この章では、カスタム JumpStart インストールを使用して、各サイトのシステムに Solaris 8 ソフトウェアをインストールするために必要な準備の手順について説明します。
製品名は Solaris 8 ですが、コードと、パス名またはパッケージのパスは、Solaris_2.8 または SunOS_5.8 と示される場合があります。必ず記述どおりのコードまたはパスを使用してください。
カスタム JumpStart インストールは、システムのグループを自動的にかつ同一的にインストールする方法です。カスタム JumpStart インストールの準備の最初の手順は、どのようにシステムをユーザーのサイトにインストールするかを決定することです。たとえば、次のような場合は、カスタム JumpStart インストールを設定および実行するのに最適です。
100 台の新しいシステムに Solaris ソフトウェアをインストールする必要がある。
100 台の新しい SPARC 搭載システムのうち 70 台はエンジニアリング部が所有し、そのシステムは「開発者」Solaris オペレーティング環境ソフトウェアグループでスタンドアロンシステムとしてインストールしなければならない。
100 台の新しい IA (Intel アーキテクチャ) 搭載システムのうち 30 台はマーケティング部が所有し、そのシステムは「エンドユーザー」Solaris オペレーティング環境ソフトウェアグループでスタンドアロンシステムとしてインストールしなければならない。
どのようにシステムをユーザーのサイトにインストールするかを決定した後、システムのグループごとの rules ファイルとプロファイルを作成します。rules ファイルは、自動的にインストールするシステムのグループごと (または 1 つのシステム) のルールが入ったテキストファイルです。
各ルールは、1 つまたは複数のシステム属性に基づいて、システムのグループを区別して、各グループをプロファイルにリンクします。プロファイルは、どのように Solaris ソフトウェアがグループ中の各システムにインストールされるかを定義するテキストファイルです。rules ファイルとプロファイルは、JumpStart ディレクトリに置かれている必要があります。
サイトのシステム管理者は、2 つの異なるルールで rules ファイルを作成します。1 つはエンジニアリンググループ用のルールで、もう 1 つはマーケティンググループ用のルールです。ルールごとに、システムのプラットフォームグループを使用して、グループを区別できます。エンジニアリンググループは SPARC 搭載システムを持っていて、マーケティンググループは IA 搭載システムを持っています。
各ルールには、適切なプロファイルへのリンクも含まれています。たとえば、エンジニアリンググループ用のルールでは、eng_profile というエンジニアリンググループ用に作成したプロファイルへのリンクを追加します。マーケティンググループ用のルールでは、market_profile というマーケティンググループ用に作成したプロファイルへのリンクを追加します。
rules ファイルとプロファイルを作成した後、check スクリプトを使用して、これらの妥当性を検査する必要があります。check スクリプトが正常に動作すると、rules.ok ファイルが作成されます。JumpStart はこのファイルを使用して、Solaris ソフトウェアをインストールします。
Solaris ソフトウェアのインストール時、JumpStart は rules.ok ファイルを読み取って、定義されたシステム属性がインストール中のシステムと一致する最初のルールを見つけようとします。一致するルールが見つかった場合、インストールプログラムは、ルール内に指定されたプロファイルを使用して、自動的にシステムをインストールします。
図 18-1 はスタンドアロン型、つまりネットワークに接続されていないシステムで、システムのフロッピーディスクドライブを使用してカスタム JumpStart インストールを行う場合を示しています。
図 18-2 にネットワーク上の複数のシステムに対して、カスタム JumpStart インストールを行う場合を示します。この場合、1 つのサーバーからさまざまなプロファイルにアクセスします。
図 18-1 と図 18-2 に示すように、設定する必要があるカスタム JumpStart ファイルは、フロッピーディスクとサーバー (それぞれ、プロファイルフロッピーディスクとプロファイルサーバーと呼びます) のどちらにあってもかまいません。
プロファイルフロッピーディスクは、カスタム JumpStart インストールを、ネットワークに接続されていないスタンドアロンシステムで実行するときに必要です。
プロファイルサーバーは、カスタム JumpStart インストールを、サーバーにアクセスできるネットワークに接続されたシステムで実行するときに使用します。
図 18-3 は、カスタム JumpStart インストール中のシステムの流れを説明して、JumpStart がカスタム JumpStart ファイルを見つけるのに使用する検索順序を示しています。
作業 | 説明 | 参照先 |
|
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
JumpStart ディレクトリを作成する |
フロッピーディスクの場合 カスタム JumpStart インストールをネットワークに接続されていないシステムで実行する場合、プロファイルフロッピーディスクを作成する必要があります。このフロッピーディスクには、カスタム JumpStart ファイルが入っています。 | ||||||
サーバーの場合 カスタム JumpStart インストールをネットワークに接続されているシステムで実行する場合、プロファイルサーバーを作成する必要があります。このサーバーには、カスタム JumpStart ファイル用の JumpStart ディレクトリが入っています。 | |||||||
| |||||||
すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする |
(省略可能) プロファイルサーバーを使用するとき、一度にすべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにできます。個々のシステムをプロファイルサーバー上のプロファイルにアクセスできるようにする必要はありません。 | ||||||
| |||||||
ルールを rules ファイルに追加する |
どのようにシステムのグループ (または、個々のシステム) をユーザーのサイトにインストールするかを決定した後には、インストールする特定のグループごとにルールを作成する必要があります。各ルールは、1 つまたは複数のシステム属性に基づいてグループを区別して、各グループをプロファイルにリンクします。 | ||||||
| |||||||
ルールごとにプロファイルを作成する |
プロファイルは、どのように Solaris ソフトウェアをシステムにインストールするか (たとえば、どのソフトウェアグループをインストールするか) を定義するテキストファイルです。すべてのルールはプロファイルを指定して、ルールが一致したときにシステムがどのようにインストールされるかを定義します。通常は、ルールごとに異なるプロファイルを作成しますが、複数のルールで同じプロファイルを使用することも可能です。 | ||||||
| |||||||
プロファイルをテストする |
(省略可能) プロファイルの作成後、実際にプロファイルを使用してシステムをインストールまたはアップグレードする前に、pfinstall(1M) コマンドを使用して、プロファイルをテストします。 | ||||||
| |||||||
rules ファイルの妥当性を検査する |
rules.ok ファイルは、rules ファイルから生成されたファイルで、JumpStart がプロファイルを使用してインストールするシステムを一致させるために使用します。rules ファイルの妥当性を検査するには、check スクリプトを使用する必要があります。 | ||||||
|
|
||||||
|
圧縮された構成ファイルを作成する |
(省略可能) システムをブートするときにカスタム JumpStart 構成ファイルの場所を指定する場合は、すべてのカスタム JumpStart 構成ファイルを含む圧縮されたファイルを作成する必要があります。 |
|
||||
|
|
ネットワーク上のシステム用にカスタム JumpStart インストールを設定する際は、サーバー上にディレクトリを作成する必要があります (JumpStart ディレクトリと呼びます)。JumpStart ディレクトリのルートレベルには、すべての重要なカスタム JumpStart ファイルが入っています (たとえば、rules ファイル、rules.ok ファイル、プロファイルなど)。
JumpStart ディレクトリを持つサーバーは、「プロファイルサーバー」と呼びます。プロファイルサーバーは、インストールサーバーやブートサーバーと同じシステムでも、異なるサーバーでもかまいません。
JumpStart ディレクトリの所有者は root で、アクセス権は 755 です。
プロファイルサーバーは、異なるプラットフォームのシステムにも、カスタム JumpStart ファイルを提供できます。たとえば、IA サーバーは、SPARC 搭載システムと IA 搭載システムの両方にカスタム JumpStart ファイルを提供できます。
この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。フロッピーディスクや CD を管理するのにボリュームマネージャを使用していない場合、ボリュームマネージャなしで取り外し可能な媒体を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
JumpStart ディレクトリを作成するサーバーに、スーパーユーザーとしてログインします。
サーバーに JumpStart ディレクトリを作成します。
# mkdir -m 755 jumpstart_dir_path |
jumpstart_dir_path は、JumpStart ディレクトリの絶対パスです。
たとえば、次のコマンドは、ルートファイルシステムに jumpstart というディレクトリを作成し、アクセス権を 755 に設定します。
mkdir -m 755 /jumpstart |
/etc/dfs/dfstab ファイルを編集します。次のエントリを追加してください。
share -F nfs -o ro,anon=0 jumpstart_dir_path |
たとえば、次のエントリは /jumpstart ディレクトリを共有します。
share -F nfs -o ro,anon=0 /jumpstart |
カスタム JumpStart ファイルの例を各自の JumpStart ディレクトリに
コピーしない場合は停止して、プロファイルサーバーでの JumpStart ディレクトリの作成を終了します。
コピーする場合は、次の表から次に実行する作業を判断します。
サンプルのカスタム JumpStart ファイルを、プロファイルサーバーの JumpStart ディレクトリにコピーします。
# cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path |
ここで、media_path はローカルディスク上の CD またはイメージへのパスを示し、jumpstart_dir_path はカスタム JumpStart ファイルの例があるプロファイルサーバーのパスを示します。
たとえば、次のコマンドは、jumpstart_sample ディレクトリをプロファイルサーバー上の /jumpstart ディレクトリにコピーします。
cp -r /cdrom/cdrom0/s2/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /jumpstart |
JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。
プロファイルサーバーを作成する際に、システムがカスタム JumpStart インストール中にプロファイルサーバーにアクセスできるようにする必要があります。このためには、次の方法があります。
/etc/bootparams ファイル - /etc/bootparams ファイルでワイルドカードを使用します。詳細は、「すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする方法」を参照してください。
add_install_client コマンド - ネットワークインストールでシステムを追加するたびに、add_install_client コマンドの -c オプションを使用します。詳細は、「ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定」を参照してください。
boot コマンド - システムのブート時にプロファイルサーバー上の JumpStart ディレクトリの場所を指定します。システム管理者は、すべてのカスタム JumpStart 構成ファイルを 1 つのファイルに圧縮し、このファイルを NFS サーバー、HTTP サーバー、またはこのシステムからローカルでアクセスできる媒体に保存する必要があります。詳しい手順については、「圧縮された構成ファイルの作成」を参照してください。
JumpStart ディレクトリを持つフロッピーディスクを使用する場合や、システムのブート時にプロファイルサーバーの場所を指定する場合には、この手順は必要ありません。
この手順は、ネットワークインストール情報が /etc/bootparams ファイルに格納されている場合だけ有効です。ネットワークインストール情報は、次の場所に格納することもできます。
ネームサービスデータベース - ネットワークインストール情報がネームサービスの bootparams データベースに格納されている場合は、手順 3 に示すエントリを bootparams データベースに追加する必要があります。
DHCP サーバー - ネットワークインストール情報が DHCP サーバーに格納されている場合は、boot コマンドを使用してカスタム JumpStart が DHCP サーバーを使用するように指定する必要があります。詳細は、SPARC システムについては 手順 6 を、IA システムについては 手順 8 をそれぞれ参照してください。
インストールサーバーまたはブートサーバーにスーパーユーザーとしてログインします。
/etc/bootparams ファイルを編集します。
* install_config=server:jumpstart_dir_path |
* |
すべてのシステムにアクセスできるように指定するワイルドカード文字 |
server |
JumpStart ディレクトリがあるプロファイルサーバーのホスト名 |
jumpstart_dir_path |
JumpStart ディレクトリの絶対パス |
たとえば、次のエントリはすべてのシステムが、sherlock というサーバーにある /jumpstart ディレクトリにアクセスできるようにします。
* install_config=sherlock:/jumpstart |
この手順を使用した場合、インストールクライアントを起動したときに次のエラーメッセージが表示されることがあります。
WARNING: getfile: RPC failed: error 5: (RPC Timed out).
このエラーメッセージの詳細は、「ネットワーク上のシステムのブート」を参照してください。
これで、すべてのシステムはプロファイルサーバーにアクセスできるようになりました。この後、ネットワークインストールでシステムを追加するときに、add_install_client コマンドで -c オプションを使用する必要はありません。
JumpStart ディレクトリを含むフロッピーディスクは、プロファイルフロッピーディスクと呼ばれます。
システムがネットワークに接続されていない場合、そのシステムはプロファイルサーバーへのアクセス権を持たないため、フロッピーディスクに JumpStart ディレクトリを作成する必要があります。ただし、プロファイルフロッピーディスクを作成するシステムには、フロッピーディスクドライブが必要です。
基本的なカスタム JumpStart ファイル (rules ファイル、rules.ok ファイル、およびプロファイル) は、プロファイルフロッピーディスク上のルート (/) ディレクトリに置かれている必要があります。root に JumpStart ディレクトリがあって、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認してください。
この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。フロッピーディスクや CD を管理するのにボリューム管理を使用していない場合、ボリュームマネージャなしで取り外し可能な媒体を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
フロッピーディスクドライブマネージャを持つ SPARC 搭載システムに、スーパーユーザーとしてログインします。
プロファイルフロッピーディスクとして使用できる空の (あるいは、上書きしても大丈夫な) フロッピーディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。
# volcheck |
フロッピーディスクにすでに UFS (UNIX ファイルシステム) が入っているか確認します。
わからない場合は、システム上のファイル /etc/mnttab の内容を見て、次のようなエントリがないかを調べます。
/vol/dev/diskette0/scrap /floppy/scrap ufs suid,rw,largefiles,dev=1740008 927147040 |
上記のエントリが
ある場合は、手順 7 に進みます。
ない場合は、次の手順に進みます。
この手順によって、フロッピーディスク上のすべてのデータは上書きされます。
# fdformat -U |
フロッピーディスクに UFS ファイルシステムを作成します。
# newfs /vol/dev/aliases/floppy0 |
カスタム JumpStart ファイルの例を JumpStart ディレクトリに
コピーしない場合は停止して、プロファイルフロッピーディスクでの JumpStart ディレクトリの作成を終了します。
コピーする場合は、次の表を使用して次に実行すべき作業を判断します。
例のコピー元 |
実行する作業 |
|
---|---|---|
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) |
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) をサーバーの CD-ROM ドライブに挿入します。 ボリュームマネージャが自動的に CD にマウントします。 |
|
ディレクトリを Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージの場所に変更します。次に例を示します。
|
サンプルのカスタム JumpStart インストールファイルを、プロファイルフロッピーディスクの JumpStart ディレクトリにコピーします。
# cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path |
ここで、media_path はローカルディスク上の CD またはイメージへのパスを示し、jumpstart_dir_path はカスタム JumpStart ファイルの例があるプロファイルフロッピーディスクへのパスを示します。
すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルートディレクトリに置かれている必要があります。
たとえば、次のコマンドは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。
cp -r /cdrom/sol_8_sparc/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap |
プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。
フロッピーディスクを取り出します。
# eject floppy |
これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。処理を続けるには、「rules ファイルの作成」に進んでください。
この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャなしでフロッピーディスクと CD を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
フロッピーディスクドライブを持つ SPARC 搭載システムか IA 搭載システムにスーパーユーザーとしてログインします。
Solaris 8 Device Configuration Assistant フロッピーディスクをフロッピーディスクドライブ (通常はドライブ A) に挿入します。このフロッピーディスクは、プロファイルフロッピーディスクとして使用します。
# volcheck |
Solaris 8 Device Configuration Assistant フロッピーディスクイメージをシステムのハードディスクにコピーします。
# dd if=/vol/dev/aliases/floppy0 of=boot_image |
ここで boot_image は Device Configuration Assistant フロッピーディスクイメージがコピーされるファイル名です。絶対パス名を指定できます。
たとえば次のコマンドは、ブートフロッピーディスクを boot_save ファイルにコピーします。
dd if=/vol/dev/aliases/floppy0 of=boot_save |
「ファイル・マネージャ」ウィンドウの「取り出し」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。
「リムーバブルメディア・マネージャ」画面で「了解」をクリックします。
Device Configuration Assistant フロッピーディスクを手動で取り出します。
空のフロッピーディスク (または上書き可能なディスク) をフロッピーディスクドライブに挿入します。
# volcheck |
この手順によって、フロッピーディスク上のすべてのデータは上書きされます。
# fdformat -d -U |
Device Configuration Assistant フロッピーディスクイメージを、システムのハードディスクからフォーマットしたフロッピーディスクにコピーします。
# dd if=boot_image of=/vol/dev/aliases/floppy0 |
ここで boot_image は、Solaris 8 Device Configuration Assistant のイメージをコピーするファイル名を示します。絶対パス名を指定できます。
カスタム JumpStart ファイルの例を JumpStart ディレクトリに
コピーしない場合は停止して、プロファイルフロッピーディスクでの JumpStart ディレクトリの作成を終了します。
コピーする場合は、次の表から次に実行する作業を判断します。
例のコピー元 |
実行すべき作業 |
|
---|---|---|
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) |
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) をサーバーの CD-ROM ドライブに挿入します。 ボリュームマネージャが自動的に CD をマウントします。 |
|
ディレクトリを、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージの場所に変更します。次に例を示します。
|
サンプルのカスタム JumpStart ファイルを、プロファイルフロッピーディスクのルートディレクトリ (JumpStart ディレクトリ) にコピーします。
# cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path |
ここで、media_path はローカルディスク上の CD またはイメージへのパスを示し、jumpstart_dir_path はカスタム JumpStart ファイルの例があるプロファイルフロッピーディスクへのパスを示します。
プロファイルフロッピーディスクを使用するときは、すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルートディレクトリに置かれている必要があります。
たとえば、次のコマンドは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。
cp -r /cdrom/sol_8_ia/s2/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap |
プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。
「ファイル・マネージャ」ウィンドウの「取り出し」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。
「リムーバブルメディア・マネージャ」画面で「了解」をクリックします。
フロッピーディスクを手動で取り出します。
これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。処理を続けるには、「rules ファイルの作成」に進んでください。
rules ファイルは、自動的に Solaris オペレーティング環境をインストールを実行したいシステムの各グループ (または単独のシステム) 用のルールを含むテキストファイルです。各ルールは、1 つまたは複数のシステム属性に基づいてシステムのグループを識別し、各グループを 1 つのプロファイルにリンクさせます。このプロファイルは、Solaris ソフトウェアをグループの各システムにインストールする方法を定義するテキストファイルです。
karch i86pc - basic_prof - |
たとえば上記のルールでは、Solaris インストールプログラムが、basic_prof プロファイルにある情報に基づいて、i86pc プラットフォームグループを持つシステムにインストールを実行することを指定します。rules ファイルを使用して、カスタム JumpStart インストールに必要な rules.ok ファイルを作成します。
「プロファイルフロッピーディスクの作成」 または 「プロファイルサーバーの作成」 の手順にしたがって JumpStart ディレクトリを設定した場合は、JumpStart ディレクトリに rules ファイルのサンプルがあります。rules ファイルのサンプルには、説明といくつかのルール例があります。サンプルの rules ファイルを利用する場合は、使用しないルール例は必ずコメントにしておいてください。
rules ファイルには、次のものを含めることができます。
コメント付きテキスト
行の # 記号の後に含まれるテキストは、JumpStart によってコメントとして扱われます。行が # 記号で始まる場合は、行全体がコメントとして扱われます。
1 つまたは複数のブランク行
1 つまたは複数の複数行ルール
1 つのルールを新しい行に続けるには、Return キーまたは Enter キーを押す直前に、バックスラッシュ文字 (¥) を含めます。
ルールには、少なくとも次のものが含まれている必要があります。
キーワード、値、および対応するプロファイル
エントリがない場合は、開始フィールドと終了フィールドのマイナス符号 (-)
rules ファイル内のルールは、次の構文になっている必要があります。
[[!]]rule_keyword rule_value [[&& [[!]]rule_keyword rule_value]] ... begin profile finish |
要素 |
説明 |
---|---|
ルールキーワードの前で使用し、否定を示す記号 |
|
ホスト名 (hostname)、メモリーサイズ (memsize) などの一般的なシステム属性を記述する定義済みキーワード。ルール値とともに使用し、同じ属性を持つシステムをプロファイルに一致させる。ルールキーワードの一覧は、表 18-3 を参照 |
|
対応するルールキーワードに特定のシステム属性を与える値。ルール値の一覧は、表 18-3 を参照 |
|
ルールキーワードとルール値のペアを同じルールで結合する (論理積をとる) ときに使用する記号。カスタム JumpStart インストール時に、システムがルール内のすべてのペアに一致しなければ、ルールの一致は成立しない |
|
インストールが開始する前に実行できるオプションの Bourne シェルスクリプト名。begin スクリプトがない場合、このフィールドにマイナス記号 (-) を指定する必要がある。begin スクリプトはすべて、JumpStart ディレクトリになければならない。 begin スクリプトの作成方法の詳細は、「begin スクリプトの作成」を参照 |
|
テキストファイル名。システムがルールに一致したとき Solaris ソフトウェアがシステムにどのようにインストールされるかを定義している。プロファイル内の情報は、プロファイルキーワードと、それらに対応するプロファイル値から構成される。すべてのプロファイルは JumpStart ディレクトリになければならない。 注 - プロファイルフィールドについては、別の使用方法もあります。詳細は、「サイト固有のインストールプログラムの使用」と 「begin スクリプトによる動的プロファイルの作成」を参照してください。 |
|
インストール終了後に実行できるオプションの Bourne シェルスクリプト名。finish スクリプトがない場合、このフィールドにマイナス記号 (-) を指定する必要がある。finish スクリプトはすべて、JumpStart ディレクトリになければならない。 finish スクリプトの作成方法の詳細は、「finish スクリプトの作成」を参照 |
表 18-3 で、rules ファイルで使用できるルールキーワードとルール値について説明します。
表 18-3 ルールキーワードとルール値の説明
ルールキーワード |
ルール値 |
説明 |
||
---|---|---|---|---|
マイナス記号 (-) |
常に一致する |
|||
processor_type
|
システムのプロセッサタイプを照合する。 システムのプロセッサタイプは、uname -p コマンドで調べることができる |
|||
actual_disk_name size_range actual_disk_name - cxtydz 形式 (たとえば、c0t3d0、c0d0) のディスク名または rootdisk。rootdisk を使用する場合、照合するディスクは次の順番で決定される。
size_range - ディスクのサイズ。M バイト単位の範囲 (x-x) で指定する必要がある |
システムのディスクの名前とサイズを照合する (M バイト単位)。
この例は、250〜300M バイトの c0t3d0 ディスクを備えるシステムと照合する。
この例では、まず初めに事前にインストールされたブートイメージを含むシステムディスク、次に c0t3d0s0 ディスク、最後に 750M バイトから 1G バイトの情報を格納できるディスクを探します。 注 - size_range を計算するときは、1M バイトが 1,048,576 バイトであることに注意してください。「535M バイト」ディスクと明記されているディスクでも、ディスク空間が 510M バイトしかない場合があります。535,000,000/1,048,576=510 により、JumpStart は「535M バイト」ディスクを実際には 510M バイトのディスクと見なします。したがって、この「535M バイト」ディスクは 530-550 の size_range には一致しません。 |
|||
actual_domain_name |
システムのドメイン名を照合する。ドメイン名でネームサービスが情報を判別する方法を制御する。 システムがインストール済みの場合、domainname コマンドによりシステムのドメイン名を表示できる |
|||
actual_IP_address |
システムの IP アドレスを照合する |
|||
actual_host_name |
システムのホスト名を照合する。 システムがインストール済みの場合、uname -n コマンドによりシステムのホスト名を表示できる |
|||
slice version slice - cwtxdysz 形式 (たとえば、c0t3d0s5) のディスクスライス名、または any か rootdisk。any を使用すると、システムに接続されたどのディスクも照合する (カーネルのプローブ順)。rootdisk を使用すると、照合するディスクは次の順番で決定される。
version - Solaris_2.x などのバージョン名、または any か upgrade。any を使用すると、Solaris または SunOS リリースのどれとでも照合する。upgrade を使用すると、アップグレード可能な Solaris 2.1 以上のリリースのどれとでも照合する。 JumpStart で Solaris リリースが見つかっても、バージョンが不明な場合は、SystemV をバージョンとして返す |
Solaris ソフトウェアの特定バージョンに対応するルートファイルシステムが存在するディスクを照合する。
この例では、c0t3d0s1 に Solaris 8 のルートファイルシステムを持つシステムを照合している |
|||
actual_platform_group 有効な値は、sun4d、sun4m、sun4u、i86pc、prep (各種システムとそのプラットフォームグループの詳細なリストは、第 31 章「プラットフォーム名とグループ」 を参照) |
システムのプラットフォームグループを照合する。 システムがインストール済みの場合は、arch -k コマンドまたは uname -m コマンドにより、システムのプラットフォームグループを表示できる |
|||
physical_mem 値は M バイト単位の範囲 (<x-x) または 1 つの M バイト値で指定する |
システムの物理メモリーサイズを照合する (M バイト単位)。
この例では、16M〜32M バイトの物理メモリーサイズを持つシステムと照合している。 システムがインストール済みの場合は、prtconf コマンド (2 行目) によりシステムの物理メモリーサイズを表示できる |
|||
actual_platform_name |
システムのプラットフォーム名を照合する。有効なプラットフォーム名については、第 31 章「プラットフォーム名とグループ」 を参照。 インストール済みのシステムのプラットフォーム名を見つけるには、uname -i コマンドか prtconf コマンド (5 行目) の出力を使用する。 注 - actual_platform_name にスペースが含まれている場合は、スペースを下線 (_) で置き換える必要があります (例: SUNW,Sun4_50)。 |
|||
network_num |
システムのネットワーク番号を照合する。これは JumpStart が、システムの IP アドレスとサブネットマスクの論理積をとって判別する。
この例では、IP アドレスが 193.144.2.8 のシステムを照合する (サブネットマスクが 255.255.255.0 の場合) |
|||
Solaris_2.x |
システムにすでにインストールされている Solaris のバージョンを照合する。
この例では、Solaris 7 がすでにインストールされているシステムを照合している |
|||
probe_keyword |
有効なプローブまたはカスタムプローブキーワード
この例では、システムのディスクのサイズがカーネル検索順序 (たとえば、SPARC ベースシステムでは、c0t3d0s0、c0t3d0s1、c0t4d0s0) で返され、環境変数 SI_DISKLIST、SI_DISKSIZES、SI_NUMDISKS、 および SI_TOTALDISK が設定される。 注 - probe キーワードは、属性を照合せず、プロファイルを実行しないという特徴があります。このキーワードは、値を返すだけです。したがって、probe ルールキーワードで、begin スクリプト、プロファイル、および finish スクリプトは指定できません。 プローブキーワードについては、第 20 章「カスタムルールおよびプローブキーワードの作成方法」を参照してください。
|
|||
size_range 値は M バイト単位の範囲 (x-x) で指定する必要がある |
システムのディスク空間の全体量 (M バイト単位) を照合する。ディスク空間の全体量には、システムに接続されている使用可能なディスクがすべて含まれる。
この例では、全体として 300M〜500M バイトのディスク空間を持つシステムと照合している。 注 - size_range を計算するときは、1M バイトが 1,048,576 バイトであることに注意してください。「535M バイト」ディスクと明記されているディスクでも、ディスク空間が 510M バイトしかない場合があります。535,000,000/1,048,576=510 により、JumpStart は「535M バイト」ディスクを実際には 510M バイトのディスクと見なします。したがって、この「535M バイト」ディスクは 530-550 の size_range には一致しません。 |
次のサンプルファイルは、rules ファイル内のルールをいくつか示しています。各行には、ルールキーワードとそのキーワードに有効な値があります。JumpStart は、rules ファイルを上から下へ走査します。
左の列に示された数字は挿入しないでください。これらの数字は、例の後に表示される脚注です。
JumpStart は、既知のシステムとルールキーワードおよび値を照合する場合、プロファイルフィールドにリストされたプロファイルによって指定された Solaris ソフトウェアをインストールします。
# rule keywords and rule values begin script profile finish script # ----------------------------- ------------ -------- ------------- hostname eng-1 - basic_prof - [このルールは、システムのホスト名が eng-1 の場合に一致します。basic_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。] network 192.43.34.0 && !model ¥ 'SUNW,SPARCstation-20' - net_prof - [このルールは、システムがサブネット 192.43.34.0 にあって、SPARCstationTM 20 (SUNW, SPARCstation-20) ではない場合に一致します。net_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。このルールは、rules ファイル構文の複数行ルールの例にもなっています。] model SUNW,SPARCstation-LX - lx_prof complete [このルールは、システムが SPARCstation LX である場合に一致します。lx_prof プロファイルと complete 終了スクリプトは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。] network 193.144.2.0 && karch i86pc setup IA_prof done [このルールは、システムが 193.144.2.0 にあって、IA ベースのシステムである場合に一致します。setup 開始スクリプト、IA_prof プロファイル、および done 終了スクリプトは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。] memsize 16-32 && arch i386 - prog_prof - [このルールは、システムに 16 〜 32M バイトのメモリーがあって、IA 搭載システムである場合に一致します。prog_profプロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。] any - - generic_prof - [このルールは、上記のルールに一致しなかったすべてのシステムに一致します。generic_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。このプロファイルを使用する場合は、any が常に rules ファイルの最後のルールである必要があります。] |
テキストエディタを使用して、作成した JumpStart ディレクトリで、テキストファイル rules を作成するか、rules サンプルファイルを開きます。
カスタム JumpStart を使用した Solaris のインストール先のシステムグループごとに 1 つのルールを rules ファイルに追加します。
rules ファイルを JumpStart ディレクトリに保存します。
root が rules ファイルを所有していて、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。
プロファイルは、どのように Solaris ソフトウェアをシステムにインストールするか (たとえば、どのソフトウェアグループをインストールするか) を定義するテキストファイルです。すべてのルールはプロファイルを指定して、JumpStart インストール時にルールが一致したときにシステムがどのようにインストールされるかを定義します。通常は、ルールごとに異なるプロファイルを作成します。しかし、複数のルールで同じプロファイルを使用することも可能です。
プロファイルは、1 つまたは複数のプロファイルキーワードとそれらの値から構成されます。各プロファイルキーワードは、JumpStart がどのようにしてシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするかを制御するコマンドです。たとえば、次のようなプロファイルキーワードとプロファイル値があります。
system_type server |
これは JumpStart に、システムをサーバーとしてインストールするよう指示します。
「プロファイルサーバーの作成」または 「プロファイルフロッピーディスクの作成」の手順を使用して JumpStart ディレクトリを作成した場合、プロファイルのサンプルが JumpStart ディレクトリにあります。
キーワードは 1 行に 1 つだけであること
アップグレードされるシステムが、アップグレードできるルートファイルシステムを複数持っている場合は、root_device キーワード
プロファイルでは、次のことが許可されています。
次の節では、プロファイルで使用できるプロファイルキーワードとプロファイル値を説明します。
プロファイルキーワードとプロファイル値には、大文字と小文字の区別があります。
表 18-4 を使用すれば、どのキーワードがユーザーのインストールに適しているかを簡単に決定できます。プロファイルキーワードの説明で特に注記されていないかぎり、プロファイルキーワードは初期インストールオプションだけで使用できます。
表 18-4 プロファイルキーワード
インストール方法 |
|||||
---|---|---|---|---|---|
プロファイルキーワード |
スタンドアロンシステム (ネットワークに接続されていない) |
スタンドアロンシステム (ネットワークに接続されている) またはサーバー |
OS サーバー |
アップグレード |
ディスク容量の再配置を使用するアップグレード |
backup_media |
x |
||||
boot_device |
x |
x |
x | ||
client_arch |
x | ||||
client_root |
x | ||||
client_swap |
x | ||||
cluster (ソフトウェアグループを追加する場合) |
x |
x |
x | ||
cluster (クラスタを追加または削除する場合) |
x |
x |
x |
x |
x |
dontuse |
x |
x |
x | ||
fdisk (IA のみ) |
x |
x |
x | ||
filesys (リモートファイルシステムをマウントする場合) |
x |
x | |||
filesys (ローカルファイルシステムを作成する場合) |
x |
x |
x | ||
geo |
x |
x |
x |
x |
x |
install_type |
x |
x |
x |
x |
x |
isa_bits |
x |
x |
x |
x |
x |
layout_constraint |
x |
||||
locale |
x |
x |
x |
x |
x |
num_clients |
x | ||||
package |
x |
x |
x |
x |
x |
partitioning |
x |
x |
x |
|
|
root_device |
x |
x |
x |
x |
x |
system_type |
x |
x |
x |
|
|
usedisk |
x |
x |
x |
backup_media type path |
backup_media は、ディスク容量の再配置が必要なアップグレードオプションだけで使用できます。
backup_media は、ディスク容量不足のためにアップグレード中にディスク容量の再配置が必要なファイルシステムのバックアップをとるために使用する媒体を定義します。バックアップ用に複数のテープまたはフロッピーディスクが必要な場合は、アップグレード中にテープまたはフロッピーディスクの挿入を求めるプロンプトが表示されます。
有効な type 値 |
有効な path 値 |
説明 |
---|---|---|
local_tape |
/dev/rmt/n |
アップグレードされるシステムのローカルテープドライブを指定する。path は、テープドライブのキャラクタ型 (raw) デバイスのパスでなければならない。n はテープドライブの番号 |
local_diskette |
/dev/rdisketten |
アップグレードされるシステムのローカルフロッピーディスクドライブを指定する。path は、フロッピーディスクドライブのキャラクタ型 (raw) デバイスのパスでなければならない。n はフロッピーディスクドライブの番号 |
local_filesystem |
/dev/dsk/cwtxdysz /file_system |
アップグレードされるシステムのローカルファイルシステムを指定する。アップグレードで変更されるローカルファイルシステムは指定できない。path は、ディスクスライスのブロック型デバイスのパス (/dev/dsk/cwtxdysz 内の tx は必須ではない) か、/etc/vfstab ファイルでマウントされたファイルシステムへの絶対パスのいずれかである |
remote_filesystem |
host:/file_system |
リモートシステムの NFS ファイルシステムを指定する。path は、リモートシステム (host) の名前または IP アドレスと、NFS ファイルシステム (file_system) への絶対パスを含まなければならない。NFS ファイルシステムは、読み取り権と書き込み権を持っている必要がある |
remote_system | user@host:/directory |
リモートシェル (rsh) で到達できるリモートシステム上のディレクトリを指定する。アップグレードされるシステムは、リモートシステムの .rhosts ファイル経由で、リモートシステムにアクセスできなければならない。path は、リモートシステム (host) の名前と、そのディレクトリ (directory) への絶対パスを含まなければならない。ユーザーログイン (user) を指定しないと、スーパーユーザーとしてログインされる |
例:
backup_media local_tape /dev/rmt/0 backup_media local_diskette /dev/rdiskette1 backup_media local_filesystem /dev/dsk/c0t3d0s4 backup_media local_filesystem /export backup_media remote_filesystem system1:/export/temp backup_media remote_system user1@system1:/export/temp
boot_device device eeprom |
boot_device は、JumpStart がルート (/) ファイルシステムをインストールするデバイスを (つまり、システムのブートデバイスを) 指定します。
boot_device キーワードをプロファイルに指定しない場合、インストール中にデフォルトで次の boot_device キーワードが指定されます。
boot_device any update
device - ブートデバイスにするデバイスを選択します。
SPARC: cwtxdysz または cxdysz - JumpStart がルートファイルシステムを格納するディスクスライス。たとえば、c0t0d0s0。
IA: cwtxdy または cxdy - JumpStart がルートファイルシステムを格納するディスク。たとえば、c0t0d0。
existing - JumpStart は、システムの既存のブートデバイスにルート (/) ファイルシステムを格納します。
any - ルートファイルシステムを格納する場所は、JumpStart が選択します。システムの既存のブートデバイスを使用する場合もありますが、必要であれば、異なるブートデバイスを選択する場合もあります。
eeprom - システムの EEPROM を変更または保存する場合に選択します。
システムの EEPROM を、指定したブートデバイスに変更または保存する場合に選択します。
preserve 値を指定する必要があります。
update - JumpStart は、インストールされるシステムが自動的に指定したブートデバイスからブートするように、システムの EEPROM をそのブートデバイスに変更します。
preserve - システムの EEPROM 中のブートデバイス値は変更されません。システムの EEPROM を変更しないで新しいブートデバイスを指定した場合は、システムが新しいブートデバイスから自動的にブートするように、システムの EEPROM を手作業で変更する必要があります。
SPARC システムでは、システムの現在のブートデバイスを変更する場合、eeprom の値でもシステムの EEPROM を変更できます。これにより、システムは新しいブートデバイスから自動的にブートできます。
例:
boot_device c0t0d0s2 update
boot_device は、ルートファイルシステムを指定する filesys キーワードと (指定した場合は) root_device キーワードに一致する必要があります。
client_arch karch_value ... |
client_arch は、OS サーバーが使用するものとは異なるプラットフォームグループをサポートすることを定義します。client_arch を指定しない場合、OS サーバーを使用するどのディスクレスクライアントも、サーバーと同じプラットフォームグループでなくてはなりません。OS サーバーがサポートしてほしいプラットフォームグループごとに指定する必要があります。
karch_value の有効な値は、sun4d、sun4m、sun4u、i86pc です。(各システムのプラットフォーム名については、第 31 章「プラットフォーム名とグループ」 を参照してください。)
client_arch は、system_type に server を指定したときだけ使用できます。
client_root root_size |
client_root は、各クライアント用に割り当てるルート領域の大きさ (root_size、M バイト単位) を定義します。サーバーのプロファイルに client_root の指定がない場合は、1 クライアントあたり 15M バイトのルート領域が自動的に割り当てられます。このクライアント用のルート領域の大きさは、num_clients キーワードを組み合わせて、/export/root ファイルシステム用に確保する領域の大きさを決定するときに使用されます。
client_root は、system_type に server を指定したときだけ使用できます。
client_swap swap_size |
プロファイル内の client_swap は、各ディスクレスクライアントに割り当てるスワップ領域の大きさ (swap_size、M バイト単位) を定義します。client_swap を指定しない場合、32M バイトのスワップ領域がデフォルトで割り当てられます。
例:
client_swap 64
この例は、各ディスクレスクライアントが 64M バイトのスワップ領域を持つことを定義します。
client_swap は、system_type に server を指定したときだけ使用できます。
cluster group_name |
cluster は、どのソフトウェアグループをシステムに追加するかを指定します。各ソフトウェアグループの group_name 名は次のとおりです。
ソフトウェアグループ | group_name |
---|---|
コアシステムサポート | SUNWCreq |
エンドユーザーシステムサポート | SUNWCuser |
開発者システムサポート | SUNWCprog |
全体ディストリビューション | SUNWCall |
全体ディストリビューションと OEM サポート | SUNWCXall |
1 つのプロファイルに 1 つのソフトウェアグループを指定できます。ソフトウェアグループは、他の cluster エントリと package エントリの前に指定する必要があります。プロファイル内の cluster でソフトウェアグループを指定しない場合、デフォルトによりエンドユーザーソフトウェアグループ (SUNWCuser) がシステムにインストールされます。
cluster cluster_name add_delete_switch |
cluster (クラスタの追加または削除) は、初期インストールオプションとアップグレードオプションの両方で使用できます。
cluster は、システムにインストールされるソフトウェアグループにクラスタを追加または削除するかを指定します。
cluster_name は SUNWCname 形式で指定します。インストールが終了したシステムで Admintool を起動し、「ブラウズ」メニューから「ソフトウェア」を選択すると、クラスタの詳細情報とクラスタ名を表示できます。
add_delete_switch はオプションの add または delete を示します。これを使用すると、指定したクラスタを追加または削除できます。add_delete_switch を指定しないと、デフォルトで add が使用されます。
すでにシステムにあるすべてのクラスタが自動的にアップグレードされます。
cluster_name add を指定したが、cluster_name がシステムにインストールされていなかった場合、そのクラスタがインストールされます。
cluster_name delete を指定したが、cluster_name がシステムにインストールされていた場合、アップグレードが開始される前にそのパッケージは削除されます。
dontuse disk_name ... |
dontuse は、partitioning default を指定しているときに、JumpStart が使用してはならない 1 つ以上のディスクを指定します (デフォルトでは、システムのすべての使用可能なディスクを使用します)。disk_name は、cxtydz または cydz の形式 (たとえば、c0t0d0) で指定する必要があります。
1 つのプロファイルで、dontuse キーワードと usedisk キーワードを同時に指定することはできません。
fdisk disk_name type size |
fdisk は、IA 搭載システムで fdisk パーティションを設定する方法を定義します。fdisk は 2 回以上指定できます。次に、IA 搭載システムでの fdisk パーティションのデフォルトの動作について説明します。
fdisk キーワードを使って (size に delete か 0 を指定して) 削除しないかぎり、ディスク上のすべての fdisk パーティションは保存されます。また、size が all の場合は、既存のすべての fdisk パーティションが削除されます。
ルート (/) ファイルシステムを含む Solaris fdisk パーティションは、そのディスク上でアクティブパーティションとして常に指定されます。
IA 搭載システムは、デフォルトでアクティブパーティションから起動します。
プロファイルで fdisk キーワードを指定しないと、インストール時にデフォルトで次の fdisk キーワードが指定されます。
fdisk all solaris maxfree
fdisk エントリは、プロファイルに指定されている順序で処理されます。
disk_name - fdisk パーティションを作成または削除する場所を指定します。
cxtydz または cydz - 特定のディスク。たとえば、c0t3d0
rootdisk - システムのルートディスク値を含む変数。これは JumpStart で決定されます (「システムのルートディスクを決定する方法」を参照)。
all - 選択されたすべてのディスク
type - 指定したディスク上で作成または削除する fdisk パーティションのタイプを指定します。
solaris - Solaris fdisk パーティション (SUNIXOS fdisk タイプ)
dosprimary - 1 次 DOS fdisk パーティションの別名 (拡張またはデータ用 DOS fdisk パーティションではない)。fdisk パーティションを削除する場合 (size に delete を指定)、dosprimary は DOSHUGE、DOSOS12、および DOSOS16 fdisk タイプ (これらはすべて削除される) の別名になります。fdisk パーティションを作成する場合、dosprimary は DOSHUGE fdisk パーティション (このパーティションが作成される) の別名になります。
DDD - 整数で表す fdisk パーティション (有効な値は 1 から 255 までの整数)
この値は size に delete を指定した場合のみ指定できます。
0xHH - 16 進数で表す fdisk パーティション (有効な値は 01 から FF までの 16 進数)
この値は size に delete を指定した場合のみ指定できます。
いくつかの fdisk タイプの整数と 16 進数での表し方を次の表に示します。
fdisk タイプ |
DDD |
HH |
---|---|---|
DOSOS12 |
1 |
01 |
PCIXOS |
2 |
02 |
DOSOS16 |
4 |
04 |
EXTDOS |
5 |
05 |
DOSHUGE |
6 |
06 |
DOSDATA |
86 |
56 |
OTHEROS |
98 |
62 |
UNIXOS |
99 |
63 |
DDD - サイズが DDD (M バイト単位) の fdisk パーティションを、指定したディスク上に作成します。DDD は整数で指定する必要があります。Solaris インストールプログラムは、この数値を一番近いシリンダの境界に自動的に繰り上げます。0 を指定すると、delete を指定するのと同じになります。
all - fdisk パーティションをディスク全体に作成します (既存のすべての fdisk パーティションは削除されます)。
この値は type に solaris を指定した場合のみ指定できます。
maxfree - 指定したディスク上の最も大きい連続する空き領域に fdisk パーティションを作成します。ディスク上にすでに指定した type の fdisk パーティションがあると、その既存の fdisk パーティションを使用します (新しい fdisk パーティションはディスク上に作成されません)。
ディスクには、空き領域と少なくとも 1 つの未使用の fdisk パーティションが必要です。空き領域がない場合は、インストールが失敗します。この値は、type が solaris または dosprimary の場合のみ指定できます。
delete - 指定した type のすべての fdisk パーティションを指定したディスク上で削除します。
filesys server:path server_address mount_pt_name [[mount_options]] |
この場合の filesys の例は、インストールしたシステムが起動するときに、自動的にリモートファイルシステムをマウントするよう設定します。2 回以上 filesys を指定できます。
例:
filesys sherlock:/export/home/user2 - /home
server: -リモートファイルシステムが存在するサーバー名 (後ろにコロンをつけます)
path - リモートファイルシステムのマウントポイント名。たとえば /usr または /export/home
server_address - server:path で指定するサーバーの IP アドレス。ネットワーク上で実行されているネームサービスがない場合、この値を使用して、サーバーのホスト名とIP アドレスを登録している /etc/hosts ファイルを生成できます。サーバーの IP アドレスを指定したくない場合 (ネットワーク上で実行中のネームサービスがある場合) は、マイナス記号 (-) を指定する必要があります。
mount_pt_name - リモートファイルシステムをマウントするマウントポイント名
mount_options - 指定した mount_pt_name の /etc/vfstab エントリに追加する 1 つ以上のマウントオプション (mount(1M) コマンドの -o オプションと同じ)
複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションは、スペースではなくコンマで区切ってください。例: ro,quota
filesys slice size [[file_system optional_parameters]] |
この場合の filesys は、インストール中にローカルファイルシステムを作成します。filesys は 2 回以上指定できます。
any - JumpStart は、ファイルシステムを任意のディスクに配置します。
size が existing、all、free、start:size、または ignore の場合は、any は指定できません。
cwtxdysz または cxdysz - JumpStart がファイルシステムを配置するディスクスライス。たとえば、c0t0d0s0、c0d0s0
rootdisk.sn - システムのルートディスク値が含まれる変数。この値は、Solaris インストールプログラムが決定します (「システムのルートディスクを決定する方法」を参照)。拡張子 sn は、ディスク上の特定のスライスを示します。
num - ファイルシステムのサイズを num (M バイト単位) で設定します。
existing - 既存のファイルシステムの現在のサイズを使用します。
existing の値を使用すると、別の mount_pt_name として file_system を指定することによって、既存のスライス名を変更できます。
auto - 選択したソフトウェアに応じて、ファイルシステムのサイズを自動的に決定します。
all - 指定した slice は、そのファイルシステム用にディスク全体を使用します。この値を指定すると、指定したディスク上に他のファイルシステムは存在できません。
free - ディスク上の残りの未使用領域をファイルシステム用に使用します。
filesys に free を指定する場合は、プロファイルの最後の filesys エントリとして指定する必要があります。
start:size - ファイルシステムを明示的にパーティションに分割します。start はスライスが始まるシリンダで、size はそのスライスのシリンダ数です。
file_system - slice に any または cwtxdysz を指定しているときに、このオプション値を使用できます。この値を指定しないと、デフォルトによって unnamed が設定されますが、optional_parameters 値を使用できません。次のいずれか 1 つを指定してください。
mount_pt_name - ファイルシステムのマウントポイント名。たとえば /var
swap - 指定した slice を swap として使用します。
overlap - 指定した slice をディスク領域 (VTOC の値は V_BACKUP) を表すものとして定義します。デフォルトでは、スライス 2 はディスク全体を表すオーバーラップスライスです。
size に existing、all、または start:size を指定した場合だけ overlap を指定できます。
unnamed - 指定した slice は raw スライスと定義されるので、slice にはマウントポイント名がありません。file_system を指定しないと、デフォルトで unnamed が設定されます。
ignore - 指定した slice を使用しないか、JumpStart で認識しません。これにより、インストール時にディスク上のファイルシステムを無視できるため、JumpStart は同じ名前で同じディスク上に新しいファイルシステムを作成できます。ignore は、partitioning existing を指定したときだけ使用できます。
optional_parameters - 次のいずれか 1 つを指定します。
preserve - 指定した slice 上のファイルシステムを保存します。
size に existing、slice に cwtxdysz を指定した場合だけ preserve を指定できます。
mount_options - 指定した mount_pt_name の /etc/vfstab エントリに追加する 1 つ以上のマウントオプション (mount(1M) コマンドの -o オプション)
複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションはスペースではなくコンマで区切ってください。例: ro,quota
geo locale |
geo は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。
geo は、システムにインストールする (またはシステムのアップグレード時に追加する) 地域ロケールを指定します。locale に指定できる値は、次のとおりです。
値 |
説明 |
---|---|
N_Africa |
北アフリカ。エジプトを含む |
C_America |
中央アメリカ。コスタリカ、エルサルバドル、グァテマラ、メキシコ、ニカラグア、パナマを含む |
N_America |
北アメリカ。カナダ、アメリカ合衆国を含む |
S_America |
南アメリカ。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラを含む |
Asia |
アジア。日本、韓国、中華人民共和国、台湾、タイを含む |
Ausi |
オーストラリア。オーストラリア、ニュージーランドを含む |
C_Europe |
中央ヨーロッパ、オーストリア、チェコ、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア、スイスを含む |
E_Europe |
東ヨーロッパ。アルバニア、ボスニア、ブルガリア、クロアチア、エストニア、ラトビア、リトアニア、マケドニア、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロヴェニア、トルコを含む |
N_Europe |
北ヨーロッパ。デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンを含む |
S_Europe |
南ヨーロッパ。ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインを含む |
W_Europe |
西ヨーロッパ。ベルギー、フランス、イギリス、アイルランド、オランダを含む |
M_East |
中近東。イスラエルを含む |
上記の各地域ロケールを構成するコンポーネントロケール値の完全なリストは、第 32 章「言語とロケールの値」 に記載されています。
システムに追加する必要がある各ロケールごとに、geo キーワードを指定します。
install_type initial_install_upgrade_switch |
install_type は、削除してシステムに新しい Solaris オペレーティング環境をインストールするか、または既存の Solaris 環境をアップグレードするかどうかを定義します。
install_type は、各プロファイル内で最初のプロファイルキーワードとして指定する必要があります。
initial_install_upgrade_switch は、オプションの initial_install または upgrade を表します。このオプションは、実行するインストールのタイプを指定するために使用します。
initial_install_upgrade_switch は必ず指定する必要があります。
一部のプロファイルキーワードは、initial_install オプションだけで使用できます。これは、upgrade オプションでも同様です。
isa_bits bit_switch |
isa_bits は、64 ビットまたは 32 ビットの Solaris 8 パッケージをインストールするかどうかを指定します。
bit_switch は、オプション 64 または 32 を表します。これは、64 ビットまたは 32 ビットのどちらの Solaris 8 パッケージをインストールするかを指定するために使用します。このキーワードをプロファイルに設定しないと、JumpStart によって、次のものがインストールされます。
UltraSPARCTM システムの場合は 64 ビットパッケージ
それ以外のシステムの場合は 32 ビットパッケージ
isa_bits キーワードを使用する場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) 上の Solaris_8/Misc/jumpstart_sample ディレクトリの最新の check スクリプトを使用する必要があります。
layout_constraint slice constraint [[minimum_size]] |
layout_constraint は、ディスク容量の再配置が必要なアップグレードオプションだけで使用できます。
layout_constraint は、ファイルシステムがディスク容量不足のためにアップグレード中にディスク容量を再配置する必要がある場合に、制約付き自動配置がファイルシステムで行われることを示します。
layout_constraint キーワードを指定しないと、次のようになります。
アップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムは、changeable とマークされます。
より多くの容量を必要とするファイルシステムと同じディスク上にあるファイルシステム (/etc/vfstab ファイルでマウントされる) は、changeable とマークされます。
残りのファイルシステムは、fixed とマークされます (自動配置はこれらのファイルシステムを変更できません)。
1 つ以上の layout_constraint キーワードを指定すると、次のようになります。
アップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムは、changeable とマークされます。
layout_constraint キーワードを指定したファイルシステムは、指定した制約がマークされます。
残りのファイルシステムは、fixed とマークされます。
アップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムの制約は変更できませんが (changeable とマークされなければならない)、このようなファイルシステムに layout_constraint を使用すれば、その minimum_size 値を変更できます。
自動配置がディスク容量の再配置を行う際には、より多くのファイルシステム、特にアップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムと同じディスク上にあるファイルシステムを、changeable または movable であると選択します。
slice - これは、制約を指定するファイルシステムのディスクスライスです。cwtxdysz または cxdysz の形式で指定してください。
constraint - 指定したファイルシステムに対して、次のいずれか 1 つの制約を選択します。
changeable - 自動配置はファイルシステムを他の場所に移動して、そのサイズを変更できます。この制約は、/etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステムだけに指定できます。minimum_size 値を指定すれば、ファイルシステムのサイズを変更できます。
ファイルシステムを changeable とマークして、minimum_size 値を指定しないと、そのファイルシステムの最小サイズは、必要な最小サイズより 10% 大きな値に設定されます。たとえば、ファイルシステムの最小サイズが 100M バイトの場合、変更されるサイズは 110M バイトになります。minimum_size を指定した場合、残りの空き領域 (元のサイズから最小サイズを引いたもの) は他のファイルシステム用に使用されます。
movable - 自動配置はファイルシステムを (同じディスクまたは異なるディスク上の) 他のスライスに移動できますが、サイズは変更しません。
available - 自動配置は、ファイルシステムのすべての領域を使用して領域を割り当てし直します。ファイルシステムのすべてのデータは失われます。この制約は、/etc/vfstab ファイルでマウントされないファイルシステムだけに指定できます。
collapse - 自動配置は、指定したファイルシステムをその親ファイルシステムに移動し (閉じこめ) ます。これは、アップグレードの一部として、システム上のファイルシステム数を減らすために使用できます。たとえば、システムが /usr と /usr/openwin のファイルシステムを持っている場合、/usr/openwin ファイルシステムを閉じ込めると、/usr/openwin は /usr (その親) に移動されます。この制約は、/etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステムだけに指定できます。
minimum_size - この値は、自動配置がディスク容量を再配置するときに、ファイルシステムに割り当てる最小サイズを指定します (基本的に、ファイルシステムのサイズを変更します)。ファイルシステムのサイズは、まだ割り当てられていない領域が追加される場合、最終的にはこの指定した値よりは大きくなります。このオプション値は、ファイルシステムを changeable とマークした場合のみ使用できます。最小サイズは、ファイルシステムの既存の内容に必要なサイズより小さい値には設定できません。
例:
layout_constraint c0t3d0s1 changeable 200 layout_constraint c0d0s4 movable layout_constraint c0t3d1s3 available layout_constraint c0t2d0s1 collapse
locale locale_name |
locale は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。
locale は、指定した locale_name に対して、どのロケールパッケージをインストール (アップグレードの場合は追加) するかを指定します。locale_name 値は、$LANG 環境変数で使用されるのと同じです。有効なロケールの値については、第 32 章「言語とロケールの値」 を参照してください。
デフォルトロケールを事前設定している場合は、そのロケールは自動的にインストールされます。English 言語パッケージはデフォルトでインストールされます。
locale キーワードは、システムに追加するロケールごとに指定できます。
num_clients client_num |
サーバーがインストールされているときには、各ディスクレスクライアントのルート (/) と swap ファイルシステムにディスク空間が割り当てられます。num_clients は、サーバーがサポートするディスクレスクライアント数 (client_num) を定義します。num_clients を指定しないと、デフォルトで 5 つのディスクレスクライアントが割り当てられます。
num_clients は、system_type が server として指定されているときだけ使用できます。
package package_name [[add_delete_switch]] |
package は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。
package は、システムにインストールするソフトウェアグループにパッケージを追加または削除するかを指定します。
package_name は、SUNWname の形式で指定する必要があります。pkginfo -l コマンドまたは Admintool (「ブラウズ」メニューから「ソフトウェア」を選択) をインストールシステムに使用して、パッケージとその名前に関する詳しい情報を表示してください。
add_delete_switch は、add または delete オプションを表します。このオプションは、指定のパッケージを追加または削除するかを指定します。add_delete_switch を指定しないと、デフォルトによって add が使用されます。
すでにシステム上にあるすべてのパッケージが自動的にアップグレードされます。
package_name add を指定したが、package_name がシステムにインストールされていなかった場合は、そのパッケージがインストールされます。
package_name delete を指定したが、package_name がシステムにインストールされていた場合、アップグレードが開始される前にそのパッケージは削除されます。
package_name delete を指定したが、package_name がシステムにインストールされていない場合、インストールするように指定したクラスタの一部にそのパッケージが含まれていると、パッケージはインストールされません。
partitioning type |
partitioning は、インストール時にファイルシステム用にディスクをスライスに分割する方法を定義します。
type - 次のオプションから 1 つを選択します。
default - JumpStart はディスクを選択して、指定したソフトウェアをインストールするファイルシステムを作成します。ただし、filesys キーワードで指定したファイルシステムを除きます。rootdisk が最初に選択され、指定したソフトウェアが rootdisk に収まらない場合は、さらに別のディスクが使用されます。
existing - JumpStart は、システムのディスク上にある既存のファイルシステムを使用します。/、/usr、/usr/openwin、/opt、/var を除く、すべてのファイルシステムが保存されます。JumpStart は、ファイルシステムのスーパーブロックにある最後のマウントポイントフィールドを使用して、スライスがどのファイルシステムのマウントポイントを表しているかを判断します。
filesys プロファイルキーワードと partitioning existing を組み合わせる場合、size は existing である必要があります。
explicit - JumpStart はディスクを使用して、filesys キーワードで指定されるファイルシステムを作成します。filesys キーワードでルート (/) ファイルシステムだけを指定した場合、すべての Solaris ソフトウェアがルートファイルシステムにインストールされます。
explicit プロファイル値を使用するときには、filesys プロファイルキーワードを使用して、使用するディスクと作成するファイルシステムを指定してください。
プロファイルで partitioning を指定しないと、デフォルトで default タイプのパーティションが使用されます。
root_device slice |
root_device は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。
root_device は、システムのルートディスクを指定します。詳細は、「システムのルートディスクを決定する方法」を参照してください。
アップグレードの場合
root_device は、アップグレードされるルートファイルシステム (および、その /etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステム) を指定します。システム上で複数のルートファイルシステムがアップグレードできる場合は、root_device を指定する必要があります。slice は、cwtxdysz または cxdysz 形式で指定してください。
例:
root_device c0t0d0s2
1 つだけのディスクを持つシステムで root_device を指定する場合、root_device とディスクが一致する必要があります。また、ルートファイルシステムを指定する任意の filesys キーワードは、root_device と一致する必要があります。
system_type type_switch |
system_type は、インストールするシステムのタイプを定義します。
type_switch は、オプション standalone または server を表します。このオプションは、Solaris をインストールするシステムのタイプを指定するために使用します。system_type をプロファイルに指定しないと、デフォルトによって standalone が使用されます。
usedisk disk_name ... |
usedisk は、partitioning default を指定しているときに、JumpStart が使用する 1 つ以上のディスクを指定します (デフォルトではシステム上のすべての使用可能ディスクを使用します)。disk_name は、cxtydz または cydz 形式 (たとえば c0t0d0、c0d0s0) で指定します。
プロファイルで usedisk を指定すると、JumpStart は usedisk キーワードで指定したディスクだけを使用します。
同じプロファイルに usedisk キーワードと dontuse キーワードを同時に指定することはできません。
プロファイルにスワップサイズが指定されていない場合、JumpStart は、システムの物理メモリーの大きさにしたがってスワップ領域のサイズを決定します。表 18-5 は、カスタム JumpStart インストール時に確保されるスワップのサイズをまとめたものです。
表 18-5 スワップのサイズの決定方法
物理メモリー (M バイト) |
スワップのサイズ (M バイト) |
---|---|
16 - 64 |
32 |
64 - 128 |
64 |
128 - 512 |
128 |
512 を超える場合 |
256 |
他のファイルシステムを配置した後にディスクに十分な空き容量がない場合、JumpStart は、スワップ領域のサイズが全ディスク容量の 20% を超えないようにします。空き容量が存在する場合は、表 18-5 に示すサイズまでスワップ領域を割り当てます。
物理メモリーとスワップ領域の合計は、32M バイト以上必要です。
システムのルートディスクは、ルート (/) ファイルシステムを含むシステム上のディスクです。プロファイル内では、Solaris インストールプログラムがシステムのルートディスクを設定するディスク名の代わりに、この rootdisk 変数を使用できます。表 18-6 に、インストールプログラムがインストール用にシステムのルートディスクを決定する方法を説明しています。
これは初期インストール時だけに適用されます。アップグレードの場合、システムのルートディスクは変更できません。
手順 |
動作 |
---|---|
1 |
プロファイル内で root_device キーワードが指定されている場合、インストールプログラムは rootdisk をルートデバイスに設定します。 |
2 |
プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、boot_device キーワードが指定されている場合、インストールプログラムは rootdisk をブートデバイスに設定します。 |
3 |
プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、filesys cwtxdysz size / エントリが指定されている場合、JumpStart は rootdisk をエントリで指定されたディスクに設定します。 |
4 |
プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、rootdisk.sn エントリが指定されている場合、JumpStart はシステムのディスクで、(カーネルのプローブ順で) 指定したスライス上の既存のルートファイルシステムを検索します。ディスクが見つかった場合、JumpStart は見つかったディスクに rootdisk を設定します。 |
5 |
プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、partitioning existing が指定されている場合、JumpStart はシステムのディスクで、(カーネルのプローブ順で) 既存のルートファイルシステムを検索します。ルートファイルシステムが見つからなかった場合、あるいは複数のルートファイルシステムが見つかった場合は、エラーが発生します。ルートファイルシステムが見つかった場合、JumpStart は見つかったディスクに rootdisk を設定します。 |
6 |
プロファイル内で rootdisk が設定されていない場合、JumpStart は、ルートファイルシステムがインストールされるディスクに rootdisk を設定します。 |
任意のテキストエディタを使用して、新しいテキストファイルを開いて内容を示す名前を指定するか、作成した JumpStart ディレクトリ内のサンプルプロファイルを開きます。
プロファイルには、システムへの Solaris のインストール時にどのように使用するかを示す名前を指定してください (たとえば、basic_install、eng_profile、または user_profile など)。
プロファイルにプロファイルキーワードと値を追加します。
JumpStart ディレクトリにプロファイルを保存します。
root がプロファイルを所有していて、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。
(省略可能) プロファイルをテストします。
プロファイルのテストに関する情報については、「プロファイルのテスト」を参照してください。
次のサンプルプロファイルは、さまざまなプロファイルキーワードとプロファイル値を使用して、Solaris ソフトウェアをシステムにどのようにインストールするかを指定する方法を示しています。「プロファイルキーワードとプロファイル値の説明」には、プロファイルキーワードと値の説明を示してあります。
左の列に示された数字は挿入しないでください。これらの数字は、サンプルの説明に使用している番号です。
# profile keywords profile values # ----------------- ----------------- install_type initial_install [このプロファイルキーワードは、すべてのプロファイルに必要です。] system_type standalone [このプロファイルキーワードは、システムをスタンドアロンシステムとしてインストールするように定義します。] partitioning default [ファイルシステムスライスは、インストールするソフトウェアによって決定します (default 値)。ただし、swap のサイズは 60M バイトに設定されて、すべてのディスク (any 値) にインストールされます。標準および OpenWindows のマニュアルページは、ネットワーク上のファイルサーバー s_ref からマウントされます。] filesys any 60 swap # specify size of /swap filesys s_ref:/usr/share/man - /usr/share/man ro filesys s_ref:/usr/openwin/share/man - /usr/openwin/share/man ro,quota cluster SUNWCprog [開発者システムサポートソフトウェアグループ (SUNWCprog) がシステムにインストールされます。] package SUNWman delete [マニュアルページはリモートからマウントされるため、これらのパッケージはシステムにインストールされません。ただし、OPEN LOOK および X Window System のデモプログラムとイメージはシステムにインストールされます。] package SUNWolman delete package SUNWxwman delete package SUNWoldem add package SUNWxwdem add package SUNWoldim add package SUNWxwdim add |
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type initial_install system_type standalone partitioning explicit [ファイルシステムスライスは、filesys キーワード (explicit 値) によって指定します。ルート (/) のサイズは選択したソフトウェア (auto 値) に基づき、c0t0d0s0 にインストールされます。swap のサイズは 32M バイトに設定されて、c0t3d0s1 にインストールされます。usr は選択したソフトウェアに基づき、インストールプログラムがそのインストール場所を決定します (any 値)。] filesys c0t0d0s0 auto / filesys c0t3d0s1 32 swap filesys any auto usr cluster SUNWCall [全体ディストリビューションフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。] |
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type initial_install system_type standalone fdisk c0t0d0 0x04 delete [タイプ DOSOS16 (04 16 進) の fdisk パーティションはすべて、c0t0d0 ディスクから削除されます。] fdisk c0t0d0 solaris maxfree [Solaris fdisk パーティションが、c0t0d0 ディスク上の最大の連続空き領域に作成されます。] cluster SUNWCall [全体ディストリビューションソフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。] cluster SUNWCacc delete [システムアカウントユーティリティ (SUNWCacc) は、システムにインストールされません。] |
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type upgrade [このプロファイルは、ディスク容量を再配置することによってシステムをアップグレードします。この例では、システム上のファイルシステムのいくつかにアップグレード用の容量が十分にないため、ディスク容量を再配置する必要があります。] root_device c0t3d0s2 [c0t3d0s2 のルートファイルシステムがアップグレードされます。] backup_media remote_filesystem timber:/export/scratch [リモートシステム timber が、ディスク容量の再配置中のデータのバックアップに使用されます。] layout_constraint c0t3d0s2 changeable 100 [layout_constraint キーワードは、自動配置がスライス 2 と 4 を変更できて (スライスを別の場所に移動して、そのサイズを変更できる)、アップグレード用ディスク容量の再配置時にスライス 5 を移動できる (スライスを別の場所に移動できるが、サイズはそのままになる) ように指定します。] layout_constraint c0t3d0s4 changeable layout_constraint c0t3d0s5 movable package SUNWbcp delete [バイナリ互換パッケージ (SUNWbcp) は、アップグレード後、システムにインストールされません。] package SUNWolman add [このコードは、OPEN LOOK と X Window System のマニュアルページと汎用マルチプレクサソフトウェアがまだシステムにインストールされていない場合に、インストールされるようにするものです。(すでにシステム上にあるパッケージはすべて、自動的にアップグレードされます。)] package SUNWxwman add cluster SUNWCumux add locale de [ドイツ語ローカライズパッケージがシステムにインストールされます。] |
プロファイルの作成後、pfinstall(1M) コマンドを使用すれば、実際にプロファイルを使用してシステムをインストールまたはアップグレードする前に、プロファイルをテストできます。プロファイルのテストは、特にディスク容量を割り当て直すアップグレードプロファイルを作成するときに便利です。
pfinstall が生成するインストール出力を調べることによって、プロファイルが期待どおりのことを実行しようとしているかを簡単に調べることができます。たとえば、実際にシステムでアップグレードを行う前に、そのシステムが Solaris の新しいリリースにアップグレードするための十分なディスク容量を持っているかどうかをプロファイルで調べることができます。
pfinstall を使用すると、次の内容についてプロファイルをテストできます。
pfinstall を実行しているシステムのディスク構成
ディスクの構造 (たとえば、ディスクのバイトまたはセクター、フラグ、スライスなど) を表すディスク構成ファイルを使用して、他のディスク構成に対して。ディスク構成ファイルの作成方法については、次の箇所を参照してください。
ディスク構成ファイルを使用して、システムのアップグレードに使用するプロファイルをテストすることはできません。代わりに、システムの実際のディスク構成およびシステムに現在インストールされているソフトウェアに対して、プロファイルをテストする必要があります。
特定の Solaris リリースでプロファイルを正常かつ正確にテストするには、同じリリースの Solaris 環境内にあるプロファイルをテストする必要があります。たとえば、Solaris 8 初期インストールプロファイルをテストする場合は、Solaris 8 を実行するシステムに対して pfinstall コマンドを実行する必要があります。
ただし、以前のバージョンの Solaris を実行するシステムで Solaris 8 アップグレードプロファイルをテストする場合、または Solaris 8 初期インストールプロファイルをテストするための Solaris 8 システムをまだインストールしていない場合は、次のように一時インストール環境を作成する必要があります。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージからシステムをブートする
システムを識別する質問に応答する
Solaris 8 対話式インストールプログラムを Solaris 8 のインストール用プログラムとして選択する
表示された最初の画面を終了する
シェルから pfinstall コマンドを実行する
次に、プロファイルのテストに使用する pfinstall コマンドの構文を示します。
# /usr/sbin/install.d/pfinstall disk_configuration [[-c path]] profile |
引数 |
説明 |
---|---|
disk_configuration |
-D または -d disk_config_file オプションを表します。これは、pfinstall に対して、現在のシステムのディスク構成を使用してプロファイルをテストするか (-D)、またはディスク構成ファイル disk_config_file を使用してプロファイルをテストするかを指示するものです。 disk_config が pfinstall の実行されているディレクトリにない場合は、パスを指定する必要があります。 アップグレードプロファイル (install_type upgrade) で -d disk_config_file オプションを使用することはできません。常に、システムのディスク構成に対してアップグレードプロファイルをテストする必要があります (つまり、-D オプションを使用する必要があります)。 |
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージへのパスです。このオプションは、たとえば、システムでボリュームマネージャを使用して Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC または Intel) を各自のプラットフォームにマウントする場合に使用します。
注 - このオプションは、各自のプラットフォーム用の Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC または Intel) イメージから起動した場合には不要です。これは、この CD イメージが、起動プロセスの一部として /cdrom にマウントされているためです。 |
|
profile |
テストするプロファイル名。profile が pfinstall が実行されているディレクトリにない場合は、パスを指定する必要があります。 |
プロファイルを作成したシステムと同じプラットフォームタイプ (SPARC または IA) のシステムであることを確認します。
アップグレードプロファイルをテストする場合、アップグレードしようとしているシステムを使用してください。
次の表に基づいて、次に進む手順を決定します。
状態 |
手順 |
---|---|
初期インストールプロファイルをテストする必要があり、Solaris 8 が動作しているシステムがある場合 |
そのシステムでスーパーユーザーになって、手順 9 に進みます。 |
アップグレードプロファイルをテストする必要があるか、初期インストールプロファイルをテストするための Solaris 8 が動作しているシステムがない場合 |
手順 3 に進みます。 |
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) からシステムをブートします。このイメージは、システムのローカル CD-ROM またはインストールサーバーにあります。
システムのブートの詳細は、第 11 章「Solaris 8 対話式インストールプログラムの使用」を参照してください。
アップグレードプロファイルをテストする場合は、アップグレードしようとしているシステムをブートします。
プロンプトが表示された場合は、システムを識別する質問に答えます。
インストールオプションで、「Solaris 対話式インストールプログラム (Solaris Interactive Installation program)」を選択します。
Solaris 8 対話式インストールプログラムの最初の画面で終了します。
Solaris 8 対話式インストールプログラムが終了すると、シェルプロンプトが表示されます。
一時マウントポイントを作成します。
# mkdir /tmp/mnt |
テストするプロファイルが入っているディレクトリをマウントします。
マウントするディレクトリ |
コマンド |
|
---|---|---|
リモート NFS ファイルシステムをマウントする (ネットワーク上のシステムの場合) |
|
|
UFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントする |
|
|
PCFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントする |
|
システムのメモリーサイズを指定してプロファイルをテストするには、SYS_MEMSIZE に使用するメモリーサイズを M バイトで設定します。
# SYS_MEMSIZE=memory_size # export SYS_MEMSIZE |
手順 8 でディレクトリを
マウントした場合は、/tmp/mnt にディレクトリを変更します。
# cd /tmp/mnt |
マウントしなかった場合は、プロファイルのある場所にディレクトリを変更します。通常は、JumpStart ディレクトリです。
# cd jumpstart_dir_path |
-d オプションまたは -D オプションを指定しないと、pfinstall は指定したプロファイルを使用して、実際に Solaris ソフトウェアをシステムにインストールします。この結果、そのシステム上のデータは上書きされます。
pfinstall(1M) コマンドによってプロファイルをテストします。
# /usr/sbin/install.d/pfinstall disk_configuration [[-c path]] profile |
次の例は、basic_prof プロファイルを、pfinstall を実行している Solaris 8 システム上のディスク構成に対してテストしています。basic_prof プロファイルは、/jumpstart ディレクトリにあります。ボリュームマネージャを使用しているので、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージへのパスが指定されています。
# cd /jumpstart # /usr/sbin/install.d/pfinstall -D -c /cdrom/pathname basic_prof |
次の例は、basic_prof プロファイルを、ディスク構成ファイル 535_test と 64M バイトのシステムメモリーに対してテストしています。この例は、/export/install ディレクトリに存在する Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージを使用しています。また、pfinstall は、Solaris 8 システムで実行しています。
# SYS_MEMSIZE=64 # export SYS_MEMSIZE # /usr/sbin/install.d/pfinstall -d 535_test -c /export/install basic_prof |
rules ファイルとプロファイルは、check スクリプトを実行して、これらのファイルが正しく設定されていることを確認してからでないと使用できません。すべてのルールとプロファイルが有効な場合は、rules.ok ファイルが作成されます。このファイルは、カスタム JumpStart インストールソフトウェアがシステムをプロファイルと照合するために必要です。
表 18-8 に check スクリプトの動作を示します。
表 18-8 check スクリプトの流れ
手順 |
説明 |
---|---|
1 |
rules ファイルの構文検査を行う。
check スクリプトは、ルールキーワードが正当かどうかと、各ルールに対して、begin フィールド、class フィールド、および finish フィールドが指定されているかどうかを確認する。(begin フィールドと finish フィールドは、ファイル名でなくマイナス記号 [-] のこともある。) |
2 |
rules ファイルにエラーがなければ、ルールに指定された各プロファイルの構文検査が行われる。 |
3 |
エラーがなければ、check スクリプトは rules ファイルから rules.ok ファイルを作成する。コメントと空白行をすべて削除し、すべてのルールを保持し、終わりに次のコメント行を追加する。 # version=2 checksum=num |
rules.ok ファイルの所有者は root で、アクセス権は 644 です。
次に、rules ファイルのテストに使用する check スクリプトの構文を示します。
$ ./check [[-p path]] [[-r file_name]] |
引数 |
説明 |
---|---|
使用しているシステムの check スクリプトではなく、指定した Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージの check スクリプトを使用することによって、rules ファイルの妥当性を検査します。path は、ローカルディスクまたはマウント済み Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) 上にある Solaris インストールイメージです。 Solaris の旧バージョンが動作しているシステムでは、最新バージョンの check スクリプトを実行するために、このオプションを使用します。 |
|
名前が rules 以外の rules ファイル名を指定します。このオプションを使用すると、rules ファイルに組み込む前にルールの妥当性を検査できます。 |
check スクリプトが JumpStart ディレクトリにあることを確認します。
check スクリプトは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) の Solaris_8/Misc/jumpstart_sample ディレクトリにあります。
check スクリプトを実行して rules ファイルの妥当性を検査します。
$ ./check [[-p path -r file_name]] |
check スクリプトを実行すると、rules ファイルの有効性と各プロファイルの有効性の検査結果を表示します。エラーが検出されなければ、check スクリプトは「The custom JumpStart configuration is ok」と表示します。
rules ファイルの妥当性検査を終えたら、第 19 章「カスタム JumpStart オプション機能の使用」の任意のカスタム JumpStart 機能と、第 21 章「カスタム JumpStart インストールの実行」のカスタム JumpStart インストールの実行方法について参照してください。
add_install_client コマンドを使用してカスタム JumpStart 構成ファイルの場所を指定する代わりに、システムのブート時に構成ファイルの場所を指定することができます。ただし、boot コマンドに指定できるファイル名は 1 つだけです。したがって、すべてのカスタム JumpStart 構成ファイルを 1 つのファイルに圧縮する必要があります。圧縮された構成ファイルの形式は、次のいずれかにしてください。
tar
compress で圧縮された tar
zip
bzip で圧縮された tar
プロファイルサーバー上の JumpStart ディレクトリに移動します。
# cd jumpstart_dir_path |
圧縮ツールを使って、すべてのカスタム JumpStart 構成ファイルを 1 つのファイルに圧縮します。
圧縮構成ファイルに相対パスを含めないでください。カスタム JumpStart 構成ファイルは、圧縮されたファイルと同じディレクトリに置かれている必要があります。
圧縮された構成ファイルには、次のファイルを含まれている必要があります。
プロファイル
rules
rules.ok
圧縮された構成ファイルに、さらに sysidcfg ファイルを入れることもできます。
圧縮された構成ファイルを NFS サーバーか HTTP サーバー、またはインストールされるシステムからローカルでアクセスできる媒体に保存します。
次の例は、tar コマンドを使って、圧縮された構成ファイルを config.tar という名前で作成する例です。カスタム JumpStart 構成ファイルはすべて /jumpstart ディレクトリにあります。
# cd /jumpstart # tar -cvf config.tar * a profile 1K a rules 1K a rules.ok 1K a sysidcfg 1K |