特記事項: SunFDDI アダプタ

SMT フレームの監視

pf_smtmon(1M) ユーティリティーまたは nf_smtmon(1M) ユーティリティーは、ローカルステーションで受信された SMT フレームが表示されるアクティブモニターです。これらのユーティリティーは、SunNet Manager のプロキシエージェントと共に利用することにより、通信問題の診断に特に役立ちます。

これらのコマンドは、スーパーユーザーで実行する必要があります。一般的な形式は以下のとおりです。


# <basedir><inst>] [-x] [-h] [<frameclass>] /pf_smtmon [-i pf

-i pf<inst> は、SunFDDI インタフェースを指定します。

-x は、受信された SMT フレームが 16 進数で表示されます。

-h は、有効なフレームクラスの一覧を含むヘルプ情報が表示されます。

<frameclass> は、1 つまたは複数の SMT フレームクラスを指定します (出力のフィルタリングに使用)。

インタフェースを指定しなかった場合は、pf_smtmon(1M) または nf_smtmon(1M) によって、pf0 で受信された SMT フレームが返されます。フレームタイプを指定しなかった場合は、pf_smtmon によって、受信されたすべての SMT フレームが表示されます。pf_smtmon(1M) または nf_smtmon(1M) を終了するには、Ctrl-C を使用します。

インタフェース pf1 で受信された、符号化された SMT フレームを表示するには、以下のように入力します。


# <basedir>/pf_smtmon -i pf1
pf1: nif_request v=0x1 t=0xfc03e781 s=10-0-4-48-6f-a5 i=0x28
pf1: nif_response v=0x1 t=0xfc03e781 s=10-0-4-8-24-5c i=0x28
pf1: nif_request v=0x1 t=0xfc00dec6 s=10-0-4-b8-6e-ab i=0x28
pf1: nif_request v=0x1 t=0xfc03e787 s=10-0-4-48-6f-a5 i=0x28
pf1: nif_response v=0x1 t=0xfc03e787 s=10-0-4-8-24-5c i=0x28

SMT フレームの要素は以下のように定義されます。

表 2-5 SMT フレームの要素

要素 

定義 

class_type

SMT フレームのクラスとタイプを示します (SMT フレームのクラスとタイプを参照してください)。

v

バージョン ID。SMT 情報フィールドの構造を示します。 

t

トランザクション ID。SMT 応答フレームと要求フレームの組み合わせに使用されます。 

s

ステーション ID。フレームの転送元のステーションを一意に識別します。 

i

情報フィールド長。SMT 情報フィールドの長さを定義します。 

  1. インタフェース pf1 で受信された SMT フレームを 16 進数で表示する場合は、以下のように入力します。


    # <basedir>/pf_smtmon -i pf1 -x
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x170 s=10-0-4-8-24-5c i=0x28
    004DC000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 0408245C 01020001 00000170 00001000 
    0408245C 00000028 00010008 00001000 04B86EAB 00020004 00010100 00030004 
    00002100 200B0008 00000001 00000001 76C467A0 
    
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x5e0f s=10-0-d4-78-42-4d i=0x28
    004D0000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 D478424D 01020001 00005E0F 00001000 
    D478424D 00000028 00010008 00001000 0408245C 00020004 01010208 00030004 
    00001200 200B0008 0000000B 00000002 A522BBA1 
    
    pf1: nif_response v=0x1 t=0xfc00d94a s=10-0-4-8-24-5c i=0x28
    004D0000 00000041 100004B8 6EAB1000 0408245C 01030001 FC00D94A 00001000 
    0408245C 00000028 00010008 00001000 04B86EAB 00020004 00010100 00030004 
    00002100 200B0008 00000001 00000001 865549E2 0049C020 F0154E4F FFFFFFFF 
    FFFF1000 04B86EAB 01020001 FC00D94A 00001000 04B86EAB 00000028 00010008 
    00001000 D478424D 00020004 00010100 00030004 00002000 200B0008 00000001 
    00000001 
    
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x5e13 s=10-0-d4-78-42-4d i=0x28
    004D0000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 D478424D 01020001 00005E13 00001000 
    D478424D 00000028 00010008 00001000 0408245C 00020004 01010208 00030004 
    00001200 200B0008 0000000B 00000002 4AD75A79 
    
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x5e17 s=10-0-d4-78-42-4d i=0x28
    004D0000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 D478424D 01020001 00005E17 00001000 
    D478424D 00000028 00010008 00001000 0408245C 00020004 01010208 00030004 
    00001200 200B0008 0000000B 00000002 DCEBADA2 
    
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x171 s=10-0-4-8-24-5c i=0x28
    004DC000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 0408245C 01020001 00000171 00001000 
    0408245C 00000028 00010008 00001000 04B86EAB 00020004 00010100 00030004 
    00002100 200B0008 00000001 00000001 127B1D3B 
    
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x5e1b s=10-0-d4-78-42-4d i=0x28
    004D0000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 D478424D 01020001 00005E1B 00001000 
    D478424D 00000028 00010008 00001000 0408245C 00020004 01010208 00030004 
    00001200 200B0008 0000000B 00000002 626FA878 

SMT フレームのクラスとタイプ

SMT フレームは、ピアツーピア (ステーション間) 管理に使用されます。SMT フレームは、フレームの機能を定義するクラスに分類されます。各クラスは、フレームが通知 (情報のみ) であるか、サービスの要求であるか、要求への応答であるかを定義する 3 つのタイプに分類されます。SMT フレームとその機能についての詳細は、『ANSI/FDDI Station Management (SMT) X3.299 R7.3 Specification』を参照してください。

pf_smtmon(1M) ユーティリティーまたは nf_smtmon(1M) ユーティリティーを使用して、以下の SMT フレームクラスを監視します。

NIF (隣接局情報フレーム)

pf_smtmon(1M) または nf_smtmon(1M) を実行したときに表示される最も一般的なフレームです。隣接するステーションに関する情報 (アドレス、説明、状態、MAC 機能など) が送信され、ステーションがリングに接続されて機能していることを示すキープアライブ (keep-alive) 通知として使用されます。NIF フレームは、通知、要求、応答のいずれかです。

SIF (局情報フレーム)

これらのフレームでは、ステーションに関するより詳細な情報が送信されます。SIF 構成フレームは、ステーションの構成 (ポート数、MAC エンティティ数、接続方針など) を示します。SIF 操作フレームは、ステーションの現在の状態を示します。SIF フレームは要求または応答のいずれかです。

ECF (エコーフレーム)

これらのフレームは、ICMP の ping パケットと同等で、ステーション間の接続のテストに使用されます。ECF フレームは要求または応答のいずれかです。

RDF (資源否定フレーム)

これらのフレームは、要求が拒否されたことを示します。SMT エージェント (SunFDDI に付属する SunNet Manager プロキシエージェントなど) で、サポートされていない、または認識できない要求が受信された場合は、要求が拒否されたことを示す RDF フレームが発行されます。RDF フレームは常に応答です。

ESF (拡張サービスフレーム)

これらのフレームは実装に依存します。ESF フレームは、通知、要求、応答のいずれかです。

PMF (パラメタ管理フレーム)

これらのフレームは、遠隔ステーションの属性のアクセスに使用されます。パラメタ管理プロトコルでは、get (表示) 機能および set (変更) 機能の両方がサポートされています。ただし、pf_smtmon(1M) ユーティリティーや nf_smtmon(1M) ユーティリティーでは、PMF_get フレームだけが表示されます。PMF_get フレームは、要求または応答のいずれかです。