Sun Enterprise 10000 Domain 構成マニュアル

idn.conf(4) ファイル

modload(1M) コマンドによる IDN の読み込み時に特定のパラメタが設定されるように、idn.conf(4) ファイルにそれらのパラメタの値を定義しておくことができます。このファイルに IDN のインスタンスを追加することもできます。各 IDN インスタンスに対して、idn.conf(4) ファイルに以下の行 (n はインスタンスの番号) を追加します。


name="idn" parent="pseudo" instance=n;


注 -

ドメインが IDN にリンクされている間は、すべての idn.conf(4) ファイルパラメタを変更できます。ただし、値を有効にするには、ドメインを再起動する必要があります。


以下の表にパラメタの名前、パラメタの最小値、最大値、デフォルト値、またそれらの値の単位を示します。


注意 - 注意 -

以下の表に示したパラメタは、経験を積んだ IDN ユーザー以外は使用しないでください。値を変更すると、IDN の動作に悪影響を及ぼす場合があります。


表 3-2 IDN idn.conf(4) ファイルのパラメタ

名前 

最小値 

最大値 

デフォルト値 

説明 

bind_cpu

− 

− 

-1 

対応するチャネルサーバーがオンラインになった後に、そのチャネルサーバーに結合する cpuid を指定します。このパラメタは、特定の CPU インスタンスに関連付ける必要があります。指定されたcpuid がドメイン内の有効な CPU でない場合は、チャネルサーバーは結合されません。この値には、CPU の ID を指定します (-1 は非結合)。

idn_awolmsg_interval

3600 

30 

ドメインごとに、コンソール上に AWOL メッセージが表示される頻度を制御します。この値は秒単位で指定します。 

idn_checksum

SMR メールボックスに対する検査合計の検証を設定する 2 進フラグです。値を 0 に設定するとこのフラグはオフになり、1 に設定するとオンになります。 

idn_dmv_pending_max

512 

128 

単一のプロセッサが IDN ドライバに対して保留できる未処理の DMV 割り込みの最大数を制御します。このパラメタは、着信クロスドメイン割り込みのデータのカプセル化のために使用するキューの構造体も記述します。この値は数で指定します。 

idn_history

IDN が特定の IDN イベントの内部ログをオンにするかどうかを設定する 2 進フラグです。このパラメタは、問題の分析のためのみに使用します。サポート担当者が後のデバッグのために情報を収集することが可能になります。値を 0 に設定するとこのフラグはオフになり、1 に設定するとオンになります。 

idn_hiwat

1024 

1048576 

262144 

IDN STREAM のキューの高ウォーターマークを制御します。この値はバイト単位で指定します。 

idn_lowat

1  

524288 

IDN STREAM のキューの低ウォーターマークを制御します。この値はバイト単位で指定します。 

idn_max_nets

32 

IDN ドライバ上に plumb できるネットワークチャネルまたはインタフェースの最大数を制御します。この値は一般的な単位または個数で指定します。 

idn_mbox_per_net

31 

511 

127 

各メールボックステーブル (チャネルとインタフェース、あるいはそのいずれか) のメールボックスエントリの数を制御します。この値は奇数である必要があります。この値は一般的な単位または個数で指定します。 

idn_msgwait_cfg

10 

300 

40 

CFG (構成) メッセージに対する応答待ち時間の最小値を制御します。この値は秒単位で指定します。 

idn_msgwait_cmd

10 

300 

40 

(通常マスタードメインへの) CMD (コマンド) メッセージに対する応答待ち時間の最小値を制御します。この値は秒単位で指定します。 

idn_msgwait_con

10 

300 

20 

CON (接続) メッセージに対する応答待ち時間の最小値を制御します。この値は秒単位で指定します。 

idn_msgwait_data

10 

300 

30 

DATA (切断) 起動呼び出しに対する応答待ち時間の最小値を制御します。この値は秒単位で指定します。 

idn_msgwait_fin

10 

300 

40 

FIN (切断) メッセージに対する応答待ち時間の最小値を制御します。この値は秒単位で指定します。 

idn_msgwait_nego

10 

300 

20 

NEGO (ネゴシエーション) メッセージに対する応答待ち時間の最小値を制御します。この値は秒単位で指定します。 

idn_netsvr_spin_count

10000 

500 

チャネルサーバーが、プロセッサとの結合を放棄する前に着信パケットのポーリングを行う回数を制御します。この値は一般的な単位または回数で指定します。 

idn_netsvr_wait_max

6000 

1600 

チャネルサーバーが永久に休眠状態になる前に休眠する期間を示すクロック刻みの最大数を制御します。 

idn_netsvr_wait_min

3000 

40 

着信データパケットが見つからないときにチャネルサーバーが休眠する期間を示す最初のクロック刻みの値を制御します。この値はクロック刻みで指定します (100 パルス刻みは、1 秒に相当します)。 

idn_netsvr_wait_shift

チャネルサーバーが休眠状態から目覚めたときにパケットを見つけることができないたびに、チャネルサーバーの休眠時間を増加させる割合を示します。この値を 1 に設定すると毎回休眠時間が倍になっていきます。休眠時間は、idn_netsvr_wait_max で指定された最大値まで増加します。この値は一般的な単位または数で指定します。

idn_nwr_size

SMR 全体 

SMR 全体 

ネットワークベースの通信に使用する、SMR 内の Network Region (NWR) のサイズを制御します。この値はメガバイト単位で指定します。 

idn_pil

ソフト割り込みの優先レベルを制御します。このレベルでクロスドメイン割り込みが処理されます。この値は数値で指定します。 

idn_protocol_nservers

16 

リモート IDN メンバードメインからの IDN 接続管理メッセージの処理を任されるスレッドの数を制御します。この値は個数で指定します。 

idn_reclaim_max

128 

ドメインが、未処理の利用されていないバッファーの再利用を試みる最大の回数を制御します。この値が 0 の場合は、ドメインは、最小しきい値 (idn_reclaim_min) に達した後、できるだけ多くのバッファーの再利用を試みます。この値はバッファー単位で指定します。

idn_reclaim_min

128 

未処理 (利用されていない) バッファーのしきい値を制御します。この値を超えると、ドメインはバッファーの再利用を試みます。この値はバッファー単位で指定します。 

idn_retryfreq_con

60 

リンクしようとするドメインが CON (接続) フェーズに達したことの確認の再試行間隔の最小時間を制御します。この値は秒単位で指定します。 

idn_retryfreq_fin

60 

リンク解除しようとするドメインが FIN (切断) フェーズに達したことの確認の再試行間隔の最小時間を制御します。この値は秒単位で指定します。 

idn_retryfreq_nego

60 

IDN 接続の開始の再試行間隔の最小時間を制御します。この値は秒単位で指定します。 

idn_sigbpil

ソフト割り込みの優先レベルを制御します。このレベルで SSP の sigblock 要求が処理されます。この値は数値で指定します。 

idn_slab_bufcount

1024 

32 

スラブごとに割り当てるバッファーの数を制御します。この値はバッファー単位で指定します。 

idn_slab_mintotal

16 

マスタードメインが保持する利用可能なスラブの最小数を制御します。マスタードメインは、利用可能なスラブの総数がこの変数の値を下回ると、スレーブドメインに未使用スラブの返却を要求します。この値はスラブ単位で指定します。 

idn_slab_prealloc

10 

ドメインの IDN へのリンク時に事前に割り当てるスラブの数を制御します。この値はスラブ単位で指定します。 

idn_smr_bufsize

512 

524288 

16384 

IDN MTU サイズに変換される、SMR 入出力バッファーのサイズを制御します。この値は 2 の倍数をバイト単位で指定します。 

idn_smr_size

SMR 全体 

SMR のサイズは、OBP 変数 idn-smr-size の値によって制限されます。SMR のサイズは、idn-smr-size 変数の最小値と idn_smr_size パラメタの最小値によって決まります。idn-smr-size がゼロの場合は、OBP 変数が idn.conf(4) パラメタを上書きします。

idn_window_incr

32 

アクティブなチャネルまたはインタフェース、あるいはその両方が追加されるたびに idn_window_max が大きくなる値を制御します。この値はバッファー単位で指定します。

idn_window_max

256 

64 

未処理バッファーの基準しきい値を制御します。この値を超えると、ドメインは対応するドメインへのデータパケットの送信を停止します。この値はバッファー単位で指定します。