この節では、Diskless Client Management でよく見られるいくつかの問題と、考えられる解決策を記載します。
OS サーバーがクライアントの RARP 要求に応答しない。
OS サーバーがクライアントの bootparam 要求に応答しない。
OS サーバーがディスクレスクライアントの root ファイルシステムをマウントできない。
files が、OS サーバー上の /etc/nsswitch.conf 内の hosts、 ethers、および bootparams の第一のソースとしてリストされていることを確認します。
クライアントの IP アドレスが /etc/inet/hosts 内にあることを確認します。
クライアントの Ethernet アドレスが /etc/ethers 内にあることを確認します。
/etc/bootparams ファイルに、クライアントの root およびスワップ空間への次のパスが含まれていることを確認します。
diskless_client root=os_server:/export/ root/diskless_client swap=os_server:/export/ swap/diskless_client swapsize=24 |
スワップサイズは、ディスクレスクライアントを追加する際に -x swapsize オプションを指定したかどうかによって異なります。ディスクレスクライアントを追加する際に -x dump オプションを指定した場合は、次の行が存在します。
dump=os_server:/export/dump/diskless_client dumpsize=24 |
ダンプサイズは、ディスクレスクライアントを追加する際に -x dumpsize オプションを指定したかどうかによって異なります。
OS サーバーの IP アドレスが /export/root/diskless_client/etc/inet/hosts 内にあることを確認します。
OS サーバーの、およびクライアントの Ethernet アドレスと IP アドレスがすべて正しくマップされていることを確認します。
/etc/bootparams に、次のようにクライアントの root 領域およびスワップ領域へのパスが含まれていることを確認します。
diskless_client root=os_server:/export/ root/diskless_client swap=os_server:/export/ swap/diskless_client swapsize=24 |
スワップサイズは、ディスクレスクライアントを追加する際に -x swapsize オプションを指定したかどうかによって異なります。ディスクレスクライアントを追加する際に -x dump オプションを指定した場合は、次の行が存在します。
dump=os_server:/export/dump/diskless_client dumpsize=24 |
ダンプサイズは、ディスクレスクライアントを追加する際に -x dumpsize オプションを指定したかどうかによって異なります。
ディスクレスクライアントがパニックになる
OS サーバーの Ethernet アドレスが対応する IP アドレスに正しくマップされていることを確認します。あるネットワークから別のネットワークへマシンを物理的に移動した場合、そのマシンの新しい IP アドレスをリマップし忘れている可能性もあります。
クライアントのホスト名、IP アドレス、および Ethernet アドレスが、クライアントの RARP、TFTP、または bootparam 要求に応答する同じサブネット上の他のサーバーのデータベース内に存在していないことを確認します。しばしば、テストマシンが、インストールサーバーから OS をインストールするようセットアップされることがあります。この場合、そのインストールサーバーがクライアントの RARP や bootparam 要求に応答して、正しくない IP アドレスを返します。この正しくない IP アドレスによって、間違ったアーキテクチャのブートプログラムをダウンロードしたり、クライアントの root ファイルシステムのマウントに失敗してしまう可能性があります。
ディスクレスクライアントの TFTP 要求が、正しくないブートプログラムを転送するインストールサーバー (または 以前の OS サーバー) によって応答されていないことを確認してください。ブートプログラムが異なるアーキテクチャのものである場合は、クライアントはすぐにパニックになります。ブートプログラムが非 OS サーバーからロードする場合、クライアントは、その非 OS サーバーからの root パーティションと、OS サーバーからの /usr パーティションを取得する可能性があります。この場合、root と /usr パーティションが相反するアーキテクチャやバージョンのものであると、クライアントはパニックになります。
インストールサーバーと OS サーバーの両方を使用している場合は、次のエントリが /etc/dfs/dfstab 内に存在することを確認します。
share -F nfs -o -ro /export/exec/Solaris_version_instruction_set.all/usr |
version は 2.6、2.7、または 8 のいずれか、instruction_set は sparc または i386 です。
ディスクレスクライアントの root、/swap、および /dump (指定した場合) パーティションに共有エントリがあることを確認します。
% share -F nfs -o rw=client_name,root=client_name /export/root/client_name % share -F nfs -o rw=client_name,root=client_name /export/swap/client_name % share -F nfs -o rw=client_name,root=client_name /export/dump/client_name |
OS サーバー上で次を実行して、どのファイルが共有されているかをチェックします。
% share |
OS サーバーは、ディスクレスクライアントを追加した際に指定した、/export/root/client_name および /export/swap/client_name (デフォルト)、または root、/swap、および /dump パーティションを共有していなければなりません。
次のエントリが /etc/dfs/dfstab 内にあることを確認します。
% share -F nfs -o ro /export/exec/Solaris_version_instruction_set.all/usr |
OS サーバーがディスクレスクライアントの RARP 要求に応答しない。
クライアントの意図する OS サーバーから、クライアントの Ethernet アドレスを使用してスーパーユーザーとして snoop を実行します。
# snoop xx:xx:xx:xx:xx:xx |
ブートプログラムはダウンロードするが、プロセスの初期にパニックになる。
snoop を使用して、意図している OS サーバーがクライアントの TFTP および NFS 要求に応答していることを確認します。