Solaris 8 のインストール (追補)

カスタム JumpStart インストールによるフラッシュアーカイブのインストール

この節では、カスタム JumpStart インストールを使用してフラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。この節の情報は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』に記載されている情報を補足するものです。

カスタム JumpStart インストールでは、以下の媒体に格納されているフラッシュアーカイブのインストールが可能です。

カスタム JumpStart インストールによりフラッシュアーカイブをインストールするには

  1. インストールサーバーで、カスタム JumpStart の rules ファイルを作成します。

    カスタム JumpStart ファイルの作成手順の詳細は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。

  2. インストールサーバーで、カスタム JumpStart のプロファイルを作成します。

    1. install_type プロファイルキーワードの値を、flash_install と設定します。

    2. 新しい archive_location プロファイルキーワードを使用して、フラッシュアーカイブへのパスを追加します。

      archive_location プロファイルキーワードの詳細は、archive_location プロファイルキーワード」を参照してください。

    3. ファイルシステム構成を指定します。

      フラッシュアーカイブの抽出プロセスでは、パーティションの自動配置はサポートされません。

    4. (オプション) クローンマシンに階層化されたフラッシュアーカイブをインストールしたい場合は、インストールしたいアーカイブごとに archive_location 行を指定してください。


    注 -

    Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの準備」に記載されているカスタム JumpStart のプロファイルキーワードのリストの中で、フラッシュアーカイブをインストールする時に有効なキーワードは、以下のもののみです。

    • fdisk (IA のみ)

    • filesys - filesys プロファイルキーワードに値 auto は設定できません。

    • install_type (必須)

    • partitioning - partitioning プロファイルキーワードに、値 explicit または existing のみ設定できます。


  3. インストールサーバーで、フラッシュアーカイブをインストールするクライアントを追加します。

    手順の詳細は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールする準備」を参照してください。

  4. クローンマシンへのカスタム JumpStart インストールを実行します。

    手順の詳細は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの実行」を参照してください。

archive_location プロファイルキーワード

カスタム JumpStart インストールを使用してフラッシュアーカイブをインストールする場合、プロファイルに新しいカスタム JumpStart のプロファイルキーワード、archive_location を含める必要があります。このキーワードの構文は次のとおりです。


archive_location retrieval_type location

retrieval_typelocation の値は、フラッシュアーカイブの格納場所によって異なります。

ネットワークファイルシステム (NFS) サーバー

アーカイブがネットワークファイルシステム (NFS) サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location nfs server_name:/path/filename

このコマンド行では :

例:


archive_location nfs golden:/archives/usrarchive

または


archive_location nfs://golden/archives/usrarchive

HTTP サーバー

アーカイブが HTTP サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location http server_name:port path/filename optional_keywords

このコマンド行では :

HTTP サーバーからフラッシュアーカイブを取得する場合は、いくつかのオプションのキーワードを使用することができます。

表 8-1 optional_keywords で使用可能なオプションのキーワード

キーワード 

値の定義 

auth basic username password

アーカイブがパスワード保護された HTTP サーバーに格納されている場合は、その HTTP サーバーへのアクセスに必要なユーザー名とパスワードをプロファイルに含める必要があります。 


注 -

カスタム JumpStart での使用を意図したプロファイルにおけるこの認証方法の使用は、リスクを伴います。これは、承認されていないユーザーが、パスワードが入ったプロファイルにアクセスできる可能性があるためです。


timeout min

timeout キーワードには、HTTP サーバーからのデータ受信を待機する最長の時間を分単位で指定できます。この時間に達すると、接続が切断されて、再接続が行われ、タイムアウトが発生した地点から再開されます。timeout 値として 0 (ゼロ) を指定すると、何も起きないため再接続はなされません。

タイムアウトによる再接続が発生すると、フラッシュインストールユーティリティはアーカイブを取得した最後の位置から、再開を試みます。この位置での再開が不可能な場合、取得はアーカイブの初めから再度行われ、タイムアウト前に取得されたデータは破棄されます。 

proxy host:port

proxy キーワードを使用して、プロキシホストとプロキシポートを指定できます。プロキシホストを使用すると、ファイアウォール越しにフラッシュアーカイブを取得できます。proxy キーワードを指定する場合は、プロキシポートを指定する必要があります。

例:


archive_location http silver /archives/usrarchive auth basic user1 secret timeout 5

または


archive_location http://user1:secret@silver/archives/usrarchive timeout 5 

ローカルテープ

アーカイブがテープに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location local_tape device  position

このコマンド行では :

例:


archive_location local_tape /dev/rmt/0n 5

または


archive_location local_tape 0n 5

ローカルデバイス

ファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスクや CD-ROM など) にフラッシュアーカイブを格納した場合は、ローカルデバイスからフラッシュアーカイブを取得できます。archive_location プロファイルキーワードに以下の構文を使用してください。


注 -

ローカルテープ用の構文を使用すると、ストリーム指向のデバイス (テープなど) からアーカイブを取得できます。



archive_location local_device device path/filename file_system_type

このコマンド行では :

例:

UFS ファイルシステムとしてフォーマットされているローカルハードドライブからアーカイブを取得するには :


archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/$HOST

HSFS ファイルシステムを持つローカル CD-ROM からアーカイブを取得するには :


archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/usrarchive

ローカルファイル

クローンシステムをブートしたミニルートに格納したローカルファイルのアーカイブを取得できます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、CD-ROM または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、CD-ROM または NFS ベースのミニルートに格納したフラッシュアーカイブは、ローカルファイルとしてアクセスできます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。


archive_location local_file path/filename

このコマンド行では :

例:


archive_location local_file /archives/usrarchive

または


archive_location local_file:/archives/usrarchive