Solaris 8 ご使用にあたって (SPARC 版)

共通デスクトップ環境 (CDE)

Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) の実行時に発生するバグの情報および注意事項について説明します。

画面ブランク (モニタ省電力機能) のユーザー設定が無視される

dtstyle の「画面スタイル」マネージャでスクリーンセーバ機能を使用する際、画面をブランクにし、省電力モードに切り替わるように設定できましたが、今回のリリースでは、この省電力機能の設定が無視されます。今回のリリースでは、モニターがブランクになり、デフォルトでアイドル時間が 22 分を経過した時点で省電力モードに切り替わります。

回避方法: モニターの省電力機能を使用するには、「電源管理ツール」を使用してください。電源管理ツールは、dtstyle の「画面スタイル・マネージャ」の「電源管理システム...」ボタン、ワークスペースメニュー、アプリケーションマネージャから起動できます。

モニター省電力設定オプションについては、xset(1) のマニュアルページを参照してください。

dtmail はデフォルトで core ファイルを生成しない (バグ ID: 4249157)

デフォルトでは、dtmailcore ファイルを生成しません。

回避方法: dtmailcore ファイルを生成させるには、mailrc 変数 allowcorefile を設定してださい。core ファイルの生成については、core(4) のマニュアルページを参照してください。

PDA Sync がデスクトップ上の最後のエントリを削除できない (バグ ID: 4260435)

デスクトップから最後のエントリ (たとえば、カレンダの最後のアポイントメント、アドレス帳の最後のアドレスなど) を削除した後に、PDA デバイスに対して同期処理を実行すると、最後のエントリが PDA デバイスからデスクトップに復元されてしまいます。

PDA Sync アプリケーションから警告が出力され、最後のエントリがデスクトップに復元されます。

回避方法: PDA デバイスから最後のエントリを削除してください。

国際化 (複数バイト文字) 対応の PDA デバイスとのデータ交換を PDA Sync がサポートしていない (バグ ID: 4263814)

国際化 (複数バイト文字) 対応の PDA デバイスと Solaris CDE とで、日本語などの複数バイト文字のデータを交換すると、両方の環境において、交換した複数バイト文字データが壊れる場合があります。

回避方法: PDA Sync を実行する前に必ず、PDA デバイスに付属しているバックアップ機能やバックアップユーティリティを使用して、PC などにデータの完全なバックアップをとってください。間違ってデータ交換をしてしまった場合には、バックアップデータからデータを復旧させてください。

PDA Sync のオンラインヘルプ内での操作が無効になる (バグ ID: 4260411)

PDA Sync のメインウィンドウ以外のウィンドウから、ヘルプボタンを使用してヘルプを起動した場合、表示されたヘルプに対する操作ができないことがあります。

回避方法: PDA Sync のオンラインヘルプは、メインウィンドウから起動したものを使用してください。

Solaris 8 オペレーティング環境で Motif プログラムをコンパイルする時に問題が発生する (バグ ID: 4172061)

Solaris 8 オペレーティング環境で Motif プログラムをコンパイルする時に、Solaris 2.4、2.5、2.5.1、2.6 のいずれかのオペレーティング環境でコンパイルした Motif API を使用している共有ライブラリにリンクすると、コアダンプが発生します。

上記の旧バージョンの Solaris オペレーティング環境でコンパイルされた共有ライブラリは Motif 1.2 を使用しており、Solaris 8 オペレーティング環境でコンパイルされたプログラムは Motif 2.1 を使用しているためです。これはバイナリ互換の問題ではないので、Solaris 2.4、2.5、2.5.1、2.6 オペレーティング環境でコンパイルしたアプリケーションは、Solaris 8 オペレーティング環境において問題なく動作します。

回避方法: Motif ライブラリに直接リンクされている古いバージョンの共有ライブラリがある場合に、Motif ライブラリとその古いバージョンの共有ライブラリの両方にリンクされているプログラムを、Solaris 8 オペレーティング環境でコンパイルするには、次のようなコンパイル行を使用してください。


cc foo.c -o foo -DMOTIF12_HEADERS -I/usr/openwin/include -I/usr/dt/include
-lXm12 -lXt -lX11
 
foo には、コンパイルするプログラムの名前を指定してください。

フロッピーディスクのフォーマットウィンドウが終了しない (バグID: 4211612)

ファイル・マネージャを使用してフロッピーディスクのフォーマットをする場合、フォーマットウィンドウが繰り返し表示されて、フォーマットができないことがあります。

回避方法:以下のようにして、いったんコマンド行からフロッピーディスクを取り出し、フォーマットウィンドウを終了してください。


% eject
その後、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』の「コマンド行でのフロッピーディスクのフォーマットと使用方法」を参考にして、コマンド行で fdformat(1) を利用してフロッピーディスクをフォーマットしてください。

[日本語環境のみ] ja_JP.PCK ロケール および ja_JP.UTF-8 ロケールに関する注意事項

[日本語環境のみ] ja_JP.UTF-8 ロケールでは、カレンダ (dtcm) から印刷できない (バグ ID: 4092495)

ja_JP.UTF-8 ロケールでは、カレンダ (dtcm) からの印刷はできません。

[日本語環境のみ] メールプログラムで、日本語をキーワードとして検索できない (バグ ID: 1263296)

メールプログラムで検索を行う際、検索フィールドに日本語が含まれていると、検索が正しく行われません。

メールファイルに該当する文字列が存在する場合でも、「一致するものがありません」と表示されます。

[日本語環境のみ] 移動メニューの設定で追加したメールボックス名が文字化けする (バグ ID: 4066565)

Solaris CDE 1.2 より前のメールプログラムで、オプションメニューの「移動メニューの設定」で登録したメールボックス名に日本語文字列が含まれている場合、Solaris CDE 1.2 以降のメールプログラムではそれらのメールボックス名が文字化けすることがあります。

回避方法: Solaris CDE 1.2 あるいは Solaris CDE 1.3 のメールプログラムで、再度登録してください。

[日本語環境のみ] メールプログラムのツールバーボタンに不要なニーモニックが表示される (バグ ID: 4064006)

メールプログラムのツールバーボタンをテキスト表示に設定している場合、ニーモニックが表示されていますが、キーボード上でこれらのツールバーを操作することはできません。

[日本語環境のみ] 日本語名のファイルが添付されたメールを転送する際、ファイル名がデコードされないで表示される (バグ ID: 4305194)

日本語ファイル名を持つファイルが添付されたメールを受け取った場合、このメールを転送しようとすると、添付ファイルのファイル名がデコードされないで表示されることがあります。転送する前にデコードされずに表示されていても、転送先ではデコードされた状態で表示されるので、そのままそのメールを転送しても問題はありません。

[日本語環境のみ] サブジェクトが日本語のメールに対して不在返信通知をする場合、不在返信メッセージ内のサブジェクトの部分が文字化けする (バグ ID: 4294887)

「不在返信」を設定した場合、日本語サブジェクトのついたメールなど、MIME エンコーディングされたメールに対して、不在返信メッセージのサブジェクトの部分が文字化けします。

回避方法: 不在返信メッセージ内に「$SUBJECT」を使わないでください。

[日本語環境のみ] Smart Cards Management Console のオンラインヘルプが日本語に翻訳されていない

/usr/dt/bin/sdtsmartcard から起動される Smart Cards Management Console には、HTML 形式のオンラインヘルプが提供されていますが、日本語には翻訳されていないため、英語のオンラインヘルプが表示されます。このオンラインヘルプは次のリリースで日本語に翻訳される予定です。

なお、この Smart Cards Management Console 以外に関する、Solaris がサポートするスマートカードの一般的な情報は『Solaris スマートカードの管理』に記載されています。