IP ネットワークマルチパスの管理

マルチパス構成ファイル

in.mpathd デーモンは、/etc/default/mpathd 構成ファイルの設定値を使ってマルチパスを構成します。このファイルへの変更は、in.mpathd が起動した時と SIGHUP シグナルを受信した時に有効になります。このファイルには、次のデフォルト設定値と情報が含まれています。


#
# Time taken by mpathd to detect a NIC failure in ms. The minimum time
# that can be specified is 100 ms.
# 
FAILURE_DETECTION_TIME=10000
#
 
# Failback is enabled by default. To disable failback turn off this option
#
FAILBACK=yes
#
 
# By default only interfaces configured as part of multipathing groups 
# are tracked. Turn off this option to track all network interfaces 
# on the system
#
TRACK_INTERFACES_ONLY_WITH_GROUPS=yes

/etc/default/mpathd 構成ファイルの構成手順については、マルチパス構成ファイルを構成するにはを参照してください。

障害検出時間

障害検出時間の設定値は小さくすることができます。ネットワークの負荷が高すぎると、障害検出時間が守られないことがあります。その場合 in.mpathd は、メッセージをコンソールに出力します。また、現在の達成可能な時間もコンソールに出力します。応答が正しく戻ってくる場合は、このファイルの障害検出時間に従って検出が行われます。


注 –

NIC 障害を検出するために mpathd が用いる時間を 1 ミリ秒 (0.001 秒) 単位で指定します。指定可能な最短時間は 100 ミリ秒 (0.1 秒) です。


回復した経路への復帰

障害経路の迂回が行われた後に障害の発生したインタフェースが回復すると、回復した経路への復帰が行われます。ただし、FAILBACKno に設定されていると、インタフェースの回復した経路への復帰は行われません。

物理インタフェース障害の検出 で説明されているように、自動回復復帰は、システムの起動時に存在しない物理インタフェースに対してはサポートされていません。詳細については、システムの起動時に存在しない物理インタフェースを回復するにはを参照してください。


注 –

デフォルトでは、回復した経路への復帰は有効 (yes) になっています。


「グループに属するインタフェースのみの追跡」オプション

TRACK_INTERFACES_ONLY_WITH_GROUPS オプションが無効になっていると、in.mpathd はシステムのすべてのインタフェースを追跡します。障害を検出すると、適切なメッセージをコンソールに出力します。このオプションが正しく機能するには、すべてのインタフェース上の Ethernet アドレスが固有のものでなければなりません。


注 –

デフォルトでは、マルチパスグループの一部として構成されているインタフェースのみを追跡します。