Solaris Live Upgrade 2.0

ブート環境を作成する (キャラクタインタフェース)

  1. メインメニューから「Create」を選択します。

    「Create a Boot Environment」サブメニューが表示されます。

  2. アクティブブート環境 (必要に応じて) と新しいブート環境の名前を入力し、確定します。アクティブブート環境の名前は、最初にブート環境を作成するときだけ入力すれば済みます。

    この名前は、マルチバイト文字を除く英数字だけを使用して 30 文字以内で入力してください。


    Name of Current Boot Environment:solaris7
    Name of New Boot Environment:solaris8
    
  3. F3 を押して変更を保存します。

    「Configuration」メニューが表示されます。

    図 3–3 Solaris Live Upgrade の「Configuration」メニュー

    Graphic

    画面の上部に現在のブート環境が表示され、画面の下部に作成されるブート環境が表示されます。「Device」フィールドにあるクリティカルファイルシステムの選択領域は、クリティカルファイルシステムが選択されるまでは空白のままです。「Device」フィールドに表示される /export やスワップのような共有可能ファイルシステムは、ソースブート環境とターゲットブート環境の両方で共有されます (同じマウントポイントを持ちます)。新しいブート環境では、/usr/var/opt などのクリティカルファイルシステムを分割することも、ルートファイルシステムとマージすることも可能です。また、ファイルシステムの種類も変更できます。スワップファイルシステムは特殊なケースです。スワップはデフォルトで共有されますが、スワップスライスの分割とマージ (追加と削除) も行うことができます。

    クリティカルファイルシステムと共有可能ファイルシステムの概要は、ブート環境の作成 (概要)を参照してください。

    • 「Device」フィールドには、/dev/dsk/cnumtnumd numsnum という書式でディスクデバイス名が入ります。

    • 「FS_Type」フィールドは次のいずれかです。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムであることを示す

      • swap: スワップファイルシステムであることを示す

      • ufs: UFS ファイルシステムであることを示す

  4. (省略可能) 以下の作業は、任意の時点で行うことができます。

    • 画面情報を ASCII ファイルに出力するには、F5 を押します。

    • ファイルシステムのリストをスクロールするには、Control-X を押します。

      この操作で、アクティブブート環境のファイルシステムと新しいブート環境のファイルシステムを切り替えてスクロールできるようになります。

    • 「Configuration」メニューを閉じるには、任意の時点で F6 を押します。

      • 「Configuration」メニューが表示されている場合は、変更が保存されず、ファイルシステムは修正されません。

      • 「Configuration」サブメニューが表示されている場合は、「Configuration」メニューに戻ります。

  5. F2 を押して、利用できるスライスを選択します。

    「Choices」メニューでは、カーソルが置かれているフィールドに、そのシステム上で利用できるスライスが表示されます。表示されるのは「Slice」フィールドと「file system FS _Type」フィールドです。

    1. 矢印キーを使用してフィールド内にカーソルを置き、スライスまたはファイルシステムの種類を選択します。

      • 「Slice」フィールドにカーソルを置くと、すべての空きスライスが表示されます。ルート (/) の場合、「Choices」に表示されるのはルート (/) ファイルシステムの制限事項を満たす空きスライスだけです。ルート (/) ファイルシステムのスライスを選択するためのガイドラインを参照してください。

      • 「FS_Type」フィールドにカーソルを置くと、利用できるすべてのファイルシステムタイプが表示されます。

      • 現在のファイルシステムには、ボールド書体のスライスを選択できます。スライスのサイズは、ファイルシステムのサイズに、アップグレードする領域の 30% を加えることによって、概算できます。

      • ボールド書体ではないスライスは、そのファイルシステムをサポートするにはサイズが小さすぎることを意味します。

    2. Return キーを押してスライスを選択します。

      選択したスライスが「Slice」フィールドに表示されるか、あるいは「FS_Type」フィールド内でファイルシステムの種類が変化します。

  6. (省略可能) 空きスライスが最小要件を満たしていない場合は、F4 を押して任意の空きスライスを分割し直してください。

    「Solaris Live Upgrade Slice Configuration」メニューが表示されます。

    新しいスライスを作成できるように、format コマンドが実行されます。画面の指示に従って新しいスライスを作成してください。format コマンドについての詳細は、format のマニュアルページを参照してください。

    「Device」フィールドと「FS_Type」フィールドの間で移動するには、矢印を使用してください。デバイスを選択すると、「Size (Mbytes)」フィールドに値が自動的に表示されます。

    1. デバイスを解放するには、Control-D を押します。

      以上の操作でスライスが利用できるようになり、「Choices」メニューに表示されます。

    2. F3 を押して「Configuration」メニューに戻ります。

  7. (省略可能) クリティカルファイルシステムを分割すると、そのファイルシステムは別々のマウントポイントに配置されます。ファイルシステムを分割する場合は、次の操作を行なってください。

    (ファイルシステムのマージについては、手順 8 を参照してください。)

    1. 分割するファイルシステムを選択します。

      /usr/var/opt などのファイルシステムは、それらの親ディレクトリとの間で分割できます。


      注 –

      ブート環境用のファイルシステムを作成する場合の規則は、Solaris オペレーティング環境用のファイルシステムを作成する場合と同じです。Solaris Live Upgrade では、クリティカルファイルシステムに無効な構成を作成できてしまいます。たとえば、lucreate コマンドを入力してルート (/) と /kernel を別々のファイルシステム上に作成することができます。これは、ルート (/) にとって無効な分割です。


    2. F8 を押します。

    3. 新しいブート環境のファイルシステム名を入力します。例を示します。


      Enter the directory that will be a separate file system on the new boot environment:/opt
      

      新しいファイルシステムが検証されると、画面に新しい行が追加されます。

    4. F3 を押して「Configuration」メニューに戻ります。

      「Configuration」メニューが表示されます。

  8. (省略可能) マージを行うと、ファイルシステムは同じマウントポイントに配置されます。ファイルシステムをその親ディレクトリにマージするには、次の操作を行います。

    (ファイルシステムの分割については、手順 7 を参照してください。)

    1. マージするファイルシステムを選択します。

      /usr/var/opt などのファイルシステムをそれらの親ディレクトリにマージできます。

    2. F9 を押します。

      次の例のように、結合されるファイルシステムが表示されます。


      /opt will be merged into /. 
    3. Return キーを押します。

    4. F3 を押して「Configuration」メニューに戻ります。

      「Configuration」メニューが表示されます。

  9. (省略可能) スワップスライスを追加するか削除するかを決定します。

    • スワップスライスを分割して新しいスライスに配置したい場合は、手順 10 へ進んでください。

    • スワップスライスを削除したい場合は、手順 11 へ進んでください。

  10. (省略可能) スワップスライスを分割するには、次の操作を行います。

    1. 「Device」フィールドで、分割したいスワップスライスを選択します。

    2. F8 を押します。

    3. プロンプトで、次のように入力します。


      Enter the directory that will be a separate filesystem on the new BE:swap
      
    4. F2 (Choice) を押します。

      「Choice」メニューに、スワップに利用できるスライスが表示されます。

    5. スワップを配置するスライスを選択します。

      そのスライスが「Device」フィールドに表示され、スワップの新しいスライスとなります。

  11. (省略可能) スワップスライスを削除するには、次の操作を行います。

    1. 「Device」フィールドで、削除するスワップスライスを選択します。

    2. F9 を押します。

    3. プロンプトで、「y」を入力します。


      slice /dev/dsk/c0t4d0s0 will not be swap partition. 
      Please confirm? [y, n]:y
      

      このスワップスライスが削除されました。

  12. 今すぐにブート環境を作成するか、後で作成するようにスケジュールするかを決定します。

    • すぐに新しいブート環境を作成する場合は、F3 を押します。

      構成が保存され、構成画面が閉じます。このファイルシステムがコピーされ、ブート環境がブート可能になり、非アクティブブート環境が作成されます。

      ブート環境の作成には、システム構成に応じて、1 時間以上かかる場合があります。続いて、Solaris Live Upgrade メインメニューが表示されます。

    • 後で作成されるようにスケジュールする場合は、次の例に示すように「y」と入力し、続いて開始時刻と電子メールアドレスを入力します。


      Do you want to schedule the copy?y
      Enter the time in 'at' format to schedule create:8:15 PM
      Enter the address to which the copy log should be mailed:someone@anywhere.com

      処理の完了は、電子メールで通知されます。

      時間の書式については、at(1) のマニュアルページを参照してください。

      スケジュールできるのは一度に 1 つのジョブだけです。

    作成が完了すると、非アクティブブート環境をアップグレードできるようになります。