トランスメタデバイスを構成したら、物理スライスと同じように使用することができます。トランスメタデバイスは、ブロックデバイス (最大 2 G バイト) または raw デバイス (最大 1 T バイト) として使用できます。マスターデバイスがファイルシステムを持っていない場合には、トランスメタデバイス上に UFS ファイルシステムを作成することができます。
ロギングデバイスやマスターデバイスとしては、物理スライスまたはメタデバイスを使用できますが、信頼性と可用度を高めるためにはミラーを使用してください。物理的なロギングデバイスでエラーが発生すると、データが失われることがあります。ミラーや RAID5 メタデバイスをマスターデバイスとして使用することもできます。
ロギングデバイスは、1 M バイト以上の領域を必要とします (領域が大きいほど多くのファイルシステムトランザクションを同時に実行できます) 。最大サイズは 1 G バイトです。 1 G バイトのファイルシステムに対して 1 M バイトのログ領域が最低限必要です。できれば 100 M バイトのファイルシステムに対して 1 M バイトのログ領域を確保してください。最適なログサイズを決める規則はありません。最適なログサイズは、各システムの負荷や構成によって異なります。ただし、ほとんどの場合には、64 M バイトを超えるログ領域は必要ありません。ログサイズを変更するのはさほど難しくありません。
一般には、最大の UFS ファイルシステムと、データがもっとも頻繁に変更される UFS ファイルシステムがロギングの対象となります。読み取りトランザクションがほとんどである小さなファイルシステムをロギングする必要はありません。
ログを独立させる必要のあるファイルシステム
すべてのファイルシステムは同じログを共有することができます。しかし、最も負荷が大きいファイルシステムのログを独立させると、パフォーマンスを向上させることができます。
Solaris システムでソフトウェアをインストールまたはアップグレードする際には、/usr、/var、/opt、および Solaris のアップグレードやインストールでシステムが使用するファイルシステムは、ロギング対象から外してください。
ログは、ミラー、未使用のスライス、または状態データベースの複製と同じスライスに格納します。物理的なロギングデバイス (スライス) でエラーが発生すると、データが失われることがあります。
ロギングデバイス用のスライスが空いていない場合
ロギングデバイス用のスライスが空いていない場合でも、トランスメタデバイスを構成することはできます。エクスポートしたファイルシステムをロギングする場合には、ロギングデバイス用に使用するスライスが空いていなくても、トランスメタデバイスは有用です。スライスが利用できるようになったら、ロギングデバイスとしてトランスメタデバイスに接続します。この方法についての説明は、『Solstice DiskSuite 4.2.1 ユーザーズガイド』を参照してください。
ロギングデバイスを複数のファイルシステムで共有することはできますが、負荷の大きなファイルシステムに対しては独立したロギングデバイスを用意してください。ロギングデバイスを共有する際のデメリットは、発生したエラーの種類によっては、そのロギングデバイスを共有しているすべてのファイルシステムを fsck(1M) コマンドでチェックしなければならないということです。