Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) の実行時に発生するバグの情報および注意事項について説明します。
dtstyle の「画面スタイル」マネージャでスクリーンセーバ機能を使用する際、画面をブランクにし、省電力モードに切り替わるように設定できましたが、今回のリリースでは、この省電力機能の設定が無視されます。今回のリリースでは、モニターがブランクになり、デフォルトでアイドル時間が 22 分を経過した時点で省電力モードに切り替わります。
回避方法: モニターの省電力機能を使用するには、「電源管理ツール」を使用してください。電源管理ツールは、dtstyle の「画面スタイル・マネージャ」の「電源管理システム...」ボタン、ワークスペースメニュー、アプリケーションマネージャから起動できます。
モニター省電力設定オプションについては、xset(1) のマニュアルページを参照してください。
デフォルトでは、dtmail は core ファイルを生成しません。
回避方法: dtmail に core ファイルを生成させるには、mailrc 変数 allowcorefile を設定してださい。core ファイルの生成については、core(4) のマニュアルページを参照してください。
デスクトップから最後のエントリ (たとえば、カレンダの最後のアポイントメント、アドレス帳の最後のアドレスなど) を削除した後に、PDA デバイスに対して同期処理を実行すると、最後のエントリが PDA デバイスからデスクトップに復元されてしまいます。
PDA Sync アプリケーションから警告が出力され、最後のエントリがデスクトップに復元されます。
回避方法: PDA デバイスから最後のエントリを削除してください。
国際化 (複数バイト文字) 対応の PDA デバイスと Solaris CDE とで、日本語などの複数バイト文字のデータを交換すると、両方の環境において、交換した複数バイト文字データが壊れる場合があります。
回避方法: PDA Sync を実行する前に必ず、PDA デバイスに付属しているバックアップ機能やバックアップユーティリティを使用して、PC などにデータの完全なバックアップをとってください。間違ってデータ交換をしてしまった場合には、バックアップデータからデータを復旧させてください。
PDA Sync のメインウィンドウ以外のウィンドウから、ヘルプボタンを使用してヘルプを起動した場合、表示されたヘルプに対する操作ができないことがあります。
回避方法: PDA Sync のオンラインヘルプは、メインウィンドウから起動したものを使用してください。
Solaris 8 オペレーティング環境で Motif プログラムをコンパイルする時に、Solaris 2.4、2.5、2.5.1、2.6 のいずれかのオペレーティング環境でコンパイルした Motif API を使用している共有ライブラリにリンクすると、コアダンプが発生します。
上記の旧バージョンの Solaris オペレーティング環境でコンパイルされた共有ライブラリは Motif 1.2 を使用しており、Solaris 8 オペレーティング環境でコンパイルされたプログラムは Motif 2.1 を使用しているためです。これはバイナリ互換の問題ではないので、Solaris 2.4、2.5、2.5.1、2.6 オペレーティング環境でコンパイルしたアプリケーションは、Solaris 8 オペレーティング環境において問題なく動作します。
回避方法: Motif ライブラリに直接リンクされている古いバージョンの共有ライブラリがある場合に、Motif ライブラリとその古いバージョンの共有ライブラリの両方にリンクされているプログラムを、Solaris 8 オペレーティング環境でコンパイルするには、次のようなコンパイル行を使用してください。
cc foo.c -o foo -DMOTIF12_HEADERS -I/usr/openwin/include -I/usr/dt/include -lXm12 -lXt -lX11 |
ファイル・マネージャを使用してフロッピーディスクのフォーマットをする場合、フォーマットウィンドウが繰り返し表示されて、フォーマットができないことがあります。
回避方法:以下のようにして、いったんコマンド行からフロッピーディスクを取り出し、フォーマットウィンドウを終了してください。
% eject |
ボリュームマネージャのメッセージを表示するためのダイアログウィンドウは XView アプリケーションであるので、ja_JP.PCK ロケールおよび ja_JP.UTF-8 ロケールでは英語表示で起動されます。
ja ロケールで登録したカレンダは、ja_JP.PCK ロケール および ja_JP.UTF-8 ロケールで起動されたカレンダ・マネージャで見ることができません (ja_JP.PCK ロケールまたは ja_JP.UTF-8 ロケールで作成した場合も同様です)。
ja_JP.PCK ロケール または ja_JP.UTF-8 ロケールでメールファイルを印刷する場合、$HOME/.dt/types に次のような内容のファイルを dtmail.dt というファイル名で作成してください。
次の例は、Sun が一般的にサポートしている EUC 対応のプリンタを想定して設定しています。
iconv(1) を利用する場合:
iconv でプリンタがサポートする文字集合に合わせて変更してください。指定方法については、iconv(1)、iconv(3) のマニュアルページを参照してください。
例 1:ja_JP.PCK ロケールで印刷する場合
ACTION Print { LABEL Print ARG_TYPE DTMAIL_FILE TYPE COMMAND WINDOW_TYPE NO_STDIO EXEC_STRING sh -c ' ¥ dtmailpr -p -f %(File)Arg_1% | ¥ iconv -f PCK -t eucJP | ¥ dtlp -u %(File)Arg_1%;' } |
例 2:ja_JP.UTF-8 ロケールで印刷する場合
ACTION Print { LABEL Print ARG_TYPE DTMAIL_FILE TYPE COMMAND WINDOW_TYPE NO_STDIO EXEC_STRING sh -c ' ¥ dtmailpr -p -f %(File)Arg_1% | iconv -f ¥ UTF-8-Java -t eucJP | dtlp -u %(File)Arg_1%;' } |
mp(1) を使用する場合:
ja、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8 ロケール用の dtmail.dt を作成する必要はありませんが、ja_JP.UTF-8 の場合にフォントが Bitmap から作成され印刷の質が劣るという問題と、バナー情報の日本語が正しく表示されないという問題があります。
ACTION Print { LABEL Print ARG_TYPE DTMAIL_FILE TYPE COMMAND WINDOW_TYPE NO_STDIO EXEC_STRING sh -c ' ¥ dtmailpr -p -f %(File)Arg_1% | mp ¥ | dtlp -u %(File)Arg_1%;' } |
ja_JP.UTF-8 ロケールでは、カレンダ (dtcm) からの印刷はできません。
メールプログラムで検索を行う際、検索フィールドに日本語が含まれていると、検索が正しく行われません。
メールファイルに該当する文字列が存在する場合でも、「一致するものがありません」と表示されます。
Solaris CDE 1.2 より前のメールプログラムで、オプションメニューの「移動メニューの設定」で登録したメールボックス名に日本語文字列が含まれている場合、Solaris CDE 1.2 以降のメールプログラムではそれらのメールボックス名が文字化けすることがあります。
回避方法: Solaris CDE 1.2 あるいは Solaris CDE 1.3 のメールプログラムで、再度登録してください。
メールプログラムのツールバーボタンをテキスト表示に設定している場合、ニーモニックが表示されていますが、キーボード上でこれらのツールバーを操作することはできません。
日本語ファイル名を持つファイルが添付されたメールを受け取った場合、このメールを転送しようとすると、添付ファイルのファイル名がデコードされないで表示されることがあります。転送する前にデコードされずに表示されていても、転送先ではデコードされた状態で表示されるので、そのままそのメールを転送しても問題はありません。
「不在返信」を設定した場合、日本語サブジェクトのついたメールなど、MIME エンコーディングされたメールに対して、不在返信メッセージのサブジェクトの部分が文字化けします。
回避方法: 不在返信メッセージ内に「$SUBJECT」を使わないでください。
/usr/dt/bin/sdtsmartcard から起動される Smart Cards Management Console には、HTML 形式のオンラインヘルプが提供されていますが、日本語には翻訳されていないため、英語のオンラインヘルプが表示されます。このオンラインヘルプは次のリリースで日本語に翻訳される予定です。
なお、この Smart Cards Management Console 以外に関する、Solaris がサポートするスマートカードの一般的な情報は『Solaris スマートカードの管理』に記載されています。