この章では、SunVTS の CDE ユーザーインタフェースを使用してテストセッションを実行する方法について説明します。実行の手順が段階的に解説されており、SunVTS での CDE ユーザーインタフェースの使用方法が理解しやすくなっています。この章は、以下の節から構成されています。
この章は、以下の手順をすでに完了していることを前提としています。 o 第 2 章「SunVTS のインストールと削除」の手順に従い、SunVTS がインストールされている。 o 第 3 章「SunVTS の起動」の手順に従い、SunVTS が起動されている。 o 「デバイスのテストの準備」の手順に従い、システム上でテストを実行する準備が整っている。
SunVTS の各ウィンドウおよびダイアログボックスについては、付録 A 「SunVTS のウィンドウおよびダイアログボックスリファレンス」を参照してください。
この節では、SunVTS の CDE ユーザーインタフェースの基本的な機能を使用して、システム上で診断テストを行う方法について説明します。高度な機能の使用方法については、「SunVTS CDE ユーザーインタフェースの追加機能」を参照してください。
SunVTS CDE ユーザーインタフェースを起動すると、SunVTS CDE のメインウィンドウが表示されます(図 4-1)。SunVTS はアイドル状態で、すべてのテストオプションはデフォルト値に設定されています。
この章では、CDE メインウィンドウを使用する手順について、以下のような構成で説明しています。
メインウィンドウの各項目については、付録 A 「SunVTS のウィンドウおよびダイアログボックスリファレンス」を参照してください。
状態パネル (図 4-2) で、現在のシステム状態を確認します。
Hostname-テスト中のシステム名が表示されます。
Model-テスト中のモデル名が表示されます。
Testing status-以下の状態が表示されます。
Idle-テストは行われていません。
Testing-テストセッションを実行中です。
Suspend-テストセッションは一時的に中断されています。
Replay-過去に記録されたテストセッションが表示されます。
Stopping-テストセッションが中止されたときに一時的に表示されます。
ds_idle-テスト手順スケジューラが起動されており、テストは行われていない状態です。
ds_running-テスト手順スケジューラが起動されており、テストシーケンスが実行されている状態です。
ds_suspended-テスト手順スケジューラが起動されており、テストシーケンスは一時的に中断された状態です。
System passes-成功したシステムパスの合計値が表示されます (すべてのテストが 1 回実行された時点で、システムパス 1 回になります)。
Cumulative errors-すべてのテストでのエラー発生回数の合計値です。
Elapsed test time-時 : 分 : 秒の形式でテストの経過時間が表示されます。
テストモード選択ウィンドウ (図 4-3) で、テストモードを選択します。
接続 (Connection) テストモード ― 選択したデバイスに対して低負荷かつ高速なテストを行い、可用性と接続状態を調べます。このモードで実施されるテストは非占有型であり、高速テストを完了すると、デバイスはすぐに開放されます。システムに多大な負荷がかかることはありません。
機能 (Functional) テストモード ― システムとデバイスに対してより徹底的なテストを行います。テスト中は常にシステム資源が使用されるため、他のアプリケーションが動作していないことが前提となります。
自動構成 (Auto Config) テストモード ― 自動構成機能を使用できるようにする Automatic Configuration ダイアログボックスを開きます。自動構成機能では、あらかじめ決められたテストオプションのセットを割り当てることにより、テストセッションの構成が簡略化されます。この機能の使用方法についての説明は、「自動構成機能の使用方法」を参照してください。
テストモードを変更すると、System Map (システムマップ) の選択肢も変更されます。
System Map の表示モード (論理表示または物理表示) を指定します。
表示モード:
SunVTS により、システム上でテスト可能と識別されたデバイスが、System Map (図 4-5) に表示されます。表示方法は以下から選択することができます。
Logical (論理表示) ― デバイスを機能別にグループ分けします。たとえば、SCSI ディスク、SCSI テープ、および SCSI CD-ROM ドライブは SCSI-Devices グループに分類されます。特定のデバイスやデバイスグループを表示したり、システム上のすべてのグループを表示できます。
Physical (物理表示) ― システム上の各デバイスの正確な位置を、それぞれの接続状態との関係で表示します。シングルボードタイプシステムをテストする場合は、各デバイスが、システムボードの下に表示されます。マルチボードタイプシステムでは、デバイスが接続されているボード (たとえば、board0、board1など) の下に各デバイスが表示されます。たとえば、異なるディスクインタフェースに接続された複数のディスクドライブは、インタフェース別に表示されます。物理表示を使用して、各デバイスの実際の位置を特定することができます。可能であれば、デバイスのボード番号とコントローラの種類も表示されます。
方法:
Physical または Logical ボタンを選択します。
System Map を広げて選択可能なデバイスを表示します。
System Map のデバイス:
SunVTS を起動したとき、System Map のテスト可能なデバイスは閉じたまま表示されます。デバイスグループ名だけが表示され、そのグループに属するデバイスは隠されます。"+" (プラス) は、デバイスグループが閉じられていることを示します。"-" (マイナス) は、デバイスグループが広げられていることを示し、そのカテゴリのテスト可能なデバイスを確認できます。
方法:
メニューバーから View → Open System map コマンドを使用し、すべてのデバイスグループを広げます。
System Map で対象のデバイスグループの隣にある "+" ボタンをクリックしてデバイスグループを広げます。
テスト対象デバイスを選択します。
デバイスの選択:
System Map のデバイスの隣にあるチェックマークは、そのデバイスが選択されていることを示します。実際のシステム上のデバイスと選択したテストモードに応じて、特定のデバイスがデフォルトで選択されています。
方法:
デバイス選択ウィンドウにある以下のボタンを使用してデバイスを選択します。
Default-デフォルトで設定されているデバイスを選択します。
None-すべてのデバイスの選択を解除します。
All-すべてのデバイスを選択します。
Intervention-ユーザーの介入を必要とするデバイスを選択します。
テストを実行する前に、ユーザーの介入が必要なデバイス (テープ、CD-ROM、およびフロッピーディスクのテストに使用する読み込み装置など) がある場合は、Intervention チェックボックスを選択し、ユーザーの介入があることを SunVTS に通知する必要があります。このチェックボックスを選択しない限り、intervention モードのテストを選択できません。
デバイスまたはデバイスグループの隣にあるチェックボックスをクリックして、デバイスを選択します。
システムレベルのテストオプションを変更します(任意)。
テストオプション:
各デバイスの選択を終えるとテストの準備は完了ですが、SunVTS には必要に応じてテストの実行状態を変更できるオプションがあります。以下の 3 つのレベルでテストオプションを制御することができます。
システムレベルオプション ― 全デバイスのテスト属性を制御します。全オプションをシステム全体に適用する最高レベルのテストオプションです。このレベルでオプションを変更すると、設定はグループおよびデバイスレベルオプションすべてに適用されます。
グループレベルオプション ― 特定グループ内の全デバイスのテスト属性を制御します。
デバイスレベルオプション ― 特定のデバイスのテストを制御します。プルダウンメニューの Apply to All を使用して、別の類似デバイスにも適用可能なオプションもあります。
システムレベル、グループレベル、およびデバイスレベルのオプションは、適用する順序が重要です。最初にシステムレベルオプションを割り当て、次にグループレベルオプション、最後にデバイスレベルオプションを割り当ててください。下位レベルのオプションから先に設定しても、上位レベルの設定が下位に適用され、下位の設定が取り消されてしまいます。これに代わる措置として、ロックと優先指定を使用して下位レベルの設定を保護する方法があります。「ロックと優先指定を使用したテストオプションの保護」を参照してください。
システム、グループ、およびデバイスレベルのオプションは、機能テストモードを選択した場合のみ使用できます。接続テストモードでは、これらのオプションのほとんどがグレー表示になっており、使用することはできません。
方法:
メニューバーの Options メニュー (図 4-7) からシステムレベルオプションを制御します。
以下のダイアログボックスに、テストセッション全体の実行状態を定義するシステムレベルオプションが表示されます。
Thresholds-システムパスの最大実行回数やテストセッションの最大実行時間など、テストセッションの制限値を設定することができます。
Notify-電子メールによるテストの通知を設定することができます。
Schedule-自動起動、単一パス、および同時実行のオプションを設定することができます。
Test execution-テストセッションの実行状態を定義することができます。たとえば、負荷モードを設定して、最も厳密なテストを実行することができます。あるいは、Max errors の値を指定すると、最大許容エラー数を設定することができます。ここで指定した回数のエラーが発生すると、テストが停止します (Lを指定した場合は、エラーの発生回数に関係なくテストが続行されます)。
Advanced-優先指定とロックにより、オプション設定 (システムレベル、グループレベル、デバイスレベル) の優先順位を制御します。
Option files-読み込み、保存、または削除可能なオプションファイルを作成または選択します。
これらのダイアログボックスの詳細は、付録 A 「SunVTS のウィンドウおよびダイアログボックスリファレンス」を参照してください。
SunVTS CDE ダイアログボックスで数値を増減するには、上下の矢印キーを使用するか、テキストボックスに新しい値を入力して Return を押します。ダイアログボックスのすべての変更内容を適用するには、Apply を押します。
グループレベルおよびデバイスレベルのオプションを変更します (任意) 。
グループレベルとデバイスレベルのオプション
グループレベルとデバイスレベルのオプションは、個々のテストに付随するテスト属性であり、特定のデバイス (またはデバイスグループ) だけに関係するものです。
方法:
デバイス (またはデバイスグループ) の上にポインタを置いて右クリックし、グループレベルとデバイスレベルのメニューを表示させます。
表示されたメニューから、以下のダイアログボックスで設定を行うことができます (図 4-8)。
Status-すべてのテストインスタンスを一覧表示し、それぞれのインスタンスについて pass/fail 値を示します。
Test Parameter Options ― デバイスの構成情報を表示し、このテスト専用の設定を行います。このメニューは、テストの種類ごとに異なります。たとえば、Test Parameter Options は、メモリーテスト (pmemtest) ではテストするメモリー容量を、ネットワークテスト (nettest) ではテストパケットの送信先ホストを設定することができます。すべての Test Parameter Options についての詳細は、『SunVTS4.3 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。Test Parameter Option を変更したときは、変更内容を適切なレベルに適用してください。
Within Instance ― 以下のボタンを使用して、オプション設定をこのテストのインスタンス (テストインスタンス 1 など) に適用します。
o Apply-このデバイスだけに適用します。
o Apply to Group-グループ内の、デバイスタイプが同じすべてのインスタンスに適用します。
o Apply to All-システム上の、デバイスタイプが同じすべてのインスタンスに適用します。
Across All Instances-以下のボタンを使用して、オプション設定をすべてのテストインスタンス (インスタンス 1 と 2 など) に適用します。
o Apply-このデバイスのすべてのテストインスタンスに適用します。
o Apply to Group-グループ内の、デバイスタイプが同じすべてのテストインスタンスに適用します。
o Apply to All-システム上の、デバイスタイプが同じすべてのテストインスタンスに適用します。
詳細は、「Test Parameter」を参照してください。
Test Execution Options-テストの実行状態を設定することができます。たとえば、負荷モードを設定すると、最も厳密なテストを実行することができます。あるいは、Max errors の値を指定して、最大許容エラー数を設定することができます。指定した回数のエラーが発生すると、テストを停止します (0を指定した場合は、エラーの発生回数に関係なくテストが続行されます)。このメニューのオプションは、各テスト共通です。
Test Advanced Options-システムレベルの設定の影響を受けないように、個々のデバイスのオプション設定を「ロック」することができます。詳細は、「ロックと優先指定を使用したテストオプションの保護」を参照してください。
Schedule Options (グループレベルのみ) ― 同じグループ内で同時に実行する最大テスト数を設定します。
このダイアログボックスで表示されるオプションの詳細は、「SunVTS ダイアログボックス」を参照してください。
Start ボタンをクリックし、テストセッションを起動します。
Test Execution メニューでの構成に応じて、以下のいずれかの条件でテストが実行されます。
テストエラーが検出されるまで実行する (デフォルト)。Run On Error の値を設定した場合は、エラーの発生回数が指定した数に達するまでテストが続行されます。
テストがMax Pass の値に達するまで続行する。デフォルトでは、テストパスの回数に制限はありません。
テストがMax Time の値に達するまで続行する。デフォルトでは、時間制限はありません。
Stop ボタンが押されるまで続行する。
状態パネルでテストセッション全体の状態を監視します。
状態パネルの Testing statusの表示が「testing」の場合は、テストが実行中であることを示しています。システムパス、エラー発生回数、テスト経過時間の値は、積算値です。
System Map でテストを監視します。
アスタリスク (*) ― 各デバイスの隣に表示され、デバイスのテストが実行中であることを示します。(System Concurrency オプションを使用した) SunVTS の構成に従って、単一または複数のデバイスに対するテストが同時に実行されている状態です。
テストモード選択ウィンドウでテストメッセージを確認します。
以下の状態のときに、テストメッセージウィンドウにテストメッセージが表示されます。
テストエラーが発生した。
(メニューバーから Command → Trace test を選択して) トレースモードを有効にし、トレースがウインドウに表示されるよう設定すると、テストのシステムコールがすべて表示された。
(Test Execution ダイアログボックスから) verbose モードを有効にすると、verbose メッセージが表示された。
Stop ボタンをクリックし、テストセッションを終了します。
ログの表示
ログ:
SunVTS では、以下の 3 つのログファイルを使用することができます。
SunVTS のエラー状態ログ ― SunVTS テストのエラーメッセージとその時刻が格納されています。パス名は、 /var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.errです。SunVTS のテストでエラーが発生しない限り、このログファイルは作成されません。
SunVTS の情報ログ ― SunVTS でテストセッションの起動および停止時に生成される情報メッセージが格納されています。パス名は、/var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.info です。SunVTS のテストセッションが実行されない限り、このログファイルは作成されません。
Solaris のシステムメッセージログ ― syslogd によって記録される Solaris の一般的なイベントログです。パス名は、/var/adm/messages です。
方法:
Log ボタンをクリックします。
Log file ウィンドウが表示されます。
表示するログファイルを Log file ウィンドウ最上段のボタンから選択して指定します。
選択したログファイルの内容が、ウィンドウに表示されます。
ウインドウの下にある 3 つのボタンを使用して以下のことが可能です。
Print the log file- ダイアログボックスが表示され、印刷オプションとプリンタ名を指定することができます。
Delete the log file-ログファイルは画面上に残っていますが、次回表示時に削除されます。
Close the Log file window-Log file ウィンドウを消去します。
印刷前に、長大なログファイルでないか注意してください。
SunVTS メッセージの解釈
SunVTS で実行されるさまざまなテストは、それぞれに多数のメッセージがあります。このため、表示される個々のメッセージの意味をすべて説明するのは困難です。ほとんどのメッセージには、発生する各イベントについて説明したテキストが含まれています。メッセージには、エラー以外のことを通知する情報メッセージ (INFO、VERBOSE、WARNING) や、テストで検出された異常を通知するエラーメッセージ (ERROR、FATAL) などがあります。この節では、一般的なテストメッセージについて説明します。
SunVTS 情報メッセージの例:
04/24/00 17:19:47 systemA SunVTS4.3: VTSID 34 disktest. VERBOSE c0t0d0: "number of blocks 3629760" |
SunVTS エラーメッセージの例:
05/02/00 10:49:43 systemA SunVTS4.3: VTSID 8040 disktest. FATAL diskette: "Failed get_volmgr_name()" Probable_Cause(s): (1)No floppy disk in drive Recommended_Action(s): (1)Check the floppy drive |
メッセージタイプ (表 4-1) 、その後にメッセージテキスト、原因、推奨エラー修正作業が表示されます。
以下の表は、表示されるメッセージタイプを示しています。メッセージはすべて テストメッセージウィンドウに表示され、そのほとんどが SunVTS のログ (Info または Error) として記録されます。
表 4-1 メッセージタイプ
メッセージタイプ |
ログファイル |
説明 |
---|---|---|
INFO |
Info log |
エラーのないテストイベントが発生したときに表示されます。 |
ERROR |
Error and Info logs |
テストでエラーが検出されたときに表示されます。主に、特定の機能またはテスト実行中デバイスの機能に関する不具合を通知します。 |
FATAL |
Error and Info logs |
デバイスを使用できないなど、テストの停止を招くような重大なエラーが検出されたときに表示されます。これらのエラーは、ハードウェアの障害を通知します。 |
VERBOSE |
Not logged |
テストの進捗状況を通知するメッセージで、Verbose 機能が有効なときに表示されます。 |
WARNING |
Info log |
デバイスがビジー状態であるなど、エラー以外の要因がテストに影響を与えているときに表示されます。 |
SunVTS の特定のイベントがログファイルに記録されるときにそれらのイベントを監視するスクリプトと、特殊なメッセージが発行されたときにアクションを起動するスクリプトを作成することができます。この方法については、以下の SunVTS のメッセージ構文とその説明 (表 4-2) を参照してください。
SunVTS のメッセージ構文:
<timestamp> <hostname> "SunVTS<version_id>:" [VTSID <vts_msgid> <modulename>[.<submodulename>][.<instnum>][(#P)].<vts_msgtype>] [<device_pathname>:] <msg_text> |
メッセージ項目 |
説明 |
---|---|
<timestamp> |
メッセージが記録された日付を日/月/年の形式で、時刻を時/分/秒の形式で示します。 |
<hostname> |
テスト実行中のシステム名。 |
SunVTS<version_id> |
文字列 SunVTS の後に SunVTS のバージョン名を表示します (例:SunVTS4.3)。 |
VTSID <vts_msgid> |
文字列 VTSID の後に、そのメッセージの ID をつけて表示します。 |
<modulename> |
メッセージを生成するモジュール名 (通常はテスト名または vtsk) 。 |
<submodulename> |
サブテストの名前 (適用可能な場合)。 |
<instnum> |
テストインスタンスの番号。 |
(#P) |
テストを結合する対象となるプロセッサ ID (Processor Affinity オプションを使用して、テストを特定のプロセッサに割り当てる場合に適用できます)。 |
<vts_msgtype> |
メッセージタイプ (ERROR、FATAL、INFO、VERBOSE、またはWARNING) を識別します。 |
<device_pathname> |
テスト実行中デバイスの名前。 |
<msg_text> |
メッセージのテキスト。通常、エラー、原因、推奨される処置が含まれます。 |
SunVTS 4.0 以降、メッセージ構文は変更されています。旧い形式のメッセージ構文については、付録 B 「よくある質問」を参照してください。
テスト結果のリセット (任意)
メインウィンドウで情報を確認したら、Reset ボタンをクリックして現在表示されている結果を消去することができます。これにより、状態パネルの情報もリセットされます。
この節では、SunVTS CDE ユーザーインタフェースを使用した、SunVTS のさらに別の機能について説明します。
自動構成 (Automatic Configuration) 機能は、あらかじめ決められたテストオプションのセットを自動的に割り当てることで、SunVTS の構成手順を簡略化します。この機能には、次のような利点があります。
一貫したテストの実行 ― システムをテストする際に、常に、同じテストオプションが適用されます。プラットフォームが同じタイプである複数のシステムをテストする場合にも、一貫性のある診断を行えます。
信頼性の高いテスト ― テストオプションの設定を間違えたことによるエラーが発生することはありません。
構成の簡略化 ― 多数の SunVTS テストに対応したオプションが数多く用意されています。自動構成機能により、こうしたテストオプションの煩雑な割り当て作業を省略できます。
時間の節約 ― 自動構成機能を選択することにより、手動でオプションを設定する必要がなくなり、すぐにテストを開始できます。
テストモード選択ウィンドウから Auto Config を選択します。
Automatic Configuration ダイアログボックスが表示されます (図 4-9)。
Automatic Configuration ダイアログボックスから次のいずれかを選択します。
Comprehensive ― 完全なテストを実行するためのすべてのテストオプションを設定します。適用可能なすべての機能テストが有効となります。このテストセッションではシステムのすべての機能が検証されるので、対象システムにハードウェア障害が存在しないことが保証されます。
Confidence ― 必須のテストオプションのみを設定します。Comprehensive レベルのテストに比べて機能テストの範囲を限定し、より短時間でシステムの主要な機能だけを検証します。
Help ボタンにより、自動構成の情報と説明のダイアログボックスを表示できます。
ダイアログボックスの Select をクリックします。
あらかじめ定義されたオプションが適用され、選択されたデバイスをテストできるようになります。
System Map からテスト対象のデバイスを選択するか、または選択を解除します (オプション)。
この手順は省略可能です。完全なシステムテストを実行する場合は、自動構成機能で選択されたデバイスを使用します。
SunVTS メインウィンドウの Start ボタンをクリックします。
選択されたテストレベル (comprehensiveまたはconfidence) に基づき、あらかじめ決められたオプションのセットを使ってテストが実行されます。
ローカルシステムの SunVTS ユーザーインタフェースを、ネットワーク上の別のシステムで動作している SunVTS カーネルに接続することができます。ひとたび遠隔システムに接続すると、その遠隔システムのテストは、CDE ユーザーインタフェースによって制御されます。
遠隔システムで SunVTS カーネルが動作していることを確認します。
これにはいくつかの方法があります。(rlogin または telnet を使用して) 遠隔システムに遠隔ログインし、vtsk コマンドを実行します。
遠隔システムで SunVTS の特権ユーザー (デフォルトではスーパーユーザー) として遠隔ログイン (またはユーザー切り替え) してから、SunVTS カーネル (vtsk) を起動してください。
SunVTS の同一バージョンが動作しているシステムにのみ接続可能です。
ローカルシステム (SunVTS ユーザーインタフェースが動作しているシステム)で、Connect to Host ボタンをクリックします。
Connect to Host ダイアログボックスが表示されます。
接続先の遠隔システムのホスト名を入力します。
Connect to Host フィールドにホスト名を入力します。複数の遠隔システムに接続するときは、SunVTS はそれらのシステムを追跡し、Hostname List に表示します。一覧のホスト名をダブルクリックすると、そのホストに再度接続することができます。この一覧は、現行の SunVTS セッションの間だけ維持されます。SunVTS を終了すると、Hostname Listは消去されます。
SunVTS カーネルには、ユーザーインタフェースをいくつでも接続することができます。各ユーザーインタフェースは、SunVTS の同期画面を表示します。
Connect to Host ダイアログボックスの Apply をクリックします。
SunVTS ユーザーインタフェースは、現在、遠隔システムの SunVTS テストを制御している状態です。接続確認のために、状態パネルに遠隔システムのホスト名が表示されます。
テスト状況のメッセージが電子メールでテスト実行者宛てに送信されるように SunVTS を設定することができます。
Menu バーの Options メニューから Notify を選択します。
Notify Options ダイアログボックスが表示されます。
Send Email プルダウンメニューから以下のいずれかを選択します。
disabled-電子メール通知機能を無効にします。
now-ただちに電子メールの通知を 1 回行い、その後電子メール通知機能を無効にします。
on error-エラーが発生したときに電子メールを送信します。
periodically-Log Period の指定に従い、定期的に電子メールを送信します。
on_error&periodically-定期的かつエラー発生時に電子メールを送信します。
email address フィールドに電子メールアドレスを入力します。
Periodically または on_error&periodically を選択した場合は、ログ期間を分単位 (1 から 99999) で指定します。
Apply をクリックします。
指定された通知基準に従って、SunVTS 情報メッセージが電子メールで送信されます。
SunVTS エラーログ (/var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.err) および情報ログ (/var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.info) のログファイルのサイズは、デフォルトでそれぞれ最大 1 MB に制限されています。ログファイルが最大サイズに達した場合は、その内容は logfilename.backup というファイルに移され、以後のイベントは、メインのログファイルに追加されます。再びログファイルが最大サイズに達すると、その内容はバックアップファイルに移され、先のバックアップファイルの内容は上書きされます。個々のログファイルに対して保守されるバックアップファイルは 1 つだけです。
ログファイルの最大サイズの設定は変更することができます。
メニューバーから Option → Thresholds を選択します。
Threshold Option ダイアログボックスが表示されます。
矢印ボタンを使用して、Max System Log Size の数字を増やします。
1 から 5 (MB) の数字を選択してください。たとえば、5 MB を選択した場合は、SunVTS のログファイルの最大容量は 20 MB になります (2 つのログファイルがあり、それぞれが同じサイズのバックアップファイルを 1 つ持ちます)。
Apply をクリックします。
Trace test オプションを使用して、テスト実行中に行われたすべてのシステムコールのログを作成することができます。この機能では、標準の UNIX コマンド truss を使用して、システムコールのログをとります。トレース機能によってログに記録されたトレースメッセージは、エラーの原因を特定する際の強力なデバッグツールになります。
メニューバーから Commands → Trace test を選択します。
Trace Test ウィンドウが表示されます。
テスト名一覧からトレースするテストを選択して Apply を選択するか、テスト名をダブルクリックしてトレースを有効にし、ウィンドウを閉じます。
テストの選択を終えると、ただちにシステムコールのトレースが有効になります。実行中のテストを選択した場合は、すぐにトレースが開始され、SunVTS のコンソールウィンドウにトレーステストメッセージが表示されます。
SunVTS CDE ユーザーインタフェースを使用している場合は、一度に選択できるトレース対象のテストは 1 つだけです。
システム構成を物理表示にしている場合は、1 つの階層 (システムボード上の 1 つのコントローラなど) しか表示されず、数階層下のデバイスをトレースすることができません。その場合は、システム構成を論理表示にしてデバイスのトレースを実行してください。
トレーステストメッセージを /var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.trace ファイルに保存する場合は、File を選択し、Apply をクリックします。
ロックと優先指定を使用して、システムレベル、グループレベル、デバイスレベルで設定したオプションを保持または上書きすることができます (手順 6を参照してください)。
通常、システムまたはグループレベルでオプション設定を変更すると、新しいオプション設定は下位のすべてのレベルに伝達されます。ロックを有効にすることで、上位レベルのオプション設定が下位レベルのオプション設定に適用されなくなります。
優先指定により、下位レベルのロックは無効になります。
ロックするグループレベルまたはデバイスレベルから Test Advanced Options ダイアログボックスを開きます。
このダイアログボックスを開くには、対象となるグループまたはデバイスにポインタを置いて右クリックし、表示されたメニューから Test Advanced Options を選択してください。
Enable ボタンをクリックしてロックを設定します (または Disable ボタンをクリックしてロックを解除します)。
ロックを設定すると、上位レベルでオプション設定を変更しても、ロックしたデバイスのオプション設定には適用されません。
優先指定を使用して、ロックによる保護を無効にすることができます。システムレベルで優先指定を行うと、すべてのロックが無効になります。グループレベルで優先指定を行うと、そのグループ下のロックがすべて無効になります。
Advanced Option ダイアログボックスを以下いずれかのレベルで開きます。
システムレベル ― Menu バーから Option → Advanced を選択します。
グループレベル ― グループにポインタを置いて右クリックし、次に Test Advanced Options を選択します。
優先指定の設定を有効にします (または、優先指定の設定を解除します)。
Apply をクリックします。
オプションを組み合わせることによって、診断の要件に応じてテストの数を増減することができます。たとえば、個々のテストインスタンスが同時に実行されるようにテストオプションを変更して、単一または複数のプロセッサに対する負荷レベルを上げることができます。以下の手順を単独で、または組み合わせて使用し、テストセッションの規模を調整することができます。
デバイス上で、同じテストのコピーを複数同時に実行することにより、テストセッションの数を増減することができます。個々のコピーを「テストインスタンス」と呼びます。各テストインスタンスは、独立した、同一テストのプロセスです。テストインスタンスの数は、システムレベル、グループレベル、デバイスレベルで以下のように設定することができます。
以下のいずれかのレベルで Test execution ダイアログボックスを開きます。
システムレベル ― Menu バーから Option → Test execution を選択します。
グループレベル ― グループにポインタを置いて右クリックし、次に Test execution Options を選択します。
デバイスレベル ― デバイスにポインタを置いて右クリックし、次に Test execution Options を選択します。
矢印ボタンでインスタンスの数を増減します。
Apply をクリックします。
テスト同時実行オプションは、テストセッション間のある時点で実行されるテストの数を設定します。テスト同時実行値は、1 度に 1 つのテストを実行するように設定することも、テストセッションの負荷レベルを上げるように大きく設定することもできます。
Schedule Option ダイアログボックス (システムレベルとグループレベル) には、設定を変更することでテストセッション数を増減できるオプションが 2 つあります。
System Concurrency ― システムレベルで同時に実行されるテストの最大数を設定します。この設定により、Group Concurrency は無効になります。
Group Concurrency ― 同じグループ内で同時に実行されるテストの最大数を設定します。このオプションは、システムレベルとグループレベルで使用することができます。
以下のいずれかのレベルから Schedule ダイアログボックスを開きます。
システムレベル ― Menu バーから Option → Schedule を選択します。
グループレベル ― グループにポインタを置いて右クリックし、次に Schedule Options を選択します。
矢印ボタンで System Concurrency または Group Concurrency の値を増減します。
Apply をクリックします。
デフォルトでは、各テストインスタンスは、Solaris カーネルによってその時点で使用可能なプロセッサに割り当てられます。マルチプロセッサシステムでは、以下の手順でテストインスタンスを特定のプロセッサに割り当てることができます。
以下のいずれかのレベルで Test execution ダイアログボックスを開きます。
システムレベル ― Menu バーから Option → Test execution を選択します。
グループレベル ― グループにポインタを置いて右クリックし、次に Test execution Options を選択します。
デバイスレベル ― デバイスにポインタを置いて右クリックし、次に Test execution Options を選択します。
Processor Affinity フィールドは、マルチプロセッサシステムでのみ表示されます。
Processor Affinity オプションは、cputest や fputest などのプロセッサテストでは使用できません。これらのテストは、システム上の各プロセッサに個別に関連付けられているため、異なるプロセッサに割り当てることはできません。
Processor Affinity フィールドから Processor を選択します。
Apply をクリックします。
SunVTS のテストセッションがデフォルトのオプション値で実行されるときよりも多くのテストデータを出力するように設定することができます。手順を以下に示します。
以下のいずれかのレベルで Test execution ダイアログボックスを開きます。
システムレベル ― Menu バーから Option → Test execution を選択します。
グループレベル ― グループにポインタを置いて右クリックし、次に Test execution Options を選択します。
デバイスレベル ― デバイスにポインタを置いて右クリックし、次に Test execution Options を選択します。
以下のオプションを 1 つ以上有効 (または無効) にします。
Verbose-テストセッションの実行中、テストの開始および停止時刻を示す詳細メッセージを表示します。
Core File-このオプションを有効にすると、テストセッションがコアダンプされる際に、コアファイルが作成されます。コアファイル名は sunvts_install_dir/bin/core.testname.xxxxxx です。testname はコアダンプされたテスト、xxxxxx は一意のファイル名を付けるためにシステムが生成した文字列を表します。
トレース機能を使用して、テストデータを増やすこともできます。「テストのトレース」を参照してください。
Option Files 機能を使用して、選択したデバイスの現在の設定とテストオプションを保存し、再使用することができます。同じテストセッションの構成を繰り返し使用するときに便利な機能です。
構成情報は、ユーザーが指定したファイル名で /var/opt/SUNWvts/options ディレクトリに保存されます。
オプションファイルは手動で編集しないでください。オプションファイルに不必要な文字があると、ファイルの使用時に予期せぬ動作を引き起こす場合があります。
SunVTS で、保存するテストセッションを構成します。
「SunVTS のテストセッションを構成する」を参照してください。
メニューバーから Options → Option files を選択します。
Option Files ダイアログボックスが表示されます。
Option File フィールドでオプションファイル名を指定します。
Store をクリックします。
Option Files ダイアログボックスで Close をクリックします。
Option Files ダイアログボックスが閉じ、今後の使用に備えてテストセッションの構成が保存されます。
別のシステムで作成されたオプションファイルを読み込むことは可能ですが、テストを実行するシステムに対してその構成が有効であることを確認する必要があります。
64 ビット環境で作成されたオプションファイルを 32 ビット環境に読み込むことはできません。
メニューバーから Options → Option files を選択します。
Option Files ダイアログボックスが表示されます。
Option file 一覧から対象となるオプションを選択します。
Load をクリックします。
テストセッションの構成が SunVTS に読み込まれ、使用可能になります。また、テストセッションを起動する前に、構成を変更することもできます。
メニューバーから Options → Option files を選択します。
Option Files ダイアログボックスが表示されます。
Option File 一覧から削除するオプションファイルを選択します。
Remove をクリックします。
Close をクリックします。
自動起動機能と保存したオプションファイルを使用して、テストセッションの構成および実行のプロセスを簡略化することができます。
メニューバーから Options → Schedule を選択します。
Schedule ダイアログボックスが表示されます。
Schedule ダイアログボックスで Auto Start の設定を有効にします。
「オプションファイルを作成する」の説明に従って、オプションファイルを作成します。
作成されたオプションファイルは、自動起動機能が動作するように構成されます。
Command → Quit SunVTS → UI and Kernel を選択します。
自動起動機能を動作させるには、SunVTS を終了して再起動する必要があります。
作成したオプションファイルを指定し、以下のコマンドを使用してコマンド行から SunVTS を再起動します。
# /opt/SUNWvts/bin/sunvts -o option_file |
SunVTS のメインウィンドウが表示され、テストセッションが自動的に開始されます。
テストセッションは、実行中に一時停止することができます。たとえば、スクロールして見えなくなった テストメッセージウィンドウのメッセージを表示する場合や、ログファイルを参照して印刷する場合などです。
メニューバーから Commands → Suspend を選択します。
Status パネルに 「Suspend」 と表示され、ユーザーが再開するまでテストセッションは中断されます。
メニューバーから Commands → Resume を選択します。
Status パネルに 「Testing」 と表示され、SunVTS カーネルが中断されたテストセッションを再開します。
Record および Replay 機能を使用して、SunVTS のテストセッションを記録することができます。1 回の記録で保存されるテストセッションは 1 つだけです。
イベントは、/var/opt/SUNWvts/vts_replay_file ファイルに記録されます。
テストセッションを記録しておくと、後に記録されたイベントを使用して、記録されたイベントシーケンスを SunVTS カーネルで再生することができます。
Record および Replay 機能は、イベントシーケンスを忠実に再現しますが、イベントの時間の長さは再現することができません。これは、それぞれの実行時間が異なるためです。
/var/opt/SUNWvts/vts_replay_file ファイルは編集しないで下さい。
SunVTS で実行するテストセッションを構成します。
「SunVTS のテストセッションを構成する」を参照してください。
メニューバーから Commands → Start testing with record を選択します。
テストセッションが実行され、イベントが記録されます。テストを停止すると、記録されたセッションを再実行することができます。
Commands → Replay を選択してテストセッションを再実行します。
SunVTS カーネルは、手順 1 と同様に設定された同じテストを再実行します。
再実行中は、SunVTS カーネルは、記録されたテストセッションを再表示しているだけでなく、実際に実行しています。
SunVTS では、テスト手順スケジューラが提供されており、実行するテストとその実行順序を定義することができます。この機能を使用しない場合は、選択したテストは、SunVTS によって決定された順序で実行されます。
テスト手順スケジューラは、SunVTS CDE ユーザーインタフェースのメニューバー領域からダイアログボックスとして利用できます。
テスト手順スケジューラ機能の起動、実行、および終了手順の概要を以下に示します。詳細については後で説明します。
SunVTS CDE ユーザーインタフェースを使用して SunVTS を起動します。
テスト手順スケジューラを起動します。
1 つまたは複数の タスクを作成します。タスクとは、オプションで選択した SunVTS テスト (選択された SunVTS テスト、テストオプション、および指定されたテストモード) です。
シーケンスを作成します。シーケンスとは、実行順序を指定したタスクグループのことです。
シーケンスの実行回数 (ループ) を定義します。
シーケンスを起動します。
シーケンスが終了したら、必要に応じてテスト手順スケジューラをリセットします。
テスト手順スケジューラの機能を終了します。
第 3 章「SunVTS の起動」に従い、SunVTS CDE ユーザーインタフェースを使用してSunVTS を起動します。
SunVTS のメニューバーから DSched → start DS を選択して、テスト手順スケジューラを起動します。
Deterministic Scheduler ダイアログボックスが表示されます (図 4-10)。
テスト手順スケジューラを起動すると、SunVTS メインウィンドウの多くのコマンド (Start、Stop、Resume、Suspend、Record、Replay、Load、Set など) が使用できなくなります。テスト手順スケジューラを停止すると、これらの機能は使用可能になります。
Help ボタンにより、テスト手順スケジューラの情報と説明のダイアログボックスを表示できます。
以下の説明に従って、タスクを定義します。
Deterministic Scheduler ダイアログボックスで、Edit ボタンをクリックします。
テスト手順スケジューラの Task Manager パネルが表示され、Available Tasks 一覧に既存のタスク (すでに作成済みの場合) が一覧表示されています。既存のタスクを使用することもできますが、新しく作成することも可能です。テスト手順スケジューラを初めて使用する場合は、タスクを新しく作成する必要があります。
SunVTS メインウィンドウでテストセッションを構成します (1 つ以上のデバイスと、使用するテストモードを選択してください)。
複数のテストをタスクに割り当てた場合は、そのタスク内のテストの実行順序は、SunVTS によって決定されます。すべてのテストの実行順序を制御するには、1 つのテストに対して割り当てるテストを 1 つだけにします。
テスト手順スケジューラを起動すると、Max Sytem Passes のデフォルト値を 0 (無限に実行) から 1 (1 回実行) に変更します。これは、選択したテストが各タスクで 1 回だけ実行され、続けてシーケンス内の後続タスクが実行されるようにするために必要な手順です。
Deterministic Scheduler ダイアログボックスで、タスク名を入力します。
Task Manager パネルの Store をクリックします。
指定したタスクが Available Tasks 一覧に表示されます。
あるタスクを表示するには、Available Tasks 一覧から目的のタスクを選択し、Load を押します。
SunVTS メインウィンドウに、選択したタスクに関連付けられている SunVTS テストの設定が表示されます。
タスクを編集するには、SunVTS メインウィンドウで目的のタスクを選択し、読み込み、テストの設定を変更します。次に、Task Manager パネルの Store を押します。
タスクを削除するには、目的のタスクを選択し、Task Manager パネルの Remove を押します。
指定したタスクが Available Tasks 一覧から削除されます。
以下の手順でシーケンスを定義します。
タスク一覧からタスクを選択します。
Insert ボタンを押します。
選択したタスクがシーケンス一覧に追加されます。
手順 a、手順 b を繰り返し、必要なすべてのタスクを、実行する順序でシーケンスリストに追加します。
同一のタスクを複数個追加することができます。
テストを起動すると、タスクは一覧の先頭から順に実行されます。
シーケンスリストからタスクを削除するには、目的のタスクを選択し、Delete を押します。
後の使用のためにシーケンスを保存する場合は、Sequence name フィールドに目的のシーケンス名を入力し、Task Manager パネルの Store を押します。
選択したシーケンスが保存され、後でテストを実行するときに簡単に取得することができます。
シーケンスを選択し、Run ボタンを押します。
右側のパネルに Sequence Runner パネル (図 4-13) が表示されます。Sequence Runner パネルでは、シーケンスの実行回数 (ループ) を定義し、シーケンスの実行を開始することができます。
シーケンスのループを定義します。
Start ボタンを押して、シーケンスを起動します。
SunVTS メインウィンドウで、テストの進捗状況を監視することができます。テスト結果は、すべてSunVTS のログファイルに記録されます。
Close ボタンを押すか、Deterministic Scheduler ダイアログボックスから Commands → Quit Options → Quit UI only を選択して、Deterministic Scheduler ダイアログボックスを閉じることができます。テストは継続され、SunVTS メインウィンドウに結果が表示されます。Deterministic Scheduler ダイアログボックスは、SunVTS のメインウィンドウから再度開くことができます。
Deterministic Scheduler ダイアログボックスで Suspend または Resume ボタンを押すと、シーケンスを中断および再開することができます。
Reset ボタンを使用して、SunVTS メインウィンドウとテスト手順スケジューラをリセットします。
SunVTS メインウィンドウのテスト統計と、テスト手順スケジューラの現在のループ回数がリセットされます。
Commands → Quit Options → Quit DS and UI を選択して、テスト手順スケジューラ を終了します。
テスト手順スケジューラと Deterministic Scheduler ダイアログボックスの表示が終了します。