特記事項: Sun Enterprise 6x00、5x00、4x00、3x00 システム

第 2 章 ボードのホットプラグと動的再構成 (DR)

この章では、ボードのホットプラグ機能を使用する手順と動的再構成 (DR: Dynamic Reconfiguration) について説明します。ホットプラグは、サーバーの動作中に構成部品を交換することができるハードウェアの機能です。新しい構成部品を使用するには、システムを再起動する必要があります。DR ソフトウェアでは、システムを再起動しなくても I/O ボードを交換することができます。

OpenBoot コマンドの説明と例については、第 1 章「OpenBoot コマンド」を参照してください。

この章で説明しているボードのホットプラグ作業を行う前には、システムを再起動するか、DR の再起動機能を行う必要があります。


注 -

Solaris 8 ソフトウェア環境では、DR は Type 1、2、4、5 の Sun Enterprise I/O ボードで使用することができます。これらのボードには、SBus、 Graphics、SBus+、Graphics+ I/O ボードが含まれます。PCI カード用スロットがある I/O ボードはまだサポートされていません。


DR については、『Sun Enterprise 6x00、5x00、4x00、3x00 システム Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』も参照し、詳細は購入先にお問い合わせください。

無効なシステムボード

以下の場合には、システムボードが無効 (オペレーティングシステムで使用されない) になります。

無効なボードの交換
  1. システムの予備電圧が十分かどうかを確認します。

    prtdiag コマンドを使用します。詳細は、「システム構成と診断情報」を参照してください。

  2. ホットプラグが有効かどうかを確認します。

  3. ボードが無効なことを確認します (対象となるボードが OS で使用されておらず、ボードの電源ライトが OFF である状態)。

    setenv disabled-board-list の例については、前のセクションで説明しています。

  4. 無効にしたボードを取り外します。


    注意 - 注意 -

    前面パネルの黄色いランプが点灯している場合には、新しいボードを取り付ける前に、prtdiag コマンドを使用して原因を調べてください。


  5. 新しいボードを取り付けます。

  6. ボードを有効にします。

    • PCI ボードの場合は、システムを再起動します。

    • その他の I/O ボードの場合は、DR コマンドを使用します。

有効なシステムボード

以下の場合は、システムボードが有効になります。

有効なボードの交換

有効な Type 3 (PCI) ボードを交換する場合

DR は、まだ PCI カード用スロットをもつ I/O ボードをサポートしていません。

  1. システムを停止します。

  2. 電源を切ります。

  3. ボードを取り外して、新しいボードと交換します。

  4. システムを再起動してボードを有効にします。

DR がサポートされているシステムで有効なボードを交換する場合

DR は Type 1、2、4、5 の Sun Enterprise I/O ボードで使用することができます。これらのボードには、SBus、 Graphics、SBus+、Graphics+ I/O ボードが含まれます。

  1. 適切な cfgadm コマンドを使用し、システムからボードを切り離します。

    詳細は、『Sun Enterprise 6x00、5x00、4x00、3x00 システム Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』を参照してください。

  2. ボードを取り外して、新しいボードと交換します。

  3. DR コマンドを使用し、ボードを有効にして再構成します。

ハードウェアを無効にする

configuration-policy コマンドを使用して、以下のようにハードウェアを無効にすることができます。

以下に入力例を示します。


ok setenv configuration-policy board

または、


# eeprom "configuration-policy board"

ボードを無効にする

ボードに障害がある可能性があり、システムにボードを無効にするよう要求する場合は、以下の手順に従ってください。

  1. システムからボードを切り離します。

    • Type 3 I/O ボードの場合は、ok プロンプトで setenv コマンドを使用するか、# プロンプトで eeprom コマンドを使用して、システムがボードを使用するのを禁止します。

    • その他のボードの場合は、DR 機能を使用します。

    以下の例では、 3 はスロット番号 3 を意味しています。


    ok setenv disabled-board-list 3
    

    または、


    # eeprom "disabled-board-list=3"
    

  2. 使用されていないボードを取り外し、新しいボードを取り付けます。

  3. ボードを有効にします。

    • Type 3 I/O ボードの場合は、disabled-board-list の内容を消去し、システムを再起動します。

    • その他のボードの場合は、DR コマンドを使用します。

      詳細は、「環境の監視」を参照してください。

代替パス (AP) について

代替パス (AP: Alternate Pathing) は、 DR やホットプラグと共に機能するソフトウェアです。AP 機能により、不必要なダウンタイムを回避して、無効なディスクやネットワークアダプタをバイパスすることができます。詳細については、『Sun Enterprise サーバー Alternate Pathing ユーザーマニュアル』を参照してください。