SunVTS 4.3 テストリファレンスマニュアル

第 17 章 Sun StorEdge 1000 格納装置テスト (enctest)

enctest は、 Sun StorEdgeTM 1000 格納装置を検査します。この格納装置には、1 インチの 4 GB ドライブ 12 台または 1.6 インチの 9 GB ドライブ 8 台を収納することができ、冗長電源および冗長冷却に対応しています。以下の 2 つのモデルがあります。

enctest は、両方のモデルの一般的な検査、構成の検査、修理後の検査、障害の切り分けに使用することができます。

enctest は、接続されている Sun StorEdge 格納装置をすべて検出し、格納装置内の各種デバイスの状態を表示します。

enctest は、Sun StorEdge D1000 の LED を以下のように設定します。

表 17-1 enctest の状態 LED

LED の状態 

説明 

点灯 

回復不能または重大なエラーが発生しました。 

点滅 

重大なエラーではありません。 

消灯 

正常に動作しています。 


注 -

Sun StorEdge 格納装置が接続されたシステムには、ses ドライバが必要です。ses ドライバが存在しない場合は、SunVTS は Sun StorEdge ハードウェアを認識しません。ses ドライバが存在するかどうかを確認するには、以下のコマンドを使用します。 pkginfo SUNWsesこのパッケージが存在しない場合は、インストールしてください。


enctest は、格納装置内の各種デバイスの状態を報告します。回復不能または重大なエラーを検出した場合は記録されます。重大ではないエラーは、警告メッセージで報告されます。表 17-2 に、格納装置の各デバイスに関して報告される情報を示します。

表 17-2 enctest によって報告される格納装置の状態

格納装置の部品 

報告される情報 (デバイススロットごと) 

Disk (ディスク) 

Present/Not Present 

Failed/OK 

Power supply (電源装置) 

Present/Not Present 

Failed/OK 

Fan (ファン) 

Present/Not Present 

Failed/OK 

Temperature (温度センサー) 

OK/Over temperature 

RPA cache Battery (RPA キャッシュバッテリー) 

(Sun StorEdge A1000 のみ) 

OK/Low Charge 

enctest のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、グループツリーを展開すると表示される場合があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.3 ユーザーマニュアル』を参照してください。

図 17-1 enctest のテストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

表 17-3 enctest のオプション

オプション 

説明 

Display Enclosure Status (格納装置の状態の表示) 

有効 (enable) な場合は、メッセージの形式で格納装置内の各デバイスの状態が SunVTS コンソールに表示されます。これらのメッセージは、SunVTS 情報ログファイルにも記録されます。 

LED Test (LED テスト) 

有効 (enable) な場合は、各ディスクに対応する LED が一瞬点灯します。 

Interval Between Passes (テスト間隔) 

テストを繰り返す場合は、次のパスまでの最小間隔を指定します。 

enctest のテストモード

表 17-4 enctest のテストモード

テストモード 

サポート 

接続モード 

接続テスト 

○ 

格納装置の状態のサマリービットを読み取ります。回復不能または重大なエラーを検出した場合にのみ、詳細情報を報告します。 

機能テスト 

(オフライン) 

○ 

すべてのテストオプションを使用できます。 

enctest のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/enctest 標準引数 -o dev=デバイス名, disp=enable|disable,led=enable|disable,delay=テスト間隔

表 17-5 enctest のコマンド行構文

引数 

説明 

dev=デバイス名

格納装置内の ses デバイス名を指定します。 

disp=enable|disable

enable に設定すると、格納装置内のデバイスの詳細な状態情報を表示されます。 

led=enable|disable

LED テストを有効または無効にします。 

delay=テストパス間隔

テストを繰り返す場合は、次のパスまでの最小間隔を指定します。 


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。