Solaris 8 のインストール (上級編)

カスタム JumpStart の環境変数

begin および finish スクリプトには、いくつかの便利な環境変数を使用できます。たとえば、begin スクリプトは、ディスクサイズ (SI_DISKSIZES) を抽出して、実際のディスクサイズに基づいてシステムに特定のパッケージをインストールするか、またはインストールしないでおくことができます。

システムについて収集された情報は、これらの環境変数に格納されます。これらの変数は、通常、rules ファイルに使用するルールキーワードと値によって設定するかどうかが決まります。

たとえば、システムにすでにインストールされているオペレーティングシステムについての情報は、installed キーワードを使用した後でのみ (SI_INSTALLED で) 入手できます。

表 19-1 は、これらの変数とその値を説明しています。

表 19-1 インストール環境変数

環境変数 

説明 

CHECK_INPUT

JumpStart ディレクトリ内の rules ファイルへのパス。ファイルは /tmp/install_config/rules にマウントされます。

HOME

インストール時のスーパーユーザーのホームディレクトリ (/tmp/root)

PATH

インストール時のシェル検索パス (/sbin:/usr/sbin/install.d:/usr/openwin/bin:/usr/sbin:/usr/bin)

SI_ARCH

インストールクライアントのハードウェアアーキテクチャー。この変数は、rules ファイルで arch キーワードを使用する場合に設定します。

SI_BEGIN

begin スクリプトを使用している場合は、その名前 

SI_CLASS

インストールクライアントをインストールするために使用されるプロファイルの名前 

SI_CONFIG_DIR

JumpStart ディレクトリへのパス。ディレクトリは /tmp/instal_config にマウントされます。

SI_CONFIG_FILE

JumpStart ディレクトリ内の rules ファイルへのパス。ファイルは /tmp/install_config/rules にマウントされます。

SI_CONFIG_PROG

rules ファイル

SI_CUSTOM_PROBES_FILE

custom_probes.ok ファイル。ここには、独自のルールキーワードやプローブキーワードを定義できます。custom_probes.ok ファイルを作成すれば、これを使ってデフォルトのルールキーワードのリストを拡張することができます。デフォルトのルールキーワードについては表 18-3 を、デフォルトのプローブキーワードについては表 20-1 をそれぞれ参照してください。

SI_DISKLIST

コンマで区切られた、インストールクライアント上のディスク名のリスト。この変数は、rules ファイルで disksize キーワードを使用して照合する場合に設定します。SI_DISKLIST および SI_NUMDISKS 変数は、rootdisk (「システムのルートディスクを決定する方法」を参照) に使用する物理ディスクを判断するために使用します。

SI_DISKSIZES

コンマで区切られた、インストールクライアント上のディスクサイズのリスト。この変数は、rules ファイルで disksize キーワードを使用して照合する場合に設定します。

SI_DOMAINNAME

ドメイン名。この変数は、rules ファイルで dommainname キーワードを使用して照合する場合に設定します。

SI_FINISH

finish スクリプトを使用する場合は、その名前 

SI_HOSTADDRESS

インストールクライアントの IP アドレス 

SI_HOSTID

インストールクライアントの Ethernet アドレス 

SI_HOSTNAME

インストールクライアントのホスト名。この変数は、rules ファイルで hostname キーワードを使用して照合する場合に設定します。

SI_INSTALLED

特定のオペレーティングシステムが入っているディスクのデバイス名 (Solaris、SunOS、または System V)。この変数は、rules ファイルで installed キーワードを使用して照合する場合に設定します。SI_INST_OSSI_INST_VER は、SI_INSTALLED の値を決定するために使用します。

SI_INST_OS

オペレーティングシステムの名前。SI_INST_OSSI_INST_VER は、SI_INSTALLED の値を決定するために使用します。

SI_INST_VER

オペレーティングシステムのバージョン。SI_INST_OSSI_INST_VER は、SI_INSTALLED の値を決定するために使用します。

SI_KARCH

インストールクライアントのカーネルアーキテクチャー。この変数は、rules ファイルで karch キーワードを使用して照合する場合に設定します。

SI_MEMSIZE

インストールクライアントの物理メモリーの量。この変数は、rules ファイルで memsize キーワードを使用して照合する場合に設定します。

SI_MODEL

インストールクライアントのモデル名。この変数は、rules ファイルで model キーワードを使用して照合する場合に設定します。

SI_NETWORK

インストールクライアントのネットワーク番号。この変数は、rules ファイルで network キーワードを使用して照合する場合に設定します。

SI_NUMDISKS

インストールクライアントのディスク数。この変数は、rules ファイルで disksize キーワードを使用して照合する場合に設定します。SI_NUMDISKS および SI_DISKLIST 変数は、rootdisk に使用する物理ディスクを決定するために使用します (「システムのルートディスクを決定する方法」)。

SI_OSNAME

Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージのオペレーティングシステムのリリース。この変数は、たとえば、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) のオペレーティングシステムのバージョンに基づいてシステムに Solaris をインストールする場合に使用できます。 

SI_PROFILE

マウントされた JumStart ディレクトリ内のプロファイルへのパス。このパスは /tmp/install_config/profile_name です。派生プロファイルを作成する場合は、SI_PROFILE/tmp/install.input ファイルが設定されます。

SI_ROOTDISK

論理名 rootdisk によって表されるディスクのデバイス名。この変数は、rules ファイルで disksize または installed キーワードを rootdisk に設定した場合に設定します。

SI_ROOTDISKSIZE

論理名 rootdisk によって表されるディスクのサイズ。この変数は、rules ファイルで disksize または installed キーワードを rootdisk に設定した場合に設定します。

SI_SYS_STATE

/a/etc/.sysIDtool.state ファイル。finish スクリプトにこのファイルを指定すれば、システムのリブート時に sysidroot プログラムからスーパーユーザーのパスワードを入力するように求めるプロンプトを表示しないようにすることができます。

SI_TOTALDISK

インストールクライアント上のディスク容量の合計。この変数は、rules ファイルで totaldisk キーワードを使用して照合する場合に設定します。

SHELL

インストール時のデフォルトシェル (/sbin/sh)

TERM

インストールクライアントの端末タイプ 

TZ

NIS または NIS+ ネームサービスに指定されているデフォルトの時間帯