次の節では、プロファイルで使用できるプロファイルキーワードとプロファイル値を説明します。
プロファイルキーワードとプロファイル値には、大文字と小文字の区別があります。
表 18-4 を使用すれば、どのキーワードがユーザーのインストールに適しているかを簡単に決定できます。プロファイルキーワードの説明で特に注記されていないかぎり、プロファイルキーワードは初期インストールオプションだけで使用できます。
表 18-4 プロファイルキーワード
インストール方法 |
|||||
---|---|---|---|---|---|
プロファイルキーワード |
スタンドアロンシステム (ネットワークに接続されていない) |
スタンドアロンシステム (ネットワークに接続されている) またはサーバー |
OS サーバー |
アップグレード |
ディスク容量の再配置を使用するアップグレード |
backup_media |
x |
||||
boot_device |
x |
x |
x | ||
client_arch |
x | ||||
client_root |
x | ||||
client_swap |
x | ||||
cluster (ソフトウェアグループを追加する場合) |
x |
x |
x | ||
cluster (クラスタを追加または削除する場合) |
x |
x |
x |
x |
x |
dontuse |
x |
x |
x | ||
fdisk (IA のみ) |
x |
x |
x | ||
filesys (リモートファイルシステムをマウントする場合) |
x |
x | |||
filesys (ローカルファイルシステムを作成する場合) |
x |
x |
x | ||
geo |
x |
x |
x |
x |
x |
install_type |
x |
x |
x |
x |
x |
isa_bits |
x |
x |
x |
x |
x |
layout_constraint |
x |
||||
locale |
x |
x |
x |
x |
x |
num_clients |
x | ||||
package |
x |
x |
x |
x |
x |
partitioning |
x |
x |
x |
|
|
root_device |
x |
x |
x |
x |
x |
system_type |
x |
x |
x |
|
|
usedisk |
x |
x |
x |
backup_media type path |
backup_media は、ディスク容量の再配置が必要なアップグレードオプションだけで使用できます。
backup_media は、ディスク容量不足のためにアップグレード中にディスク容量の再配置が必要なファイルシステムのバックアップをとるために使用する媒体を定義します。バックアップ用に複数のテープまたはフロッピーディスクが必要な場合は、アップグレード中にテープまたはフロッピーディスクの挿入を求めるプロンプトが表示されます。
有効な type 値 |
有効な path 値 |
説明 |
---|---|---|
local_tape |
/dev/rmt/n |
アップグレードされるシステムのローカルテープドライブを指定する。path は、テープドライブのキャラクタ型 (raw) デバイスのパスでなければならない。n はテープドライブの番号 |
local_diskette |
/dev/rdisketten |
アップグレードされるシステムのローカルフロッピーディスクドライブを指定する。path は、フロッピーディスクドライブのキャラクタ型 (raw) デバイスのパスでなければならない。n はフロッピーディスクドライブの番号 |
local_filesystem |
/dev/dsk/cwtxdysz /file_system |
アップグレードされるシステムのローカルファイルシステムを指定する。アップグレードで変更されるローカルファイルシステムは指定できない。path は、ディスクスライスのブロック型デバイスのパス (/dev/dsk/cwtxdysz 内の tx は必須ではない) か、/etc/vfstab ファイルでマウントされたファイルシステムへの絶対パスのいずれかである |
remote_filesystem |
host:/file_system |
リモートシステムの NFS ファイルシステムを指定する。path は、リモートシステム (host) の名前または IP アドレスと、NFS ファイルシステム (file_system) への絶対パスを含まなければならない。NFS ファイルシステムは、読み取り権と書き込み権を持っている必要がある |
remote_system | user@host:/directory |
リモートシェル (rsh) で到達できるリモートシステム上のディレクトリを指定する。アップグレードされるシステムは、リモートシステムの .rhosts ファイル経由で、リモートシステムにアクセスできなければならない。path は、リモートシステム (host) の名前と、そのディレクトリ (directory) への絶対パスを含まなければならない。ユーザーログイン (user) を指定しないと、スーパーユーザーとしてログインされる |
例:
backup_media local_tape /dev/rmt/0 backup_media local_diskette /dev/rdiskette1 backup_media local_filesystem /dev/dsk/c0t3d0s4 backup_media local_filesystem /export backup_media remote_filesystem system1:/export/temp backup_media remote_system user1@system1:/export/temp
boot_device device eeprom |
boot_device は、JumpStart がルート (/) ファイルシステムをインストールするデバイスを (つまり、システムのブートデバイスを) 指定します。
boot_device キーワードをプロファイルに指定しない場合、インストール中にデフォルトで次の boot_device キーワードが指定されます。
boot_device any update
device - ブートデバイスにするデバイスを選択します。
SPARC: cwtxdysz または cxdysz - JumpStart がルートファイルシステムを格納するディスクスライス。たとえば、c0t0d0s0。
IA: cwtxdy または cxdy - JumpStart がルートファイルシステムを格納するディスク。たとえば、c0t0d0。
existing - JumpStart は、システムの既存のブートデバイスにルート (/) ファイルシステムを格納します。
any - ルートファイルシステムを格納する場所は、JumpStart が選択します。システムの既存のブートデバイスを使用する場合もありますが、必要であれば、異なるブートデバイスを選択する場合もあります。
eeprom - システムの EEPROM を変更または保存する場合に選択します。
システムの EEPROM を、指定したブートデバイスに変更または保存する場合に選択します。
preserve 値を指定する必要があります。
update - JumpStart は、インストールされるシステムが自動的に指定したブートデバイスからブートするように、システムの EEPROM をそのブートデバイスに変更します。
preserve - システムの EEPROM 中のブートデバイス値は変更されません。システムの EEPROM を変更しないで新しいブートデバイスを指定した場合は、システムが新しいブートデバイスから自動的にブートするように、システムの EEPROM を手作業で変更する必要があります。
SPARC システムでは、システムの現在のブートデバイスを変更する場合、eeprom の値でもシステムの EEPROM を変更できます。これにより、システムは新しいブートデバイスから自動的にブートできます。
例:
boot_device c0t0d0s2 update
boot_device は、ルートファイルシステムを指定する filesys キーワードと (指定した場合は) root_device キーワードに一致する必要があります。
client_arch karch_value ... |
client_arch は、OS サーバーが使用するものとは異なるプラットフォームグループをサポートすることを定義します。client_arch を指定しない場合、OS サーバーを使用するどのディスクレスクライアントも、サーバーと同じプラットフォームグループでなくてはなりません。OS サーバーがサポートしてほしいプラットフォームグループごとに指定する必要があります。
karch_value の有効な値は、sun4d、sun4m、sun4u、i86pc です。(各システムのプラットフォーム名については、第 31 章「プラットフォーム名とグループ」 を参照してください。)
client_arch は、system_type に server を指定したときだけ使用できます。
client_root root_size |
client_root は、各クライアント用に割り当てるルート領域の大きさ (root_size、M バイト単位) を定義します。サーバーのプロファイルに client_root の指定がない場合は、1 クライアントあたり 15M バイトのルート領域が自動的に割り当てられます。このクライアント用のルート領域の大きさは、num_clients キーワードを組み合わせて、/export/root ファイルシステム用に確保する領域の大きさを決定するときに使用されます。
client_root は、system_type に server を指定したときだけ使用できます。
client_swap swap_size |
プロファイル内の client_swap は、各ディスクレスクライアントに割り当てるスワップ領域の大きさ (swap_size、M バイト単位) を定義します。client_swap を指定しない場合、32M バイトのスワップ領域がデフォルトで割り当てられます。
例:
client_swap 64
この例は、各ディスクレスクライアントが 64M バイトのスワップ領域を持つことを定義します。
client_swap は、system_type に server を指定したときだけ使用できます。
cluster group_name |
cluster は、どのソフトウェアグループをシステムに追加するかを指定します。各ソフトウェアグループの group_name 名は次のとおりです。
ソフトウェアグループ | group_name |
---|---|
コアシステムサポート | SUNWCreq |
エンドユーザーシステムサポート | SUNWCuser |
開発者システムサポート | SUNWCprog |
全体ディストリビューション | SUNWCall |
全体ディストリビューションと OEM サポート | SUNWCXall |
1 つのプロファイルに 1 つのソフトウェアグループを指定できます。ソフトウェアグループは、他の cluster エントリと package エントリの前に指定する必要があります。プロファイル内の cluster でソフトウェアグループを指定しない場合、デフォルトによりエンドユーザーソフトウェアグループ (SUNWCuser) がシステムにインストールされます。
cluster cluster_name add_delete_switch |
cluster (クラスタの追加または削除) は、初期インストールオプションとアップグレードオプションの両方で使用できます。
cluster は、システムにインストールされるソフトウェアグループにクラスタを追加または削除するかを指定します。
cluster_name は SUNWCname 形式で指定します。インストールが終了したシステムで Admintool を起動し、「ブラウズ」メニューから「ソフトウェア」を選択すると、クラスタの詳細情報とクラスタ名を表示できます。
add_delete_switch はオプションの add または delete を示します。これを使用すると、指定したクラスタを追加または削除できます。add_delete_switch を指定しないと、デフォルトで add が使用されます。
すでにシステムにあるすべてのクラスタが自動的にアップグレードされます。
cluster_name add を指定したが、cluster_name がシステムにインストールされていなかった場合、そのクラスタがインストールされます。
cluster_name delete を指定したが、cluster_name がシステムにインストールされていた場合、アップグレードが開始される前にそのパッケージは削除されます。
dontuse disk_name ... |
dontuse は、partitioning default を指定しているときに、JumpStart が使用してはならない 1 つ以上のディスクを指定します (デフォルトでは、システムのすべての使用可能なディスクを使用します)。disk_name は、cxtydz または cydz の形式 (たとえば、c0t0d0) で指定する必要があります。
1 つのプロファイルで、dontuse キーワードと usedisk キーワードを同時に指定することはできません。
fdisk disk_name type size |
fdisk は、IA 搭載システムで fdisk パーティションを設定する方法を定義します。fdisk は 2 回以上指定できます。次に、IA 搭載システムでの fdisk パーティションのデフォルトの動作について説明します。
fdisk キーワードを使って (size に delete か 0 を指定して) 削除しないかぎり、ディスク上のすべての fdisk パーティションは保存されます。また、size が all の場合は、既存のすべての fdisk パーティションが削除されます。
ルート (/) ファイルシステムを含む Solaris fdisk パーティションは、そのディスク上でアクティブパーティションとして常に指定されます。
IA 搭載システムは、デフォルトでアクティブパーティションから起動します。
プロファイルで fdisk キーワードを指定しないと、インストール時にデフォルトで次の fdisk キーワードが指定されます。
fdisk all solaris maxfree
fdisk エントリは、プロファイルに指定されている順序で処理されます。
disk_name - fdisk パーティションを作成または削除する場所を指定します。
cxtydz または cydz - 特定のディスク。たとえば、c0t3d0
rootdisk - システムのルートディスク値を含む変数。これは JumpStart で決定されます (「システムのルートディスクを決定する方法」を参照)。
all - 選択されたすべてのディスク
type - 指定したディスク上で作成または削除する fdisk パーティションのタイプを指定します。
solaris - Solaris fdisk パーティション (SUNIXOS fdisk タイプ)
dosprimary - 1 次 DOS fdisk パーティションの別名 (拡張またはデータ用 DOS fdisk パーティションではない)。fdisk パーティションを削除する場合 (size に delete を指定)、dosprimary は DOSHUGE、DOSOS12、および DOSOS16 fdisk タイプ (これらはすべて削除される) の別名になります。fdisk パーティションを作成する場合、dosprimary は DOSHUGE fdisk パーティション (このパーティションが作成される) の別名になります。
DDD - 整数で表す fdisk パーティション (有効な値は 1 から 255 までの整数)
この値は size に delete を指定した場合のみ指定できます。
0xHH - 16 進数で表す fdisk パーティション (有効な値は 01 から FF までの 16 進数)
この値は size に delete を指定した場合のみ指定できます。
いくつかの fdisk タイプの整数と 16 進数での表し方を次の表に示します。
fdisk タイプ |
DDD |
HH |
---|---|---|
DOSOS12 |
1 |
01 |
PCIXOS |
2 |
02 |
DOSOS16 |
4 |
04 |
EXTDOS |
5 |
05 |
DOSHUGE |
6 |
06 |
DOSDATA |
86 |
56 |
OTHEROS |
98 |
62 |
UNIXOS |
99 |
63 |
DDD - サイズが DDD (M バイト単位) の fdisk パーティションを、指定したディスク上に作成します。DDD は整数で指定する必要があります。Solaris インストールプログラムは、この数値を一番近いシリンダの境界に自動的に繰り上げます。0 を指定すると、delete を指定するのと同じになります。
all - fdisk パーティションをディスク全体に作成します (既存のすべての fdisk パーティションは削除されます)。
この値は type に solaris を指定した場合のみ指定できます。
maxfree - 指定したディスク上の最も大きい連続する空き領域に fdisk パーティションを作成します。ディスク上にすでに指定した type の fdisk パーティションがあると、その既存の fdisk パーティションを使用します (新しい fdisk パーティションはディスク上に作成されません)。
ディスクには、空き領域と少なくとも 1 つの未使用の fdisk パーティションが必要です。空き領域がない場合は、インストールが失敗します。この値は、type が solaris または dosprimary の場合のみ指定できます。
delete - 指定した type のすべての fdisk パーティションを指定したディスク上で削除します。
filesys server:path server_address mount_pt_name [[mount_options]] |
この場合の filesys の例は、インストールしたシステムが起動するときに、自動的にリモートファイルシステムをマウントするよう設定します。2 回以上 filesys を指定できます。
例:
filesys sherlock:/export/home/user2 - /home
server: -リモートファイルシステムが存在するサーバー名 (後ろにコロンをつけます)
path - リモートファイルシステムのマウントポイント名。たとえば /usr または /export/home
server_address - server:path で指定するサーバーの IP アドレス。ネットワーク上で実行されているネームサービスがない場合、この値を使用して、サーバーのホスト名とIP アドレスを登録している /etc/hosts ファイルを生成できます。サーバーの IP アドレスを指定したくない場合 (ネットワーク上で実行中のネームサービスがある場合) は、マイナス記号 (-) を指定する必要があります。
mount_pt_name - リモートファイルシステムをマウントするマウントポイント名
mount_options - 指定した mount_pt_name の /etc/vfstab エントリに追加する 1 つ以上のマウントオプション (mount(1M) コマンドの -o オプションと同じ)
複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションは、スペースではなくコンマで区切ってください。例: ro,quota
filesys slice size [[file_system optional_parameters]] |
この場合の filesys は、インストール中にローカルファイルシステムを作成します。filesys は 2 回以上指定できます。
any - JumpStart は、ファイルシステムを任意のディスクに配置します。
size が existing、all、free、start:size、または ignore の場合は、any は指定できません。
cwtxdysz または cxdysz - JumpStart がファイルシステムを配置するディスクスライス。たとえば、c0t0d0s0、c0d0s0
rootdisk.sn - システムのルートディスク値が含まれる変数。この値は、Solaris インストールプログラムが決定します (「システムのルートディスクを決定する方法」を参照)。拡張子 sn は、ディスク上の特定のスライスを示します。
num - ファイルシステムのサイズを num (M バイト単位) で設定します。
existing - 既存のファイルシステムの現在のサイズを使用します。
existing の値を使用すると、別の mount_pt_name として file_system を指定することによって、既存のスライス名を変更できます。
auto - 選択したソフトウェアに応じて、ファイルシステムのサイズを自動的に決定します。
all - 指定した slice は、そのファイルシステム用にディスク全体を使用します。この値を指定すると、指定したディスク上に他のファイルシステムは存在できません。
free - ディスク上の残りの未使用領域をファイルシステム用に使用します。
filesys に free を指定する場合は、プロファイルの最後の filesys エントリとして指定する必要があります。
start:size - ファイルシステムを明示的にパーティションに分割します。start はスライスが始まるシリンダで、size はそのスライスのシリンダ数です。
file_system - slice に any または cwtxdysz を指定しているときに、このオプション値を使用できます。この値を指定しないと、デフォルトによって unnamed が設定されますが、optional_parameters 値を使用できません。次のいずれか 1 つを指定してください。
mount_pt_name - ファイルシステムのマウントポイント名。たとえば /var
swap - 指定した slice を swap として使用します。
overlap - 指定した slice をディスク領域 (VTOC の値は V_BACKUP) を表すものとして定義します。デフォルトでは、スライス 2 はディスク全体を表すオーバーラップスライスです。
size に existing、all、または start:size を指定した場合だけ overlap を指定できます。
unnamed - 指定した slice は raw スライスと定義されるので、slice にはマウントポイント名がありません。file_system を指定しないと、デフォルトで unnamed が設定されます。
ignore - 指定した slice を使用しないか、JumpStart で認識しません。これにより、インストール時にディスク上のファイルシステムを無視できるため、JumpStart は同じ名前で同じディスク上に新しいファイルシステムを作成できます。ignore は、partitioning existing を指定したときだけ使用できます。
optional_parameters - 次のいずれか 1 つを指定します。
preserve - 指定した slice 上のファイルシステムを保存します。
size に existing、slice に cwtxdysz を指定した場合だけ preserve を指定できます。
mount_options - 指定した mount_pt_name の /etc/vfstab エントリに追加する 1 つ以上のマウントオプション (mount(1M) コマンドの -o オプション)
複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションはスペースではなくコンマで区切ってください。例: ro,quota
geo locale |
geo は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。
geo は、システムにインストールする (またはシステムのアップグレード時に追加する) 地域ロケールを指定します。locale に指定できる値は、次のとおりです。
値 |
説明 |
---|---|
N_Africa |
北アフリカ。エジプトを含む |
C_America |
中央アメリカ。コスタリカ、エルサルバドル、グァテマラ、メキシコ、ニカラグア、パナマを含む |
N_America |
北アメリカ。カナダ、アメリカ合衆国を含む |
S_America |
南アメリカ。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラを含む |
Asia |
アジア。日本、韓国、中華人民共和国、台湾、タイを含む |
Ausi |
オーストラリア。オーストラリア、ニュージーランドを含む |
C_Europe |
中央ヨーロッパ、オーストリア、チェコ、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア、スイスを含む |
E_Europe |
東ヨーロッパ。アルバニア、ボスニア、ブルガリア、クロアチア、エストニア、ラトビア、リトアニア、マケドニア、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロヴェニア、トルコを含む |
N_Europe |
北ヨーロッパ。デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンを含む |
S_Europe |
南ヨーロッパ。ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインを含む |
W_Europe |
西ヨーロッパ。ベルギー、フランス、イギリス、アイルランド、オランダを含む |
M_East |
中近東。イスラエルを含む |
上記の各地域ロケールを構成するコンポーネントロケール値の完全なリストは、第 32 章「言語とロケールの値」 に記載されています。
システムに追加する必要がある各ロケールごとに、geo キーワードを指定します。
install_type initial_install_upgrade_switch |
install_type は、削除してシステムに新しい Solaris オペレーティング環境をインストールするか、または既存の Solaris 環境をアップグレードするかどうかを定義します。
install_type は、各プロファイル内で最初のプロファイルキーワードとして指定する必要があります。
initial_install_upgrade_switch は、オプションの initial_install または upgrade を表します。このオプションは、実行するインストールのタイプを指定するために使用します。
initial_install_upgrade_switch は必ず指定する必要があります。
一部のプロファイルキーワードは、initial_install オプションだけで使用できます。これは、upgrade オプションでも同様です。
isa_bits bit_switch |
isa_bits は、64 ビットまたは 32 ビットの Solaris 8 パッケージをインストールするかどうかを指定します。
bit_switch は、オプション 64 または 32 を表します。これは、64 ビットまたは 32 ビットのどちらの Solaris 8 パッケージをインストールするかを指定するために使用します。このキーワードをプロファイルに設定しないと、JumpStart によって、次のものがインストールされます。
UltraSPARCTM システムの場合は 64 ビットパッケージ
それ以外のシステムの場合は 32 ビットパッケージ
isa_bits キーワードを使用する場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) 上の Solaris_8/Misc/jumpstart_sample ディレクトリの最新の check スクリプトを使用する必要があります。
layout_constraint slice constraint [[minimum_size]] |
layout_constraint は、ディスク容量の再配置が必要なアップグレードオプションだけで使用できます。
layout_constraint は、ファイルシステムがディスク容量不足のためにアップグレード中にディスク容量を再配置する必要がある場合に、制約付き自動配置がファイルシステムで行われることを示します。
layout_constraint キーワードを指定しないと、次のようになります。
アップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムは、changeable とマークされます。
より多くの容量を必要とするファイルシステムと同じディスク上にあるファイルシステム (/etc/vfstab ファイルでマウントされる) は、changeable とマークされます。
残りのファイルシステムは、fixed とマークされます (自動配置はこれらのファイルシステムを変更できません)。
1 つ以上の layout_constraint キーワードを指定すると、次のようになります。
アップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムは、changeable とマークされます。
layout_constraint キーワードを指定したファイルシステムは、指定した制約がマークされます。
残りのファイルシステムは、fixed とマークされます。
アップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムの制約は変更できませんが (changeable とマークされなければならない)、このようなファイルシステムに layout_constraint を使用すれば、その minimum_size 値を変更できます。
自動配置がディスク容量の再配置を行う際には、より多くのファイルシステム、特にアップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムと同じディスク上にあるファイルシステムを、changeable または movable であると選択します。
slice - これは、制約を指定するファイルシステムのディスクスライスです。cwtxdysz または cxdysz の形式で指定してください。
constraint - 指定したファイルシステムに対して、次のいずれか 1 つの制約を選択します。
changeable - 自動配置はファイルシステムを他の場所に移動して、そのサイズを変更できます。この制約は、/etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステムだけに指定できます。minimum_size 値を指定すれば、ファイルシステムのサイズを変更できます。
ファイルシステムを changeable とマークして、minimum_size 値を指定しないと、そのファイルシステムの最小サイズは、必要な最小サイズより 10% 大きな値に設定されます。たとえば、ファイルシステムの最小サイズが 100M バイトの場合、変更されるサイズは 110M バイトになります。minimum_size を指定した場合、残りの空き領域 (元のサイズから最小サイズを引いたもの) は他のファイルシステム用に使用されます。
movable - 自動配置はファイルシステムを (同じディスクまたは異なるディスク上の) 他のスライスに移動できますが、サイズは変更しません。
available - 自動配置は、ファイルシステムのすべての領域を使用して領域を割り当てし直します。ファイルシステムのすべてのデータは失われます。この制約は、/etc/vfstab ファイルでマウントされないファイルシステムだけに指定できます。
collapse - 自動配置は、指定したファイルシステムをその親ファイルシステムに移動し (閉じこめ) ます。これは、アップグレードの一部として、システム上のファイルシステム数を減らすために使用できます。たとえば、システムが /usr と /usr/openwin のファイルシステムを持っている場合、/usr/openwin ファイルシステムを閉じ込めると、/usr/openwin は /usr (その親) に移動されます。この制約は、/etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステムだけに指定できます。
minimum_size - この値は、自動配置がディスク容量を再配置するときに、ファイルシステムに割り当てる最小サイズを指定します (基本的に、ファイルシステムのサイズを変更します)。ファイルシステムのサイズは、まだ割り当てられていない領域が追加される場合、最終的にはこの指定した値よりは大きくなります。このオプション値は、ファイルシステムを changeable とマークした場合のみ使用できます。最小サイズは、ファイルシステムの既存の内容に必要なサイズより小さい値には設定できません。
例:
layout_constraint c0t3d0s1 changeable 200 layout_constraint c0d0s4 movable layout_constraint c0t3d1s3 available layout_constraint c0t2d0s1 collapse
locale locale_name |
locale は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。
locale は、指定した locale_name に対して、どのロケールパッケージをインストール (アップグレードの場合は追加) するかを指定します。locale_name 値は、$LANG 環境変数で使用されるのと同じです。有効なロケールの値については、第 32 章「言語とロケールの値」 を参照してください。
デフォルトロケールを事前設定している場合は、そのロケールは自動的にインストールされます。English 言語パッケージはデフォルトでインストールされます。
locale キーワードは、システムに追加するロケールごとに指定できます。
num_clients client_num |
サーバーがインストールされているときには、各ディスクレスクライアントのルート (/) と swap ファイルシステムにディスク空間が割り当てられます。num_clients は、サーバーがサポートするディスクレスクライアント数 (client_num) を定義します。num_clients を指定しないと、デフォルトで 5 つのディスクレスクライアントが割り当てられます。
num_clients は、system_type が server として指定されているときだけ使用できます。
package package_name [[add_delete_switch]] |
package は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。
package は、システムにインストールするソフトウェアグループにパッケージを追加または削除するかを指定します。
package_name は、SUNWname の形式で指定する必要があります。pkginfo -l コマンドまたは Admintool (「ブラウズ」メニューから「ソフトウェア」を選択) をインストールシステムに使用して、パッケージとその名前に関する詳しい情報を表示してください。
add_delete_switch は、add または delete オプションを表します。このオプションは、指定のパッケージを追加または削除するかを指定します。add_delete_switch を指定しないと、デフォルトによって add が使用されます。
すでにシステム上にあるすべてのパッケージが自動的にアップグレードされます。
package_name add を指定したが、package_name がシステムにインストールされていなかった場合は、そのパッケージがインストールされます。
package_name delete を指定したが、package_name がシステムにインストールされていた場合、アップグレードが開始される前にそのパッケージは削除されます。
package_name delete を指定したが、package_name がシステムにインストールされていない場合、インストールするように指定したクラスタの一部にそのパッケージが含まれていると、パッケージはインストールされません。
partitioning type |
partitioning は、インストール時にファイルシステム用にディスクをスライスに分割する方法を定義します。
type - 次のオプションから 1 つを選択します。
default - JumpStart はディスクを選択して、指定したソフトウェアをインストールするファイルシステムを作成します。ただし、filesys キーワードで指定したファイルシステムを除きます。rootdisk が最初に選択され、指定したソフトウェアが rootdisk に収まらない場合は、さらに別のディスクが使用されます。
existing - JumpStart は、システムのディスク上にある既存のファイルシステムを使用します。/、/usr、/usr/openwin、/opt、/var を除く、すべてのファイルシステムが保存されます。JumpStart は、ファイルシステムのスーパーブロックにある最後のマウントポイントフィールドを使用して、スライスがどのファイルシステムのマウントポイントを表しているかを判断します。
filesys プロファイルキーワードと partitioning existing を組み合わせる場合、size は existing である必要があります。
explicit - JumpStart はディスクを使用して、filesys キーワードで指定されるファイルシステムを作成します。filesys キーワードでルート (/) ファイルシステムだけを指定した場合、すべての Solaris ソフトウェアがルートファイルシステムにインストールされます。
explicit プロファイル値を使用するときには、filesys プロファイルキーワードを使用して、使用するディスクと作成するファイルシステムを指定してください。
プロファイルで partitioning を指定しないと、デフォルトで default タイプのパーティションが使用されます。
root_device slice |
root_device は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。
root_device は、システムのルートディスクを指定します。詳細は、「システムのルートディスクを決定する方法」を参照してください。
アップグレードの場合
root_device は、アップグレードされるルートファイルシステム (および、その /etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステム) を指定します。システム上で複数のルートファイルシステムがアップグレードできる場合は、root_device を指定する必要があります。slice は、cwtxdysz または cxdysz 形式で指定してください。
例:
root_device c0t0d0s2
1 つだけのディスクを持つシステムで root_device を指定する場合、root_device とディスクが一致する必要があります。また、ルートファイルシステムを指定する任意の filesys キーワードは、root_device と一致する必要があります。
system_type type_switch |
system_type は、インストールするシステムのタイプを定義します。
type_switch は、オプション standalone または server を表します。このオプションは、Solaris をインストールするシステムのタイプを指定するために使用します。system_type をプロファイルに指定しないと、デフォルトによって standalone が使用されます。
usedisk disk_name ... |
usedisk は、partitioning default を指定しているときに、JumpStart が使用する 1 つ以上のディスクを指定します (デフォルトではシステム上のすべての使用可能ディスクを使用します)。disk_name は、cxtydz または cydz 形式 (たとえば c0t0d0、c0d0s0) で指定します。
プロファイルで usedisk を指定すると、JumpStart は usedisk キーワードで指定したディスクだけを使用します。
同じプロファイルに usedisk キーワードと dontuse キーワードを同時に指定することはできません。