特記事項: Sun Enterprise 6x00、5x00、4x00、3x00 システム

第 1 章 OpenBoot コマンド

この章では、Sun Enterprise xx00 サーバーで使用する OpenBoot(TM) コマンドについて説明します。

OpenBoot コマンドの構文

以降のセクションで使用される OpenBoot コマンドの構文について、例示します。

この例の「--」記号は、スタックのダイアグラムです。「--」記号の左側のエントリは、コマンドが実行される前のスタックの状態を表しています。右側はコマンド実行後のエントリの状態です。このようなエントリがいくつもある場合、スタックの最上部は他のエントリより上位にあり、最右端に位置します。以下の例では、コマンドの実行前は c がスタックの最上位にあり、コマンドの実行後には z がスタックの最上位にあります。


コマンド (abc -- xyz)

OpenBoot コマンドの使用法に関する詳細は、『OpenBoot 3.x コマンド・リファレンスマニュアル』などを参照してください。

環境の監視

環境を監視する際に使用するコマンドを以下に示します。

表 1-1 環境監視コマンド

コマンド 

用途 

disable-environmental-monitor

使用法: disable-environmental-monitor ( -- )

画面に ok プロンプトが表示されているときの電源装置の状態、ボードの温度およびボードのホットプラグの監視を中止する。

enable-environmental-monitor

使用法: enable-environmental-monitor ( -- )

画面に ok プロンプトが表示されているときの電源装置の状態、ボードの温度およびボードのホットプラグの監視を開始する。

外部操作による初期リセット XIR

ハード障害が発生した場合には、XIR を使用してシステムをリセットすれば、障害が発生した時のシステムの状態が取得されます。

XIR を設定する
  1. XIR を実行する場合は、クロックボードの XIR ボタンか、遠隔コンソールの XIR シーケンスから実行します。

    XIR が実行されると、メモリーの内容は消去されますが、CPU のいくつかの状態は一時的に保存されています。この情報を見るには、以下の説明を参照してください。

XIR 情報を表示する
  1. XIR の情報を表示する場合は、XIR の後に続けて、ok プロンプトで以下のコマンドを実行します。


    ok .xir-state-all
    


    例 1-1 xir-state-all

    #1 ok .xir-state-all
    TL=1 TT=3
    CPU ID#1
    TPC=e0028688 TnPC=e0028688 TSTATE=9900001e06
    
    CPU ID#5
    TL=1 TT=3
    TPC=e002755c TnPC=e0027560 TSTATE=4477001e03
    #1 ok .xir-state-all
    TL=1 TT=3

各 CPU に対する CPU の状態が表示されます。


注 -

XIR は NVRAM の auto-boot? 変数を上書きしません。


各略語の意味は以下のとおりです。

ハードウェアのウォッチドッグ

Sun Enterprise xx00 サーバーには、タイムアウト時にシステムのハードリセットを行う、ハードウェアタイマーの機能があります。この機能を使用する場合は、 /etc/system ファイルで watchdog_enable を 1 に設定してください。

フラッシュ PROM の管理

フラッシュ PROM の管理には、以下のOpenBoot コマンドを使用します。

表 1-2 環境監視コマンド

コマンド 

用途 

flash-update-system

使用法: flash-update-system ( -- )

デフォルトのフラッシュ イメージをシステムの全ボードにダウンロードする。 

prom-copy

使用法: prom-copy (src dst --)

src ボードから dst ボード にフラッシュ PROM をコピーする。src (コピー元) と dst (コピー先) はスロット番号で識別します。 

update-proms

使用法: update-proms ( -- )

PROM 各種の最新版のコピーを、同種の他のボードのものと同じにする。 

システム構成と診断情報

システム構成と診断情報を表示する場合は、OpenBoot コマンドの代わりに Solaris の prtdiag コマンドを使用します。診断情報には、システム上で障害の発生した現場交換可能ユニット (FRU) が一覧表示されます。 prtdiag についての詳細は、マニュアルページを参照してください。

prtdiag(1M) オプション

-v 最新の AC 電源障害および最新のハードウェア障害 (可能であれば環境状態も) の情報を表示します。

-l システムに障害やエラーが存在するときのみ syslogd(1M) に出力を記録します。

TOD クロックの管理

TOD クロックの管理に関する以下のコマンドについて説明します。TOD は Time of Day (I/O ボード上の NVRAM を含む) の略語です。

表 1-3 環境監視コマンド

コマンド 

用途 

copy-clock-tod-to-io-boards

使用法: copy-clock-tod-to-io-boards ( -- )

クロックボードの NVRAM と TOD クロックの内容を、システム内の正常な I/O ボードすべてにコピーする。 

固有の NVRAM 変数

NVRAM 変数とその値について以下にまとめます。

表 1-4 固有の NVRAM 変数

変数名 

値 

デフォルト値 

configuration-policy

component 

component 

disabled-board-list

 

 

memory-interleave

max 

max 

sbus-probe-default

d3120 

d3120 

sbus-specific-probe

1:d120