Solaris 8 4/01 ご使用にあたって (Intel 版)

Solaris 8 のインストールを開始する前に知っておく必要がある注意事項とバグ情報

Solaris 8 ソフトウェアのインストールを始める前に知っておく必要がある注意事項とバグ情報について説明します。

旧バージョンの Solaris Management Console (SMC) は SMC 2.0 と互換性がない

Solaris Management Console (SMC) 1.0、1.0.1、1.0.2 のいずれかがインストールされた状態で Solaris 8 1/01 または 4/01 オペレーティング環境にアップグレードする場合は、アップグレードの前に SMC をアンインストールする必要があります。SMC 2.0 は、旧バージョンの SMC と互換性がありません。システムに SEAS 2.0、SEAS 3.0、Solaris 8 Admin Pack のいずれかがインストールされていると、SMC が終了することがあります。

回避方法 : 以下のいずれかを実行してください。

ロケール選択機構の変更

Solaris 8 では、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、選択するソフトウェアグループ (ソフトウェアクラスタ) によって、インストールするロケールが決定されていました。Solaris 8 では、新しいインストールインタフェースが導入されたため、地域を選択することによって必要なロケールをインストールできます。このため Solaris 8 では、オペレーティングシステムのインストール時に、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 よりも柔軟にシステム構成をカスタマイズできるようになりました。

特に、次の点に注意してください。

symhislmegacpqncr などのディスクコントローラドライバがインストールされているシステムに、8G バイトを超えるパーティションを作成できない

以下に示すコントローラのいずれかを使用するディスク上に 8G バイトを超えるパーティションを作成すると、インストールされたシステムが正常に動作しません。

Solaris オペレーティング環境のインストールプログラムは、ドライバが 8G バイトを超えるパーティションをサポートしないことを検知できません。したがって、エラーを表示せずにインストールを続けますが、システムをリブートしようとするとリブートは失敗します。

システムをリブートできたとしても、ブートデバイスや追加されたパッケージに関連する他の変更が原因となって、後で異常終了します。これらのドライバに関連するディスクコントローラは、次のとおりです。

回避方法 : symhislmegacpqncr などのドライバによって稼動するディスクコントローラを持つシステムに、ディスクの最初の 8G バイトを超える大きなパーティションをインストールしないでください。

Solaris 8 オペレーティング環境へアップグレードする前に、DPT PM2144UW コントローラの BIOS を最新のものに更新する必要がある

Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズの大きいパーティションをインストールするための新しい機能が追加されています。DPT PM2144UW コントローラの BIOS は、LBA (論理ブロックアドレス指定, Logical Block Addressing) をサポートしていなければなりません。最新の BIOS は、LBA アクセスを完全にサポートしています。問題が発生した場合は、ほかの DPT コントローラモデルにも影響します。

回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に、 DPT PM2144UW コントローラの BIOS が最新のバージョンであることを確認してください。

システムに DPT コントローラがインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。

  1. 次のコマンドを実行します。

    prtconf -D

  2. 名前 dpt が表示されたら、カードの構成ユーティリティを起動して、機種や BIOS のバージョンに関する情報を取得します。

  3. BIOS をフラッシュするか、最新の BIOS EPROM をインストールして、DPT PM2144UW コントローラをアップグレードします。すべての DPT コントローラの最新の BIOS イメージについては、http://www.dpt.com を参照してください。

これで、システムを Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードできます。

BIOS バージョン GG.06.13 を使って Hewlett-Packard (HP) Vectra XU シリー ズのシステムをアップグレードできない

Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズが大きいパーティションをインストールできる新しい機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。この問題は他の HP Vectra システムにも影響します。

このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。

回避方法 : HP Vectra XU シリーズシステムを最新の BIOS バージョン GG.06.13 で、Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードしないでください。Solaris 8 オペレーティング環境では、これらのシステムはサポートされていません。

ブートパスはハードディスクコードを使用しないため、ブートフロッピーディスクまたはブート CD でシステムをブートすることができます。、ブート可能デバイスとしてネットワークまたは CD-ROM ドライブの代わりに、ハードディスクを選択してください。

PCI-IDE システム上で DMA が無効になる

デフォルトでは、Solaris ata デバイスドライバは、ATA/ATAPI デバイスに対して DMA (Direct Memory Access) 機能を無効にします。Solaris 8 オペレーティング環境は、DMA 機能が無効になっている状態で正しく動作します。

パフォーマンスを向上させるために DMA 機能を有効にする方法については、Solaris 8 4/01 DOCUMENTATION CD (アジア言語版) に含まれている『Solaris 8 4/01 ご使用にあたって (Intel 版)』の「PCI-IDE システム上で DMA が無効になる」を参照してください。

kdmconfig で USB Mouse が PS/2 Mouse として認識される (バグ ID: 4312993)

Pointing Device として USB Mouse を使用しているシステムで kdmconfig を実行すると、USB Mouse が PS/2 Mouse として認識されてしまいます。

Pointing Device を変更せずに PS/2 Mouse のまま次の画面に進むと、システムが停止します。

回避方法 : Pointing Device を USB Mouse に変更してください。