SunVTS 4.2 テストリファレンスマニュアル

第 41 章 物理メモリーテスト (pmemtest)

pmemtest は、システムの物理メモリーを検査します。パリティーエラー、ハードおよびソフトエラー訂正コード (ECC) エラー、メモリー読み取りエラー、アドレス指定の問題を検出します。物理メモリーの読み取りには、mem(7) 擬似ドライバが使用されます。

このテストは、用意されているすべての物理メモリーを読み取ります。物理メモリーに対する書き込みは行いません。

pmemtest のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、グループツリーを展開すると表示される場合があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.2 ユーザーマニュアル』を参照してください。

図 41-1 pmemtest のテストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

表 41-1 pmemtest のオプション

オプション 

説明 

Configuration 

SunVTS カーネルによって調べられた物理メモリーの合計容量をメガバイト (MB) 単位で示します。端数は切り上げられます。 

Amount of Memory 

テストする物理メモリーの割合を指定します。 

ECC Report Threshold 

訂正可能な ECC エラーがいくつ発生したときに、1 つのエラーとして pmemtest に障害の報告をさせるかを指定します。ゼロを指定すると、訂正可能な ECC エラーがいくつ発生しても、障害の報告はされません。デフォルトは 2 個です。

このオプションは、UltraSPARCTM システムでだけ使用することができます。

Section ID 

-1 を設定すると、pmemtest は 1 回のテストで 1 つのメモリーセクションをテストし、以降、自動的にメモリーセクションを 1 つずつテストします。-1 以外の値を設定した場合は、指定された番号のセクションだけテストされます。セクションは、回数とインスタンス番号で定義されます。

このオプションは、UltraSPARC システムでだけ使用することができます。 

Instance 

テストするメモリーに対して同時に実行する pmemtest インスタンス数を指定します。

pmemtest のテストモード

表 41-2 pmemtest のテストモード

テストモード 

サポート 

説明 

接続テスト 

○ 

接続テストモードでは、全メモリーの 1 % が読み取られます。sun4m、sun4u、UltraSPARC サーバーの場合は、最後にテストが行われてから発生した ECC エラーが報告されます。物理割り当てが選択されている場合は、ECC エラーが発生した CPU またはメモリーも報告されます。それ以外の場合は、ECC メモリーエラーが発生した SIMM の番号が示されます。 

機能テスト 

(オフライン) 

○ 

読み取るメモリーの量を変更できます。UltraSPARC サーバーの場合は、システムがオンラインになってから発生したすべての ECC エラーを報告します。 

機能テスト 

(オンライン) 

○ 

読み取るメモリーの量を変更できます。UltraSPARC サーバーの場合は、接続テストのときと同様の方法で ECC エラーを報告します。 

pmemtest のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/pmemtest 標準引数 -o size=[1-100],dev=デバイス名, threshold=報告しきい値,bdinfo=数値, section=セクション_ID

表 41-3 pmemtest のコマンド行構文

引数 

説明 

size=[1-100]

テストするメモリーの割合を指定します。デフォルトは 33% です。 

dev=デバイス名

テストするデバイスを指定します (例: mem)。

threshold=報告しきい値

訂正可能な ECC エラーがいくつ発生したときに、1 つのエラーとして pmemtest に障害の報告をさせるかを指定します。ゼロを指定すると、訂正可能な ECC エラーがいくつ発生しても、障害の報告はされません。デフォルトは 2 個です。 このオプションは、UltraSPARC システムでだけ使用することができます。

bdinfo=数値

ボード番号を指定します (UltraSPARC サーバーのみ)。たとえば、ボード 0 と 5 にメモリーが搭載されていて、その両方のボードのメモリーの読み取りテストを行う場合は、bdinfo=33 (2**5+2**0) と指定します。

section=セクション_ID

-1 を設定すると、1 回のテストで 1 つのメモリーセクションをテストし、以降、自動的にメモリーセクションを 1 つずつテストします。-1 以外の値を設定した場合は、指定された番号のセクションだけテストされます。セクションは、回数とインスタンス番号で定義されます。 

このオプションは、UltraSPARC システムでだけ使用することができます。 


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。