MU6 をバックアウトする前にシステムをシングルユーザーモードでリブートするのが最善の方法です。MU6 はシステムライブラリにパッチを適用します。マルチユーザーの状態で MU6 をインストールすると、すでにマップされているライブラリのセクションとマップされていないそのライブラリのセクション間に不一致が起こり、そのライブラリは不安定な状態になります。
シングルユーザーモードでは、ネットワークサービスは使用できません。MU6 イメージが CD 上ではなくネットワーク上にある場合、シングルユーザーモードでシステムをブートする前に MU6 イメージをネットワークからローカルシステムにコピーしなければなりません。
十分なローカルディスク容量がないため MU6 イメージをローカルにコピーできない場合や MU6 CD がないまたはつながっていない場合、あるいはシステムをシングルユーザーモードにできない場合には、マルチユーザーモードで NFS を使用して MU6 をインストールすることになります。この場合、システムをできるだけ静かな状態 (つまり、ユーザーがすべてログアウトし、実行されているジョブがない状態) にしておく必要があります。
MU6 が提供する backout_mu スクリプトを使用すると、MU 全体をバックアウトできます。
Solaris 8 MU6 をバックアウトするには、次の手順に従います。
重要なユーザープロセスまたはシステムプロセスが実行されていないことを確認します。
現在のセッションを終了します。
CDE ログイン画面が表示されます。
「オプション」ボタンをクリックして、「コマンド行ログイン」を選択します。
ログインプロンプトが表示されます。
ログイン名として root と入力し、root のパスワードを入力します。
login: root password: root password |
シングルユーザーモードでリブートします。root のシェルプロンプトで次のように実行します。
# reboot -- -s |
shutdown または init コマンドで実行レベルをマルチユーザーモードからシングルユーザーモードへ変更すると、vold プロセスが実行されたままになることがあります。この状態で MU6 CD をマウントしようとすると、問題が発生することがあります。
root のパスワードを入力します。
システムが次のメッセージを表示し、システム保守モードになっていることを確認します。
Entering System Maintenance Mode Sun Microsystems Inc. SunOS 5.8 Generic Feb 2000 # |
backout_mu コマンドを実行するメディアを確認します。
MU6 CD をマウントするには、CD をドライブに挿入し、root のシェルプロンプトで次のように実行します。
# mount -o ro -F hsfs /dev/dsk/c0t6d0s0 /cdrom |
CD-ROM ドライブが c0 以外のコントローラにあるか、t6 以外のターゲットにあることがあります。この場合は CD-ROM デバイスへのパスを変更する必要があります。CD-ROM ドライブのマウントについては、システム管理者に問い合わせてください。
backout_mu を実行します。
MU6 イメージのローカルコピーから実行するには、次のように入力します。
# cd local_directory # ./backout_mu options |
MU6 CD から実行するには、次のように入力します。
# cd /cdrom # ./backout_mu options |
オプション |
説明 |
---|---|
-q |
backout_mu 処理中を示すドット表示を無効にする |
-B backoutdir |
パッチのバックアウトに必要な情報が保存されている、代替ディレクトリを指定する |
バックアウトが完了すると、次のメッセージが表示されます。
backout_mu completed at date_time. |
このメッセージが表示された場合は、手順 10 に進んでバックアウトを完了します。
エラーが発生した場合は、第 5 章「エラーメッセージ」を参照してください。
次のように実行してシステムをリブートします。
# sync ; reboot |
ログインプロンプトが表示されます。
ライブラリの衝突を防ぐために、MU6 をバックアウトした後に必ずシステムをリブートしてください。
ログイン名とパスワードを入力します。
login: login password: password |