OpenWindows 実行時に発生するバグの情報および注意事項について説明します。
OpenWindows のアプリケーションを起動すると、「将来のバージョンでは OpenWindows 環境はサポートされなくなります。」という内容のメッセージウィンドウが表示されます。このメッセージの表示を制限するには、メッセージウィンドウ中の説明に従ってください。
XView および OLIT のアーカイブライブラリは、C ロケールでだけサポートされています。
日本語 OpenWindows 環境にログインするには、初めにログイン画面の言語選択項目から ja/japanese を選択してください。言語として ja/japanese 以外が選択された場合は、セッション項目に OpenWindows の項目は表示されません。一方、初めにセッション項目で OpenWindows を選択してから ja/japanese 以外の項目を選択した場合には、CDE 環境へのログイン 画面が表示されます。
ワークスペースプロパティで英語環境を日本語環境に切り替える方法は、サポートされていません。また、コマンド行ログインから ja ロケールで起動する場合には、環境変数 LANG が ja に設定されている必要があります。
XView、OLIT は CSI (Code Set Independent) 対応していないため、それらのツールキットを使って作成したアプリケーションの、ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 ロケールでの動作は保証されません。また、リソースの設定に関する制限事項のために、ja_JP.eucJP ロケールでの動作も保証されません。したがって、日本語 OpenWindows 環境を ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8、 ja_JP.eucJP ロケールで起動することもサポートされていません。また、将来においてもサポートの予定はありません。
動作は保証されませんが、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8 、または ja_JP.eucJP ロケールで起動した Solaris CDE 環境上で、XView、OLIT を使ったアプリケーションを ja ロケールとして起動することができます。
例として、コマンドツールの起動方法を説明します。端末エミュレータ上で、次のように入力してください。
起動方法 :
% env LANG=ja /usr/openwin/bin/cmdtool -lc_basiclocale ja ¥ -lc_displaylang ja -lc_inputlang ja -lc_timeformat ja -lc_numeric ja |
また、-lc_* オプションを使えないアプリケーションでは、-xrm オプションを使って OpenWindows.basicLocale などのリソースを ja に指定する方法もあります。詳しくは xview(7) のマニュアルページを参照してください。
アプリケーションによっては正しく動作しない場合もあります。この方法は ja_JP.PCK または ja_JP.UTF-8 ロケール環境で、ja ロケールとしてアプリケーションを動作させるので、ja ロケールと ja_JP.PCK または ja_JP.UTF-8 ロケール間の日本語データには互換性がないことを十分に認識した上で処理してください。たとえば、ja_JP.PCK ロケール上で作成した日本語のデータファイルを ja ロケールで起動したアプリケーションで処理しないように注意してください。また、日本語のファイル名も、異なるロケール間では正しく処理できません。
日本語 OpenWindows の初期画面ではヘルプビューアは起動されません。ヘルプビューアで『ヘルプハンドブック』を参照する場合には、ワークスペースメニューから 「ヘルプ...」を選択してください。
/usr/lib/.text_extras_menu ファイルが存在しないため、バイナリ互換モードで XView テキストサブウィンドウ・パッケージを使用するアプリケーションを動作させると、次のような警告が表示されて一部の機能が使用できなくなります。
システム warning: No such file or directory, extras menu file /usr/lib/.text_extras_menu (Textsw パッケージ) |
Num Lock キーが動作しません。Num Lock キーではなく、他の数字キーを使用してください。
漢字変換で、候補の一覧表示のラベルを数字にすると、候補を選択できません。一覧表示のラベルをアルファベットにして使用してください。
日本語 OpenWindows 2.x に含まれる以下の日本語 DeskSetTM の動作は、JFP のバイナリ互換サポートパッケージでは保証されません。
日本語 OpenWindows 2.x での TTY、TERM サブウィンドウは、バイナリ互換パッケージでは動作しません。
複雑なグラフィックを含むドキュメントや、サイズの大きなファイルを pageview で表示しようとすると、通常のファイルを表示するよりも時間がかかるため、時間切れによって表示できない場合があります。この場合、引数 -timeout を 180 に設定して pageview を実行し直すか、イメージツールを使用してください。
mp(1) ではユーザー定義文字、JIS X 0212、IBM 選定ユーザー定義文字、JIS13 区の NEC 特殊文字などの印刷はサポートされていません。これらの文字を印刷する場合は jpostprint(1) を使用してください。
EUC コードセット 3 (JIS X 0212) には、以下のような制限事項があります。
書体は平成明朝体 W3 のみです。
日本語 OpenWindows DeskSetTM、あるいは jtops(1)、 mp(1) を使用して、EUC コードセット 3 の文字を印刷できません。
EUC コードセット 3 の文字をメールツールで送信できません。
XView で書かれたアプリケーションに -font オプションで minm12 または minm14 フォントを指定した場合、パネル上のラベルなどで使用されるボールドフォントが正しく表示されません。また、k14 フォントを指定した場合には、それらのラベルは表示されなくなります。
回避方法: minm12 の代わりに gotm12 を、k14 フォントと minm14 フォントの代わりに gotm14 フォントをそれぞれ使用してください。
日本語 OpenWindows で提供される日本語ビットマップフォントのうち、通常使用する大きさ (14 ポイント、12 ポイント) 以外のフォントは、ディスク容量の節約のために圧縮されています。圧縮されたフォントを使用すると、パフォーマンスが 20 % から 30 % 低下します。ディスクに余裕がある場合は、uncompress(1) を使用してフォントを元の状態に復元してください。次の手順で、圧縮されているフォントを復元できます。
% su Password:<パスワード> # cd /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/75dpi # /usr/bin/uncompress *.Z # /usr/openwin/bin/mkfontdir # exit % /usr/openwin/bin/xset fp rehash |
プリエディットスタイルが overTheSpot に設定されている場合、XView ツールキットのパネルサブウィンドウと tty サブウィンドウから、プリエディットテキストの自動確定を使用できません。
XView ツールキットでは、かな入力が可能な状態で、Meta-C、Meta-V、Meta-X などの Meta キーを使用する操作や、Copy(L6)、Paste(L8)、Cut(L10) などの左側ファンクションキーを利用した操作はできません。
回避方法: 「ローマ字/かな」キーを押して、「ローマ字入力モード」にしてください。
OLIT ツールキットは、フォントセット定義ファイル OpenWindows.fs (/usr/openwin/lib/locale/ja/OW_FONT_SETS/OpenWindows.fs) をサポートしません。
プリエディットスタイルが overTheSpot または rootWindow に設定されている場合、プリエディットテキストの自動確定が使用できません。
「フォント」カテゴリで「標準」を選択していると、フォントタイプとして「Gothic Medium Bbb-Sans (Morisawa)」だけが表示されます。複数のフォントタイプを表示するには「ユーザー選択」を使用してください。
フォントタイプを変更した場合、日本語ロケールでは OLIT アプリケーションに適用されません。
ファイルマネージャのコメントウィンドウは、日本国内では使用できません。このウィンドウを使用してメールを発信した場合のネットワーク上の弊害については保証しません。
メールツールは、ISO 2022 (7 単位) の変換だけを行います。.mailrc ファイル内に encoding 変数を設定しても、メールツールの動作には影響しません。ISO 2022 (7 単位) 以外のエンコーディングを使用してメールを送信する場合は、/usr/SUNWale/bin/mailx を使用してください。
添付ファイルつきの日本語を含むメールを送信する場合、メールツールはそのメールの日本語 EUC を ISO2022 に変換しません。
dtmail から通常の形式 (Internet MIME 形式) で送られたメールに日本語文字列を含むアタッチメントが添付されている場合、そのアタッチメントをメールツール上で表示できません。
回避方法: 次のいずれかの手順を行なってください。
送信者に Sun Mail Tool 形式で再度メールを送信してもらってください。
アタッチメントをファイルに保存し、jistoeuc(1) または iconv(1) コマンドを使用してコード変換を行なってください。
jistoeuc(1) コマンドを使用する場合 :
% /usr/bin/jistoeuc <保存したファイル名> |
iconv(1) コマンドを使用する場合:
% /usr/bin/iconv -f ISO-2022-JP -t eucJP <保存したファイル名> |
メールツールは MIME 形式の日本語メールを受信し、表示できますが、表示する際に日本語 EUC に変換しているため、表示以外の操作ではこの EUC 変換は行われません。メールツールからの印刷、ヘッダーウィンドウからのコピー、ペーストなどを行うと、日本語が正しく処理されません。
回避方法: メールツールのヘッダーウィンドウから印刷ツールにドラッグ&ドロップを行うか、メールツールのプロパティで「メッセージウィンドウ」を選択し、印刷スクリプトの項目に次のように記述してください。
jistoeuc | lp -s
MIME で送られたメッセージを表示ウィンドウ上で編集した後、「変更内容を保存」を行うと、メッセージが文字化けしてしまいます。
回避方法: メッセージウィンドウでは MIME 形式のメッセージを編集しないでください。編集してしまった場合には、確認ウィンドウで「変更内容を保存」を選択せずに「変更内容を破棄」を選択してください。