ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールするためには、インストールサーバーを作成する必要があります。さらに、インストールするシステムがインストールサーバーと同じサブネット上にない場合は、次のどちらかを行う必要があります。
サブネットごとにブートサーバーを作成する。
サブネットごとにインストールサーバーを作成する。ただし、この方法には、より多くのディスク容量が必要です。
この節の内容は、次のとおりです。
SunOS 4.1.x システムは、インストールサーバーとしては使用できません。
インストールサーバーとして使用するシステムでスーパーユーザーになります。
このシステムには CD-ROM ドライブが必要です。さらに、システムは、このサイトのネットワークに接続されネームサービスに登録されている必要があります。ネームサービスを使用する場合、システムのネームサービスは NIS、NIS+、DNS、LDAP のいずれかでなければなりません。ネームサービスを使用しない場合は、サイトのポリシーに従ってシステムの情報を分散する必要があります。
この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャなしでフロッピーディスクや CD を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD および Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーするかどうかを決めます。
マウントした CD の Tools ディレクトリに移動します。
SPARC 版 CD の場合
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_8/Tools |
Intel 版 CD の場合
# cd /cdrom/cdrom0/s2/Solaris_8/Tools |
setup_install_server コマンドを使用して、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーします。
# ./setup_install_server install_dir_path |
このコマンド行では、install_dir_path は、CD イメージのコピー先となるディレクトリを指定します。空のディレクトリを指定してください。
setup_install_server コマンドは、Solaris 8 SOFTWARE CD イメージをコピーするためのディスク容量が十分あるかどうかを調べます。利用できるディスク容量を調べるには、df -kl コマンドを使用します。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を取り出します。
Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。
マウントされた CD の Tools ディレクトリに移動します。
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_8/Tools |
add_to_install_server コマンドを使用して、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクに追加します。
# ./add_to_install_server install_dir_path |
このコマンド行では、install_dir_path は、CD イメージのコピー先となるディレクトリを指定します。
Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD を取り出します。
Solaris 8 LANGUAGES CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。
マウントされた CD の Tools ディレクトリに移動します。
# cd /cdrom/cdrom0/Tools |
add_to_install_server コマンドを使用して、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクに追加します。
# ./add_to_install_server install_dir_path |
このコマンド行では、install_dir_path には、CD イメージのコピー先となるディレクトリを指定します。
ユーザーが Solaris Web Start を使用してシステムをブートし、ネットワーク上で Solaris 8 ソフトウェアを
インストールできるようにしない場合は、Solaris 8 LANGUAGES CD を取り出して、手順 18 に進みます。
インストールできるようにする場合は、Solaris 8 LANGUAGES CD を取り出します。
Solaris 8 INSTALLATION CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。
マウントされた CD の modify_install_server を含むディレクトリに移動します。
SPARC 版 CD の場合
# cd /cdrom/cdrom0/s0 |
Intel 版 CD の場合
# cd /cdrom/cdrom0/s2 |
modify_install_server コマンドを使用して、Solaris Web Start インタフェースソフトウェアをインストールサーバーに追加します。
modify_install_server は、Solaris 8 INSTALLATION CD (Intel) または Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD (Intel) 上の s2 ディレクトリにあります。
# ./modify_install_server install_dir_path installer_miniroot_path |
このコマンド行では、install_dir_path は、Solaris Web Start インタフェースのコピー先となるディレクトリを指定します。installer_miniroot_path は、Solaris Web Start インタフェースのコピー元となる CD-ROM ドライブ内の CD 上のディレクトリを指定します。
setup_install_server によって作成されたネットインストールイメージ上のミニルート (Solaris_8/Tools/Boot) にあるファイルにパッチを
適用しない場合は、次の手順に進みます。
適用する場合は、patchadd -C コマンドを使用して、ミニルートにあるファイルにパッチを適用します。
インストールサーバーが、インストールするシステムと同じサブネット上にある場合は、ブートサーバーを作成する必要はありません。「ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定」に進んでください。
インストールサーバーが、インストールするシステムと同じサブネット上にない場合は、ブートサーバーを作成する必要があります。「ブートサーバーをサブネット上に作成する方法」に進んでください。
次の例は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC)、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD (SPARC)、Solaris 8 LANGUAGES CD (SPARC)、および Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD (SPARC) をインストールサーバーの /export/install ディレクトリにコピーしてインストールサーバーを作成する方法を示しています。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_8/Tools # ./setup_install_server /export/install # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_8/Tools # ./add_to_install_server /export/install # cd /cdrom/cdrom0/Tools # ./add_to_install_server /export/install # cd /cdrom/cdrom0/s0 # ./modify_install_server /export/install /cdrom/cdrom0/s2 |
この例では、各コマンドを実行する前に各 CD がドライブに挿入され、自動的にマウントされるものとします。各コマンドを実行すると、CD が取り出されます。
ネットワーク上の任意のインストールサーバーから、ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールできます。ただし、他のサブネット上のインストールサーバーを使用する必要がある場合には、そのシステムがあるサブネット上にブートサーバーが必要です。ブートサーバーには、ネットワーク上でシステムをブートするために必要なブートソフトウェアが含まれています。一方、インストールサーバーは Solaris ソフトウェアのインストールを行います。
サブネット内でブートサーバーとして使用するシステムにログインし、スーパーユーザーになります。
システムには、ローカルの CD-ROM ドライブまたはリモートの Solaris 8 CD イメージにアクセスできる必要があります。ネームサービスを使用する場合、システムのネームサービスは、NIS、NIS+、DNS、LDAP のいずれかでなければなりません。ネームサービスを使用しない場合は、サイトのポリシーに従ってシステムの情報を分散する必要があります。
この手順では、システムでボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャなしでフロッピーディスクや CD を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を CD-ROM からマウントするか、NFS サーバーにあるイメージからマウントするかを決めます。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を CD-ROM からマウントする場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を CD-ROM ドライブに挿入します。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を NFS サーバーにあるイメージからマウントする場合は、次の手順に従います。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージをマウントします。
# mount -F nfs -o ro server_name:path /mnt |
server_name:path は、CD イメージへのホスト名と絶対パスです。
マウントした CD イメージのディレクトリに移動します。
# cd /mnt |
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージの Tools ディレクトリに移動します。
# cd Solaris_8/Tools |
ブートソフトウェアをブートサーバーにコピーします。
# ./setup_install_server -b boot_dir_path |
このコマンド行では、boot_dir_path は、ブートソフトウェアがコピーされるディレクトリを指定します。空のディレクトリを指定してください。-b は、このシステムがブートサーバーとして設定されることを指定します。
setup_install_server コマンドは、Solaris 8 SOFTWARE CD イメージをコピーする十分なディスク容量があるかどうかを調べます。利用できるディスク容量を調べるには、df -kl コマンドを使用します。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を取り出します。
Solaris 8 INSTALLATION CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。
modify_install_server コマンドを使用して、Solaris Web Start インタフェースソフトウェアをインストールサーバーにコピーします。
modify_install_server は、Solaris 8 INSTALLATION CD (Intel) または Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD (Intel) 上の s2 ディレクトリにあります。
# ./modify_install_server install_dir_path installer_miniroot_path |
install_dir_path は、Solaris Web Start インタフェースのコピー先となるディレクトリを指定します。installer_miniroot_path は、Solaris Web Start インタフェースのコピー元となる CD-ROM ドライブ内の CD 上のディレクトリを指定します。
次の例は、ブートサーバーをサブネット上に作成する方法を示したものです。次のコマンドを実行すると、ブートソフトウェアが Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージからシステムのローカルディスク (/export/install/boot) にコピーされます。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_8/Tools # ./setup_install_server -b /export/install/boot |
この例では、各コマンドを実行する前に各 CD がドライブに挿入され、自動的にマウントされるものとします。コマンドを実行すると、CD が取り出されます。