Solaris 8 の日本語環境をインストールするために必要な設定について説明します。日本語環境をインストールするには、大きく分けて「デフォルトロケールの設定」と「インストール言語の設定」の 2 つの設定が必要です。インストール手順の詳細は、「Solaris 8 ソフトウェアのインストール」を参照してください。
Solaris 8 は、文字エンコーディングが異なる次の 3 つの日本語ロケールをサポートしています。
EUC をサポートする ja または ja_JP.eucJP ロケール
PCK (PC 漢字コード) をサポートする ja_JP.PCK ロケール (シフト JIS と同等)
Unicode の UTF-8 をサポートする ja_JP.UTF-8 ロケール
インストール後のシステムのデフォルトロケールを設定します (具体的には、 /etc/default/init ファイル内に LANG 環境変数が定義されます)。
日本語環境をインストールする場合、システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていなければならないわけではありませんが、このように設定することを推奨します。システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていると、たとえば、システムログイン時の LANG の設定を、ユーザーごとに環境設定ファイルで定義しなくても済むようになります。また、dtlogin の言語設定で、デフォルトで日本語ロケールが設定されます。
GUI (グラフィカル・ユーザーインタフェース) インストールの場合
日本語環境でインストールするには、最初に言語を選択するプロンプトが表示されるので、「Japanese」を選択します。次に、日本語ロケール「Japanese EUC (ja)」、「Japanese PC Kanji (ja_JP.PCK)」、「Japanese UTF-8 (ja_JP.UTF-8)」のいずれか選択してください。 どれを選択するかわからない場合は、「Japanese EUC (ja)」を選択してください。ここで選択したロケールが、システムのデフォルトロケールになります。
ここでの設定は、以後起動されるインストール画面の表示言語も決定します。
CUI (キャラクタ・ユーザーインタフェース) インストールの場合
GUI インストールの場合と同様に、言語とロケールを選択するプロンプトが表示されます。ここで選択したロケールが、システムのデフォルトロケールになります。インストール画面は英語による表示だけです。 [グラフィカルモニターを装備していないシステムの場合は、自動的に CUI インストールが起動します。また、「Bypass Configuration」を選択して明示的に周辺デバイスの設定を省略した場合にも、CUI インストールになります。]
システムのデフォルトロケールを、インストール後に設定または変更する場合には、/etc/default/init ファイルでの LANG 環境変数の設定を次のようにしてから、システムを再起動します。
ja ロケールに設定 | LANG=ja |
ja_JP.PCK ロケールに設定 | LANG=ja_JP.PCK |
ja_JP.UTF-8 ロケールに設定 | LANG=ja_JP.UTF-8 |
C ロケールに設定 | LANG= の行を削除、または LANG=C |
インストール前に、このデフォルトロケールをあらかじめ設定しておくことも可能です。この事前設定をしておくと、GUI インストール時にもロケール設定画面が表示されません。この設定は、カスタム JumpStart による自動インストールの場合など、意図的にロケール設定画面を表示させたくない場合に有効です。 [デフォルトロケールの事前設定を行う方法には、「ネームサービスに事前に定義しておく方法」と「sysidcfg ファイルを使用する方法」の 2 通りがあります。 詳しくは、『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。]
Solaris Web Start 3.0 インストールの場合
最初にインストール画面の表示言語を選択するプロンプトが表示されるので、日本語環境でインストールするには、「Japanese」を選択してください。システムのデフォルトロケールは、「システムのロケール選択」画面で設定します。
言語 (ロケール) に依存するソフトウェアパッケージのインストールを決定します。日本語環境をインストールするには、必ず日本語パッケージ (JFP) をインストールする必要があります。
Solaris 8 では、ja ロケール環境、ja_JP.PCK ロケール環境、ja_JP.UTF-8 ロケール環境、そしてそれらの任意の混在環境をインストールすることが可能です。
従来の対話式インストールの場合
「地域の選択」画面で、インストールする日本語ロケールを「アジア」地域から選択します。この画面では、あらかじめ選択したシステムのデフォルトロケールが自動的に選択された状態になっています。
たとえば、ja と ja_JP.PCK の両ロケール環境をインストールするには、ja と ja_JP.PCK の両方を選択します。
Solaris Web Start 3.0 インストールの場合
「ソフトウェアのロケール選択」画面で日本語ロケールを選択します。ここで選択したロケールのパッケージが、 Solaris ソフトウェアおよびインストールする同梱ソフトウェアの各々からインストールされます。この画面では、インストール画面の表示言語で「Japanese」を選択した場合、「Japanese EUC (ja)」が自動的に選択された状態になっています。たとえば、ja_JP.UTF-8 ロケール環境のみをインストールするには、選択されている「Japanese EUC (ja)」を選択解除して、「Japanese UTF-8 (ja_JP.UTF-8)」を選択します。
カスタム JumpStart インストールの場合
カスタム JumpStart インストールが参照するプロファイルに locale キーワードを追加します。 [locale キーワードは、JFP パッケージのインストールに影響しますが、システムのデフォルトロケールを決定するものではありません。]
次に、ja と ja_JP.PCK の両ロケール環境をインストールする場合のプロファイルの例を示します。
キーワード | 値 |
---|---|
install_type | initial_install |
system_type | standalone |
partitioning | default |
cluster | SUNWCuser |
locale | ja |
locale | ja_JP.PCK |
なお、このようにプロファイル中で locale キーワードを明示的に定義しない場合でも、デフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていれば、そのロケール環境が自動的にインストールされます。ただし、複数の日本語ロケール環境をインストールする場合は、プロファイルで指定する必要があります。