以下に説明している手順に従って、DR 切り離し操作に備えてボードを準備する必要があります。以下にリストする手順は順番に並んでいますが、その順番にこだわる必要はありません。また、以下の手順は、入出力デバイスまたはネットワーク関連以外のデバイスを搭載したボードに適用されます。さらに、DR モデル 2.0 のみに適用する手順もありますので、DR モデル 3.0 を実行する場合は、これらの手順をとばしてください。
DR モデル 2.0 ドメインについて、ネットワーク関連以外のデバイスを搭載しているボードを切り離す場合は以下に注意してください。
Alternate Pathing ソフトウェア機能や Solstice DiskSuiteTM のミラー化機能により提供される冗長性を利用して、ボードに接続されている非ネットワークデバイスへアクセスする場合は、これらサブシステムを再構成して、他のシステムボード上のコントローラからデバイスまたはネットワークへアクセスできるようにします。
Alternate Pathing ソフトウェアは、代替インタフェースが使用できる場合に、ディスクデバイスをそのインタフェースへ自動的に切り替えます。
Alternate Pathing または Solstice DiskSuite のデータベースをボード常駐パーティションから削除します。Alternate Pathing または Solstice DiskSuite のデータベースの保存ディレクトリは、ユーザーが明示的に選択するディレクトリであり、変更することもできます。
Sun Enterprise Volume ManagerTM または Veritas Volume Manager が使用している占有領域を削除します。
デフォルトの設定では、Volume Manager は制御対象の各デバイス上の占有領域を使用します。したがって、こうしたデバイスを切り離すには、まず Volume Manager の制御からデバイスを解放する必要があります。
ファイルシステムをマウント解除 (アンマウント) します。
たとえば、Solstice DiskSuite のメタデバイスを使用している場合、ボード常駐パーティションを持っているメタデバイスのファイルシステムをマウント解除する必要があります (たとえば、umount /partit と入力します)。
一時停止に対して危険なデバイスがファイルシステムを管理している場合は、切り離し操作を行う前にそのファイルシステムをマウント解除する必要があります。危険なデバイスがファイルシステムを管理している場合、このデバイスを手動により一時停止させるには、まず lockfs(1M) コマンドを使用してそのファイルシステムをロックしてから、手動で一時停止させます。
share(1M) ユーティリティーを使用して共有ファイルシステムをマウント解除すると、NFS クライアントシステムに影響を与えます。
swap(1M) コマンドを使用して、スワップ構成からディスクパーティションを削除します。
Sun StorEdge A3000 コントローラをホストしているボードを切り離す場合は、そのコントローラをアイドル状態にするか、rm6 または rdacutil プログラムを実行して、手動によりオフラインにします。
Sun StorEdge A3000 (旧製品名は RSM Array 2000) は、デュアルコントローラパスを持ち、自動負荷分散および自動フェイルオーバー機能を搭載しています。
以下の操作を行って、非ネットワークデバイスをすべて閉じます。
デバイスまたは raw パーティションを直接開いている処理をすべて終了するか、または処理をリダイレクトしてボード上で開いているデバイスを閉じることにより、デバイスのインスタンスをすべて閉じます。
DR モデル 2.0 を使用している場合は、Hostview のデバイス表示画面、または drshow(1M) コマンドによる入出力リスト表示を使用すれば、指定するデバイスを開いている処理の数を示すオープンカウント (open count) フィールドを表示させることができます。ドメインに対して fuser(1M) コマンドを使用すると、これらデバイスを開いている処理を調べることができます。
modunload(1M) を実行すると、切り離しに対して危険なドライバ、または読み込まれているデバイスドライバごとに、読み込みを解除できます。
危険なドライバを使用するデバイスの読み込みを解除できない場合は、危険なデバイスを搭載しているボードをブラックリストに登録し、ドメインを再起動してください。このようにすると、後からボードを削除できます。ブラックリストへの登録についての詳細は、blacklist(1M) に関するマニュアルページを参照してください。
Solaris オペレーティング環境を一時停止する必要がある場合は、開いているリアルタイム処理をすべて終了するか、ボード上のプロセッサと結合している処理をすべてアンバインド (終了) します。
ボードのプロセッサと結合している処理があると、ボードを切り離せなくなります。pbind(1M) を使用すれば、こうした処理を他のプロセッサへ再結合させることができます。