Solaris WBEM Services の管理

CIM Object Manager Repository のアップグレード

Solaris 8 10/00 (WBEM Services 2.2) またはそれより前のバージョンから Solaris 8 1/01 (WBEM Services 2.3) へアップグレードする場合は、CIM Object Manager Repository のデータストアのフォーマットをアップグレードする必要があります。

Solaris 8 10/00 (WBEM Services 2.2) またはそれより前のバージョンのデータストアのフォーマット 

Solaris 8 1/01 (WBEM Services 2.3) のデータストアのフォーマット 

JavaSpacesTM

Reliable Log 

JavaSpaces データストアを新しい Reliable Log Repository のフォーマットへアップグレードするには、wbemconfig convert コマンドを使用します。このコマンドは、元々ある CIM 用の MOF データはすべて問題無く変換することができますが、ユーザーが変更した CIM や Solaris の MOF データは正しく変換できず、データが破壊されます。変更を行った CIM や Solaris の MOF データを新しいレポジトリへ再コンパイルするには、クラス定義を含む MOF ファイルで mofcomp コンパイラを実行します。

wbemconfig convert コマンドは、変換されたデータを格納する /var/sadm/wbem/logr/ というディレクトリを作成します。


警告 - 警告 -

ユーザーのデータが破壊されるのを防ぐため、CIM Object Manager を init.wbem stop コマンドで必ず停止させてから wbemconfig convert コマンドを使用してください。



注 -

wbemconfig convert コマンドは JVMTM (Java Virtual Machine) を起動してレポジトリの変換を行うため、オリジナルの JavaSpaces データストアの作成に使用したものと同じバージョンの JVM を実行している必要があります。wbemconfig convert コマンドが完了した後は、希望するバージョンの JVM へ変更することができます。


CIM Repository データストアのフォーマットのアップグレードには、次の 2 段階のプロセスがあります:

Solaris の新しいバージョンをインストールする前に行うプロセス
  1. スーパーユーザー (root) としてログインし、JavaSpaces ソフトウェアを保存します。以下のコマンドを実行します。


    # cp /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar.tmp
    
  2. ユーザーのマシンにインストールされている JDK のバージョンを確認して記録します。たとえば、次のようにします。


    # /usr/bin/java -version
    java version "1.2.1"
    Solaris VM (build Solaris_JDK_1.2.1_04c, native threads, sunwjit)

    オリジナルの JavaSpaces データストアが作成された時に使用された JDK のバージョンと同じバージョンを実行している必要があります。

Solaris の新しいバージョンをインストールした後に行うプロセス
  1. スーパーユーザーとしてログインし、CIM Object Manager を停止させます。


    # /etc/init.d/init.wbem stop
    
  2. 「Solaris の新しいバージョンをインストールする前に行うプロセス」の手順 1 で保存した JavaSpace ソフトウェアを復元します。


    # mv /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar.2
    # mv /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar.tmp /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar
    
  3. 以前ユーザーのマシンにあった古いバージョンの JDK を、現在の (新しくインストールされた) JDK とは別のロケーションにインストールします。JDK は、http://java.sun.com/products/ からダウンロードすることができます。

  4. シンボリックリンク /usr/java を、古いバージョンの JDK のロケーションを指すよう変更します。たとえば、Solaris_JDK_1.2.1_04c を /old_sdk にインストールした場合、次のようにします。


    # rm /usr/java
    # ln -s /old_sdk/Solaris_JDK_1.2.1_04c /usr/java
    
  5. JavaSpaces データストアを Reliable Log フォーマットへ変換します。


    # /usr/sadm/lib/wbem/wbemconfig convert
    
  6. 新しいバージョンの Solaris に含まれている outrigger.jar ファイルを復元します。


    # mv /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar.2 /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar
    
  7. シンボリックリンク /usr/java を、新しいバージョンの Solaris に含まれている新しいバージョンの JDK のロケーションを指すよう変更します。


    # rm /usr/java
    # ln -s /usr/java1.2 /usr/java
    
  8. CIM Object Manager を再起動します。


    # /etc/init.d/init.wbem start