tar コマンドは、複数のファイルをまとめて tar ファイルという 1 つのファイルに保管したり、tar ファイルからファイルを抽出したりします。tar で複数のボリューム (テープ) を扱うことはできないため、保管するデータが複数のテープを必要とする場合は、別のテープ操作コマンドを使用してください。
例 1:
次の例は、ハードディスクからテープにファイルをコピーする方法を示しています。
example# tar cvbf 126 /dev/rmt/1 ./ディレクトリ |
この例の tar コマンドは、指定されたディレクトリから、デバイス名 が /dev/rmt/1 のテープドライブにファイルをコピーします。ソースディレクトリ名の前に ./ が指定されているため、ファイル名は相対パス名で記録されます。後でこれらのファイルを抽出した場合、現在の作業用ディレクトリを基準にファイルシステムに書き戻されます。
c オプションは、tar ファイルを作成します (この例ではテープに作成される)。
v オプションは、コピーする各ファイルの情報を表示します (詳細モード)。
b オプションは、ブロック化因数を指定します (この例では 96)。
f オプションは、ソースドライブのデバイス名を指定します (この例ではテープドライブ) 。
例 2:
次の例は、テープからハードディスクの現在の作業用ディレクトリにファイルをコピーする方法を説明しています。tar を実行する前に、抽出されるファイルを格納するディレクトリに切り替えておいてください。
example# cd /tmp example# tar xvbf 126 /dev/rmt/1 |
x オプションは、tar ファイル (テープ) からファイルを抽出します。
v オプションは、コピーする各ファイルの情報を表示します (詳細モード)。
b オプションは、ブロック化因数を指定します。例ではこの因数を 126 (63k) としています。
f オプションは、ターゲットドライブのダンプファイルを指定します。
テープからハードディスクにファイルを取り出す (つまりコピーする) ときは、ハードディスクからテープにファイルをコピーしたときと同じ (またはそれ以上の) ブロック化因数を使用する必要があります。