isdntest は複数のサブテストから構成される集合体です。ISDN 内には D、B1、B2 の 3 つの主チャネルが存在します。各チャネルは独立したスレッドとして動作します。表 32-2 の各サブテストの説明では特に記述のないかぎり、以下のように設定します。
表 32-1 isdntest チャネルの設定
チャネル |
データモード |
パケットサイズ |
パケット数 |
---|---|---|---|
D |
Basic Rate HDLC |
256 バイト |
10 パケット |
B1 |
56-kbps HDLC |
1024 バイト |
10 パケット |
B2 |
64-kbps HDLC |
1024 バイト |
10 パケット |
表 32-2 isdntest のサブテスト
サブテスト |
説明 |
---|---|
ローカルループバック (Local Loopback) テスト |
まず網終端 (NT: Network Termination) インタフェースと端末装置 (TE: Terminal Equipment) インタフェースの初期起動状態を調べてそれらのインタフェースが停止していることを確認し、次いで DBRI の「強制起動 (force activation)」機能を用いて各インタフェースを起動します。各インタフェースはローカルループバックモードに設定されます。各インタフェースにはホストメモリーの常駐データが書き込まれ、このデータを各インタフェース内でループバックします。その後、ホストメモリーはこのデータを読み戻して照合します。各チャネルごとに D、B1、B2 をテストします (ただしローカルループバックモードのテストができない TE D チャネルは除きます)。ローカルループバックテストは DBRI チップの内部で動作するため、NT から TE に接続する外部ループバックコネクタは必要ありません。 |
起動/停止 (Activation/ Deactivation) テスト |
起動/停止テストでは、まず NT に対して起動/停止シーケンスを実行し、次いで TE に対して起動シーケンスを実行します。T101 タイマーと T103 タイマーは 5 秒に設定されます。このサブテストの実行には NT とTE を接続する外部ループバックコネクタが必要です。 |
遠隔ループバック (Remote Loopback) テスト |
次に、遠隔ループバック機能をテストします。まず TE インタフェースを遠隔ループバックモードに設定して、NT がデータを TE の D、B1、B2 の 3 つのチャネルすべてに送信します。TE はすべてのデータを NT にループパックし、そのコピーを読み取り、データを照合します。以上の作業を終了すると、今度は同じ行程を TE が NT にデータを送信する方向で繰り返します。このサブテストの実行には NT と TE を接続する外部ループバックコネクタが必要です。 |
読み取り/書き込み (Read/Write) テスト |
次に、読み取り/書き込みテストを 6 つの ISDN チャネル TE D、TE B1、TE B2、NT D、NT B1、NT B2 のすべてに実行します。TE インタフェースの各チャネルを NT インタフェースの対応するチャネルに、外部ループバックコネクタで接続します。ここでは各パスごとに固有のデータパターンを使用します。読み取んだパケットは書き込んだパケットと比較照合されます。以上の一連の行程を、B1 チャネルの場合は 64 Kbps HDLC データモード、B2 チャネルの場合は 56 Kbps HDLC データモードに設定して、全チャネルに繰り返し適用します。このサブテストの実行には NT と TE を接続する外部ループバックコネクタが必要です。 |
パケットサイズ (Packet Size) テスト |
次に、パケットサイズをテストします。上記のサブテストと同様の読み取り/書き込みテストを、パケット数を 100 に設定して実行します。このテストで送受信する各パケットのサイズはランダムに計算され、パケットごとに異なる値になります。このサブテストの実行には NT と TE を接続する外部ループバックコネクタが必要です。 |
データパス (Data Path) テスト |
最後にデータパスをテストします。ISDN_SET_CHANNEL ioctl を使用して、DBRI 内の一連のショートパイプインターコネクトを通るように、データを送信します。このサブテストの実行には NT と TE を接続する外部ループバックコネクタが必要です。 |