SunVTS 4.2 テストリファレンスマニュアル

第 40 章 SPARCstorage Array コントローラテスト (plntest)

plntest は、SPARCstorageTM Array のコントローラボードの機能を検査します。SPARCstorage Array (SSA) は、最大 30 台の SCSI ハードディスクドライブを収容することができる大容量のディスク記憶装置入出力サブシステムです。SSA は、光ファイバケーブルによりホストシステムと通信します。光ファイバリンクは、ホストシステムの SBus ベースのホストアダプタカードと、対応する SSA コントローラボードハードウェアによって実現されます。

SSA コントローラカードは、専用のメモリーと ROM 常駐ソフトウェアを搭載した、高機能の CPU ベースのボードです。ディスクドライブへの通信リンクを提供し、その不揮発性 RAM (NVRAM) で、ホストシステムとディスクドライブとの間のデータのバッファリングも行います。ホストから特定のディスクにデータを転送するには、まず、この NVRAM 空間にデータが正しく転送される必要があります。

このデータ転送操作を行うには、ホストマシン、SBus ホストアダプタカード、光ファイバチャネル接続、SSA コントローラボードが正しく動作している必要があります。plntest は、データ転送操作に負荷を与えて検査します。データ転送操作に負荷を与えることによって、plntest は、SSA ディスクドライブの障害と SSA コントローラボードの障害を特定することができます。


注 -

disktest は、上記と同じ経路を使用して SSA ディスクのデータを転送します。ただし、plntest では、disktest よりも速い速度でデータ転送を行うことができます。


plntest のコントローラテスト

plntest は、さまざまなサイズの SCSI バッファー読み取りコマンドを NVRAM に発行することによって、SPARCstorage Array のハードウェアとソフトウェアを検査します。これらの操作によって、ホスト光ファイバチャネルハードウェア、SSA 光ファイバチャネルハードウェア、SSA 常駐管理ソフトウェア (PMF)、SSA コントローラカードのハードウェア部品の相互作用 (SCSI 部品を除くすべての部品) に負荷がかけられます。また、plntest は、SPARCstorage Array のファンモジュールと NVRAM バッテリーモジュールも検査し、不良がある場合はその報告をします。

SSA コントローラデバイスの状態調査

SSA コントローラカードには、他の大部分のハードウェアデバイスとは異なり、論理デバイス名 (/dev ディレクトリに存在する) がありません。このため、SSA コントローラカードは、論理名より長い物理デバイス名で識別されます。


注 -

plntest コマンドで、SSA コントローラカードの物理デバイス名を使用することはできません。


コマンド行から plntest を実行する場合は、SSA コントローラカードの物理デバイス名を使用することができないため、論理名を指定する必要があります。ANSI 規格では、項目の区切り文字にはコンマが必要になります。SSA コントローラの物理名にはコンマが含まれているため、コマンド行オプションとしてコンマの入った物理名を使用すると、plntest は、誤ってオプションと解釈します。

論理名を作成するには、以下の 2 つの方法があります。

plntestdev=オプションのパラメタとしてこの名前を使用します。

plntest のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、グループツリーを展開すると表示される場合があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.2 ユーザーマニュアル』を参照してください。

図 40-1 plntest のテストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

Configuration: には、SSA コントローラボードに接続されているすべての論理ディスクドライブ (シングルとグループの両方) の名前が表示されます。plntest は、スケーラブルテストではありません。


注 -

ディスクが存在しない場合は、Disks Attached: フィールドに none と表示されます。


plntest のテストモード

表 40-1 plntest のテストモード

テストモード 

サポート 

説明 

接続テスト 

○ 

SPARCstorage Array のバッテリーモジュールとファンモジュールを検査します。 

機能テスト 

(オフライン) 

○ 

SPARCstorage Array のバッテリーモジュールとファンモジュールの状態を検査します。SCSI コマンドの READBUFFER を発行して、NVRAM 全体を読み取ります。このテストは異なる大きさの転送バッファを使用します。

機能テスト 

(オンライン) 

○ 

オフラインモードのときと同じテストを行います。 

plntest のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/plntest 標準引数 -o ?,dev=デバイス名,x,

表 40-2 plntest のコマンド行構文

引数  

説明 

?

有効な SSA コントローラデバイスが存在するかどうかを確認するためにシステムを調べ、結果を画面に表示します (「SSA コントローラデバイスの状態調査」を参照)。

dev=デバイス名

テストする SSA コントローラカードの物理パス名を指定します。? 引数を使用しない場合は、コマンド行からの plntest の実行時に、この引数を指定する必要があります。

x

指定された SSA コントローラカードに接続されている、シングルディスクとグループディスクがあるかどうかを調べ、画面にその論理名を表示します。 

注 - このオプションを使用するには、dev=デバイス名オプションを指定する必要があります。


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。