項目に戻る。 

「戻る」ボタンをクリックする。 

終了 

オンラインヘルプを終了する。 

「終了」ボタンをクリックする。 

ツールの登録

DiskSuite ツールの「ツール」メニューには、DiskSuite 以外のアプリケーションを登録することができます。詳しい説明は、metatool-toolsmenu(4) コマンドのマニュアルページを参照してください。

イベント通知

イベント通知は、システム状態の変化 (メタデバイスが作成されたり、メタデバイスの状態が変化したり、デバイスエラーが発生したりした場合など) をユーザーに知らせる機能です。イベント通知は、以下の機能を持っています。