Solaris システムのシステム管理作業を実行する際に発生するバグの情報および注意事項について説明します。
日本語環境のディスクレスクライアントを構成しても、ディスクレスクライアントの システムのデフォルトロケールが、常に C ロケールに設定されます。日本語環境でディスクレスクライアントを使用するには、ディスクレスクライアントの dtlogin 画面で日本語ロケールを選択してからログインしてください。 関連情報として 「smdiskless のマニュアルページ (バグ ID: 4384483)」 も参照してください。
-x locale=locale オプションを使用して日本語環境の Solaris 2.6 または Solaris 7 の OS サービスを追加しても、指定したロケールのパッケージがインストールされません。 このため、日本語環境の Solaris 2.6 または Solaris 7 のディスクレスクライアントを使用できません。
回避方法 : ディスクレスクライントを日本語環境で使用したい場合は、Solaris 8 の OS サービスを追加して、Solaris 8 のディスクレスクライアントを構成してください。
OS サービスおよびディスクレスクライアントを追加するコマンドを実行したときに、無効なユーザー名またはパスワードが指定されていてもエラーが出力されません。
回避方法 :/usr/sadm/lib/smc/bin/smc ファイルの以下の行を次のようにコメントアウトしてください。
変更前 :
exec 2> /dev/null |
変更後 :
#exec 2> /dev/null |
sun4u アーキテクチャの OS サービスを SUNWCXall 以外のクラスタで追加すると、sun4u ディスクレスクライアントをブートできません。
回避方法 : sun4u アーキテクチャの OS サービスを、SUNWCXall クラスタで追加してください。
OS サーバーが IA アーキテクチャの場合、sun4m アーキテクチャの OS サービスを SUNWCXall 以外のクラスタで追加すると、sun4m ディスクレスクライアントのブート時に次のようなエラーメッセージが表示され、dtlogin 画面が表示されません。
NOTICE: Can't find driver for console framebuffer |
回避方法 : sun4m アーキテクチャの OS サービスを SUNWCXall クラスタで追加してください。
Solaris 8、Solaris 8 6/00、Solaris 8 10/00 のディスクレスクライアントを日本語環境で構成する場合は、OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 110416-02 を 適用する必要があります。
このパッチを適用しないと日本語入力システム ATOK12 が正しく動作せず、 CDE 上でアプリケーションが正しく起動できないなどの問題が発生することがあります。
パッチを OS サービスに追加する方法については、『Solaris 8 のシステム管理 (追補)』を参照してください。
Solaris 2.6 3/98 または 5/98 の sun4u ディスクレスクライアントを構成する場合は、 OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 105654-03 を適用する必要があります。
このパッチを適用しないと sun4u ディスクレスクライアントがブート中にハングアップすることがあります。
パッチを OS サービスに追加する方法については、『Solaris 8 のシステム管理 (追補)』を参照してください。
Solaris 7 の OS サービスを追加すると、次のようなエラーメッセージが /var/sadm/system/logs/upgrade_log に出力されます。
Doing pkgadd of SUNWplow to /export/Solaris_2.7. ERROR: attribute verification of </export/Solaris2.7/usr_sparc.all/etc/default/init> failed pathname does not exist Installation of partially failed. pkgadd return code = 2 |
回避方法 : エラーメッセージは無視してください。
OS サービスを追加するコマンドを実行したとき、無効な mediapath が指定されていると エラーが表示されますが、エラーメッセージの一部が次のように文字化けします (<media_path> はメディアのパス名を示します)。
-x mediapath オプションに指定されたパス "<media_path>" が見つからないまたは読み取る ことができませんでした。??????????????????????。 |
回避方法 : 文字化けしているメッセージは「ファイルもディレクトリもありません」に読み換えてください。
システムのブート時に、/var/adm/messages ログファイルに次のエラーメッセージが出力されることがあります。
open(/var/run/rcm_daemon_lock) - No such file or directory rcm_daemon exit: errno = 2 |
この問題は、/var が独立したパーティションである場合にのみ発生します。
回避方法 : エラーメッセージは無視してください。システムに影響はありません。
使用可能なメモリー容量が十分にない時に、次のエラーメッセージが表示されます。
CIM_ERR_LOW_ON_MEMORY |
メモリー容量が十分にない場合に CIM (Common Information Model) Object Manager を実行していると、エントリを追加することができません。CIM Object Manager のリポジトリをリセットする必要があります。
回避方法 : 次のようにして CIM Object Manager のリポジトリをリセットしてください。
スーパーユーザーになります。
CIM Object Manager を停止します。
# /etc/init.d/init.wbem stop |
JavaSpaces ログディレクトリを削除します。
# /bin/rm -rf /var/sadm/wbem/log |
CIM Object Manager を再起動します。
# /etc/init.d/init.wbem start |
CIM Object Manager のリポジトリをリセットすると、データストアに格納されている独自の定義は失われます。次に示す例のようにして、定義が含まれている MOF ファイルを mofcomp コマンドを使用して再コンパイルする必要があります。
# /usr/sadm/bin/mofcomp -u root -p root_password your_mof_file |
CIM WorkShop または WBEM API を使用して Solaris_FileSystem クラスのインスタンスを列挙すると、CIMOM が動作しなくなり、次のようなエラーメッセージが表示されます。
Attempted to complete RMI action enumInstances and received exception java.rmi.UnmarshalException: Error unmarshaling return header; nested exception is: java.io.EOFException |
回避方法: スーパーユーザーになって次のコマンドを実行して、CIMOM を再起動してください。
# /etc/init.d/init.wbem stop # /etc/init.d/init.wbem start |
Solaris Product Registry で「Solaris システムソフトウェア」をクリックすると、Solaris コンポーネント情報がシステムから読み込まれ、「Solaris システムソフトウェア 」という表示が「Solaris 8 システムソフトウェア」に変更されます。
しかし、ja または ja_JP.PCK ロケールで Solaris Product Registry を起動していると、「Solaris 8 システムソフトウェア」の「システムソフトウェア」の部分が文字化けします。また、「一覧」区画および「詳細情報」区画でも「Solaris 8 システムソフトウェア」という文字が正しく表示されなくなります。
回避方法:「Solaris 8 XXXXXXXX」のような文字化けのある表示は、「Solaris 8 システムソフトウェア」 に読み換えてください。
admintool 上では、日本語のホームディレクトリ名を登録できません。
回避方法: useradd(1M) コマンドを使用してください。
admintool を使って Solaris ソフトウェアパッケージを追加する場合、「ソース媒体の設定」の「ハードディスク」には、Solaris イメージのトップディレクトリ (Solaris_8/ があるディレクトリ) を指定してください。それ以外のディレクトリを指定すると admintool がコアダンプすることがあります。
admintool を使ってソフトウェアパッケージの追加・削除を行う場合、入力を促すメッセージおよびログを表示するためのコマンドツールが起動されますが、 ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 ロケールでは日本語のメッセージが表示されません。
回避方法: この状態でもパッケージの追加・削除は可能ですが、表示されるメッセージを見るためには、ja ロケールまたは C ロケールで Solaris CDE 環境にログインし直して、admintool を起動してください。
admintool を使ってソフトウェアパッケージの削除を行なった場合、削除が成功したにもかかわらず、admintool 上のソフトウェアパッケージのリストが直ちに更新されません。
回避方法: admintool を起動し直してください。
admintool を使って Solaris ソフトウェアパッケージを追加する場合、「ソース媒体の設定」の「CD (ボリューム管理あり)」または「CD (ボリューム管理なし)」を使用すると CD の読み込み中に admintool がコアダンプすることがあります。
回避方法: pkdadd コマンドを使用してパッケージを追加してください。または、CD に Solaris Web Start 2.x が含まれている場合は、Solaris Web Start 2.x (installer) を使用してパッケージをインストールしてください。