通常、ほとんどの場合デフォルトの画面解像度で十分です。ただし、以下の場合はデフォルトの解像度を変更する必要があります。
X Window の深さをデフォルトから変更し、デフォルトとして用意されている値ではなくなった場合、画面の深さと X Window の深さが一致するように設定する必要があります。
デフォルトの画面解像度ではモニターが正常に同期しない場合、画面解像度を別の値に変更する必要があります。
画面解像度をデフォルトの値から変更する際には、以下のガイドラインに従ってください。
8/24 モードで X Window 環境を動作させるには、画面解像度の深さを 24 ビットに設定します。
デフォルトでは、画面解像度が 1280 × 1024 以下の場合は自動的に 24 ビットに設定されます。それよりも高い解像度の場合は、8 ビットモードに設定されます。
画面解像度を確定する前に、GFXconfig -i を使用して解像度のテストをしてください。
対話形式、非対話形式以外の変更方法には、以下のようなものがあります。それぞれの方法について解説します。
EDID 自動検出 (Auto-Detect) 機能
output device を使用する方法
ビデオモードを使用する方法
ビデオタイミングを使用する方法
DDC2B/EDID プロトコルを使用しているモニターの場合、デフォルトの解像度は自動検出機能を使って決定できます。このプロトコルを利用した場合、まず GFX が標準タイミング識別子 (Standard Timing Identifiers) を調べてサポート順位の最も高い解像度を検索し、これと設定タイミング (Established Timing) を照合します。この方法が失敗した場合は、カードの解像度は自動的に 1152 × 900、66 Hz に設定されます。
モニターの電源をシステムの起動前に入れておかないと、PGX32 はモニターを正常に認識できません。
この方法を使用した場合、EDID を介して得た情報はすべて無効になります。
PGX32 カードの画面解像度は、output-device 環境変数からも設定できます。この変数は screen:rAxBxC (A は水平解像度、B は垂直解像度、C はリフレッシュレート) という形式で記述します。
システムはここに代入された値を解像度の内部リスト (表 8-3 参照) と照合して、その値に対応するエントリを画面解像度として使用します。
たとえば、画面解像度を VESA 1024 × 768、75 Hz に設定する場合は、ok プロンプトで以下のように入力します。
ok setenv output-device screen:r1024x768x75 ok reset
新しい画面解像度はリセットするまで有効になりません。またリセット後は再度 output-device 変数を手動で変更するまで、この解像度が維持されます。
Boot PROM モードの ok プロンプトでは、インストール済みの 34 種類の解像度モードのうちの 1 つを選択するだけで、PGX32 カードの画面解像度を簡単に設定できます。解像度の設定値は 0‾33 のビデオモードの形式で定義してあります (表 8-3)。
画面の深さが 24 ビットの時はビデオモードの 0‾25 を、8ビットの時は 26‾33 を使用します。
モード |
解像度 |
---|---|
0 |
640 × 480 @ 60 |
1 |
640 × 480 @ 72 |
2 |
640 × 480 @ 75 |
3 |
640 × 480 @ 85 |
4 |
800 × 600 @ 60 |
5 |
800 × 600 @ 72 |
6 |
800 × 600 @ 75 |
7 |
800 × 600 @ 85 |
8 |
1024 × 768 @ 60 |
9 |
1024 × 768 @ 70 |
10 |
1024 × 768 @ 75 |
11 |
1024 × 768 @ 77 * |
12 |
1024 × 768 @ 85 |
13 |
1024 × 800 @ 85 * |
14 |
1152 × 900 @ 60 |
15 |
1152 × 900 @ 66 * |
16 |
1152 × 900 @ 70 |
17 |
1152 × 900 @ 75 |
18 |
1152 × 900 @ 76 * |
19 |
1152 × 900 @ 85 |
20 |
1280 × 800 @ 76 * |
21 |
1280 × 1024 @ 60 |
22 |
1280 × 1024 @ 67 * |
23 |
1280 × 1024 @ 75 |
24 |
1280 × 1024 @ 76 * |
25 |
1280 × 1024 @ 85 |
26 |
1600 × 1200 @ 66 * |
27 |
1600 × 1200 @ 76 * |
28 |
1600 × 1200 @ 60 |
29 |
1600 × 1200 @ 65 |
30 |
1600 × 1200 @ 70 |
31 |
1600 × 1200 @ 75 |
32 |
1600 × 1200 @ 76 |
33 |
1600 × 1200 @ 80 * |
nvedit コマンドについては、「nvedit を使用して NVRAM を修正する」を参照してください。
たとえば、画面解像度を 1024 × 768、60 Hz (ビデオモードの 8) に設定するには、以下のように入力します。
ok nvedit 0: 8 value video-mode 1: <ctrl-c> ok nvstore ok setenv use-nvramrc? true ok reset
最後の 3 行のコマンドにより、NVRAM は有効になります。この 3 行を実行しない場合、nvedit で設定した変更内容は無視されます。
前述のいずれの方法もうまくいかない場合は、最終手段として画面解像度のタイミング数を厳密に指定する方法があります。この方法でも nvedit を使用します。他の方法に比べて複雑で、目的の解像度を設定するにはすべてのタイミングパラメタに関する知識が必要です。前述のビデオモードに用意されていない解像度を設定する必要がある場合のみ、この方法を使用してください。nvedit コマンドについては、「nvedit を使用して NVRAM を修正する」を参照してください。
この方法は、前述のいずれの方法も成功しなかった場合のみ使用してください。
たとえば、画面解像度を 1280 × 1024 、76 Hz に設定するには、以下のように入力します。
ok nvedit 0: : video-timing " 1280, 384, 32, 64, ¥ 1024, 43, 3, 8, 135000000, 0" ; 1: <ctrl-c> ok nvstore ok setenv use-nvramrc? true ok reset
この入力では構文が非常に重要な意味を持ちます。例に示しているように、スペースを正確に入力する必要があります。
最後の 3 行のコマンドにより、NVRAM は有効になります。この 3 行を実行しない場合、nvedit で設定した変更内容は無視されます。
この方法では、以下の 10 種類のパラメタを設定する必要があります。
水平方向の解像度 (ピクセル単位)
水平方向の空白の合計
水平方向のフロントポーチ
水平同期幅
垂直解像度 (走査線単位)
垂直方向の空白の合計
垂直方向のフロントポーチ
垂直同期幅
ドットクロック (Hz 単位)
同期値 (表 8-4 参照)。複数の同期値を選択する場合は、値の和をとって使用します。
同期値 |
意味 |
---|---|
1 |
独立同期 |
1 |
緑色の同期 |
512 |
正の垂直方向同期パルス |
1024 |
正の水平方向同期パルス |
2048 |
複合同期 |
この方法で必要となるタイミングパラメタについては、ご使用のモニターの機種など必要事項を確認した上で、サン・サービス (1-800-USA-4SUN) にお問い合わせください。