Solaris 8 オペレーティング環境には、Solaris 7 の Priority Paging 機能を包含する、ファイルシステムキャッシュ用の新しいアーキテクチャが導入されています。Solaris 8 オペレーティング環境では、システム変数 priority_paging を設定しないでください。Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする時に、システム変数 priority_paging を /etc/system から削除してください。
新しいキャッシュアーキテクチャでは、ファイルシステムの動作で発生する仮想メモリーシステムへの負荷の大部分が削減されます。これによって、メモリーページング統計のダイナミクスが変わり、システムメモリーの監視機能がより簡素化されます。ただし、従来とは大幅に異なる統計値が出される場合もあることを、メモリー動作を解析する時またはパフォーマンス監視のしきい値を設定する時には留意する必要があります。主な相違点は次のとおりです。
ページ要求の量が多くなります。負荷が大きいファイルシステム動作中には、通常の処理とみなす必要があります。
空きメモリーの量が多くなります。これは、ファイルシステムキャッシュの大規模コンポーネントも空きメモリー量として計算されるようになったためです。
システム全体で利用可能なメモリーが不足しない限り、走査率はほぼゼロになります。通常のファイルシステム入出力中に空きリストを置き換えることを目的として走査を行うことはなくなりました。