IP ネットワークマルチパスの管理

インタフェースの 1 つが待機インタフェースであるマルチパスグループを構成するには

この手順の例では、hme1 を待機インタフェースとして構成します。


注 -

待機インタフェースのアドレスには、検査用 IP アドレスしか指定できません。


  1. 「2 つのインタフェースでマルチパスインタフェースグループを構成するには」の手順 1 と 2 を実行します。

  2. 次の手順を実行し、すべての物理インタフェースに検査用 IP アドレスを設定します。

    1. hme0 のような非待機インタフェースは、「2 つのインタフェースでマルチパスインタフェースグループを構成するには」の手順 3 を実行します。

    2. 待機インタフェースは、次のコマンドを使って検査用 IP アドレスを設定します。


      注 -

      待機インタフェースのアドレスには、検査用 IP アドレスしか指定できません。待機インタフェースは、これ以外の IP アドレスをもつことはできません。



      # ifconfig interface-name plumb ip-address <other-parameters> deprecated -failover standby up
      

      注 -

      -failover オプションは standby オプションより前に、standby オプションは up より前にそれぞれ指定する必要があります。


      <other-parameters> には、実際の構成に応じたパラメータを指定します。詳細は、ifconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。

      たとえば、次の構成に基づいて検査用 IP アドレスを作成します。

      • 物理インタフェース hme1 を待機インタフェースにする。

      • アドレスは 19.16.85.22

      • deprecated-failover を指定する。

      • ネットマスクおよびブロードキャストアドレスをデフォルト値に設定する。

      次のコマンドを入力します。


      # ifconfig hme1 plumb 19.16.85.22 netmask + broadcast + deprecated -failover standby up
      

      結果を確認するには、次のコマンドを入力します。


      # ifconfig hme1
      flags=69040843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DEPRECATED,IPv4,NOFAILOVER,STANDBY,INACTIVE> 
              mtu 1500 index 4 inet 19.16.85.22 netmask ffffff00 broadcast 19.16.85.255
              groupname test

      IPv6 の場合、検査用 IP アドレスを作成するには、次のコマンドを使用します。


      ifconfig hme1 plumb -failover standby up

    INACTIVE は、このインタフェースが送信パケットには使用されないことを示します。この待機インタフェースに障害経路の迂回が行われると、INACTIVE 状態は取り消されます。

  3. (この手順は、リブート後も構成を有効にしたい場合だけ必要です。) リブート後も構成を有効にするには、次の手順を実行します。

    1. IPv4 の場合は、/etc/hostname.interface ファイルに次の行を追加します。


      interface-address <parameters> group group-name up ¥
      	addif logical-interface-failover deprecated <parameters> up

      注 -

      この検査用 IP アドレスは、次回のリブートで有効になります。構成をその場で有効にするには、手順 1 と 2 を実行する必要があります。


      たとえば、hme0 に対し次の構成に基づいて test グループを作成します。

      • 物理インタフェース hme0 のアドレスが 19.16.85.19

      • 論理インタフェースのアドレスが 19.16.85.21

      • deprecated-failover を指定する。

      • ネットマスクおよびブロードキャストアドレスをデフォルト値に設定する。

      /etc/hostname.hme0 ファイルに次の行を追加します。


      19.16.85.19 netmask + broadcast + group test up ¥
      	addif 19.16.85.21 deprecated -failover netmask + broadcast + up

      同様に、hme1 を同じグループ (test) に入れ、検査用 IP アドレスを指定するには、次のコマンドを入力します。


      19.16.85.22 netmask + broadcast + group test -failover standby up 
    2. IPv6 の場合は、/etc/hostname6.interface ファイルに次の行を追加します。


      -failover group group-name up

      注 -

      この検査用 IP アドレスは、次回のリブートで有効になります。構成をその場で有効にするには、手順 1 と 2 を実行する必要があります。


      たとえば、IPv6 アドレスをもつ hme0 に対して test グループを作成するには、次の行を /etc/hostname6.hme0 ファイルに追加します。


      -failover group test up

      同様に、hme1 を同じグループ (test) に入れ、検査用 IP アドレスを指定するには、次の行を /etc/hostname6.hme1 ファイルに追加します。


      -failover group test standby up