Solaris 8 のインストール (上級編)

プロファイルのテスト

プロファイルの作成後、pfinstall(1M) コマンドを使用すれば、実際にプロファイルを使用してシステムをインストールまたはアップグレードする前に、プロファイルをテストできます。プロファイルのテストは、特にディスク容量を割り当て直すアップグレードプロファイルを作成するときに便利です。

pfinstall が生成するインストール出力を調べることによって、プロファイルが期待どおりのことを実行しようとしているかを簡単に調べることができます。たとえば、実際にシステムでアップグレードを行う前に、そのシステムが Solaris の新しいリリースにアップグレードするための十分なディスク容量を持っているかどうかをプロファイルで調べることができます。

プロファイルのテスト方法

pfinstall を使用すると、次の内容についてプロファイルをテストできます。

プロファイルのテストの概要

特定の Solaris リリースでプロファイルを正常かつ正確にテストするには、同じリリースの Solaris 環境内にあるプロファイルをテストする必要があります。たとえば、Solaris 8 初期インストールプロファイルをテストする場合は、Solaris 8 を実行するシステムに対して pfinstall コマンドを実行する必要があります。

ただし、以前のバージョンの Solaris を実行するシステムで Solaris 8 アップグレードプロファイルをテストする場合、または Solaris 8 初期インストールプロファイルをテストするための Solaris 8 システムをまだインストールしていない場合は、次のように一時インストール環境を作成する必要があります。

pfinstall の構文

次に、プロファイルのテストに使用する pfinstall コマンドの構文を示します。


# /usr/sbin/install.d/pfinstall disk_configuration [[-c path]] profile

表 6-7 pfinstall コマンド引数の説明

引数 

説明 

disk_configuration

-D または -d disk_config_file オプションを表します。これは、pfinstall に対して、現在のシステムのディスク構成を使用してプロファイルをテストするか (-D)、またはディスク構成ファイル disk_config_file を使用してプロファイルをテストするかを指示するものです。

disk_configpfinstall の実行されているディレクトリにない場合は、パスを指定する必要があります。

アップグレードプロファイル (install_type upgrade) で -d disk_config_file オプションを使用することはできません。常に、システムのディスク構成に対してアップグレードプロファイルをテストする必要があります (つまり、-D オプションを使用する必要があります)。

-c path

Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージへのパスです。このオプションは、たとえば、システムでボリュームマネージャを使用して Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC または Intel) を各自のプラットフォームにマウントする場合に使用します。 


注 -

このオプションは、各自のプラットフォーム用の Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC または Intel) イメージから起動した場合には不要です。これは、この CD イメージが、起動プロセスの一部として /cdrom にマウントされているためです。


profile

テストするプロファイル名。profilepfinstall が実行されているディレクトリにない場合は、パスを指定する必要があります。

プロファイルをテストする方法

  1. プロファイルを作成したシステムと同じプラットフォームタイプ (SPARC または IA) のシステムであることを確認します。

    アップグレードプロファイルをテストする場合、アップグレードしようとしているシステムを使用しなければなりません。

  2. 次の表に基づいて、次に進む手順を決定します。

    状態 

    手順 

    初期インストールプロファイルをテストする必要があり、Solaris 8 が動作しているシステムがある場合 

    そのシステムでスーパーユーザーになって、手順 9 に進みます。

    アップグレードプロファイルをテストする必要があるか、初期インストールプロファイルをテストするための Solaris 8 が動作しているシステムがない場合 

    手順 3 に進みます。

  3. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) からシステムをブートします。このイメージは、システムのローカル CD-ROM またはインストールサーバーにあります。

    システムのブートの詳細は、第 5 章「Solaris 8 対話式インストールプログラムの使用方法」を参照してください。


    注 -

    アップグレードプロファイルをテストする場合は、アップグレードしようとしているシステムをブートします。


  4. プロンプトが表示された場合は、システムを識別する質問に答えます。

  5. インストールオプションで、「Solaris 対話式インストールプログラム (Solaris Interactive Installation program)」を選択します。

  6. Solaris 8 対話式インストールプログラムの最初の画面で終了します。

    Solaris 8 対話式インストールプログラムが終了すると、シェルプロンプトが表示されます。

  7. 一時マウントポイントを作成します。


    # mkdir /tmp/mnt
    
  8. テストするプロファイルが入っているディレクトリをマウントします。

    マウントするディレクトリ 

    コマンド 

    リモート NFS ファイルシステムをマウントする (ネットワーク上のシステムの場合) 


    mount -F nfs server_name:path /tmp/mnt
    

    UFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントする 


    mount -F ufs /dev/diskette /tmp/mnt
    

    PCFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントする 


    mount -F pcfs /dev/diskette /tmp/mnt
    

  9. システムのメモリーサイズを指定してプロファイルをテストするには、SYS_MEMSIZE に使用するメモリーサイズを M バイトで設定します。


    # SYS_MEMSIZE=memory_size
    # export SYS_MEMSIZE
    

  10. 手順 8 でディレクトリを

    • マウントした場合は、/tmp/mnt にディレクトリを変更します。


      # cd /tmp/mnt
      

    • マウントしなかった場合は、プロファイルのある場所にディレクトリを変更します。通常は、JumpStart ディレクトリです。


      # cd jumpstart_dir_path
      


    注意 - 注意 -

    -d オプションまたは -D オプションを指定しないと、pfinstall は指定したプロファイルを使用して、実際に Solaris ソフトウェアをシステムにインストールします。この結果、そのシステム上のデータは上書きされます。


  11. pfinstall(1M) コマンドによってプロファイルをテストします。


    # /usr/sbin/install.d/pfinstall disk_configuration [[-c path]] profile
    

例-プロファイルをテストする

次の例は、basic_prof プロファイルを、pfinstall を実行している Solaris 8 システム上のディスク構成に対してテストしています。basic_prof プロファイルは、/jumpstart ディレクトリにあります。ボリュームマネージャを使用しているので、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージへのパスが指定されています。


# cd /jumpstart
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -D -c /cdrom/pathname basic_prof

次の例は、basic_prof プロファイルを、ディスク構成ファイル 535_test と 64M バイトのシステムメモリーに対してテストしています。この例は、/export/install ディレクトリに存在する Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージを使用しています。また、pfinstall は、Solaris 8 システムで実行しています。


# SYS_MEMSIZE=64
# export SYS_MEMSIZE
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -d 535_test -c /export/install basic_prof