SunVTS 4.1 テストリファレンスマニュアル

第 30 章 M64 ビデオボードテスト (m64test)

m64test テストは、以下のサブテストを実行することによって PCI ベースの M64 ビデオボードを検査します。


注意 - 注意 -

m64test の実行中は、M64 ビデオボードを使用するアプリケーションやスクリーンセーバーを実行しないでください。また、Power ManagementTM ソフトウェア (電源管理ソフトウェア) も実行しないでください。これらのプログラムと共に実行すると、SunVTS によって誤ったエラーが返されます。



注 -

グラフィックスデバイスをテストする場合は、あらかじめスクリーンセーバーを終了させておいてください。スクリーンセーバーを終了させるには、UNIX のプロンプトで xset s off と入力します。電源管理ソフトウェアを実行している場合は、無効にしてください。



注 -

複数のモニターにまたがって OpenWindows を実行しないでください。



注 -

vtsk ではなく、vtsui を使用し SunVTS を起動するには、xhost + ホスト名というように xhost にホスト名を指定する必要があります。


m64test のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、グループツリーを展開すると表示される場合があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.1 ユーザーマニュアル』を参照してください。

デフォルトでは、Frame Buffer Locking を除くすべてのテストオプションが有効になっています。

図 30-1 m64test テストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

表 30-1 m64test のオプション

オプション 

説明 

Video Memory 

8、16、32、64 ビットと 64 バイト (ブロック) モードで M64 ビデオボードのオンスクリーンビデオメモリー (画面で確認できるメモリー部分) をテストします。このテストは、オンスクリーンビデオメモリーの各バイトに、書き込みと読み取りを行う 2 つのパスから構成されます。最初のパスでは、ランダムデータまたはコマンド行で指定されたデータを使用します。2 回目のパスでは、最初のパスで使用されたデータの 1 の補数を使用して、オンスクリーンビデオメモリーの各ビットがゼロ (電気的にはロー状態) と 1 (電気的にはハイ状態) でテストされるようにします。 

RAMDAC 

RAMDAC テストは、3 つの段階から構成されます。 

最初の段階では、単純な書き込みと読み取りパターンを使用して、RAMDAC CLUT (カラールックアップテーブル) の CLUT に不良なビットがないかどうかがテストされます。 

データパターンは以下のとおりです。 

  • ランダムデータ

  • 最初のデータパターンとして使用されたランダムデータの補数

  • データパターン 0101

  • データパターン 10101

第 2 段階では、4 種類のデータパターンを描いて、数秒ほど画面に表示したままにします。各パターンとともにシグニチャーがとられ、既知の正常なボードの対応するパターンで取得されたシグニチャーと比較されます。これにより、RAMDAC 内のすべてのデータパスが正しく機能していることが確認されます。 

 

4 種類のデータパターンは以下のとおりです。 

  • 赤のランプで画面の左上にカーソル

  • 青のランプで画面の右上にカーソル

  • 緑のランプで画面の左下にカーソル

  • グレーのランプで画面の右下にカーソル

第 3 段階では、300 回の割り込みを行って垂直帰線割り込みをテストします。 

Accelerator Port 

以下をすべてテストします。 

  • データパス (ソース: 固定カラー、ホストデータ、blit、固定パターン)

  • 算術論理演算装置 (ALU)

  • カラー比較装置

  • 基本式 (宛先: 線分、長方形)

  • モノクロ - カラー拡張ロジック

 

使用できるデータパスと ALU 関数、カラー比較関数を組み合わせて基本式が描かれ、データの組み合わせごとにシグニチャーをとって、既知の正常なボードの対応するデータの組み合わせで取得されたシグニチャーと比較されます。 

Frame Buffer Locking 

M64 がコンソールデバイスでない場合は、このオプションを無効に設定します。M64 がコンソールデバイスの場合は、デフォルトで有効になります。M64 がコンソールデバイスでない場合は、デフォルトで無効になります。 

m64test のテストモード

グラフィックテストの性格上、グラフィックテスト中にフレームバッファーを読み書きすると、ユーザーの作業の障害になることがあります。このテストは、オフラインの機能テスト (Functional Test) モードでのみ使用することができます。

表 30-2 m64test のテストモード

テストモード 

サポート 

説明 

接続テスト 

× 

サポートされていません。 

機能テスト 

(オフライン) 

○ 

M64 ビデオボードを検査します。 

機能テスト 

(オンライン) 

× 

サポートされていません。 

m64test のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/m64test 標準引数 -o dev=デバイス名,S=サブテスト番号, F=サブテストのループ回数,B=テストのループ回数,L=disable,P=テストパターン

表 30-3 m64test のコマンド行構文

引数 

説明 

dev=デバイス名

テストするデバイスの相対パス名 (/dev/fbs を指し示す) を指定します。デフォルトは m640 です。

S=サブテスト番号

実行するサブテストのテスト番号を指定します。以下から選択してください。サブテスト番号を加算することによって、複数のサブテストを実行することができます。たとえば、n=0x00003 では、テスト 00001 とテスト 00002 の両方が実行されます。 

n=0x00005 では、テスト 0x00001 と 0x000004 の両方が実行されます。先行ゼロは必要ありません。 

  • n - 0x00001 VRAM

  • n - 0x00002 RAMDAC

  • n - 0x00004 アクセラレータポートテスト (描画パイプライン)

サブテスト番号の論理和をとることによって、複数のテストを選択することができます。 

たとえば、n = 0x00005 は、VRAM テストと描画パイプラインテストを意味します。 

16 進数の前には 0x を付ける必要があります。10 進数で指定することもできます。 

F=サブテストのループ回数

各サブテストを繰り返す回数を指定します。デフォルトは 1 回です。 

B=テストのループ回数

テストループを繰り返す回数を指定します。この回数繰り返されると、テストはパスしたことになります。デフォルトは 1 回です。 

L=disable

フレームバッファーロックを無効にします。M64 がコンソールでない場合、あるいはサーバーがテスト中の M64 上で動作していない場合は、ロックを無効にしてください。 

P=テストパターン

テストパターン番号を指定します。デフォルトは、ランダムパターンを示す r です。0 (0x0000000)3 (0x3333333)5 (0x5555555)9 (0x9999999) を指定することもできます。


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。