Solaris 8 のインストール (上級編)

ネームサービスによる事前設定

次の表は、システム構成情報を事前設定するために編集および入力を行う必要があるネームサービスデータベースの概要を示したものです。

事前設定するシステム情報 

ネームサービスデータベース 

ホスト名と IP アドレス 

hosts

日付と時刻 

hosts。インストール対象のシステムに日付と時刻を提供するシステムのホスト名で timehost というホストの別名を持つマシンを使用する。

時間帯 

timezone

ネットマスク 

netmasks

DNS や LDAP のネームサービスでは、システムのロケールを事前設定することはできません。NIS や NIS+ のネームサービスを使用する場合は、そのネームサービスの手順に従ってシステムのロケールを事前設定してください。

NIS を使ってロケールを事前設定する方法

  1. ネームサーバー上でスーパーユーザーになります。

  2. /var/yp/Makefile ファイルを編集して、ローカルマップを追加します。

    1. エントリの後に、以下を追加します。

      locale.time:  $(DIR)/locale
              -@if [ -f $(DIR)/locale ]; then ¥
                     sed -e "/^#/d" -e s/#.*$$// $(DIR)/locale ¥
                     | awk '{for (i = 2; i<=NF; i++) print $$i, $$0}' ¥
                     | $(MAKEDBM) - $(YPDBDIR)/$(DOM)/locale.byname; ¥
                     touch locale.time; ¥
                     echo "updated locale"; ¥
                     if [ ! $(NOPUSH) ]; then ¥
                             $(YPPUSH) locale.byname; ¥
                             echo "pushed locale"; ¥
                     else ¥
                     : ; ¥
                     fi ¥
              else ¥
                     echo "couldn't find $(DIR)/locale"; ¥
              fi
    2. 文字列 all: を検索し、変数リストの最後に locale という語を挿入します。

      all: passwd group hosts ethers networks rpc services protocols ¥
      	netgroup bootparams aliases publickey netid netmasks c2secure ¥
      	timezone auto.master auto.home locale
      
    3. 文字列 locale: locale.time をファイルの後方にある同じようなエントリの最後に追加します。

      passwd: passwd.time
      group: group.time
      hosts: hosts.time
      ethers: ethers.time
      networks: networks.time
      rpc: rpc.time
      services: services.time
      protocols: protocols.time
      netgroup: netgroup.time
      bootparams: bootparams.time
      aliases: aliases.time
      publickey: publickey.time
      netid: netid.time
      passwd.adjunct: passwd.adjunct.time
      group.adjunct: group.adjunct.time
      netmasks: netmasks.time
      timezone: timezone.time
      auto.master: auto.master.time
      auto.home: auto.home.time
      locale: locale.time
      
    4. ファイルを保存します。

  3. /etc/locale というファイルを作成し、ドメインまたは特定のシステムに対して1つのエントリを作成します。

    locale domain_name
    

    または

    locale system_name
    

    注 -

    第 32 章「言語とロケールの値」 に、有効なロケールのリストを示します。


    たとえば次の行は、worknet.com ドメインに対してデフォルト言語として日本語を指定しています。

    ja worknet.com

    たとえば次の行は、sherlock というシステムに対してデフォルトロケールとして日本語を指定しています。

    ja charlie 

    注 -

    ロケールは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD に入っています。


  4. マップを作成します。


    # cd /var/yp; make
    

    これでドメインまたは locale マップで個別に指定したシステムは、デフォルトのロケールを使用するように設定されました。ここで指定したデフォルトのロケールは、インストール時に使用されるとともに、システムのリブート後のデスクトップでも使用されます。

NIS+ を使ってロケールを事前設定する方法

この手順は、NIS+ ドメインが設定されていると仮定しています。NIS+ ドメインの設定方法は、『Solaris ネーミングの管理』で説明しています。

  1. ネームサーバーに、スーパーユーザーまたは NIS+ admin グループのユーザーとしてログインします。

  2. locale テーブルを作成します。


    # nistbladm -D access=og=rmcd,nw=r -c locale_tbl name=SI,nogw= 
    locale=,nogw= comment=,nogw= locale.org_dir.`nisdefaults -d` 
    
  3. locale に必要なエントリを追加します。


    # nistbladm -a name=name locale=locale comment=comment 
    locale.org_dir.`nisdefaults -d`
    

    このコマンド行では :

    • name はドメイン名または特定のシステム名。これはデフォルトロケールを事前設定する対象となる。

    • locale はシステムにインストールし、システムのリブート後にデスクトップ表示で使用するロケール。使用できるロケール値のリストについては、第 32 章「言語とロケールの値」 を参照。

    • comment はコメントフィールド。複数の単語を使ったコメントは、前後を二重引用符で囲むこと。


    注 -

    ロケールは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD に入っています。


    これでドメインまたは locale テーブルで個別に指定したシステムは、デフォルトはロケールを使用するように設定されました。ここで指定したデフォルトのロケールは、インストール時に使用されるとともに、システムのリブート後のデスクトップでも使用されます。