Solaris 8 のインストール (上級編)

CD メディアを使用してサブネット上にブートサーバーを作成する

ネットワーク上の任意のインストールサーバーから、ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールできます。DHCP 用の -d オプションを指定して add_install_client コマンドを使用する場合は、ブートサーバーを作成する必要がありません。DHCP は、インストールに必要なインストールパラメータを提供します。しかし、別のサブネット上のインストールサーバーを使用する必要があり、DHCP を使用しないシステムは、それ自体のサブネット上に個別のブートサーバーを持つ必要があります。ブートサーバーには、ネットワーク上でシステムをブートするために必要なブートソフトウェアが含まれています。一方、インストールサーバーは Solaris ソフトウェアのインストールを行います。

CD メディアを使用してサブネット上にブートサーバーを作成する方法


注 –

この手順では、システムでボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャなしでメディアを管理する方法の詳細は、http://docs.sun.com 上の Solaris 9 System Administration Collection に含まれている『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。Solaris 9 のリリース前には、Solaris 9 アーリーアクセスの『System Administration Guide: Basic Administration』を参照してください。Solaris 9 アーリーアクセスのマニュアルを参照する方法については、『Solaris 8 2/02 新規機能の概要』の「アーリーアクセス」をご覧ください。


  1. サブネット内でブートサーバーとして使用するシステムにログインし、スーパーユーザーになります。

    システムには、ローカル CD-ROM ドライブが付属しているか、あるいはリモートの Solaris 8 ディスクイメージに対するアクセス権がなければなりません。ネームサービスを使用する場合、システムのネームサービスは、NIS、NIS+、DNS、LDAP のいずれかでなければなりません。ネームサービスを使用しない場合は、サイトのポリシーに従ってシステムの情報を分散する必要があります。

  2. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD をドライブからマウントするか、NFS サーバーにあるイメージからマウントするかを決めます。

    • ドライブからディスクをマウントしたい場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を挿入します。

    • NFS サーバー上のイメージからディスクをマウントしたい場合は、以下の手順に従ってください。

      1. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージをマウントします。


        # mount -F nfs -o ro server_name:path /mnt
        

        server_name: path

        ディスクイメージのホスト名と絶対パスです。 

      2. マウントしたディスクイメージのディレクトリに移動します。


        # cd /mnt
        
  3. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージの Tools ディレクトリに移動します。


    # cd Solaris_8/Tools
    
  4. ブートソフトウェアをブートサーバーにコピーします。


    # ./setup_install_server -b boot_dir_path
    

    -b

    システムをブートサーバーとして設定することを指定します。 

    boot_dir_path

    ブートソフトウェアをコピーするディレクトリを指定します。 


    注 –

    setup_install_server コマンドは、イメージをコピーする十分なディスク容量があるかどうかを示します。利用できるディスク容量を調べるには、df -kl コマンドを使用します。


  5. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を取り出します。

  6. Solaris 8 INSTALLATION CD をシステムのドライブに挿入します。

  7. マウントされた CD の modify_install_server を含むディレクトリに移動します。

    SPARC CD メディアの場合:


    # cd /cdrom/cdrom0/s0
    

    IA CD メディアの場合:


    # cd /cdrom/cdrom0/s2
    
  8. modify_install_server コマンドを使用して、Solaris Web Start インタフェースソフトウェアをインストールサーバーにコピーします。


    # ./modify_install_server install_dir_path installer_miniroot_path
    

    install_dir_path

    Solaris Web Start インストールをコピーするディレクトリを指定します。 

    installer_miniroot_path

    Solaris Web Start インタフェースのコピー元となる CD 上のディレクトリを指定します。 

    以上の操作が終わると、ネットワーク上でインストールするためのシステム設定が行えるようになります。ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定を参照してください。


例 12–2 SPARC: SPARC CD メディアを使用してサブネット上にブートサーバーを作成する

次の例は、ブートサーバーをサブネット上に作成する方法を示したものです。次のコマンドを実行すると、ブートソフトウェアが Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージからシステムのローカルディスク (/export/install/boot) にコピーされます。また、インストールサーバーに Solaris Web Start インタフェースソフトウェアがコピーされます。


# mount -F nfs -o ro crystal:/export/install/boot /mnt
# cd /mnt
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_8/Tools
# ./setup_install_server -b /export/install/boot
# cd /cdrom/cdrom0/s0
# ./modify_install_server /export/install/boot /cdrom/cdrom0/s1 

この例では、各コマンドを実行する前に各ディスクがドライブに挿入され、自動的にマウントされるものとします。ディスクは、コマンドの実行後に取り出されます。



例 12–3 x86: IA CD メディアを使用してサブネット上にブートサーバーを作成する

次の例は、ブートサーバーをサブネット上に作成する方法を示したものです。次のコマンドを実行すると、ブートソフトウェアが Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージからシステムのローカルディスク (/export/install/boot) にコピーされます。また、インストールサーバーに対して Solaris Web Start インタフェースソフトウェアのコピーも行われます。


# mount -F nfs -o ro crystal:/export/install/boot /mnt
# cd /mnt
# cd /cdrom/cdrom0/s2/Solaris_8/Tools
# ./setup_install_server -b /export/install/boot
# cd /cdrom/cdrom0/s2
# ./modify_install_server /export/install/boot /cdrom/cdrom0/s0 

この例では、各コマンドを実行する前に各ディスクがドライブに挿入され、自動的にマウントされるものとします。ディスクは、コマンドの実行後に取り出されます。