Solaris 8 のインストール (上級編)

第 12 章 ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールするための準備 (CD メディアを使用)

この章では、ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールする準備として CD メディアを使用してネットワークとシステムを設定する方法を説明します。ネットワークインストールを使用すれば、Solaris 8 ディスク イメージにアクセスできるシステム (インストールサーバーと呼びます) から、ネットワーク上のほかのシステムに Solaris ソフトウェアをインストールすることができます。ユーザーは、まず CD メディアの内容をインストールサーバーのハードディスクにコピーする必要があります。これで、任意の Solaris インストール方法を使用して Solaris ソフトウェアをネットワーク上でインストールできます。この章の内容は次のとおりです。

作業マップ: ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールする準備

表 12–1 ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールする準備 (作業マップ)

作業 

説明 

参照先 

インストールサーバーを作成する 

setup_install_server(1M) コマンドを使用して Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーします。

次に、add_to_install_server(1M) コマンドを使用して Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD と Solaris 8 LANGUAGES CD をインストールサーバーのハードディスクに追加します。

さらに、modify_install_server(1M) コマンドを使用してネットワークインストールイメージに Solaris Web Start ユーザーインタフェースソフトウェアを追加します。

CD メディアによる SPARC インストールサーバーの作成

(省略可能) ブートサーバーを作成する 

インストールサーバーと異なるサブネット上にあるシステムをネットワーク上でインストールする場合で、DHCP を使用しないときは、システムをブートするためのブートサーバーをサブネット上に作成する必要があります。 

CD メディアを使用してサブネット上にブートサーバーを作成する

ネットワーク上でインストールするためのシステムを設定する 

ネットワーク上で Solaris 8 ソフトウェアがインストールできるように個々のシステムを設定します。インストールする各システムは、インストールサーバー、ブートサーバー、構成情報が配置されているネットワーク上の位置を認識する必要があります。 

ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定

CD メディアによる SPARC インストールサーバーの作成

ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールするためには、インストールサーバーを作成する必要があります。インストールする予定のシステムがインストールサーバーと同じサブネット上に存在しておらず、DHCP を使用しない場合は、以下の作業のどちらかを実施する必要があります。

CD メディアを使用してインストールサーバーを作成する方法


SPARC のみ –

SunOS 4.1.x システムは、インストールサーバーとしては使用できません。



注 –

この手順では、システムでボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャなしでメディアを管理する方法の詳細は、http://docs.sun.com 上の Solaris 9 System Administration Collection に含まれている『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。Solaris 9 のリリース前には、Solaris 9 アーリーアクセスの『System Administration Guide: Basic Administration』を参照してください。Solaris 9 アーリーアクセスのマニュアルを参照する方法については、『Solaris 8 2/02 新規機能の概要』の「アーリーアクセス」をご覧ください。


  1. インストールサーバーとして使用するシステムでスーパーユーザーになります。このシステムには CD-ROM ドライブが必要です。

    さらに、システムは、このサイトのネットワークに接続されネームサービスに登録されている必要があります。ネームサービスを使用する場合、システムのネームサービスは、NIS、NIS+、DNS、LDAP のいずれかでなければなりません。ネームサービスを使用しない場合は、サイトのポリシーに従ってシステムの情報を分散する必要があります。

  2. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD をシステムのドライブに挿入します。

  3. ブートイメージ用のディレクトリを作成します。


    # mkdir -p install_dir_path
    

    install_dir_path

    CD イメージをコピーするディレクトリを指定します。 

  4. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD および Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーするかどうかを決めます。

    • コピーする場合は、このまま継続します。

    • コピーしない場合は、手順 19 へ進みます。

  5. マウントされたディスクの Tools ディレクトリへ移動します。

    • SPARC 版 CD の場合


      # cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_8/Tools
      
    • Intel 版 CD の場合


      # cd /cdrom/cdrom0/s2/Solaris_8/Tools
      
  6. setup_install_server コマンドを使用して、ドライブ内のディスクをインストールサーバーのハードディスクにコピーします。


    # ./setup_install_server install_dir_path
    

    install_dir_path

    CD イメージをコピーするディレクトリを指定します。 


    注 –

    setup_install_server コマンドは、Solaris 8 ソフトウェアのディスクイメージをコピーする十分なディスク容量があるかどうかを示します。利用できるディスク容量を調べるには、df -kl コマンドを使用します。


  7. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を取り出します。

  8. Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。

  9. マウントされた CD の Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_8/Tools
    
  10. add_to_install_server コマンドを使用して、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクに追加します。


    # ./add_to_install_server install_dir_path
    

    install_dir_path

    CD イメージをコピーするディレクトリを指定します。 

  11. Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD を取り出します。

  12. Solaris 8 LANGUAGES CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。

  13. マウントされた CD の Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/cdrom0/Tools
    
  14. add_to_install_server コマンドを使用して、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクに追加します。


    # ./add_to_install_server install_dir_path
    

    install_dir_path

    CD イメージをコピーするディレクトリを指定します。 

  15. ユーザーが Solaris Web Start を使用してシステムをブートし、ネットワーク上で Solaris 8 ソフトウェアをインストールできるように

    • しない場合は、Solaris 8 LANGUAGES CD を取り出して手順 19 へ進みます。

    • する場合は、Solaris 8 LANGUAGES CD を取り出して継続します。

  16. Solaris 8 INSTALLATION CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。

  17. マウントされた CD の modify_install_server を含むディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/cdrom0/s0
    
  18. modify_install_server コマンドを使用して、Solaris Web Start インタフェースソフトウェアをインストールサーバーに追加します。


    # ./modify_install_server -p install_dir_path installer_miniroot_path
    

    -p

    既存イメージのミニルートを install_dir_path/Solaris_8/Tools/Boot.orig に保存します。

    install_dir_path

    Solaris Web Start インタフェースをコピーするディレクトリを指定します。 

    installer_miniroot_path

    Solaris Web Start インタフェースのコピー元になる CD 上のディレクトリを指定します。 

  19. setup_install_server によって作成されたネットインストールイメージ上のミニルート (Solaris_8/Tools/Boot) にあるファイルにパッチを

    • 適用しない場合は、このまま継続します。

    • 適用する場合は、patchadd -C コマンドを使用して、ミニルートにあるファイルにパッチを適用します。

  20. ブートサーバーを作成する必要があるかどうかを判断します。


例 12–1 SPARC: SPARC CD メディアを使用して SPARC インストールサーバーを作成する

次の例は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC)、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD (SPARC)、Solaris 8 LANGUAGES CD (SPARC)、および Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD (SPARC) をインストールサーバーの /export/install ディレクトリにコピーしてインストールサーバーを作成する方法を示しています。


# mkdir -p /export/install
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_8/Tools
# ./setup_install_server /export/install
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_8/Tools
# ./add_to_install_server /export/install
# cd /cdrom/cdrom0/Tools
# ./add_to_install_server /export/install
# cd /cdrom/cdrom0/s0
# ./modify_install_server /export/install /cdrom/cdrom0/s2

この例では、各コマンドを実行する前に各 CD がドライブに挿入され、自動的にマウントされるものとします。各コマンドを実行すると、CD が取り出されます。


CD メディアを使用してサブネット上にブートサーバーを作成する

ネットワーク上の任意のインストールサーバーから、ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールできます。DHCP 用の -d オプションを指定して add_install_client コマンドを使用する場合は、ブートサーバーを作成する必要がありません。DHCP は、インストールに必要なインストールパラメータを提供します。しかし、別のサブネット上のインストールサーバーを使用する必要があり、DHCP を使用しないシステムは、それ自体のサブネット上に個別のブートサーバーを持つ必要があります。ブートサーバーには、ネットワーク上でシステムをブートするために必要なブートソフトウェアが含まれています。一方、インストールサーバーは Solaris ソフトウェアのインストールを行います。

CD メディアを使用してサブネット上にブートサーバーを作成する方法


注 –

この手順では、システムでボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャなしでメディアを管理する方法の詳細は、http://docs.sun.com 上の Solaris 9 System Administration Collection に含まれている『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。Solaris 9 のリリース前には、Solaris 9 アーリーアクセスの『System Administration Guide: Basic Administration』を参照してください。Solaris 9 アーリーアクセスのマニュアルを参照する方法については、『Solaris 8 2/02 新規機能の概要』の「アーリーアクセス」をご覧ください。


  1. サブネット内でブートサーバーとして使用するシステムにログインし、スーパーユーザーになります。

    システムには、ローカル CD-ROM ドライブが付属しているか、あるいはリモートの Solaris 8 ディスクイメージに対するアクセス権がなければなりません。ネームサービスを使用する場合、システムのネームサービスは、NIS、NIS+、DNS、LDAP のいずれかでなければなりません。ネームサービスを使用しない場合は、サイトのポリシーに従ってシステムの情報を分散する必要があります。

  2. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD をドライブからマウントするか、NFS サーバーにあるイメージからマウントするかを決めます。

    • ドライブからディスクをマウントしたい場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を挿入します。

    • NFS サーバー上のイメージからディスクをマウントしたい場合は、以下の手順に従ってください。

      1. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージをマウントします。


        # mount -F nfs -o ro server_name:path /mnt
        

        server_name: path

        ディスクイメージのホスト名と絶対パスです。 

      2. マウントしたディスクイメージのディレクトリに移動します。


        # cd /mnt
        
  3. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージの Tools ディレクトリに移動します。


    # cd Solaris_8/Tools
    
  4. ブートソフトウェアをブートサーバーにコピーします。


    # ./setup_install_server -b boot_dir_path
    

    -b

    システムをブートサーバーとして設定することを指定します。 

    boot_dir_path

    ブートソフトウェアをコピーするディレクトリを指定します。 


    注 –

    setup_install_server コマンドは、イメージをコピーする十分なディスク容量があるかどうかを示します。利用できるディスク容量を調べるには、df -kl コマンドを使用します。


  5. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を取り出します。

  6. Solaris 8 INSTALLATION CD をシステムのドライブに挿入します。

  7. マウントされた CD の modify_install_server を含むディレクトリに移動します。

    SPARC CD メディアの場合:


    # cd /cdrom/cdrom0/s0
    

    IA CD メディアの場合:


    # cd /cdrom/cdrom0/s2
    
  8. modify_install_server コマンドを使用して、Solaris Web Start インタフェースソフトウェアをインストールサーバーにコピーします。


    # ./modify_install_server install_dir_path installer_miniroot_path
    

    install_dir_path

    Solaris Web Start インストールをコピーするディレクトリを指定します。 

    installer_miniroot_path

    Solaris Web Start インタフェースのコピー元となる CD 上のディレクトリを指定します。 

    以上の操作が終わると、ネットワーク上でインストールするためのシステム設定が行えるようになります。ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定を参照してください。


例 12–2 SPARC: SPARC CD メディアを使用してサブネット上にブートサーバーを作成する

次の例は、ブートサーバーをサブネット上に作成する方法を示したものです。次のコマンドを実行すると、ブートソフトウェアが Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージからシステムのローカルディスク (/export/install/boot) にコピーされます。また、インストールサーバーに Solaris Web Start インタフェースソフトウェアがコピーされます。


# mount -F nfs -o ro crystal:/export/install/boot /mnt
# cd /mnt
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_8/Tools
# ./setup_install_server -b /export/install/boot
# cd /cdrom/cdrom0/s0
# ./modify_install_server /export/install/boot /cdrom/cdrom0/s1 

この例では、各コマンドを実行する前に各ディスクがドライブに挿入され、自動的にマウントされるものとします。ディスクは、コマンドの実行後に取り出されます。



例 12–3 x86: IA CD メディアを使用してサブネット上にブートサーバーを作成する

次の例は、ブートサーバーをサブネット上に作成する方法を示したものです。次のコマンドを実行すると、ブートソフトウェアが Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージからシステムのローカルディスク (/export/install/boot) にコピーされます。また、インストールサーバーに対して Solaris Web Start インタフェースソフトウェアのコピーも行われます。


# mount -F nfs -o ro crystal:/export/install/boot /mnt
# cd /mnt
# cd /cdrom/cdrom0/s2/Solaris_8/Tools
# ./setup_install_server -b /export/install/boot
# cd /cdrom/cdrom0/s2
# ./modify_install_server /export/install/boot /cdrom/cdrom0/s0 

この例では、各コマンドを実行する前に各ディスクがドライブに挿入され、自動的にマウントされるものとします。ディスクは、コマンドの実行後に取り出されます。


ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定

インストールサーバーとブートサーバー (必要な場合) を作成したら、ネットワーク上でインストールするために各システムを設定する必要があります。インストールするシステムが、次の情報にアクセスできなければなりません。

ネットワークを使用してインストールする場合、システムはこの情報を /etc ファイルの bootparams データベース、NIS、NIS+、DNS、または LDAP のネームサービスから取得します。したがって、ネットワークからインストールされる各システムのネームサービスにこの情報を追加しておく必要があります。この情報を追加するには、add_install_client コマンドを使用します。


注 –

/etc ファイルを使用してネットワークインストール情報を保存する場合、その情報はインストールサーバーまたはブートサーバー (ブートサーバーが必要な場合) 上に存在する必要があります。


add_install_client を使用してネットワーク上でインストールするためにシステムを設定する

ネットワーク上でインストールするシステムを設定するには、add_install_client(1M) コマンドを使用します。ブートサーバーが必要な場合、このコマンドをインストールサーバーとブートサーバーで実行する必要があります。


注 –

add_install_client コマンドは /etc ファイルだけを更新します。


この手順では、install server はインストールサーバー、boot server はブートサーバーを表します。

  1. インストールサーバーで、スーパーユーザーになります。

  2. NIS または NIS+ ネームサービスを使用する場合は、インストールされるシステムに関して次の情報が /etc ファイル内のネームサービスに追加されていることを確認します。

    • ホスト名

    • IP アドレス

    • Ethernet アドレス

  3. インストールサーバー上の Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージの Tools ディレクトリに移動します。


    install server# cd Solaris_8/Tools
    
  4. add_install_client コマンドを使用して、ネットワーク上でインストールされるシステムを設定します。


    install server# ./add_install_client [[-d]] [[-c server:jumpstart_dir_path]] \
     [[-p server:path]] client_name platform_group 
    

    -d

    ネットワークインストールパラメータを取得するためにクライアントが DHCP を使用することを指定します。 

    IA クライアントの場合、PXE ネットワークブートを使用してネットワークからシステムをブートするためにこのオプションを指定してください。 

    -c server:jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart インストールの JumpStart ディレクトリを指定します。server には JumpStart ディレクトリがあるサーバーのホスト名を、jumpstart_dir_path には JumpStart ディレクトリの絶対パスをそれぞれ指定します。

    -p server:path

    システムの構成情報を事前設定するための sysidcfg ファイルを指定します。server は、このファイルを含んでいるサーバーの有効なホスト名または IP アドレスです。path は、sysidcfg ファイルの絶対パスです。

    client_name

    ネットワーク上でインストールされるシステムのホスト名 (インストールサーバーのホスト名ではない)。このコマンドが機能するためには、クライアントがネームサービスに登録されている必要があります。 

    platform_group

    インストールするシステムのプラットフォームグループ。プラットフォームグループの詳細は、第 37 章「プラットフォーム名とグループ」を参照してください。

  5. ブートサーバー上でコマンドを実行する必要があるかどうかを決定します。

    • 不要であれば、この作業はここで終了します。

    • 必要であれば、このまま継続します。

  6. ブートサーバー上で、スーパーユーザーになります。

  7. ブートサーバーのブートディレクトリで、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージ上の Tools ディレクトリに移動します。


    Boot server# cd Solaris_8/Tools
    
  8. add_install_client コマンドを使用して、ブートサーバーからの起動とネットワーク上でのインストールが行われるようにシステムを設定します。


    boot server# ./add_install_client [[-d]] [[-c server:jumpstart_dir_path]] / 
    -s install_server:install_dir_path [[-p server:path]] client_name platform_group 
    

    -d

    クライアントが DHCP を使用してネットワークインストールパラメータを取得することを指定します。 

    IA クライアントの場合、PXE ネットワークブートを使用してネットワークからシステムをブートするためにこのオプションを指定してください。 

    -c server:jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart インストールの JumpStart ディレクトリを指定します。server には JumpStart ディレクトリがあるサーバーのホスト名を、jumpstart_dir_path には JumpStart ディレクトリの絶対パスをそれぞれ指定します。

    -s install_server:install_dir_path

    インストールサーバーを指定する。このオプションは、add_install_client をブートサーバーで使用するときだけ必要となります。

    install_server は、インストールサーバーのホスト名です。install_dir_path は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージの絶対パス名です。

    -p server:path

    システムの構成情報を事前設定するための sysidcfg ファイルを指定します。server は、このファイルを含んでいるサーバーの有効なホスト名または IP アドレスです。path は、sysidcfg ファイルの絶対パスです。

    client_name

    ネットワーク上でインストールされるシステムの名前 (インストールサーバーのホスト名ではない)。このコマンドが機能するためには、クライアントがネームサービスに登録されている必要があります。 

    platform_group

    インストールするシステムのプラットフォームグループ。プラットフォームグループの詳細は、第 37 章「プラットフォーム名とグループ」を参照してください。


例 12–4 SPARC: add_install_client を使用してネットワーク上でインストールするために SPARC システムを追加する

次に、ネットワークでインストールされるように basil ( UltraTM 5) という名前のシステムを追加する例を示します。システムはブートサーバーを必要とするため、コマンドはインストールサーバーで実行され、ブートサーバーで再び実行されます。-s オプションを使用して、install_server1 という名前のインストールサーバー (export/home/s8cdsparcl に Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージを持っている) を指定しています。


install server# cd /export/install/boot/Solaris_8/Tools
install server# ./add_install_client basil sun4u
boot server# cd /export/install/boot/Solaris_8/Tools
boot server# ./add_install_client -s install_server1:/export/home/s8cdsparc basil sun4u


例 12–5 x86: ネットワーク上でインストールするように IA システムを設定する (add_install_client を使用)

次に、DHCP プロトコルを使用してネットワーク上でブートとインストールが行われるように IA システムを設定する方法を示します。-d オプションは、クライアントが構成のために DHCP プロトコルを使用することを指定します。PXE ネットワークブートを使用する場合は、DHCP プロトコルを使用する必要があります。DHCP クラス名 SUNW.i86pc は、単一のクライアントだけでなくすべての Solaris IA ネットワークブートクライアントにこのコマンドが適用されることを示します。-s オプションは、クライアントが install_server1 という名前のインストールサーバー (/export/home/s8cdia に Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 (Intel) CD イメージが入っている) からインストールされることを示すために使用されます。


install server# cd /export/boot/Solaris_8/Tools
install server# ./add_install_client -d -s install_server1:/export/home/s8cdia SUNW.\ >>
i86pc i86pc