ここでは、一般的な SunVTS の起動方法について説明します。
SunVTS を起動する最も一般的な方法は、sunvts コマンドを使用する方法です。sunvts コマンドは、システムの環境に従って、32 ビット版または 64 ビット版 SunVTS カーネルと、SunVTS ユーザーインタフェースの 1 つを起動します。
起動の対象となる SunVTS ユーザーインタフェースは、以下の基準によって決定されます。
CDE ウィンドウマネージャ (dtwm) が動作している場合は、SunVTS CDE ユーザーインタフェースが起動されます (vtsui)。
OPEN LOOK ウィンドウマネージャ (olwm) が動作している場合は、SunVTS OPEN LOOK ユーザーインタフェースが起動されます (vtsui_ol)。
どのウィンドウマネージャも動作していない場合、SunVTS TTY UI が起動されます (vtstty)。
sunvts コマンドは、SUT (テスト実行中システム) がオフライン状態になっているものとして SunVTS を起動します。他のシステムアプリケーションはすべて停止させておいてください。
スーパーユーザーになります。
sunvts コマンドを実行します。
# /opt/SUNWvts/bin/sunvts |
次のようなエラーメッセージが表示された場合は、xhost 表示ホスト名 と入力し、 ホストのアクセス権を取得する必要があります。 connection to ":0.0" refused by server Xlib: Client is not authorized to connect to server Error: Can't open display :0.0
使用する SunVTS ユーザーインタフェースに応じて、以下の章を参照してください。
sunvts コマンドにさまざまなオプション (表 3-2) を付けて、SunVTS の起動方法を制御できます。
たとえば、次のコマンドは、使用しているウィンドウ環境に関係なく、TTY ユーザーインタフェースを備えた SunVTS を起動します。
# /opt/SUNWvts/bin/sunvts -t |
/opt/SUNWvts/bin/sunvts [-elpqstv] [-o オプションファイル名] [-f ログファイルディレクトリ名] [-h ホスト名] -display ローカルホスト名:0 |
|
---|---|
引数 |
説明 |
-e |
接続用アクセス権の確認機能を無効にします。 |
-l |
SunVTS の OPEN LOOK ユーザーインタフェースを起動します。このユーザーインタフェースを使用するには、SUNWvtsol パッケージがインストールされていることが前提です。 |
-p |
SunVTS カーネルを起動します。ただし、テストシステムのデバイスの状態は調査しません。 |
-q |
テストが停止したときに、SunVTS カーネルとユーザーインタフェースの両方を自動的に終了します。 |
-s |
選択したグループのテストを自動的に開始します。このフラグを指定するときは、-o オプションファイル名フラグを指定する必要があります。 |
-t |
TTY ベースのプログラムである vtstty を起動します。このオプションを指定しない場合は、CDE GUI が動作しているときは vtsui が起動されます。また、OPEN LOOK GUI が動作しているときは vtsui.ol が起動されます。 |
-v |
SunVTS カーネルとユーザーインタフェースに関する情報を表示します。 |
-o オプションファイル名 |
指定したオプションファイルから読み取ったテストオプションを使用して、 SunVTS カーネルを起動します。指定したオプションファイルは、ユーザーインタフェースによって /var/opt/SUNWvts/options ディレクトリに保存されます。 |
-f ログファイルのディレクトリ名 |
デフォルトの /var/opt/SUNWvts/logs 以外の代替ログファイルディレクトリを指定します。 |
-h ホスト名 |
ローカルマシンでユーザーインタフェース (vtsui または vtstty) を起動し、指定ホストマシンの SunVTS カーネル (vtsk) への接続を試みます。指定したホスト名と、SunVTS テストを実行しようとするホスト名が同じ場合は、SunVTS カーネル (vtsk) が起動されます。テストシステムで vtsk がすでに動作している場合は、-o 、-f、-q、-p、-s オプションは無視されます。 |
-display ローカルホスト名:0 |
遠隔ログインを行って SunVTS を実行している場合は、このオプションで遠隔システムのSunVTS カーネルが起動され、local_hostname: 0 で指定されたローカルマシン上に、ユーザーインタフェースが表示されます。 |
sunvts コマンドは、構成に従った SunVTS カーネルおよびユーザーインタフェースの両方を起動します。これに対して、SunVTS カーネルだけを起動したり、特定のユーザーインタフェースだけを指定したりするコマンドがあります。
vtsk コマンドは、SunVTS カーネルを起動します。コマンド行オプション (表 3-3 を参照) を使用して、このコマンドの動作を制御することができます。
32 ビット Solaris 環境で動作するシステムの場合は、次のコマンドを使用します。
# /opt/SUNWvts/bin/vtsk |
64 ビット Solaris 環境で動作するシステムの場合は、次のコマンドを使用します。
# /opt/SUNWvts/bin/sparcv9/vtsk |
vtsk のコマンド行構文とオプションは、以下のとおりです。
表 3-3 vtsk のコマンド行構文とオプション
/opt/SUNWvts/bin/vtsk [-epqsv] [-o オプションファイル名] [-f ログファイルディレクトリ名] |
|
---|---|
引数 |
説明 |
-e |
接続用アクセス権の確認機能を無効にします。 |
-p |
SunVTS カーネルを起動します。ただし、テストシステムのデバイスの状態は調査しません。 |
-q |
テストが終了したときに SunVTS カーネルとユーザーインタフェースの両方を自動的に終了します。 |
-s |
選択したグループのテストを自動的に開始します。このフラグを指定するときは、-o オプションファイル名 フラグを指定する必要があります。 |
-v |
SunVTS カーネルからの SunVTS のバージョン情報のみを表示します。vtsk オプションは、vtsk デーモンを起動しません。 |
-o オプションファイル名 |
オプションファイルから読み取ったテストオプションを使用して、SunVTS カーネルを起動します。指定したオプションファイルは、ユーザーインタフェースによって /var/opt/SUNWvts/options ディレクトリに保存されます。 |
-f ログファイルのディレクトリ名 |
デフォルトの /var/opt/SUNWvts/logs 以外の代替ログファイルディレクトリ名を指定します。 |
ほとんどの場合は、sunvts コマンドを使用すると、適切な SunVTS ユーザーインタフェースが起動されます。
SunVTS カーネルを起動せずに特定のユーザーインタフェースだけを起動する場合は、以下のいずれかのコマンドを使用します。
CDE インタフェースを起動する場合。
# /opt/SUNWvts/bin/vtsui |
OPEN LOOK インタフェースを起動する場合。
# /opt/SUNWvts/bin/vtsui.ol |
TTY インタフェースを起動する場合。
# /opt/SUNWvts/bin/vtstty |
いずれの場合も、起動されたユーザーインタフェースは SunVTS カーネルへの接続を試みます。
vtsui.online コマンドを使用して起動する SunVTS オンラインテスト機能は、SunVTS 4.3 以降は利用できません。このオンラインテスト機能を提供する SUNWodu パッケージも廃止されました。
サンのシステムのオンライン診断テストは、現在、Sun Management Center ソフトウェアで Sun Hardware Diagnostic Suite 追加ソフトウェアを使用することで利用できます。詳細は、http://www.sun.com/sunmanagementcenter を参照してください。
SunVTS テストセッションを開始する前に、すべてのユーザーアプリケーションを終了させてください。