Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

変数の説明の書式

各変数の説明は、次の形式に従って行われます。

変数名

「変数名」は、/etc/system ファイルに指定したり、/etc/default/facility ファイルに指定されている名前です。

ほとんどの変数名は、コロン (:) を伴わない variable の形式をとります。このような名前は、カーネルのコア部分内の変数を表しています。名前にコロンが含まれている場合、コロンの左側の文字列はロード可能モジュールの名前を表します。コロンの右側の文字列はモジュール内の変数名を示します。次は、その例です。


module_name:variable
説明

この変数が何をどのように制御するかを簡単に説明します。

データ型

符号付きまたは符号なしの、short、long、または整数です。ただし、long のサイズは、以下のようにシステムによって異なります。

  • 32 ビットのカーネルが動作しているシステムでは、long のサイズは整数と同じです。

  • 64 ビットのカーネルが動作しているシステムでは、long のビット幅は整数の 2 倍です。たとえば、符号なし整数は 32 ビット、符号なし long は 64 ビットです。

デフォルト

システムがデフォルト値として使用している値です。

単位

単位の種類を表します。この項目は省略されることがあります。

範囲

システムの検査で取り得る範囲や、データ型の上下限を表す範囲です。

  • MAXINT — 符号付き整数の最大値 (2,147,483,647) を表します。

  • MAXUINT — 符号なし整数の最大値 (4,294,967,295) を表します。

動的か

動作中のシステムで adbmdb、または kadb デバッガを使用して変更できる場合は「はい」です。ブート時の初期設定のみの場合は「いいえ」です。

検査

変数の、/etc/system ファイルで指定された、またはデフォルトの値に対して、システムが適用する検査内容を示します。また、検査がいつ適用されるかも示します。

暗黙的制約

変数に対する暗黙的な制約事項 (特に他の変数との関係において) を表します。この項目は省略されることがあります。

どのような場合に変更するか

この値の変更が必要になる理由、エラーメッセージ、戻り値を示します。

コミットレベル (安定性レベル)

インタフェースの安定性を表します。このマニュアルで記述するパラメータの多くは「発展中 (Evolving)」または「変更の可能性あり (Unstable)」のいずれかに分類されます。詳細は、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。

変更履歴

該当する場合、リリース間でのパラメータの変更をまとめた付録「チューニング可能パラメータの変更履歴」へのリンクが示されます。

前のリリースからの変更

該当する場合、リリース間での変更をまとめた付録「このマニュアルの改訂履歴」へのリンクが示されます。