Solaris DHCP の管理

システムファイルとネットマスクテーブルの更新

構成処理の間、DHCP マネージャまたは dhcpconfig ユーティリティは、サーバー上のさまざまなシステムファイルを走査し、サーバーの構成に使用できる情報を収集します。

DHCP マネージャや dhcpconfig を使ってサーバーの構成を行う前に、システムファイルの内容が最新の状態になっていることを確認してください。サーバーの構成を行なった後にエラーに気が付いた場合は、DHCP マネージャまたは dhtadm を使って、サーバー上のマクロを修正する必要があります。

表 2–2 は、DCHP サーバーの構成中に収集されるいくつかの情報と、情報の提供元を示します。サーバーで DHCP を構成する前に、これらの情報が適切に設定されていることを確認してください。サーバーの構成後にシステムファイルを変更する場合は、この変更を反映するためにサービスを再構成する必要があります。

表 2–2 DHCP の構成で使用される情報

情報 

提供元 

説明

時間帯 

システムの日時、時間帯の設定値 

日時と時間帯は Solaris のインストール時に初期設定される。日時を変更するには date コマンドを使用し、時間帯を変更するには、 /etc/TIMEZONE ファイルの TZ 変数を編集する。

DNS パラメータ 

/etc/resolv.conf

DHCP サーバーは、/etc/resolv.conf ファイルから DNSドメイン名や DNS サーバーアドレスなどの DNS パラメータを検索する。resolv.conf については、『Solaris ネーミングの設定と構成』の「DNS クライアントの設定」を参照。

NIS または NIS+ パラメータ 

システムのドメイン名、nsswitch.conf、NIS、 NIS+

DHCP サーバーは、domainname コマンドを使ってサーバーのドメイン名を取得し、nsswitch.conf ファイルを使ってドメインベースの情報をどこから検索するかを決める。サーバーが NIS または NIS+ クライアントの場合、DHCP サーバーは NIS または NIS+ サービスを参照し、NIS/NIS+ サーバーの IP アドレスを取得する

デフォルトルーター 

システムのルーティングテーブル、管理者による入力 

DHCP サーバーはネットワークルーティングテーブルを検索し、ローカルネットワークに接続されているクライアントのデフォルトルーターを見つける。同じネットワーク上にないクライアントについては、管理者にこの情報を入力するように要求する。 

サブネットマスク 

ネットワークインタフェース、netmasks テーブル

DHCP サーバーは、自身のネットワークインタフェースを参照して、ローカルクライアント用のネットマスクとブロードキャストアドレスを特定する。この要求がリレーエージェントからすでに転送されてきている場合には、リレーエージェントのネットワークにある netmasks テーブル内のサブネットマスクを参照する

ブロードキャストアドレス 

ネットワークインタフェース、netmasks テーブル

ローカルネットワークの場合には、DHCP サーバーは、ネットワークインタフェースからブロードキャストアドレスを取得する。リモートネットワークでは、サーバーは BOOTP リレーエージェントの IP アドレスとリモートネットワークのネットマスクを使用して、そのネットワーク用のブロードキャストアドレスを計算する