Solaris 8 のインストール (上級編)

ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定

インストールサーバーとブートサーバー (必要な場合) を作成したら、ネットワーク上でインストールするために各システムを設定する必要があります。インストールするシステムが、次の情報にアクセスできなければなりません。

ネットワークを使用してインストールする場合、システムはこの情報を /etc ファイルの bootparams データベース、NIS、NIS+、DNS、または LDAP のネームサービスから取得します。したがって、ネットワークからインストールされる各システムのネームサービスにこの情報を追加しておく必要があります。この情報を追加するには、add_install_client コマンドを使用します。


注 -

/etc ファイルを使用してネットワークインストール情報を保存する場合、その情報はインストールサーバーまたはブートサーバー (ブートサーバーが必要な場合) 上に存在する必要があります。


add_install_client を使用してネットワーク上でインストールするためにシステムを設定する

ネットワーク上でインストールするシステムを設定するには、add_install_client(1M) コマンドを使用します。


注 -

add_install_client コマンドは /etc ファイルだけを更新します。


  1. インストールサーバーまたはブートサーバー (ブートサーバーが必要な場合) でスーパーユーザーになります。

  2. NIS または NIS+ ネームサービスを使用する場合は、インストールされるシステムに関して次の情報が /etc ファイル内のネームサービスに追加されていることを確認します。

    • ホスト名

    • IP アドレス

    • Ethernet アドレス

  3. インストールサーバーの Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージの Tools ディレクトリ、またはブートサーバーのブートディレクトリに移動します。


    # cd Solaris_8/Tools
    
  4. add_install_client コマンドを使用して、ネットワーク上でインストールされるシステムを設定します。


    # ./add_install_client [[-d]] [[-c server:jumpstart_dir_path]] [[-s install_server:install_dir_path]] ¥
    [[-p server:path]] host_name platform_group
    

    -d

    クライアントが、カスタム JumpStart インストールのプロファイルサーバーとして DHCP サーバーを使用することを指定します。 

    カスタム JumpStart インストールを起動するブートコマンドを発行する際に、ネームサーバーの bootparams データベースの代わりにクライアントが DHCP サーバーを使用するように指定できます。詳細は、SPARC システムの場合は、「SPARC: カスタム JumpStart インストールの実行手順」手順 6 を、Intel システムの場合は、「IA: カスタム JumpStart インストールの実行手順」手順 8 をそれぞれ参照してください。

    -c server:jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart インストールの JumpStart ディレクトリを指定します。server には JumpStart ディレクトリがあるサーバーのホスト名を、jumpstart_dir_path には JumpStart ディレクトリへの絶対パスをそれぞれ指定します。

    このオプションを使用する代わりに、カスタム JumpStart インストールを起動する boot コマンドを発行する際に JumpStart ディレクトリの場所を指定することができます。詳細は、「圧縮された構成ファイルの作成」を参照してください。

    -s install_server:install_dir_path

     

    インストールサーバーを指定する。このオプションは、add_install_client をブートサーバーで使用するときだけ必要。

    install_server は、インストールサーバーのホスト名。install_dir_path は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージの絶対パス名

    -p server:path

    システムの構成情報を事前設定するための sysidcfg ファイルを指定する。server は、このファイルを含んでいるサーバーの有効なホスト名または IP アドレス。path は、sysidcfg ファイルへの絶対パス

    sysidcfg ファイルがプロファイルサーバーの JumpStart ディレクトリに格納されている場合は、このオプションを必ずしも指定する必要はありません。カスタム JumpStart インストールを起動する boot コマンドを発行する際に JumpStart ディレクトリの場所を指定することができます。詳細は、「圧縮された構成ファイルの作成」を参照してください。

    host_name

    ネットワーク上でインストールされるシステムのホスト名 (インストールサーバーのホスト名ではない)。このコマンドが機能するためには、ホストがネームサービスに登録されている必要がある 

    platform_group

    インストールするシステムのプラットフォームグループ。プラットフォームグループの詳細は、第 31 章「プラットフォーム名とグループ」 を参照

SPARC: 例 - add_install_client を使用して、ネットワーク上でインストールされるシステムを追加する

次の例は、ネットワーク上でインストールされる basil という名前のシステム (SPARCstation 10) を追加します。このシステムにはブートサーバーが必要なので、コマンドはブートサーバー上で実行します。-s オプションを使用して、install_server1 という名前のインストールサーバー (/export/install に Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージを持っている) を指定しています。


# cd /export/install/boot/Solaris_8/Tools
# ./add_install_client -s install_server1:/export/install basil sun4m